○忍んできた夜・鬼灯サイド4○

のろのろと音を立てずにゆっくり近づいてくる白澤の気配を感じながら、一応鬼灯は安堵する。
しかし、白澤のイタズラが終わったわけではないのだ。



その証拠に、白澤の手のひらとは違う感触が再び自身に与えられ、鬼灯は声は堪えられたものの、腰の痙攣を止めることができなかった。



(んんっ・・・!ゾクゾクしてっ・・・)



どうやら手の甲で撫で続けられているらしい。さらに足への愛撫も加わって、二箇所を同時に責めららると一気に性感が上がってしまう鬼灯には辛い状況だった。
触れるか触れないかの焦れったい足の愛撫が、膝が通ると、ぞくん、と感じてしまう。それと当時に自身もゆるゆると撫で続けられ、鬼灯の体はもっと快感を貪ろうとどんどん加熱し、拒絶しているのについ快感を貪ってしまう。



(気持ちいいっ・・・あぁ、もう、これ以上続けられたら・・・っ)



反応を返してはいけないという、禁じられた行為が余計に鬼灯の欲情を煽り、体は意思とは無関係にどんどん暴走してゆく。
どんどんイキたい欲求が高まり、吐く息も荒く、一瞬声が出そうになって咄嗟に手で口を覆って押さえ込む。



(だめっ・・・だめっ・・・感じるなっ・・・)



しかし鬼灯の意思とは裏腹に自身の先端から先走りが伝落ちたのを確かに感じ取った。こんな反応を返してしまったら、白澤に起きていることがバレてしまう・・・



クチュクチュといやらしい摩擦音が部屋に響く。



(あ・・・そんなに濡れてるんですか・・・私っ・・・)



確実にあがってゆく絶頂への快感と、自分が予想以上に感じてしまっている事実に心がどんどん追い詰められてゆく。
白澤の愛撫はゆっくりと優しく、一気に絶頂へ導いてくれるほどの刺激ではない。しかし萎えることも許されない適度な接触に、欲情を沈めることもできない。



(あっ・・・また触られて・・・気持ちいい・・・)



心臓の音がどんどん高鳴り、呼吸も乱れて、なんとか覆った手で声を抑えている状態だ。腰にジワリと快感が広がり、足の震えがとめられない。



(んんっ・・・気持ち良いなんて、思ったら・・・余計に・・・)



その瞬間、白澤の五本の指が窄められ、自身を強く握られた途端、鬼灯が自分でもおどろくようなタイミングで射精してしまった。



(んんんんっ!!そんな、そんなっ・・・・!)



白澤の目の前で射精してしまった恥ずかしさと、まだ絶頂を予想してなかった自分の体の先走りに、かなり強く感じて達した快感がごちゃまぜになって鬼灯の頭が一瞬混乱状態に陥る。



ふーっふーっと絶頂した吐息を密かに吐き出しながら、今しがた感じた強烈な快感に打ち震えてしまう。



(こ、こんなに気持ち良いの・・・堪えられません・・・)



背徳感やスリルと羞恥が全て快感の要素となり、鬼灯に予想以上の法悦を与えてしまったのだろう。
自分でも腰から下が痙攣しているのを感じ取るが、止めることができない。熱い吐息もどんどん肺からせり上がり、つい大きなため息をつくことを許してしまう。



「っ・・・はっ・・・・・・」



もう白澤に聞こえているとかなど構っている場合ではない。今は快楽の余韻を過ごすことで精一杯である。
ふっ、ふっ、と息を吐き出していると、枕元にいつの間にか人の気配があった。白澤が、起きていないか自分の様子を見に来たのだろう。なんとか眠っている体をとりつくろうが、顔に近づかれて心臓の鼓動が早くなり、再び息があがってしまう。
跳ね上げられた掛け布団が顔を覆ってくれているから、表情と、口を覆っている不自然な手は見えていないはずだ。



(はやくどっか行け・・・早く・・・)



ようやく離れる気配がして、鬼灯はつい安堵のため息をついてしまう。



しかし、再び足に手のひらを置かれる感覚があり、再び愛撫が再開される。



(ま、まだするつもりか・・・)



絶頂を迎えたばかりだというのに、鬼灯の体は浅ましく快感に反応してしまう。白澤の熱い手が肌の上をなぞるたびに、ゾクゾクと背筋に小さな快感が走り、つい息を飲んでしまう。



(んんっ・・・快感をこらえるのがこんなに辛いなんて・・・)



激しく乱れそうな息をなんとか抑える鬼灯は、次の白澤の行動に再び心臓を跳ね上げた。



白澤は掛け布団の中にもぐりこんできたのである。


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