●私の恋しい花6●
※白澤と遊女の絡みがあります。苦手な方はお避け下さい※
『あっ!あっ!白澤様っ!』
目の前の銀幕には、顔を真っ赤に染めて愛らしい少女が相手の背中に両手を回し、喘ぎながら名を呼んでいる。
白澤も興に入っているらしく、何度も遊女の名を呼びながら激しく上下に動き、汗を散らして睦み合っている。
「くっ・・・!」
鬼灯は目を逸らせようとしたが、何故自分が目を逸らせなければならないのかと相反する思考が流れたが、他人の情事を喜んで見ている場合でもない。
愛らしい声で、白澤、白澤、と呼ぶ少女の声が耳に入り込み、吐息交じりに白澤が遊女の名を呼ぶ。
馬鹿らしい見世物だ、と鬼灯は思いながらも、泣き出したいような切ない気分が何故かせり上がり、鬼灯は唇をかんだ。
こちらは極めさせてもらえない状態だと言うのに、映像の遊女は快楽を貪っているから、だろうか?それとも、遊女を抱いている相手が白澤だからだろうか?
二者とも認めたくなかったが、鬼灯が決める前に、触手が再び洞内を激しく舐め回し、毛筆筆のような形態をした触手が何本も鬼灯に迫り、全てが鬼灯自身をするすると撫でてゆく。
「あっ・・・!あぁぁあっ・・・!」
おぞましいほど気持ちいいが、絶頂するには足りない快楽に、鬼灯は声を上げて背中を仰け反らせる。
筆触手は何度も鬼灯自身を撫で上げ、霞め、擦り、その繊細な筆筋で鋭敏になった性感帯を思う存分篭絡する。
「んはっ・・・はあっ・・!はあぁ・・・っ!」
先走りの量が多くなり、筆触手もしっとりと濡れはじめたころ、再び触手は引き下がって行ってしまう。
(どこまで焦らせる気だ・・・!)
この監獄に入れられてからずっと犯され続け、愉悦が枯渇すると我慢できないほどに疼く身体にされた鬼灯だ。
淫らな身体にされた鬼灯が快楽に根負けし、絶頂に集中しようとすると、触手たちは機を逃すことなく引き下がって行ってしまう。
「うっ・・・うぅ・・・・っ!」
こんな矮小な物体に弄ばれ、鬼灯は落涙しそうなほどの悔しさを感じた。しかし、それを上回って身体の快楽が迸る。
「あっぁああああっ!」
口触手が鬼灯自身を根元まで一気に飲み込み、ゆっくりと上下に動き始めた。
涎が出そうな激悦に、鬼灯は脳天までを快楽で痺れさせて、四肢を痙攣させる。
眼前の映像では、遊女の声が切羽詰まったものになり、白澤の動きもどんどん早くなってゆく。
「んぐっ・・・んっ・・・はぁぁ・・・あっ・・・あぁぁあ・・・っ!」
遊女の甲高い声と白澤の荒い吐息、限界まで高められた全身性感帯の身体が、全て混濁の坩堝となって鬼灯の意識を覆い尽くし、快楽のことしか考えられなくなってしまう。
遊女と白澤の動きが最高潮に達し、鬼灯も達精寸前だった。
『あぁぁあーーーーーーーっ!』
遊女の可愛らしい極声が響き渡り、白澤も二、三度痙攣すると、そのままぴたりと止まるのではなく、ゆっくりと上下運動を続けて、遊女の快楽の余韻を手伝っている。
一方の鬼灯は、再び絶頂直前に口触手に離されて、焦らし責めの切なさに背中を震わせていた。
「あぁぁあっ・・・あっ・・・あぁ・・・」
端正な美貌を遊女裸足の淫らな表情に変え、鬼灯は小さな声では、く、た、く、さ、ん、とつぶやき、止まらない触手の責めに再び激しい愉悦で身を焦がされるのだった。