●忍んできた夜4●

そして、お目当ての胸責めである。
白澤は膝を食い込ませている間も胸周辺の愛撫を欠かさず、鬼灯の意識を胸への愛撫に絶えず向けさせておく。



もう、触って欲しくてたまらないだろう。
刺激を欲して硬く尖りきった突起を見て、白澤も興奮が高ぶってきた。



薄桃色の突起に顔を寄せ、まず濡らした唇で挟んでやる。



予想通り鬼灯の体が大きく反応を返し、背中が一瞬大きく反り上がり、塞いでいた口から艶声がこぼれる。



「んんっ・・・・!」



白澤も劣情が高まっていたので少し強めに挟んでしまったが、そのまま舌を出して上下に舐め、速度を早めたり緩めたりして、充血しきった鬼灯の胸の突起を思う様舐め回し続ける。



舌が動くたびに鬼灯の体はビクビクと痙攣し、ようやく与えられた快感に歓喜の反応を返してくれる。



もう一方の突起にも指を添え、指先で円を描くようにして転がすと、一層鬼灯の体が引き絞るようにヒクヒクと痙攣して快感を訴えた。



さらに腰を密着させ、両足の間に膝が食い込むように画策する。
こちらもたまらない快感が走るらしく、鬼灯が両足を軽く膝を立て、足裏でシーツを虚しく擦る感覚が伝わってくる。



(鬼灯、我慢強いなあ・・・いつもならここまでされると完全に淫乱モードに入るのに、今日は凄くこらえてる・・・)



しかし強く感じているのは明らかで、白澤が突起を口に含んで軽く吸い上げると腰を大きく跳ね上げるが、白澤の膝に余計急所を食い込ませる事態になり、快感の逃げ場を完全に塞がれてとにかくビクビクと身体を震わせている。



布団越しにも、快感に必死に耐える鬼灯の息遣いが聞こえる。ふーっふーっと断続的に息を漏らし、ゴクリと生唾を飲み込んでいる。



舌で上下に素早く動かすと、動きに連れて鬼灯の体もビクンビクンと痙攣する。そこへ白澤が円を描くように膝で捏ね回してやると、流石に我慢できなかったらしく、抑えた口元から可愛らしい声が漏れる。



「んんんっ!ん・・・・」



余程気持ちが良いらしく、声の裏に恍惚とした彩が見え始めている。最初は完全に吐息を律していた鬼灯だったが、今は見る影もなく激しく乱れ、はあはあと欲情しきった吐息を吐き続ける。



最も感じる性感帯の全てを嬲られ、媚薬の効果まで入っている鬼灯の体には、激烈な快感が渦巻いているだろう。これがいつもの情交ならば、羞恥も忘れて快楽に泣き叫んでいるほどだろうが、あくまで寝たふりを続けなければならない鬼灯にはそれが許されない。
感じているのに我慢しなければならないという状況も、興奮を高めているのだろう。



(いいなあ、たまにはこういうの。また今度やってみよう・・・)



今回は鬼灯が寝たふりをしているだけだが、一度睡眠薬でも盛って完全に眠らせてから、起きるか起きないかのスリルを味わいながら鬼灯を抱くのも愉快だろう。
必死な鬼灯に打って変わって、白澤は呑気なものである。
今も膝を小刻みに上下へ動かし、鬼灯自身を責めあげている。やがて膝に濡れる感覚が広がり、鬼灯が先走りの液を滴らせている事を感知する。



(こっちはちょっとおあずけにしといて・・・)



達しそうな自身への愛撫を止め、膝の動きを緩めて軽く食い込ませる程度に刺激を切り替えると、胸への愛撫へと集中する。



(鬼灯は左の方が感じやすいんだよね)



右の突起を指で弄りながら、左の突起には口をつけ、舌を使ってゆっくり責めていく。
ヒクヒクと鬼灯の体が痙攣し、右を指で強く弾いてやると、ビクっと体が跳ね上がった。



「んっ・・・・ん・・・・・!」



堪えきれず鬼灯の口から再び喘ぎ声が漏れるが、今度は白澤の行為を非難するような響きがあった。



この状況をいいように利用して自分を弄ぶ男に、とうとう怒りが湧いてきたのだろう。



(キレるの遅いよ鬼灯・・・)



少し笑いを漏らし、一層激しく舌で円を描くようにして愛撫し、先端を甘噛みしてやると、今までにないほどの大きな反応を見せ、白澤の愛撫が振り切られるほど激しく身体を仰け反らせた。



「・・・・・・・っ!」



声は抑えたものの、必死に堪える鬼灯の切羽詰った吐息が空間に響く。
鬼灯の吐く息は激しく、まるで絶頂直後のような乱れぶりである。



(・・・もしかして、胸でイった・・・?)



鬼灯の体は未だにヒクヒクと震え、胸が吐息で大きく上下し、どっと汗ばんで、むせ返るような色香を狭い掛け布団の中で撒き散らす。



鬼灯の体が静まるまでにもう一度甘噛みすると、最初ほどではないが再び背中が反り返り、鬼灯が息を呑む気配が伝わってくる。



(やっぱりイったんだ・・・)



もともとイカせるつもりで弄っていたが、まさかこんなに早く絶頂するとは思っていなかった白澤だったが、鬼灯の感度の良さに笑いがこみ上げてくる。
面白がって指で強く摘むと、また絶頂したらしく身体が小さく跳ね上がる。



一度胸で達すると、快感の波が引くまで触り続ける限りイキ続けるのだ。その後の白澤は歯で甘噛みしたり、口で強く吸い付いたり、両方の突起を同時に摘みあげたりして、何度も鬼灯を胸だけで絶頂させる。



鬼灯の体は痙攣が止まらなくなり、口で抑えきれない荒い吐息が掛け布団ごしに伝わってくる。



「ふうっ・・・・ぅぅ・・・・」



こらえ切れずくぐもった喘ぎ声が漏れ、いい加減起きても良いぐらいのことはされているのに、鬼灯はまだ寝たフリを続ける。
胸で立て続けに絶頂させられ、体中に快感が伝線したのか、膝の下の鬼灯自身が一層硬さを帯びてくる。



(そろそろこっちもイかせようかな・・・)



脇腹を撫で上げ、下腹の肌の感触を楽しみながら、ビクビクと快感に打ち震える体を愛撫し続け、ぐっと膝に力を込め、再び動作を再開した。


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