Doekuramori 2020/01/25 21:45

Relicsというゲームの話

原作を一切読まずに脳内のイメージだけで映画化してしまうような映画監督がいるように、直接触れることができないゆえに掻き立てられる想像力というものもあるもので。
MS-DOS~Win10といったハードのゲームばかり触ってきた自分にとって任天堂や3DO、macやAMIGAのゲームが時折ひどくエキゾチックで魅力的なものとして映ることがあるのです。
PC-88のRELICS(Bothtec制作)というゲームは自分の中でそういうゲームの一つなのです。
※GOGの日本版とも言うべきproject EGGというサイトで買えるはず。

RELICSはリリース当時の基準でもひどく不親切なゲームでした。世界観に物語、果ては操作方法すら説明してもらえない。スピリットライドという割と特殊なシステムがゲームの根幹にあるにもかかわらず!
主人公は霊魂(↓コレ)。波がザーンザーンとずっと鳴り続ける緑色の神殿のなかにいきなり放り出される。


浮遊する暗黒霊体ワカメ

主人公の霊魂を操って神殿の中を闊歩する兵士やモンスターに憑依したり乗り換えたりしながら神殿を探索していく変則的なメトロイドクローンとも言うべきゲームがRELICSです。
正直言って、説明してしまえば全然大したことないありきたりなシステム、ありきたりな世界観、ありきたりな物語。
当時のPCは特にグラフィック性能が家庭用ゲーム機と比較して低く、世界観も物語も説明する余裕がなかった。それがあたかもRELICSというゲームが遠大な世界観、深遠な物語を秘めていると勘違いさせるのに役立った。
じっさい表現力が格段に向上したリメイク作ではわかりやすくなった一方で謎めいた世界感が大きく損なわれたように思います。


リメイク版”the Recur of Origin”完全にDiabloやんけ!!

というわけでこのRelicsというハッタリゲーから面白い世界観、物語を思いつかないのならいっそなんにも語らず遊び手に勝手に世界を脳内で作ってもらったほうが楽しいのではないか?という知見を得たのです。
東方とか物語や世界観に空白が多いからこそ二次創作が流行ったんだと思います。というかしっかりした物語・世界観説明がなされてる作品ってもうプレイヤー側が介入できる余地が殆どないよねって。
citadelにも物語は不要ではないか?(造り手の頭の中にはふんわり存在してはいるけれど)というコンセプトを割と大事にしています。
ダイアログも限定的に導入してるけど、「武器買う?」くらいで十分だと思ってます。
元idのジョン・カーマックも言ってるしね。
「ゲームのストーリーはエロ作品のストーリーみたいなもん。あったほうがいいけど、重要じゃない。大字なのは雰囲気と態度だ。」って。

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