装光妖精ソルライト13話
「あ……あぁ……ぁ」
「うぁ……ぁ」
全身を触手で蹂躙されたソルライトとルクスルナの意識はすでに飛ばされ、残された体は不規則に痙攣する。
口からは意味を持たないうめき声が漏れるのみ。
「あちゃー、やりすぎちゃったかねー」
自分が蹂躙した無残な敗北妖精の姿をみながらどこか他人事のようにシャドウは頬を掻いた。
「計画は失敗かね、あたしも”運命”ってやつを受け入れるしかないのかねー」
シャドウはしばし思案にふける表情を浮かべた後、2人の装光妖精に向けて手をかざした。
「ばいばい」
「させません!」
ヒュンッ、と風を切る音がした。
「弓?」
シャドウが声の主を見る。
その姿は巫女服のようなコスチュームをしていて、髪は金のセミロング、容姿はソルライトたちより一回り幼かった。
「君は?」
「装光妖精、スターブライトです!」
シャドウの問いに対し、スターブライトと名乗った装光妖精の少女は、光の弓を放ち、シャドウをけん制する。
「ふーん」
シャドウは特に動揺する様子もなく、スターブライトを観察していた。
一方のスターブライトの表情にはシャドウという強敵を相手にしているからか、緊張が走っている。
しばらくの沈黙を破ったのはスターブライトの方だった。
「はっ!」
光の弓を放つ。
そのシンプルな動作はしかし、シャドウにではなく、未だ触手に犯され続けるソルライトとルクスルナに向けられた。
「お!?」
この行動にはさすがのシャドウも驚きの表情を浮かべる。
そしてすぐに、その真意と効果は表れた。
ソルライトとルクスルナの胸に刺さった光の矢は激しい輝きを放ち、2人を包み込む。
そしてその輝きは2人にまとわりついていた触手を消滅させていた。
「う……うう……」
「うあ……?」
同時に体力も気力も根こそぎ奪われていたはずの2人は意識を取り戻していた。
「よかった、2人とも、治って……」
「すごーい! そんなことできちゃうんだ」
「だ、だれ!?」
回復したソルライトとルクスルナを見て安堵を浮かべていたスターブライトの後ろからかかる声。
「あれ、リリィ。来てたんだ」
「やっほー、シャドウちゃん」
「気が変わった。後は好きにしていいよ」
「えー、つれないなー」
「じゃあね」
友人のような会話の後シャドウはその場から消え、後にはリリィと装光妖精たちだけが残った。
そしてすぐさまリリィは行動に移る。
「えい!」
「うぁ!」
スターブライトの手首を掴み、動きを封じるリリィ。
その力は見た目に反して強く、スターブライトは抵抗を試みるもののわずかにぷるぷると腕が震えるのみにとどまった。
「凛々しいお顔もいいけど、えっちな顔わたしに見せて?」
「えっ? んむぅ~!?」
妖艶な表情でスターブライトを怯ませた後、リリィは間髪入れず舌をねじ込んだ。
「んく、んちゅっ、んぅ!」
舌だけで蕩けさせられ、顔が情けなく歪むスターブライト。
時折2人の舌が離れては唾液の架け橋を作り、また一方的なディープキスでリリィが蹂躙した。
さらにリリィは太ももをスターブライトの股間にこすりつけ、下からの性刺激も忘れない。
やがてスターブライトの腰から力が抜け、仰向けの無防備な姿をリリィに晒すこととなる。
その弱弱しく舌を突き出す仕草はリリィの嗜虐心を加速させるには十分だった。
「も、ひゃめぇ……」
溶かされた思考から無意識に出てしまう、リリィにとって逆効果でしかない呂律の回らない懇願。
リリィの方も性欲を抑えきれはしなかった。
「うふ、いただきまっ、ぎゃふ!?」
「させないよ!」
間一髪スターブライトを救ったのはようやく体調の回復したソルライトの蹴りだった。
不意打ちでヒットさせて強烈な蹴りは、リリィの体を容易く吹き飛ばした。
「もう、いいところだったのに~」
「ルナ!」
「はい!」
ソルライトの掛け声にルクスルナも応じ2人は右手と左手を固く繋いだ。
そして残った外側の掌を、リリィに向ける。
「はぁぁぁぁぁ!!」
2人の合体技の光が、リリィを包み込む。
「うぎぎ、あぁぁぁぁぁぁ!!」
そしてリリィは断末魔とともに消え去っていた。
あとには未だ快楽の余韻が抜けないスターブライトと、必殺技の反動か、肩で息をするソルライトとルクスルナの姿だけが残っていた。