ざこきゃら堂 2021/04/02 18:23

逃亡の夜:新ヒロインで、SSテスト

「本当に、この魔具の中から出なければ……」

「ああ、今晩、お嬢ちゃんたちは、見逃してやるし、契約による定めた時間、あんたには指一本ふれない」


王都から遠方にある神殿に押し掛けた、盗賊一団

押し掛けた先は、武器もろくに扱えない民間人だらけのはずだったが、少々手強い巫女が一人

頭領らしき男が、提案を持ちかけた


「魔法の契約なら、信用できるだろう」

約束をたがえれば、男たちに、契約違反による罰がくだる

「仮に、あんたが、そこから出ても、あんたには、何の罰もなしだ。どうだ?」

ーー……少しでも……

巫女は提案を受け入れた

男は笑いながら、魔具の力を発動させる


「っーーーーー!?」

男と、その部下たちが、にやにやしながら、巫女の様子を眺める

魔具からでる光は、巫女の内臓を確実に蝕み、巫女は思わず血を吐いた


魔具から光が消えた途端、巫女は、がくりと膝を折る

「…はあ…はあ…」

盗賊たちとて、巫女と戦うという危険は避けたい

巫女が、一人で逃げ出せば、それは、それでありがたかった


巫女は、魔具をつかむ

契約の時間まで、魔具から出ないように

「立派な巫女様だ、くくく」

そして……


「ぁあああああ!!!」

光は絶え間なく巫女を襲う

盗賊の部下たちは、すでに巫女の身体に欲情していた
………………………………
………………
…………


ビリッと音がなる

「あ…やめて……」

巫女の白い乳房が、あらわになる

「いい魔具だろう? 身体は綺麗なままだ」

頭領から、触らないように指示されていた男たちが、新たな命令を待つ

「さあ、夜明けに、残りの里のやつらを、狩りにいくぞ」

「……そ……んな………」
つぶやいた巫女の身体は、自己回復が間に合わないほど、ボロボロになっていた

「ちゃんと、契約は果たすぜ、今晩はな」

「も、もういいですか、お頭」

「そういうことだ、巫女様。アジトに帰ってから、部下に、我慢させていた褒美をやらなきゃいけねえ」

「い…いゃぁ……もう……みのがして……」

「もう遅いぜ、巫女様よぉ、あんただけでも逃げられたのに、無駄になっちまったなあ、あはははははは!!」

哀し気な巫女の表情が、盗賊たちを喜ばせる

そして、巫女は安心する

ーー……間に合った……

巫女の能力は、闘いに特化したものではない

最初から、時間を稼ぐことだけが目的だった

ーー幾度も教えた通りの方法で、ちゃんと、逃げるのですよ……

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戦闘力普通系の巫女様が、演技力を駆使して、がんばる話でした

要領がよさそうで、そうでもない巫女様タイプに萌え(;´Д`)

アジトにお持ち帰り直前エンドです

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