君の記憶にある姿は俺に着こなせるだろうか

【君の記憶にある姿は俺に着こなせるだろうか】(お試し本)

「魅力あるあなたを、さらいに来ました」

俺は玄関で片膝立てて、宣言した。



「何しているんだ、零」

ぽかんと状況が分からない感じだった。

「執事姿を前に見たいと言っていたではないか」

少し口を尖らせ拗ねてみた。

「先日行った屋敷は大きく、従者の方々も親切だったね」

頭を撫でられて、優しい声に包まれていた。

「うむ、親切な方たちでした」

拗ねるのをやめ、執事の続きを始めた。

「もう敬語はやめて零。いつもの零でいて」

敬語がくすぐったいのか、可愛いことを言っていた。



「雪様、今日は執事と主人の関係です」

俺は雪の冷たい手の甲にキスをした。

「くすぐったいよ。ありがとう」

雪は照れ笑いをしていた。

「お帰りになったばかりで、

引き止めてしまい申し訳ございませんでした」

俺は頭を下げた。

「ううん、零の顔見れて良かったよ」

雪は俺の顔を持ち、微笑んでくれた。

「もったいないお言葉です。ありがとうございます」

俺は雪の表情を見て、同じく笑顔になった。




【最後に】

お試し本を読んでいただき、ありがとうございます。

この先が読みたいと感じたら、空想物語書庫へ来てください。

これから置かれる本の全てが読めます。

お忘れずに、よろしくお願いします。

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