王様ランキング 4話の感想

王様ランキング 4話
『初めての旅』の感想ですよー。

王様ランキング

　ボッジの初めての旅！
ほんわかワクワク!!
鮮やかな森谷川空、暖かい焚き火と空を焦がす火口、ひしめく家々、一人一人意思を持って動くファンタジー世界の住人たち、恐ろしくも美しい自然の精霊。
今作アニメの色使い、溢れるような自然と風景にわくわくせざるを得ません。

　ファンタジーな風景や人々だけでも私は幸せですが、超自然的精霊と森の王様がまた素晴らしい。
ダンスもビジュアルも、アニメとしても絵本としてもいいですよね〜。
アイヌや『もののけ姫』を思わせる芳醇な自然！だけでなく、善悪の枠を外れた、美しく恐ろしいモノなのも素晴らしい。
森の王様、ランキング何位なのかなー。

　このままずっと旅してるだけでも良いな、そう思っちゃいます。

　ここに来て、他者から見たボッジの魅力がいっぱい見られてほんわかしたり。
ボッス王の後継として大きく強く！としてはマイナス点が目立ちますが、人並外れて速く動き回り、おおらかで意欲強く努力家で、何より人の痛みに寄り添う優しさを持ち、人を惹きつける魅力になっていて。

　母と子、その死。
ホクロもボッジも母を失い、優しい姿を追って墓の前で泣いたのでしょう。

　ファンタジー世界の旅にドキドキわくわく、ボッジの魅力でほんわか。でもそれ以上に
若さに燃える青年、ドーマスの栄光と絶望が辛い…！
才能に溢れる努力も怠らない勇猛な戦士、若く真面目な好青年。
普通なら好人物の良き2つの面が、ドーマスを苛む……
初めて手話が通じた喜びが、指を掴まれた暖かさが、決してボッスン王に並ぶ強き王には成れない絶望が、裏切った後ろめたさが、自分が主君が正しいと思えない殺人が、全て最後の崩れむせび泣く様に流れ込んで…
うう、辛い。

　影で陰謀が進んでますが、色々考えちゃいますね。
ベビンが上手くアピス殺せたらそのままドーマスの監視＆補助役だったのかな。
ダイダの夢は、鏡の魔女が見せたのでは、そう思えるくらい暗示的だなぁ。
ダイダの心の穴がどんどん深く大きくなるようで、子供が苦しむのはこっちも辛いですよ。

王様ランキング 3話の感想

王様ランキング 3話
『新しい国王』の感想ですよー。

王様ランキング

　ヒリング王妃可愛い！エロい！脳筋！
国の柱そのものだった王の死。
正解が分からない政道、闇、陰謀、暗殺。
優しさも愛も、苦難も葛藤も憎しみもぎゅっと詰め込まれて苦しい話でした。
また決して正解でもなかったものの、ヒリングの可愛さとボッジとの親子愛が救ってくれました。

　先妻の、懐かず弱く優しく不器用な子に全力で振り合わされ、心通っていく日々。
落ちたボッジに慌てふためき、服を破っての回復魔力注入！
ボッジ大好き！全力で守る！
パゥワーッヒーリング!!
ド迫力につい笑てしまいました。
ああ、母の愛が画面いっぱい溢れてるなぁ。
大好きです。
ヒリング王妃の甘過ぎる人の好さ、ツンデレっぷり！

　もう人の好さがバレまくっていて、城の皆から生暖かい目で見守られてるのでは。
初回でも「またヒリング様、キツい言葉で叱ってるよ、ボッジ様をとても心配してるんだなぁ…」と思われたのじゃないかなー（笑

　また、歴戦の戦士たちの生き様、戦い方が素晴らしく格好良い。
ベビンもアピスも王・王妃・2人の王子に忠誠を捧げ、忠誠心と信念をもとに最善へと進んでいるのですよね。
言葉少なく刃を交わし、緩急に溢れる熟練の武技！
カメラワークに細かい動きからの大きなうねり、誇りと命のやり取り。
いや～、素晴らしいバトルでした。

　2人に比べるとドーマスだけ幼く優柔不断に感じますが、彼はそこが良いからなぁ。
若く未熟で、熱く、真っ直ぐにしか生きられない。

　魔法の鏡だけ不穏ですが、他の上層部はちゃんと大人で、国の為に2人の王子の為に考え、動いているのですよね。
ただ決してボッジの望む通りではなく、彼を裏切るもので。
父は死に、母は自分を裏切り、初めての友も遠くへ去り。
今まで頑張って誰の前でも泣かずに我慢してきたボッジが、民の前で、ベビンのヒリングの前で泣いてばかりで。
それでも、それだけじゃなくて。
根柢の愛も優しさも、ベビンの誠意も、ボッジには届いていて。
…暖かい。　でももどかしい！

　みんな仲良く幸せに暮らして欲しい者ですが、ボッジもダイダも目指すのは立派な王様なのですよね。
王道は2人一緒には立てなくて、苦難の先に辿り着けるものだから。
もどかしくて、辛いなぁ。

王様ランキング 2話の感想

王様ランキング 2話
『王子とカゲ』の感想ですよー。

王様ランキング

　ええなぁ。
権力、暴力、孤独、愛。
お前は誰だ。私は何だ。
認められるには、愛されるには、いや、愛するには。
2人の孤独な魂が、出会った時。

　不器用なカゲの誓い、不恰好なボッジの涙まみれの笑顔。
でも、そうだ、それが良いんだ、本気だから、格好つけられないから、ぐちゃぐちゃなんだ。

　第2話、前回のそのまま続きではなく。
もう一人の主人公、カゲの半生を時間半分使って丁寧に描いて。
なんて残酷で、ほんのちょっとだけ優しくて。
　決して非道な人間ばかりじゃなくて、でも優しい人なんて見つからなくて。
悪党は最低だけど、金の為なら何だってするけど、自分ではカゲを傷つけられないで。
最期の涙は、カゲの心に救われたのかな。
　カゲは一握りの誇りと、忠誠を大事にするのでしょう。

　ドーソンの選択は本当に、本っ当に厳しい……っ
打たれても打たれても何度も立ち上がる姿は、蝶のような戦いより王らしく見えるでしょうし、決して悪でも敵でもないのですが…
"王の子""次の王候補"への厳しい教えで。
　他のキャラ達も、ボッジを大事に思い愛していても、味方ではないのですよね。
まだ子供のボッジの味方では。
ボッジの弱さも誇りも知って、そのままのボッジに寄り添う味方では。

　小剣も持てないほど非力な少年が、その才能を磨いた戦いすら否定されて、それでも戦い抜いて、ボロボロになって。
ただ一人。

　だから。
見逃せなかった。
言葉を掛けずにはいられなかった。
寄り添わずにはいられなかった。
「どんな事があってもお前の味方になりたいんだ」
カゲもボッジを騙したから、ひどいことをしたから、許して欲しくて、自分の願いをボッジに受け入れて欲しいのですよね、
だから「味方になる」ではなく、「味方になりたい」と、心から手を伸ばして。
　そしてかかる、ED「Oz.」の「一人ぼっちにはさせないよ」がもうね！もうね！

　本当に美しい物語でした。

　それはそれとして、ヒリング様もっと出して！
ぽよんぽよんさせて！

王様ランキング 1話の感想

王様ランキング 1話
『裸の王子』の感想ですよー。

王様ランキング

　で、出来がいい…！
原作の魅力をさらに満たす、名作劇場や絵本のような、クラシカルなファンタジー世界の風景、人々、息吹。
ああもう！好き!!!!

　そう、出来が良いから心が痛い。
バカにされてても気にしてないんだなー
と思わせてからの、繊細だから分かってるよ！プライド高いから隠してるよ！分かってても寂しくてやっちゃったよ！というのが、もう…
　ボッジが色々な人の放った言葉を理解していて、心ない言葉にどれだけ傷ついてきたか、その涙の大きさと一瞬で抑える優しさと強さが、辛いですよ。

　こんなに城に街に多くの様々な人々が居るのに、ボッジの苦しみを知っているのは誰もおらず。
今やっと、カゲだけが知ったのですね…
　丁寧に応対する師匠のソードマスターさえ、心は離れていて。

　ボッジが服を渡し裸になって泣いてまでカゲに会いに行くのは、きっとその孤独を紛らわせるため。
でも、だから。
言えない、誰にも分かって欲しい訳じゃない。

　そんなボッジが、師匠と弟のダイダの強さに当てられて憧れて、自分を全部出したくて、
僕だって！
鬱屈した物語の中の、鮮やかな一本、爽快でした。
　蛇に襲われるシーンがなくても、冒頭で白を抜け出す時に超人的な運動能力見せてるのですよね。
上手いなぁ。