進捗とか【8/3 完成作品追加】
こんにちは。もに太です。
ようやく完成しました…大変遅くなってすみませんでした…。
ssは全体公開、ssの続きである差分漫画は200プランでの公開となっております。一応ヒロピンを意識して作成した作品ですが、いつも通り全体的にぬるめです。
【風雷神姫】仕掛けられた罠
街に突如出現した怪獣たち。建物は次々と破壊され、辺りから黒煙が上がる。
人々の悲鳴が響き渡った時、空から翠の影が舞い降りた。
「人々に仇なす者は私たちが許しません! ハリケーンブラスト!」
その正体は地球を守護する風の化身、ウルトラオラージュ。
凛とした声が響くと同時に風が吹き荒れる。暴れていた怪獣達が何事かと振り向くが、もう遅い。翠に輝く竜巻に飲まれ、彼らはもろとも曇天へ吹き飛んだ。その先に待っていたのは、雷の渦と碧い影。
「覚悟を……ウルトラサンダーボルト!」
オラージュと対を成す雷の化身、ウルトラエクレール。
淡々とした口調で言うと、飛んで来た怪獣たち目掛けて腕を振り下ろす。腕に収束させていた雷の渦が放たれ、直撃を受けた怪獣たちはまとめて爆散した。
人々は風雷の守護に歓声を上げ、平和が戻ったことに安堵する。
しかし、ふたりは警戒の姿勢を崩さない。
「気付いていますか、オラージュ」
オラージュの隣に降り立ったエクレールが開口一番に尋ねる。
「ええ。彼らは我々が封印した怪獣ではないようですね」
そう、二人が現代で戦ってきた怪獣たちは、大昔に自分たちが施した封印を破って目覚めた怪獣たちだった。しかし今回は違う。皆初めて見る個体ばかりだ。
「眠っていた怪獣たちが偶然にも同時に目覚めて暴れ出したとは考えにくいですね。数の多さや出現の時分から見て、この襲撃は人為的に引き起こされた可能性が高いでしょう」
「一体誰がこんな──!?」
突然の気配を察知した二人が弾かれたように空を見上げる。すると、何もない空間がグニャリと歪んで宇宙船が出現した。その規模はなかなかのもので、空飛ぶ要塞といった外観だ。
「まあ大変……早急にご用向きを伺わなくては」
「ろくな返答ではないでしょうね」
二人して宇宙船を見据えていると、船体下部から円柱状のシールドが展開され、一体の怪獣が地上へ送り込まれた。しかし、通常の怪獣ではない。生身と機械が混在する改造怪獣だ。
赤く光るレンズの眼球で辺りを見回すと、あろうことかエクレールとオラージュには目もくれず、人々が避難している建物のほうへ体を向けた。そして大きな口を目一杯開けると、破壊エネルギーを充填し始めた。
「ッ!? おやめなさいな!」
オラージュが風のエネルギーを大型の手裏剣状にして機械怪獣へと飛ばす。命中して機械の部品が派手に散ったが、怪獣は意に介さず引き続き破壊エネルギーを集めている。
「レクティウム光線!」
エクレールがL字に腕を組み、眩い光線を発射する。直撃を受けたボディがあちこちスパークしたものの、機械怪獣は全く怯む様子を見せない。どうやら、何も感じないように改造されているようだった。
とうとうエネルギーの充填が完了し、機械怪獣が発射の態勢に入った。
「させません」
「必ず止めますっ!」
ふたりが散開する。エクレールは生成したアイアンスピアを手に、機械怪獣の頭上へ跳躍。
「やぁっ!」
ドスッ!!
真上からスピアで怪獣のマズルを貫き、上顎と下顎を串刺しにして無理やり口を閉じさせる。すると、高圧縮されたエネルギーが体内に逆流し、機械怪獣の体がボコボコと凹凸する。
「エアプロテクション!」
オラージュが怪獣と避難所の間に滑り込んでバリアを展開。その瞬間、機械怪獣が大爆発を起こした。
ドオオオオォォンッ!!!
「ぐ……ッ!」
「んぅぅ……!」
エクレールはスピアを引き抜かれないよう最後まで怪獣に張り付いていたため、爆発の衝撃をもろに受けて吹っ飛ばされてしまった。オラージュはバリアの維持にエネルギーを割き、猛烈な衝撃波を防ぎきったものの、爆発が収まると堪らずその場に膝をついた。
「はぁ……はぁ……街の、人々は……?」
肩で息をしながら状況を確認するオラージュ。機械怪獣がいた周辺の建物はめちゃくちゃになってしまったが、人が集まっている場所に被害は及ばなかった。
安堵の息をつくオラージュだったがふと空を見上げ、驚愕に目を見開く。
「エクレール!?」
上空にエクレールの姿があった。だが、その体は赤黒いロープで拘束され、ぐったりとしている。
「オラージュ……罠です。奴らの狙いは──」
その言葉を遮るように、地面を突き破ってあの赤黒いロープがオラージュの目の前に現れた。それも複数。
「!!」
ロープはまるで意思があるかのようにオラージュへ迫る。咄嗟に大型手裏剣を生成して切り裂くが、ダメージが蓄積した体では思うように反応ができない。そして……
シュルルッ! ギチィ!
「くっ…しまった……」
とうとう捕らえられ、がんじがらめに縛られる。辛うじて手に持っていた手裏剣でロープを切断しようとするが、オラージュの意思とは裏腹に消滅してしまった。
(まさか……この縄にエネルギー操作を妨害されているのでしょうか?)
その厄介さに気付くも、あとの祭りだ。なんとか拘束から逃れようと身をよじるが、緩む気配はまったくない。
「! 体が浮いて……きゃあ!」
ロープは捕獲した風神を空へ連れ去ると、囚われの雷神と引き合わせた。
シュルル……シュル……ギチッ……!
「エク……んっ……う、痛っ……!」
「けほッ……縄が……繋がっていく?」
ふたりを拘束しているロープが結合し、より一層からだの自由が封じられる。まず双方の首のロープが橋渡しのように繋がり、どちらかが動けば綱引きのように引っ張られてしまう。腕は共に後ろ手にされ、オラージュの体に巻き付くロープは彼女の胸を強調するように上下を通って太ももへ。エクレールは首から伸びたロープが手首、胸の下を経由してヒップの間を通って足へ。そしてふたりの足首あたりで再び繋がった。
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