●忘我の君53●

気づいたら、もう一年以上連載しているんですね・・・・


すっかり着地点を忘れ・・・・見えなくなってしまっています。


終わらせます、終わらせますとも!!

今回もEROいので苦手な方はコーヒーを飲んで優雅にブラウザバックしてください。








「鬼灯、そろそろ本気で考えてくれない?」



身体は洗浄されたが、拘束は解かれていないままだ。



「なにを・・・です?」



「僕との結婚のこと」



その言葉に、鬼灯は呆れた。
人をこんなふうに縛っておいて言う言葉だろうか。



「鬼灯・・・僕は本気でお前が好きなんだ。お前だって、僕の事好きだろ?知ってるよ・・・」



「はあ?そんなこと言った覚えはありませんが」



「じゃあ、なんでこんなに簡単に抱かれてくれてるの?」



そう言われて、鬼灯は一瞬押し黙ったが、すぐに言葉を返した。



「適当な・・・性欲の処理として都合がよいだけですよ・・・」



かつて鬼灯が白澤に言われた言葉だ。
言われた鬼灯は若干傷ついたが、その意趣返しも込めて、その言葉をそっくりそのまま彼に返した。
さて、どう出るか・・・と鬼灯は白澤を見上げると、それは実に悲しそうな表情で、鬼灯は驚きを感じた。



「・・・それ本気で言ってんの?」



「はい」とも「いいえ」とも言えない状態だった。
鬼灯自身は慕う白澤に抱かれるのが単純に嬉しいから身体をあずけているのだが、こぼれ出る言葉は実にうらはらだ。



目の前の白澤は本物の白澤ではない・・・



その思いが鬼灯の心に重くのしかかっている。
だから自分に求婚してくる白澤も偽物、姫のように鬼灯を抱く白澤も偽物、悲しそうな顔をする白澤も偽物・・・。
しかし、好いた相手の悲しそうな顔を見るのは、流石の鬼灯でも罪悪感を感じた。
そこで鬼灯は一呼吸入れ、理論的に相手を説得することに決めた。



「・・・今のあなたは、悪い気に当てられてしまって、本来のあなたではありません。私にこんな行為をするのも、そんな戯言を言うのも、全て気の迷いです。だから、私はあなたの全ての言葉を本気にとりません」



我ながら厳しい言い方だったと思ったが、ちゃんと現実を突きつける方が良い。
これが一番手っ取り早く、解決に近い方法だ。



「・・・じゃあ、今の僕は偽物だから、受け入れてくれないの?本物だったら、鬼灯受け入れる?」



予想外の言葉に鬼灯は少々困惑した。
本物が自分に結婚を申し込むなどありえないからだ。
たとえ結婚したとしても、房中術で若さを保ってる白澤だから、女遊びは絶対に治らないし、と、なれば諍いも今以上に激しくなるだろう。
そこまで考えて、鬼灯は自らを諌めた。
本物の白澤が求婚してくることなどないのに、何を考えているのだ自分は。



「鬼灯・・・本当に好きなんだよ・・・」



そう言いながら、晒された脇腹を丁寧な手つきでなぞり、鬼灯を感じさせてゆく。
白澤の愛撫の手は繊細すぎて、敏感な鬼灯には、涙がでそうなほどの刺激だった。



白澤の手はしばらく上半身をさまよった後、太腿に手をかけ、際どい部分をゆるりと撫で、何度も往復する。
そうしながら、口づけも忘れない。



「ん、んっ・・・ん・・・」



(身体からほだして陥落させる気か・・・)



中身は偽物でも、やり方は相変わらず最低なようだ。
しかし鬼灯の白い身体は次第に上気し、むせかえるような色香を湛えた汗が、肌の表面を覆い始めた。



「愛してるよ、鬼灯・・・」



そう言いながら鬼灯の唇を舐め、広げられた両足の中心へと手が進んでゆく。
指先で表面に触れられただけで電気が走り、鬼灯はその快感の凄さに困惑しながらも流されそうになった。



「うぁっ・・・!」



「感じるの?気持ちいい・・・?」



白澤の長細い指が絡みつき、すでに濡れ切っている鬼灯自身を柔らかく愛撫する。



「声、あげていいよ鬼灯、すっごく可愛いから・・・」



耳元で囁かれ、腰の中心に無視できないほど重い痺れが走った。
それはそのまま触れられている自身に伝播し、鬼灯はたったこれだけの愛撫で気をやってしまった。



「んっ・・・ふぁぁ・・・!」



射精中も、白澤は愛撫の手を止めない。それどころか、動きは激しい上下に切り替わり、絶頂したばかりで空気が触れただけで感じるほど敏感なそこを、容赦なく責めてゆく。



「ああっ!やめ、んん、はぁ、きついっ・・・うぁぁあ!」



再び絶頂の予感が腰を貫き、鬼灯は再び射精に至ったが、今度の吐精は長かった。



「ああ・・あ・・ぁぁ・・・」



一瞬で終わるだけでもかなりの快感を感じる射精を、数秒もかけて味わわされ、鬼灯は気を失いそうなほどの恍惚を感じた。



「ふふ、可愛い・・・」



耳元で再びささやかれ、耳を甘噛みされる。
口づけされ、鬼灯と言う果実の果汁を、吸えるところから全部吸い出そうとするようだ。


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