【研究】『溶鉄のマルフーシャ』
ゲームジャンル
自機操作タワーディフェンス+ランダム強化
クリア条件は規定フェイズクリア(ゲーム内では日数と定義)
自機は毎日三つ選べるランダム要素で強化できる。種類は
・イベント扱いカード
・仲間カード(同時に一人まで保持可能、二人目を選ぶと一人目は解雇)
・自機強化カード(+1、+2、+3まである)
それぞれに購入コストがあり、購入コストは給与として毎フェイズクリアごとに獲得できる。
自機の攻撃手段は基本的に射撃攻撃、現実に存在する銃器が使われている。銃器ごとに最大保持弾丸数、射撃速度、同時射撃弾数とかが違う。
気になった問題点
- 銃の性能差が如実(強武器以外選ぶ意味が薄い)
自機が強化できる関係上、銃の性能差が後半無意味になる。それがゆえに、弱い銃はそもそも装備していること自体がハンデになるのでそもそも買う価値のない装備が発生してしまっている。
強武器=ショットガン、サブマシンガン
普通 =アサルトライフル
弱武器=それ以外(特にスナイパーは装備したら極端に弱いし、機関銃もかなり弱い)
何故弱武器が弱いかというと、DPS(ダメージパーセカンド=1秒間に発生させるダメージ量)が低いからである。しかも貫通しない。このゲームのフェイズは敵の物量で難易度を調整している節があるので、一度に射撃できる弾丸数が少ないことは敵の数に圧されることに直結する。
なので、スナイパーは持ってるだけでハンデとなる。機関銃も200発ぐらい弾が所持できるけど、発射間隔がかなり長いのでダメージが稼げない。だから敵を減らせずに圧されてしまう。これらの問題は銃自体の性能なので、自機を強化しても銃の性能のせいで自機の性能を発揮できなくなる。武器自体が足かせになってしまっている。
ショットガンは低レアだと弱いが、上レアになると火力が高く扇状に発射するから殲滅力が跳ね上がる。弱点が一部のボス戦でちょい使いにくいぐらいである。サブマシンガンは自機強化の恩恵を強く受ける武器。装弾数が少ないとか火力が低いとか頻繁にリロードが必要とか全部自機強化で無い物レベルまで解決できる。だから、この二つ以外の武器の存在価値がはっきり言って無いレベル。この二つが引けない時ぐらいに代替え品としてアサルトライフル使うぐらいである。
攻撃手段を射撃に限っているからこそ、銃の性能というかバリエーションみたいなのの振れ幅が少ない。どうしても銃という定義に縛られてしまう。そこに自由度をつぶされてしまっているのがこのゲームの問題点だろう。
- 解決策を考えてみる
やはり、武器を種類分けして固定するのはゲームとして苦しい。まあ、このゲームは武器の種類だけ仲間キャラクターがいて、それらを雇用していた場合の固有イベントやら固有エンド分岐があるのでその兼ね合いもあるのだろうけど。
ゲームとしての解決策としては、やはり武器自体は自機で固定して。武器の性能を毎日ランダムで強化していけるタイプにするのが手っ取り早いだろう。どんな感じかというと、はっきり言えば【ヴァンパイアサバイバー系】にすること。銃器系でそのシステムにした派生先のゲームは既に世の中に出ている。
20 Minutes Till Dawn
このゲームは各キャラに固有の武装があって、その武装に特殊効果を付与したり武器を増やしたりしてバリエーションを付けている。でも、この形式だとレベルデザインが大変だからこれはこれで難しいものがあるかもしれない。
マルフーシャは攻略方法こそ固定化されてしまう拡張性の無いゲーム性になってしまっているが。でも、ゲームとしてそつなくまとまっていると言えるだろう。無理なことをせず、小さくまとめてゲームとしての体をなしている。無難なゲームだ。
面白くないわけではないが、単調なゲームではある。各仲間キャラの個別エンドをちまちま回収するために時折触ってはいるが……正直、楽しかったのは初めの数回なので。エンドを見るために心を無にしてプレイするのは作業であり修行僧の気分。
面白くないわけではないが、面白くはないゲームだった。世界観は好き。仲間キャラをレベル上げるとちょっとしたアニメーションするのが可愛いし。それぞれのキャラも描写が少ないながらキャラが立っている。世界観で買う価値を生み出しているし、それで俺も買った。
面白いゲームというのは、作るのがとても難しいようだ……。