●スキャンダラスブラック13●

「あらら、なーにをキョドってなさるんですかぁ?いい加減に観念して、ここで抱かれやがれってんですー」



耳元で声を囁かれただけでも、耳朶を伝って首筋、背筋までに快楽が走る。
鬼灯の肌が激しく痙攣し、誰の目から見ても快感を受け入れているのが見て取れた。



アデスの肉棒と触れあっている自身が熱く、例えようもなく気持ちがいい。
気持ちが良いなど認めたくないが、身体はすでに快楽を迎える準備ができていて、すでに多量の愉悦を覚え始めている。



「ほらほら、こうしたほうがきもちいーですか?」



そういうとアデスは接触し合った自らのものと鬼灯自身を両手で包み込み、互いにクチュクチュと音が出るほどに激しく擦りつけ始めた。



「っ・・・!あ、あ、はぁぁああああ!ふあ、やめっ・・・!」



あまりの快感電流で反射的に声が出てしまい、鬼灯はとうとう快楽の矯声を上げてしまった。
先走りの淫液で濡れ合った互い同士はほどよいヌルみが手伝い、擦り合うたびに背筋にゾクゾクと快感が押し寄せ、足のさきから角の先までを走破する。



「ふふっ!とうとう声がでやがりましたね・・・いいんですかぁー?僕らの姿は見えなくても、声は聞こえちゃいますよ?」



アデスに耳元で囁かれるが、一度切れた堰は止めることができず、鬼灯はすでに自分の意思で声を抑えることができなくっているほど、淫熱に侵食されていた。



また背後から謎の両手が現れ、床にへたり込みそうになった鬼灯の肩を抱き、無理矢理に立たせる。鬼灯を支える必要がなくなったので、アデスは擦れ合う自身の愛撫に専念することができた。



「んぐっ!あぁ、あぁぁあっ!はぁっ、あっ!あぁぁぁあああ!」



すでに外界へ声が漏れていると理解していても、もう声を抑えることができない。鬼灯の汗ばみ始めた首筋に口づけを何度も繰り返し、さらに感じさせながらアデスは下半身の動きを激しくしてゆく。



「んっ!んんっ!んぐっ!はぁ、や、やめ、あぁ、あぁぁ、ああっ!」



今頃になって制止する声を吐き出した鬼灯だったが、その声すらも大きく、もはや結界の外に漏れているに違いない声量だった。
ここが駅のホームで、背後で無数の者たちが行き交いしている中、公共の場の片隅で、なんと背徳的なことをしているのだろう、と鬼灯は激しい羞恥を感じるが、アデスに下半身を刺激されると快楽で全ての思考が吹き飛んでしまう。



どんどん激しくなる雄同士の擦り合いに、アデスも鬼灯も淫液を垂らしながら快感を貪り合う。
しかし鬼灯はただ立っているだけだが、アデスは腰を使ってあらゆる角度から擦り上げ続け、根元から裏筋を通って先端までをなぞられると、あまりの激悦に上がる声すら詰まってしまう。



互いの粘液が擦れる水音が激しくなり、アデスの動きが大胆になる。それに比例して鬼灯の感じる快楽も強くなり、とうとう絶頂への昂ぶりが抑えられなくなってしまう。



「うぅっ、くっ・・・!んんんんんっ!」



鬼灯はいつの間にかアデスの身体に抱き着いていて、それは恋人を錯覚させるような熱い抱擁だった。自分がそんな仕草をとっていることなど露知らず、相手をどんどん魅了し、楽しませてゆく。



「きんもちいーですか?僕もいいですよ?でも、このままでは僕、満足できないかも・・・」



そう言って腰を引き今度は一気に突き上げて鬼灯自身全体を激しく摩擦した瞬間、鬼灯の下半身に快楽の稲妻が走り、これまで浸っていた快楽のぬるま湯が沸騰して、鬼灯はあえなく射精絶頂を迎えてしまった。



「んあ、あぁっ!あっぁあああああ!」



射精のあまりの気持ちよさで腰が何度もガクガクと動き、鬼灯自身の先端から白液が断続的に噴出する。
こんな人通りの多いところで、兜合わせをしながら絶頂してしまう自分は、なんと浅ましいのだろう。
唯一片隅に残っている冷めた思考が、達精を迎えてしまった自分を蔑んで見ている。
放たれた精液が地面にぽたぽたと零れ落ち、昏い染みを作ってゆく。



「はあ、はあ、はぁ・・・は・・・」



「もう鬼灯、あんあん喘いじゃってー!これじゃあ外の人たちに丸聞こえですねー。恥んずかしぃー!」



鬼灯を揶揄するアデスだったが、鬼灯は射精のあまりの心地よさに意識が霞み、その嘲りの声すらまともに届いていなかった。
性奴○の刻印を穿たれた鬼灯には、通常の快楽が何十倍にも何百倍にも増大されて伝わってくる。
平常な精神力な持ち主であれば、このまま欲に狂ってアデスへ積極的に身体を捧げ、ここがどこであろうと激しい性交を求めてしまうだろう。



アデスはそんな鬼灯を愛おし気に強く抱擁する。
触れ合っているだけで魔力が流れ、うめき声をあげずにはいられないほど心地よい。



「はぁ、はぁ・・・・・」



「鬼灯はこれで満足できたようですが、僕がまだ気持ちよくなっていないですねえー。ほら、よいしょっ」



するとアデスの二本の腕と、背後から伸びていた謎の二本の腕が動き、鬼灯の身体を反転させた。



「っ・・・・・!」



結界で見えていないとはいえ、鬼灯は下半身裸の状態で、さきほど射精したばかりという恥ずべき姿だ。
見えないと言いつつも、行き交う群衆を前にして、鬼灯の中の情欲が鎮火し始める。



「さあ鬼灯、これからが本番ですよ・・・」



そう言うと、アデスは着物の裾を腰まで引き上げ、帯に引っ掛ける。
下半身が完全に裸になり、羞恥極まる恰好にさせられるが、鬼灯が恥ずかしいと感じる間もなく、アデスの指が秘孔にさし挿れられた。


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