忍んできた夜6

鬼灯の大きな耳を舌や唇で愛撫しながら、片手を胸の突起へと伸ばす。何度も絶頂を強いられ弄ばれた胸には、まだ絶頂の余韻が残っているらしく、指先で触れただけで一瞬鬼灯の腰が小さくはね上がった。
しかし、腰の動きを制限しているのは白澤の膝である。



今まで緩めていた鬼灯自身への愛撫を再開すべく、白澤は膝を強く食い込ませ、大きく円を描くように擦り付ける。



「ぅぅっ・・・・!」



鬼灯が小さく胴震いし、明らかな快感のうめき声を上げる。口を僅かに開けて、そこから荒い吐息をゆっくり吐き出そうとしているが、空気の量があまりに多くて次々に肺から送り出される興奮の呼気が喉元で渋滞を起こしているらしく、首がヒクヒクと震えている。



(窒息するよ・・・?)



必死に堪える鬼灯の様子が面白くて、可愛くて、つい顔が笑いで緩んでしまう。
しかし手加減するつもりはない。そのまま白澤は鬼灯自身に食い込ませている膝へと動きを加え、今度は上下にゆっくりと擦る。



ビクビクと鬼灯の腰が震え、強い快感に耐えているのが手に取るようにわかる。白澤の膝にますます濡れる感触が広がり、どんどん先走りの液が溢れ出ているのが感じ取れる。



(鬼灯、気持ちいいんだ・・・)



体の敏感さもさることながら、体は顕著に反応しているのに、表情は頑として変えない鬼灯の我慢強さにも感心する。



(じゃあ、こうしたらちょっと辛いかな・・・?)



白澤はほぼ押し付けるように膝を強く食い込ませ、鬼灯自身をしっかりと膝下で押さえつけると、小刻みに振動させてより強い快感を与えてやった。



「っ・・・・!」



鬼灯の眉がヒクリと動き、半開きにされた口から声帯の響きを含んだ吐息がこぼれ落ちる。
肩がビクリと硬直し、吐き出す吐息も明らかに興奮を帯びた熱っぽいものになっている。



(気持ちよくてたまらないのに、僕に見られてるから必死に我慢してるんだね・・・可愛いなあ・・・)



そんな必死に堪える様を見せられると、もっと虐めてしまいたくなく。
白澤は膝の動きをそのままに、指で鬼灯の胸の突起を捏ね回し、舌で耳を舐め上げた。



「んんんっ・・・・!」



ビクビクと鬼灯の体が震え、明らかに快楽に染まった声が出た。普段ならすっかり体の力を抜き、白澤に身を暴かれるまま快楽にながされている状況だが、今は無反応を貫き通さなければならない。
感じているのに耐えなければいけないというこの現状が、余計に鬼灯の性感を高め、興奮を煽っていた。
しかし、強く発情しているのは鬼灯だけではない。



体の下にこれだけ魅力的で扇情的な対象がいるのに、いつも自分と体を重ね、法悦を与えてくれる身体があるというのに、その身体がこれ以上ない色香で自分を誘っているというのに、自分は気持ちよくなれていないという苛立ちが白澤の中でどんどん積もってくる。



「鬼灯ばっかり気持ちいいのって、ずるいよね・・・」




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