AI生成画像でエッチイベントの背景を作ってみる
ここ最近、AIによる画像生成の話題をよく見かけるようになりましたね。
こういう話が出てくると、私のような背景描けないマンは「AI画像でゲームの背景どうにかなんねぇかな?」と考え始めます。
立ち絵によるキャラの会話シーンなんかは、有料背景素材を使えば大体事足りますが、エッチシーンはアングルが様々で、角度的にぴったりくる背景はそうそうありません。
なので過去作では背景無し(背景透過)で表示させていました。
でもAI画像生成を利用すれば、いい感じの背景を当てられるのでは?
同じようなことを考えてすでに試行錯誤している方も多いようですが、私も何番煎じかわかりませんが試してみることにしました。
今回背景をつけてみるのは、以下の画像2枚です。
①しゃがみ・真下から見上げている視点
②まんぐり返し・斜め上から見下ろし視点
画像生成AI「Stable Diffusion」
このところ画像生成AIとしてよく話題に上っているのは「Midjourney」と「Stable Diffusion」ですが、今回は「Stable Diffusion」の方を利用します。
理由は簡単。Stable Diffusionはオープンソースのため無料で使えるからです。
利用方法はウェブ上で公開されているデモ用のサイトを使うのが最も手っ取り早いと思います。
しかしそれ以外にもWindows上にインストールして使えるStable Diffusionのフリーソフトが複数あり、大量に画像生成するならこっちを利用した方が良さそうです。
そこで今回は下記のWebメディアの記事を参考に「Artroom Stable Diffusion」をインストールして使ってみました。
『無料で画像生成AI「Stable Diffusion」をWindowsに初心者でも簡単にインストールして使える&img2imgにも対応した「Artroom Stable Diffusion」使い方まとめ』 GIGAZINE
ちなみにStable Diffusionの利用には、基本的にNVIDIA製GPU(推奨VRAM12GB)が必要です。
私の使っているGeForce GTX1070Ti はVRAM8GBで推奨スペックに達していませんが、画像サイズを大きくしなければ問題なく画像生成されました。
背景画像の生成
「①しゃがみ・真下から見上げている視点」のCG用に、まずは背景を生成します。
Stable Diffusionに画像生成してもらうには通称呪文(プロンプト)を入力しなければなりません。
CGに合わせた背景にするため、下から見上げているような角度で画像が出来るよう考えながらこの呪文を詠唱……もとい、入力。
何度か失敗を繰り返したのち、下記の呪文で良さそうな画像が出てきました。
「Blue sky looking up from the forest, matte painting, anime aesthetic, trending on pixiv」
いい感じに見えますが、真ん中に不自然に浮いている枝があるのが気になるところ。
それにこのままの画像サイズではキャラクターとのサイズ比が合わないので、もっと拡大する必要がありそうです。
そこで生成画像の左側をトリミングして拡大することに。
普通に拡大すると荒っぽくなってしまうので、画像拡大ソフトの「Upscayl」を使って大きく引き伸ばしました。
そうして出来た背景をさらに微調整してCGに合わせた結果がこちら。
うん、悪くないと思います。
少なくとも自力で描くよりは100倍マシです。
次いで「②まんぐり返し・斜め上から見下ろし視点」のCG用に背景を生成します。
角度的に背景は、地面もしくは床などの単調なものになるはず。
とりあえず木製の床ということにして呪文詠唱。
「Dirty wooden floor in a bar, Overhead View, matte painting, anime aesthetic, trending on pixiv」
これもそのままではちょっと使えないのでトリミング&拡大の後、微調整してCGと合わせます。
床板の形が不自然といえば不自然ですが、廃屋のボロボロの床とかいう設定であればそれほどおかしくもないでしょう。
背景にAI生成画像を使うかどうか
結論として「AI画像、これは背景に使えるぞ」と感じました。
ただこの調子で本作「まぞトラ」のCGにすべて背景をつけていくかというと……ちょっと悩みます。
ゲームの都合上、同じCGでも場所が森だったり岩場だったり屋内だったりすることがあるので、それに合わせて背景も変えるとなると、生成する画像の必要数は100枚以上になってしまいそうなのです。
そうなると当然ながらゲームのデータ容量も膨らむことになります。
そこまで労力を使う必要があるだろうか……というのが、いまの本音です。
特定のエッチイベントにのみ背景を用意し、繰り返し見られる汎用的なエッチイベントは背景無しにする、という折衷案が私の場合は現実的かもしれません。