steamのサマーセールがやってきた。毎年あるとは聞いていたけど、なんとなくスルーしていたのだけれど。今年は欲しいゲーム買っとくか、ということで色々買っておいた。だいたいのゲームはゲーム実況というか解説チャンネルみたいなので取り扱われてるのを流し見して面白そうだと思ったやつ。
現代はもう、自分でゲームを探すのは難しい。カタログを読んで商品を探すように、深夜の通販番組を見て商品を眺めるように。知ってる人が紹介してるのを見て買うのが手っ取り早い。動画投稿の功罪あろうか。
ただ、しょっぱなから重たいのを紹介するといきなり大ダメージを振りまいてしまうかもしれないので。普通のゲームから順番に紹介しよう。あ、『メイドインアビス』のゲームが60%OFFになってたけど、それでもちょっと高いなあと尻込みしちゃったので買わなかった。作った人たちには申し訳ないが……そこまで欲しいわけでもないようだ。俺は。気になるけど。
Farm Keeper
毎日既定のスタミナみたいなのを使ってゴールドを発生させ、三日ごとぐらいにくる家賃を払い続けるゲーム。元々は『幸福の大家様』……だっけ。なんかルーレットでお金発生させて家賃払うゲームの動画見てた時にその動画の人が紹介してて気になったから買ってみたやつ。
一日のサイクルが短いから無心で没頭できるし、コンボを考えるのが楽しい。施設を増やすんじゃなくてとにかく陸地を増やすマスを取るのが強いとか、石やら木があるマスを取ってそれを収穫してさらに農地にするといいとか。気づきが収入の増加につながって楽しい。
ただ、俺みたいなワンミスでその回のゲームプレイのやる気が全部消し飛ぶような潔癖完璧主義者には。その日の行動をリセットするボタンとか付けて欲しかったと思う。スタミナ配分間違って収穫ができなくなった、とかになると一気に萎える。それで雑になって失敗になる。ゲームなんだからやり直しぐらいは何回だってしてもいいじゃん派な俺には、ミスが許されないゲーム性って息苦しい。最初からやり直し、じゃなくてちょっと前部分からやり直しぐらいは別に良くない? そこを厳しくしてゲームって楽しくなる? ゲームって楽しく遊ぶものでしょ? ルールをガチガチにして楽しさを無くすのはどうなのかね、って思う。
それ以外は楽しかった。まあ、その一点が俺にとっては致命的なので飽きちゃったけどね。そこが改善されるなら普通にもっと遊んだと思う。
溶鉄のマルフーシャ
ゲーム性は全然違うけど、仕組みとしては『Papers, Please』みたいな感じ。タワーディフェンスでなんかよく分からん機械兵器が攻めてくるのを防衛しつつ、勤務した給金で装備を買って毎日を生き延びていく。なんともガンスリンガーガールみたいな感じ。
これもプレイ動画を見かけて買ったんだけど。単純に俺は動画でネタバレとか全部のエンディングとか粗方見ちゃうんだよね。それで買う。それは、ゲーム性が気になるというのもさることながら。【動画にされてない部分の世界観、空気】を感じたいからなんだよね。面白い物語ってね。読む前にオチを知ってしまっても、面白いもんなんだよ。目減りしたり色褪せたりしない。だって、面白いんだから。書くにしてもそういう物語を書きたいよね。
だから俺は、気になった作品って大体オチまで調べたりして、それでもなお欲しくなったら買うし。同人誌とか買っても、一番最後のページからまず読んだりするんだよね。あー、そういうオチね。ここにどう繋げるのかな、みたいな感じで読む。まあ、一般的ではないだろうね。
話が逸れた。で、このゲーム……あ、ネタバレが嫌な人はそもそもこの記事自体読まない方が良いね。初回だから改行入れとくか。
このゲームの敵はどうやら生き物を生体部品にして動いてて、たぶん主人公たちを鹵獲して機械に脳みそなりなんなり入れちゃってるっぽいんだよね。そういうのって面白いじゃん。そんな世界観でこの子たちがどんな会話をして何を考えて生きてるのか。日々増える税金はどんな感じなのか。敵の攻勢はどれだけ激しくなっていくのか……ゲームという形式で作られた物語が何を感じさせてくれるのか。気になるじゃん。
まだやってないけど、だから買ってみた。
SOMA
ジャンルとしては一人称視点の探索アドベンチャー。外国ではよく見るタイプだよね。このゲームは日本語のローカライズが無いから英語のみなので。買ったものの、やるのはいつになるか分からない。
このゲームのテーマは【同一性】……っていうのかな。スワンプマンの話を知ってる人なら分かるんだけど。自分の脳データをすべて機械に複製して動作させた時、複製元の自分と自分の記憶やらすべてを複製したデータを持っている機械。ようするに、同じ記憶を持った存在が二人出現するわけで。そうなると、はたしてどっちが本物の自分なのか。相手は自分ということになるのか。もしも自分も、複製されたデータだったなら。増えた第二第三の自分ははたして自分なのか。そういうことに切り込んだ物語らしいね。
主人公は謎の海底基地で目覚める。探索を続けていくと、自分を人間だと思っている機械たちと出会う。そして自分の秘密に近づいていき、その施設の秘密にも近づいていく……そしてどうなるか。まあ、俺はオチまでもう動画で調べたんだけどね。
でも、動画だって全部の内容を入れてあるわけじゃない。どんなロボットたちが出てきて、どんなエピソードがあるのか。バイオみたいな感じで手帳やらレポートが転がってるはずだし、その内容はどんな感じか。動画をみるだけじゃあ世界観に浸れない。読むなら、買って遊ばなきゃ。
ということで買った。
The Cat Lady
これも日本語版が無い。
主人公はスーザンという中年女性。冒頭で睡眠薬での自殺を試みるも、謎の現象によって五体満足で甦る。死んだら生き返るスーザンはそれに勝るとも劣らない不思議な出来事に巻き込まれていく。……いや、不思議ではないか。猟奇的ではあるけど。
動画で知って、途中で出てくるミッチーというルームシェア相手とのやり取りが面白くてやりたくなった。七章構成で毎章殺人鬼が出てくるんだけど、そこのサスペンス感も良い。というか、本当に最終章がいいね。ヒューマンのドラマ、って感じで。
でも、本当に猟奇的でセンシティブな部分もあるので(エロではない)。ショッキングなの苦手な人は要注意。
2DARK
これはちょっと画像を出すのも憚られる作品。悪いわけじゃないけど、猟奇的すぎてね。
主人公のスミスは七年前、キャンプ中に妻を殺され子ども二人が誘拐された。走り去る車の後部座席で泣き叫ぶ娘と息子の姿は彼の網膜に焼き付いて今も消えない。彼の子どもは彼の目の前で連れ去らわれてしまった。
彼は今も子供たちを攫った犯人を捜し続けている。そしてようやく、手がかりをつかんだのだ……。
ということで、町で子どもが行方不明になる事件が多発してるから、主人公スミスを操作してその事件を捜査していく見下ろし方2Dアクションアドベンチャー。父親の執念、という感じでスミスも鬼気迫る感じではあるが。敵であるサイコパス達が本当にえぐい。子どもを使って思いつく猟奇的な出来事をほぼ網羅してるんじゃないかってぐらいのバリエーションがあるし、それぞれのサイコパスたちも特徴が強い。スミスの物語も気になるし、どんなサイコパスがいるのかとか子どもたちがどんな目に遭っているのかとか。興味が尽きない。
でもまあ、このゲームは本当に猟奇的。人を選ぶ。俺は好き。もちろんオチまで調べてあるし、オチが好きだからこそ買った。世の中、白黒つけることがハッピーにつながるとは限らんのだ。