少年舎 2020/07/04 21:34

作品紹介:①三人荘


仕事で前回からめちゃくちゃ更新が空いてしまいました。すまぬ……すまぬ……。

外注もあり、「ナツイロセールトリムSail2」の制作も佳境に近づいてきて頭がフットーしそうだよ。
(すまぬ、予定より遅れるかも)

仕方ないのでしばらくは月1かそれ以下ペースくらいで作品の紹介をしていこうかと思います。
まずはざっくばらんに作品概要を。
一巡したらより掘り下げてしくじりエピソードなど語れればいいかな。(需要はあるのだろうか)

今回は第1作「三人荘」(さんにんそう)という作品です。発表は2009年。

……当時のイラストと共に、黒歴史を楽しんでもらおうか。


【ストーリー】


この町には「三人荘」というボロアパートがある。

 俺―、久遠光(くおんひかる)はこのアパートの管理人である祖母と二人で暮らしている。

  実は「三人荘」には変わった入居条件がある。

 なんと「三人で住めば家賃がタダになる」というのだ。

  もちろん常識的に考えて俺には祖母がなぜそんな入居条件を考えたのかさっぱり分からない。
そんな疑問を抱えつつ季節は夏になり――、

突如俺の前に新たな入居者が現れたのだった。


【スタッフ】

 企画・原案  U’s
 シナリオ    U’s/コウキ
 グラフィック  コツカ
 音楽      梅原ふたば






【解説】


少年舎が初めて発表したノベルゲーム作品です。ストーリー形式は現在と同じ1本道。

なかなかこういう物語だよとは説明しづらいのですが、
家出してきたヒロインの日下部姉妹と主人公の恋模様や、アパートの他の部屋に住んでる人々たちのエピソード。
そもそも何故祖母は「三人荘」を作ろうとしたのかなど、短編ながら色々な要素から成り立っている物語だと思う。


配布は2009年の夏コミ。完成当時は大学1年生でした。

2006年に中学のクラスメイト(U'sさん・コウキさん)と少年舎を結成した事を以前書きましたが、プロジェクト自体は高校時代からです。

初出は2007年時点で本家ブログにてプロジェクト名「ちりっちー」として登場しています。(ちりっちーって何だよ)

【少年舎ブログ】ちりっちーとは何ぞや?

実は舞台が湘南だったり、辻小春や喫茶店「きりしま」が登場したり。
「しおさいのセレナード」の要素もこの時点で見え隠れしています。


・劇場版CLANNAD

そもそも何でノベルゲームを作ろうという事になったか。

前回ノベルゲームは小説や漫画みたいな別の分野で活動しているメンバーが「一緒に何か作れる媒体」だから、と書きましたが、

その前にノベル制作の方法を教えてくれたある一人の男の存在があります。

それが高校時代の友人のまよなさん(仮名)
彼に2007年上映の劇場版「CLANNAD」を観に誘われたのがきっかけでした。

(※京アニではなく東映の出崎監督版である)


原作未プレイで映画をそこそこ楽しんだ自分に対して重度の鍵っ子の彼は、何を思ったか、川崎の劇場から紀伊国〇書店に直行。

俺たちならもっと面白い作品を作れる!

そう言って書棚から自分に秀和システムから刊行されていたスクリプトエンジン「NScripter」の参考書を取り出すと、表紙を眼前に見せつけたのでした。


当時は「ひぐらし」ブームもあり、ノベル制作の参考書がいくつも刊行されていたんですね。まさかそういう本があるとは知らなかったです。

ノベルゲームというジャンルもよく分からず、「ゲームって自分にも作れるんだ!」という漠然としたわくわく感を覚えています。

自分でも作ってみたいと思うようになりました。

(だけど結局まよなさん自身は同人活動しなかったのよね……)

そんな感じで言い出しっぺは特に何も関与してない、っていうのは同人あるあるな話かもしれませんが。

まよな氏と劇場版「CALNNAD」が無ければ今ここにはいないです。

(積もる話が鵠沼海岸の砂粒くらいあります。
お元気でしたら連絡ください。)



・制作体制


企画・シナリオをU’s
シナリオの補佐としてコウキ。
グラフィック全般とスクリプトをコツカ、
音楽を高校のクラスメイトであった梅原さんが担当しています。(彼はこの後も「しおさいのセレナード」の制作に参加しています)

現在は自分(コツカ)が企画やシナリオまで兼任してますが、本作の企画はU’sさんという方。

制作体制を見ると、兼任ばかりでプロジェクトが遅延しまくる現在とは異なり、当時が一番分業出来ていたと思います。

ただ、いくら参考書はあっても当時のノベル制作環境で無知な高校生が作るにはいささか難ありな時代でした。

グラフィックひとつとってもPCはシングルコアの貧弱なスペック。
photoshopは持ってなかったですし今以上に画力が無い……。
(この頃の絵を見せられたら、そりゃみんな士気が下がるよなと思う)


さらに当時はティラノビルダーなんて便利なアプリはありません。
スクリプトもエディタソフトではなくメモ帳で書いてました。
半角全角の区別がつかずに起動まで1か月近くかかったよ……。

果てには、この時自分はテンプレートな悪いディレクションをやったためにサークル崩壊レベルの大失敗をしています。

それに関してはまた別の場所で語る事にしますが、普通のサークルがやるだいたいの失敗は1作目で経験した。

その事が教訓で、今みたいなゆるいサークルになるきっかけでもありました。

……今でも「よく完成&夏コミで発表できたな」と思います。

プレイするには

色々至らぬ部分は多い企画でしたが、粗削りの中に光るものはあったはず。
(自分の企画ではないから言えるんだけど)

友人たちからは今でも「お前の企画より面白い」と好評だったり。ワイトもそう思います。
(おいらはシナリオ畑じゃないし、物語作りに特化した人に任せた方が良いんだよね)

それでも、何も無いゼロからノウハウを得ていった過程は、とても楽しかったし、11年後の今につながっている。
初めては一度限りの経験であり、一生の思い出ですね。


そんなこんなで「三人荘」のディスク配布は終了していますが、当時制作した背景素材の一部はフリーで公開中


ゲームデータは「しおさいのセレナード オリジナルサウンドトラック」内におまけとして収録しています。

是非プレイしていただければ嬉しいです。

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