『ウエディングバトルファック』を製作しての振り返りとか
今日は新作を販売した日の月末。
『ウエディングバトルファック』は最終的に1か月で420本くらい売れた。
本当にありがたくて感謝しかないので、製作振り返りみたいな感じの事を書いてブログの更新でもしておく。
・ウエディングバトルファックの戦闘パートの難易度について
このゲームを作る上でたぶん一番悩んだ部分。
原則として、そもそも同人エロゲーは難易度は出来る限り低くしといた方がいいと思う。
そんなにガッツリと楽しむようなものでもないし、あくまでゲームパートはエロパートを引き立てる為のスパイス的なものなので
難しくて詰まったり変なストレスを感じるよりは簡単な方が絶対いいと思われる。
しかし、このゲームは構造上の欠陥として
戦闘で負けて貰わないと見所として作ってるもの(負けたら相手が妊娠→後日談の流れ)が全部流れなくなる。
全部の戦闘にストレートで勝ってこのゲームをクリアされてしまうと
テーマ不在のただただ何をやりたかったのか分からないだけのエロゲーとして終わってしまうのである。
例え明確な作品テーマみたいなのがあって、理由があってその上で難易度を上げたとしても
それが不評になる事は昔作ったエロゲーで既に分からされてるので
今作も出来る限り難易度は上げたくなかった。
本当に胃が痛くなるくらいには上げたくなかった。
しかし何度考えてみても、このゲームは敵に負けて貰えないと本当に見所が全て消滅してしまうので
「エロゲーの癖にやたら敵が強いクソゲー」と「何をやりたいのか分からない虚無ゲー」を秤にかけて断腸の思いで前者を選んだ。
だけど、敵を初見だと大抵負けるくらいに強くしてる事を割と心からアレだとは思ってるので
戦闘途中で明らかに敗北に向かう選択肢を出してプレイヤーに自分から負けた感を出すようにしたり
相手の体力が残り少なくなったら「敵を追い詰めてる」的なテキストを出して、ギリギリまで敵を追い詰めた感(次やれば勝てる感)は出すようにしといたり
再戦する時に、実は普通に再戦しても主人公のステータスが少しだけ強化されてたり
出来る範囲で負ける事がストレスにならないような配慮はしておいた。
特に初戦のピィとの戦闘は色々やってて
ゲームの見所みたいなのを提示する為に1戦目は絶対に負けて欲しいんだけど
最初から何度も負けるような設計にも絶対したくないという事で
実は1回目戦う時は敵を追い詰めた後敵のHPが若干回復して、2回目以降戦う時は敵を追い詰めた時敵のHPが内部で勝手に減るみたいな仕様になってたりする。
まあ、そんな感じの苦しい事情があってのゲームバランスになってるので
このサークルで次にエロゲー作っても、このくらい戦闘が初見殺しみたいな事になってる事は無いと思う。
・エロシーンのテキストについて
全体的にギャグっぽいというか、ふざけた感じになってると思うけど
これは別に変に笑わせようと思って書いてる訳じゃなくて
勢いだけで書いてたら元の設定がアレなのもあって自然とこんな感じになってしまう。
前作ったエロゲーもこんな感じのテキストだったけど
なんか全然突っ込まれなかったので、基本的には別にこんなノリでもいいのだとは思う。
しかし、あんまり勢いだけで書いてたら流石に手抜き感みたいなのが出始めてしまうだろうし
こういうのはあんまり狙い過ぎても寒いだろうから、その辺はバランスを取りながらほどほどにしておきたいとは思ってるらしい。
・ストーリー
このゲームを作って改めて感じたが
ストーリーを作るのって絵とかプログラムとかに比べて本当に時間がかからない。
今作はキャラ全員に後日談とかあって、テキストを凄い作り込んでるように見えるかもしれないが
実は、1キャラ分の「試合前のやりとり→試合→敗北Hシーン→後日談」までのテキストを全部書いても1~2日くらいしかかかってない。
(ちなみにCGはあんなんでも書くのに1枚2日とか3日とかかかってる)
テキストの中でも訓練パートとかは書くのが比較的大変で
ああいう物語的にあまり重要ではない幕間的なものは何を書くのか決まってないので、毎回テキストを捻出するのが大変なのだが
後日談ストーリーみたいなのはぱっと妄想したものをそのまま形にすればいいだけなので、精神的にも作業量的にも楽ならしい。
それでいて、やっぱストーリーを作ってる時が
一番自分の妄想を形にしてる感じみたいなのがあるし
作り終えた後に自分で印象に残ってるのも大抵はストーリー部分になる。
個人的に一番印象に残ってるのはカシワの後日談。
自分の中にある自由への憧れ的なアレが形になってて我ながら良かったと思う。
フーピのキャラクターも、最初の構想ではただのよくいる怠け系キャラみたいなイメージしかしてなかったんだけど
ストーリーの都合とか他キャラとの兼ね合いとかでアドリブでキャラ造形が決まって
結果的に最初の構想といい意味でかけ離れたキャラになったから思い入れとかがあるらしい。
一番ゲームを作った気になるのはストーリー部分で
一番作業的に簡単で楽しい部分もストーリー部分で
そして、一番どうでもいいというか売り上げに関与しない部分もストーリーなのではないかと思う。
やっぱり話作ってる時が一番楽しいと改めて感じた一作だった。
このゲームが420本売れてくれたおかげで
自分はまだ生きて居られて、創作活動を続けられます。
こんなサークルのゲームを購入してくださった方、重ね重ねありがとうございました。