○忍んできた夜・鬼灯サイド6○

(だめだ、今触られたら、声が、声が・・・・!)



しかし鬼灯の予想を裏切り、白澤の手は突起に触れなかった。
一応安堵したものの、触られなかったことで期待を逸らされ、切なさがせりあがってくる。



(ん・・・っはぁ、どうして・・・)



焦れったさを加えられて性感がさらに高まり、脇腹をゆるゆると撫でられると、先ほどよりも顕著に反応を返してしまう。
痙攣が止まらず、手のひらを使って上半身全体を大胆に撫でられると、思わず背中を反りあげてしまう。
突き出された胸の先端が掛け布団へ僅かに触れ、微量の電気のように快感が走った。



「んぅ・・・・っ・・・はぁ・・・・」



身体中が欲情に包まれ、もうどこを触られても感じてしまう体になってしまっている。
触れてくる白澤の手のひらはあくまで優しく、触れるか触れないかの距離を保ってなで上げたり、手のひらでゆるゆると撫で回したりするが、今の鬼灯が求める刺激には程遠い。



(んっ・・・ん・・・もっと・・・強く・・・・)



起きている事を悟られてはいけないので、荒く息をつくこともできない。しかし、さらに強い刺激を望んでしまう。
触れられるたびに快感が高まり、溢れる吐息を抑えることができない。
白澤に気づかれないように密かに息を逃すが、喉は声を出したがって先走ろうとする。
体の痙攣はすでに止めることができなくなり、白澤の手の動きに合わせてヒクヒクと震え、時折小さく背中や腰が跳ね上がってしまう。
いよいよ、触れられず、掛け布団に僅かに擦れるだけの胸が激しくジクジクと疼き、泣きだしそうな切ない気分がせり上がってくる。
もちろん触れて欲しい部分は胸だけではない。
さきほどはしたない射精を見せてしまった自身にもゾクゾクと快感が伝線し、腰が震えてしまう。



(も、もう、どこを触られても・・・っ)



口を覆っている手のひらさえ、欲情でブルブルと震えている。
何度も生唾を飲み込み、バレないように深く吐息を吐く。そしてその息は、自分でも驚く程熱かった。



白澤の手が不意に鎖骨に触れ、新たにゾクゾクとした感覚が背筋を走る。指はそのまま下へ下がり、いよいよ突起にかかろうとしている。



(だめ・・・だめ、今触られたら、とても我慢できないっ・・・)



鬼灯の心とは裏腹に、ようやく感触を得られると期待して、胸の突起は痛いほど尖り、ヒクヒクと愛撫を待ちわびている。
しかし指は予想を裏切り、再び鎖骨へと戻ってしまった。
付近を刺激されてしまったことで避けに期待感が増し、突起の感覚が鋭敏になってしまう。



(ううっ・・・もう、触って欲しくてたまらない・・・)



指が脇腹を移動し、ビクビクと体が跳ね上がってしまう。胸が刺激に待ち焦がれている分、上半身全体も敏感になっていた。



「んぅ・・・・っ・・・はぁ・・・・」



我慢できず、快感の声をあげてしまう。吐く息は熱く、激しい愛撫が欲しくて頭がクラクラしてきそうだった。



はーっはーっと息を荒く吐き出していると、白澤の体に動きがあった。
自分の体にのしかかり、何をするのかと思った瞬間、両足の中心に膝を食い込ませてきた。



「・・・・・・・・・っ!」



辛うじて声は堪えたものの、電気のようにビリビリと快感が下半身を走り、腰がジンジンと甘美に痺れてゆく。
胸の突起ほど意識させられていなかったとはいえ、体への愛撫で完全に反応し始めた自身は、やはり刺激を欲して疼いていた。
そこを突然刺激され、快感のあまり腰の痙攣を止めることもできない。



さらに膝が自身に食い込んだまま蠢き、新しい刺激が加えられて鬼灯の両足が無意識に反応してしまう。
ゾクゾクゾクっと腰から背筋にかけて快感が走り、たったこれだけの刺激で



(あっ・・・これ、嫌ですっ・・・!恥ずかしいっ・・・)



白澤の膝がグイグイと食い込み、ズキズキと快感が下半身で渦巻いている。白澤がやる独特の愛撫で、同じ背の高さだからやりやすい、と本人はいうものの、これで感じてしまうと白澤と治療と称して抱き合った三日間が思い出されて、体が欲情で暴走しそうになってしまうのだ。
しかし、グイと膝を急所に食い込まされると、一気に絶頂感がせり上がってくる。



(だめだっ・・・続けられたら、イってしまう・・・)



先ほど予想だにせず射精してしまった自分の身体を鑑みて、鬼灯はいつ絶頂してもおかしくない自らの体の状況に危惧を覚えた。
ジリジリと快感を我慢する鬼灯とは反対に、白澤の皮膚を滑る肌は軽やかで、あえて突起には触れず周辺をスルスルと撫で回し、どんどん鬼灯を追い詰めてゆく。



しかし、膝の動きは一定まで食い込むとそれ以上動く気配がなくなった。しかし、これで下半身の動きを完全に止められてしまう。



これから何かが行われる予感に、鬼灯は身体を欲情で燃え上がらせながら不安を募らせた。


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