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お寝グソの記事 (1)

おかず味噌 2020/02/05 22:18

醒めない夢であったなら…

 私は、もう随分と前から我慢をしていた。何を我慢しているのかといえば、それはトイレに行くことで、より正確にいうならば『うんち』をすることだった。


登場人物「桐野由芽」

 ぱっちりとした瞳が印象的な、色白でモデル体型の女子大生。街を歩けばナンパやスカウトに次々と声を掛けられるほどの、いわゆる美人。なぜか大学の先輩である「あなた」に好意を抱いている。だけど、未だそれは秘めたる想い…。
 どうやってその細身のスタイルを維持しているのか不思議なくらい食欲は旺盛で、やや便秘気味のため、腸内にはそれなりの『ブツ』を溜め込んでいる。


 もう限界が近い。括約筋は必死に抵抗してくれているが、そこを通る気体にまでは警戒が及ばないらしく、私はさっきから何度も『おなら』をしてしまっている。

 乙女の最期の矜持として、何とか音だけは立てないように気をつけているものの。熱いガスが肛門をスゥーと通過するたびに、女子が発するものとはとても思えない、卵の腐ったような硫黄臭が周囲に漂う。もはやいつ誰がその臭いに気づいたとしてもおかしくはない。ましてや「○○さん」に知られてしまうなんて…。

「何か匂わない?」
「それ、私の『おなら』なんです…」
「どれどれ?」

 彼は私のお尻に顔を近づけて、直接その臭いを嗅ごうとする。

「ダメです!○○さん、私のクサいおなら嗅がないでください!」

 スカート越しに触れてくる彼の鼻がこそばゆい。割れ目に沿ってなぞられることでこじ開けられそうになりながらも、尚も私は必死に穴を閉じようとする。だけど…。

――ブボッ!!

 一際大きな音を立てて、私の肛門から放たれた空気が彼の顔面に噴き掛けられる。
 その瞬間、私は私自身の淡い恋心の儚い末路を悟るのだった。

――最悪だ。こともあろうに、好意を寄せる男性の顔に『屁』を浴びせるなんて…。

 だが私の絶望とは裏腹に。彼は私のお尻に顔を埋めたまま、なぜか深呼吸をした。私の腸内から出たモノが彼の鼻腔を通って、彼の肺へと吸い込まれる。そうして彼は私の『おなら』を余さず食べてくれたのだった。

「由芽のおなら、すごく芳しい香りだね」

 まるでソムリエのように感想を述べる彼。原産地は私、生産者も私。だとすれば「私が育てました」と、隣に顔写真でも添えるべきだろうか?

 思いも寄らない彼の反応に私は赤面する。どうしようもない羞恥。だけど同時に、背筋を這い上がるような背徳感に私は満たされるのだった。

 そんな妄想に浸ることで、何とか気を紛らわせる。ふいに股間が温かくなる感覚。
 私はショーツを愛液でぐっしょりと濡らしてしまう。そこには『おしっこ』だって混じっているかもしれない。あるいは割れ目付近に『ウンスジ』さえ付けてしまっているかもしれない。

 何度目かの『放屁』の際、気体か液体かもよく分からないものが門を通り抜けた。厳重な肛門警備隊は巧妙にも欺かれ、『液状便』の通過を許してしまったのだった。

 それでも被害はまだ軽微なはずだ。このままトイレに辿り着くことさえできれば、ショーツへの浸食度を確認した上で、ちょっと洗うかもしくは捨て去ることで。彼に私の『おチビり』を知られることもなく、あくまで無事にやり過ごすことができる。

 とはいえ猶予は残り少ない。あとほんの少しでも反乱軍に形勢が傾いてしまえば、門番は為す術もなく突破を許し、もうそれを留める手段はない。暴徒は出口を求めて一気に押し寄せ、私のショーツは糞にまみれ、醜い姿へと変わり果てることだろう。

 いや果たして下着だけで済むだろうか。「三日間の便秘」という名の圧政により、民衆の不満はピークに達している。何となくだが気配でわかる。私の腸内にはきっととんでもない量の『大便』が貯蔵されているはずだ。それらはショーツの中だけでは到底収まりきらずに、スカートや靴下までも汚してしまうに違いない。そうなれば、私は彼の眼前に『汚物』を晒してしまうことになる。

 彼は軽蔑するだろうか。この歳にもなって『おもらし』を、しかも『大きい方』を漏らしてしまう女を…。きっと嫌われるに違いない。そんなの絶対にイヤだ。
 だけど同時に、彼の前で『糞をぶちまける』恥ずかしい私を見てもらいたいという微かな願望を捨て切ることができないでいた。

――トイレ行きたい、トイレ行きたい、トイレ行きたい…。

 まるで念仏のように、何度も心の中で唱える。だけどそんな私の祈りもむなしく、すでに括約筋は痙攣し始め、反乱軍は今にも城門を破壊しようとしている。

――ブピッ!!

 水気を含んだ破裂音。それはもはや『放屁』なんて生易しいものではなかった。
 気体ではない何かが確実に漏れ出たという予感がある。肛門付近にもたらせられた熱い実感。今まさに、先遣隊が門外へと放たれたのだ。

――うんちしたい、うんちしたい、うんちしたい…。

 私は念仏をより即物的な文言へと変える。その真言を、出来ることなら声に出して叫び回りたいくらいだ。もう一刻の猶予もない。

――ブッ、ブッ、ブピッ!!

 断続的な『おなら』。そのすぐ後方に待ち構える『うんち』。やがて、ゆっくりと門扉が開き始める。

――もう…、ダメだ…。

 私は腰を屈めて、お尻を突き出し、降参の体勢に入る。そして…。

――ブポッ!!ブリブリブリ!!!

 お尻に走る爆発のような衝撃。肛門がやけどするみたいに熱くなり、続々と何かが通り抜けてゆく。それは『うんち』だ。私は『脱糞』をしてしまっている。
 トイレじゃない場所で。下着を穿いたまま。

――モコモコモコ…。

 ショーツの膨らむ感触。溢れ出す衝動がお尻に貼り付いたままの下着を押し上げ、出来た隙間に『大便』が溜まってゆく。限られた空間が『うんち』で埋められてゆく不快な感触。だけど同時に、我慢に我慢を重ねた末の欲求が満たされる心地よさ。

――ミチミチミチ…。

 私の『おもらし』は止まらない。
 ショーツに収まりきらなくなった三日分の膨大なそれは、ついに外へと漏れ出す。外気に触れることでとんでもない悪臭を放つそれ。やがて…。

――ボトッ!!

『糞塊』が地面に落下する。その鈍い音と漂う異臭によって周囲が異変に気づく。

「見て、あの子」
「うんち、漏らしてる」
「あんな美人な子が…」
「汚ねぇ!」

 私に浴びせられる好奇の視線と罵声。それでも、私の『失便』は終わらない。
 未だ生み出され続ける『うんち』は行き場を無くし暴れ回ると共に。ショーツ内に収まりきらなくなったそれが押し出される形で、アスファルトに山盛りとなる。

 そして。ついに彼が私の失態に気づいてしまう。
 女性として最大の醜態。『脱糞おもらし』に。

「桐野さん?」

 彼が私を見ている。私の足元には、積み上げられた醜い建造物がある。彼にそれを見られてしまう。恥ずかしい。死にたいほど恥ずかしい。絶対嫌われたに違いない。
 だけど、もう後戻りはできない。「○○さんの彼女になる」という私の儚い願いは無情にも断たれてしまう。

――嫌なのに。恥ずかしいのに。それなのに、気持ちいい…。

 ショーツの中でひしゃげた『うんち』は、お尻に貼り付いて気持ち悪い。だけど、その感触さえも癖になりそうだ。一番好きな人に一番見られたくない姿を晒しているというのに、それさえもどこか心地いい。

 底知れぬ絶望感。得も言われぬ解放感。それらが全身を包み込み、私の中で快感に変わろうとしている。

――こうなったら、いっそ…。

 私はスカートを捲り上げる。かつて純白だったショーツのお尻部分は見るも無残な茶色に染まり、無様にモッコリと膨らんでいる。それは私の『脱糞』によるものだ。

 彼の目の前に『おもらしショーツ』を晒す。
 清純な乙女の醜い姿、とくと目に焼き付けるがいい。

 本来ならばベッドの上で彼の手によって脱がされるはずだった下着は『うんち』の重みで垂れ下がり、上半分の割れ目を見せている。本当だったら彼の指で優しく愛撫されるはずだったアソコは、ショーツ内に溜まった『うんち』にレ○プされている。

 彼は私のアソコをクンニしてくれたかもしれない。あるいはアナルも舐めてくれたかもしれない。だけど、こんなにも汚れてしまった私のそこをもはや愛してもらえるはずもなかった。

 まだまだ欲求はある。私は括約筋に精一杯の力を込める。
 門を閉じるためではなく、あくまで門を開くために…。

――ブチチチ!!!

『うんち』が出ている。どんどん出てくる。止まらない。堪らない快感。やがて私は絶頂に達してしまう。

「うんちおもらし、気持ちいい!○○さん、私のうんちブリブリ見て~」

 キュッとオマ〇コが締まる感覚。そして、そこから迸る液体。
 私は『おしっこ』も漏らしてしまう。

――シュイィィ~!!

「排泄気持ちいい!いっぱい出ちゃう!うんちもおしっこもおもらししちゃうの!」

 次々と溢れ出す固体と液体は、その勢いでショーツを弾き飛ばす。(?)

――ドサッ!!

 破れたショーツが地面に落ちる。露わになった私のお尻。まだまだ!

――ブリュルルル…!!!

『排便』の勢いは止まない。遮るものをなくしたおかげで、さらに肛門は咆哮する。

「私のうんちで溺れるがいいわ!」

『大便』は辺り一面を茶色に染め、濁流は全てを、彼さえも飲み込んでゆく…。


 そこで、私は目を覚ましたのだった。

――なんて夢だ…。

 あまりに下品でどうしようもなく、その上あり得ない状況。
 夢は深層心理の表れだともいうが果たして、私のどんな無意識があんな夢を見せたというのだろう。

 私は溜息をつく。息を吐いたことで、反射的に次に吸い込む。
 鼻腔を刺す臭気、不快感。そして違和感は鼻だけに留まらず、さらにベッドの上、より具体的にいうならお尻の下にあるのだった。

 慌ててシーツを捲る。悲惨な状態。
 夢の続きかと思えるような、だけど夢ではないという確かな実感がある。

 布団の中は『うんちまみれ』だった。
 紛れもなく私のお尻から漏れ出たであろうそれは自らの体重によって押し潰され、その上何度か打ったのであろう寝返りによってベッドの上に押し広げられている。
 白かったシーツもベッドもその全てが茶色に染められ、おまけにパジャマの裾から零れ出たらしい醜い固形物がいくつも散乱している。

 それにしても凄い量だ。ご丁寧に『おしっこ』まで漏らしてしまっている。
 排泄するための意思を持って、尚且つ我慢していたのを一気に解放でもしない限り考えられないほどの量だった。

 だけど、少なくとも就寝前の私は『便意』も『尿意』も感じていなかったはずだ。(催していたのならば我慢するはずもなく、寝る前にトイレに行っておいただろう)  
 それどころか、出しているという感覚すら全くなかった。それでも…。

 この歳になって『おねしょ』どころか『お寝糞』までしてしまったという現実は、貧血気味の私の頭に覚醒をもたらすには十分過ぎるものだった。

 ヌチャヌチャとした気持ちの悪い感触を引きずりながら、ベッドから這い出る。
 そのまま姿見の前まで行き、くるりと一周回って被害の度合いを確認する。

 最大の被害はやはり爆心地ともいえるお尻の部分で、元々は水色だったパジャマのその箇所全域が茶色いシミに侵されている。
 知らぬ間にベッドにこすり付けていたせいで、少しばかり潰れているがそれでも。ショーツ内に溜まった『うんち』のせいで、パジャマがこんもりと膨らんでいる。

 茶色い浸食は背中まで広がっている。まるで『うんち』に抱かれ、隣で眠っていたかのように。どうやら私は、自分の出した『うんち』と一夜を共にしたらしい。

『糞塊』を床に落としてしまわないよう気を付けながら、パジャマのズボンを脱ぐ。多少なりとも手に付いてしまうのは仕方なかった。そして、露わになったショーツ。

 黒い下着のおかげで汚れはそれほど目立たない。だけど沸き上がる臭気と不格好に膨らんだ形状で、私が『おもらし』をしてしまったことは明白だった。

『うんち』はそのほとんどが『固形便』だった。それについても、やや疑問が残る。
『下痢』ならまだ言い訳ができるというか、あくまでもお腹の調子が悪かったのだと病人のふりをすることができる。

 だけど私が排泄したのはどっしりと形の残った『健康便』で、それを生み出すには少なからず腹筋と括約筋を要したはずだ。なのに力を込めたという記憶は全くない。

 私は夢の中の出来事を思い出す。あの、あり得るはずもない状況と光景を…。

 夢の中の私は、便意に耐えていた。「出したい」、「うんちしたい」という欲求が確実にあった。

 そして、私は彼の目の前で『脱糞』をした。
 最初のそれはつい、我慢できなくて…。だけどその先は自らの意思をもって、半ば自暴自棄になりながら「もうどうにでもなれ」と全てを解放した。

 ふいに、排泄の感覚が蘇ってくる。
 這い上がる背徳感と、込み上げる羞恥感。
 我慢した末の解放感と、直後に訪れる絶望感。
 全身を包み込む幸福感と、突き抜けるような絶頂感。

 私は思い出す、『おもらし』の気持ちよさを。
 夢の中のそれは、あるいは現実とリンクしていたのだろうか。

 ふと、私は下腹部に鈍い重みを感じた。紛れもない便意のサイン。
 便秘気味の私にとって数日に一度しかない解放の予兆。すでに出したというのに、腸内にその存在をはっきりと感じる。

――うんち、したい…。

 私はトイレに向かおうとした。だけど、それももう今更だった。これだけベッドや衣服を汚してしまったのだ。もはや、どこがトイレなのかも分かったものじゃない。

 後片付けのことを思うと、朝からとても気が重かった。
 実家暮らしじゃなくて、本当に良かったと思う。こんな姿を家族に見られたなら、家族を問わず誰かに見られでもしたら、私はもう立ち直れないだろう。

 だけど何もかも後回しだ。今はとにかくお腹に残った『うんち』を出し切りたい。

――このまましちゃおうかな…。

 夢の中と同じ、悪魔の囁きが聞こえる。
『うんち』で膨らんだショーツ、『うんちまみれ』のお尻を姿見の方に向ける。
 私の『着衣脱糞』が鏡に映る。なんてみっともない、恥ずかしい姿。

 そして、私は下腹部に思いっきり力を入れる。

――プスゥ~。

 間抜けな『すかし』。軽やかな音色のその奥に、確かな物体の重さを感じる。
 両手で割れ目を押し広げつつ、今一度私は括約筋に精一杯の力を込める。

――ムリュン!!ムリリリ…。

 鏡に映り込んだお尻が瞬く間に隆起し、ショーツ内に『うんち』が上書きされる。
 私はついに現実においても、自らの意思で『着衣脱糞』を始めてしまう。
 すでに『うんちまみれ』の日常に、さらなる彩りを加えるように…。

 脳が痺れるような快感と罪悪感。それらは夢の中よりずっとはっきりと認識され、私の心を支配するのだった。

『排便』を終えた私はパジャマと下着を脱ぎ捨てそのままゴミ袋に放り込み、まるで全てを無かったことにするように口を固く結ぶ。一体どうやって捨てたものだろう。まさかこのまま可燃ゴミに出すわけにもいくまい。
 そうした目先の問題はとりあえず先送りにして。私はシャワーを浴びて穢れた体を清め、服を着替えてメイクをすませて、何食わぬ顔で家を出た。

 キャンパスへと向かう道中。多くの通行人とすれ違いながら、何人かの男性が私をチラチラと見てくるのが分かった。
 あくまでも彼らは、さりげなさを装っているつもりなのだろうが。女性としては、案外そういった視線に気づいているものなのだ。

 果たして彼らは、私に対してどんな想像を抱いているのだろう?
 私の着ている服の下か。下着を剥ぎ取った先に待ち受ける、私の生まれたままの姿だろうか。あるいはその後の行為についてだろうか。
 だけど彼らは、まさか私が今朝『おもらし』をしたなんて夢にも思わないだろう。

――ヤバイ。『おもらし』、ちょっとハマっちゃいそう…。

 そんなことを考えつつ、穿き替えたばかりのショーツの中を私はまたしても液体で濡らすのだった。

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