【開発コラム】Midjourneyを同人エロゲ制作に生かすメモ
Midjourneyとは?
最近(2022年8月現在)流行しているAIによる画像作成サービスです。無料で試すこともできます。
こんな画像が自動生成されます。生成させるのに必要なのは、呪文を入力するだけです
この記事では「Midjouney」を「エロ同人ゲーム開発」に使用することを試みたメモとなります。すでにネットでは様々なテキストが発表されており、私自身もそれを読んで勉強させていただきましたので、恩返しも込めてテキストを残そうと思いました。
このテキストの前提条件
私はDLサイトを中心として活動する「エロ同人ゲーム作者」です。よって、それら活動で使用出来るかどうかが評価の基準となります。他の業界や趣味とかSNSでは使えるからといって、ゲームとして使えなければ使えない判定になります。
また、使用用途は「ADV風エロ同人ゲームの背景画像素材として」を想定したいと思います。テクスチャとかアイコンとかなどの使用は想定しません。
素材として十分なものが作れるか?
結論から言うとエロ同人ゲームで使用しているそのまんまレベルの素材は作れないが、工夫次第で使えなくもないものは作れそうと言った感じです。素材として使用するには、様々なハードルは超えないといけません。
Q&A
自分が詰まったところです
そもそもどうやって命令すれば良いかわからない
専用のディスコードのサーバーに入った後、newbies-??のチャンネルで、/imagine と入力し、続いて命令を入力するばOKです。また「Midjourney 使い方」で検索したら、記事がボロボロと出ます。
商用可能か
ゲームの素材としては一番重要なところです。課金したアカウントで作成すると可能のようです。月30ドル程度を安いか高いかは人次第と思いますが、私は十二分価値はあるかなと思いました。
体験版を使ってみたが、他の人の画像と混ざって使いにくい
試用期間中は他の人の画像と混じって使いにくいことこの上ないですが、25枚生成後に課金すると課金後は専用のBOTと1対1のやり取りで使用出来ます。
基本スキルを身につける
まずは基本的な使い方の考えを身につける必要があります。
私はこちらの方のテキストを参考にしました(無料)。一読するだけで十分感じは分かると思います。
https://note.com/fladdict/n/n0f0be20e3e23
呪文の概念
こちらの方がMidjouneyを魔術と例えてますがまさにそのとおりで、このAIを使いこなすには「呪文」と呼ぶに相応しい、特定のキーワードをどれだけ知っているかが鍵になります。こちらを使いこなすことで、よりイメージに近づけられそうです。
他の人の呪文を収集する
すでに色んな方がこちらの「呪文」と共に画像をアップしてます。そちらの呪文に着目して、特定のキーワードを収集するのが重要に思われます。
https://twitter.com/pipohi/status/1557621329452421126
エロ同人ゲームの素材として使うには
本題です
比較対象になるのは「みにくる」さんの背景素材になるかなと思います。
こちらはDLサイトを中心に非常に多くの素材集を販売されてます。もともとは商業アダルトゲームから提供された背景画像なので、「実際にエロゲで使われた背景」です。うちのサークルでも使用してますし、ADV系の画面作りをするサークルさんであれば、真っ先に使用候補に挙げられると思います(おかげで背景被りするんですよね……)。
例にするのはこちらの画像です。
Midjouneyでこれっぽい画像を作って頑張ったのはこれです
他にもゲームに使えそうかなと思ったのはこんな感じです。
「おっ! 使えそうじゃ~ん!」と思った方は、今すぐにMidjouneyにログインして、課金しましょう!
ヒント
以下は、画像の作り方のヒントです。
情報量を落とするとエロゲに近づく
そもそも上手すぎる(細かすぎる)んです。みにくるさんの背景画像は素材集としては超が付くほど高クオリティと思われます(そりゃもともと商業エロゲの素材なんですから、まさにプロクオリティです)。
しかし、Midjouneyで普通に出すとこんな感じになって、それを遙かに上回るの異常な精細画像を出してきます。
しかし、細かければ良いってわけじゃないんですよね……。上の画風でOKというのなら、問題ありませんが、みにくるさんっぽい得にするには、ディテールを落とした方が良いと思います。
情報量を落とすには、一度大きい画像を作成した後、
こちらのボタンを押してディテールを落とすとOKです。
Photoshopを併用する
アップスケールすると詳細を描き込みまくってくれやがるので、いっそ四分割画像を切り取って、Photoshopの「解像度変更→ディテールを保持」でおおきくするというのも手です。どうしてもぼやっとした画像になるので、境界を書き足してやるといいかも。
AIが食った神クリエイターのタッチになる
古風な絵と近代風の絵を出力した際に、いきなりタッチがガラっと変わるのですが、おそらくAIが食ってる絵が、海外のクリエイターや、名画なのではと思います。なので、どうしてもバタ臭くなります。
このタッチとか色の付け方がどうもエロゲっぽくないので、エロゲっぽいタッチ(style)を見付けたら勝ちと思います。
この臭さはSteamのゲームっぽくなる特性とも言えるので、いっそそういう風の雰囲気のゲームと割り切っちゃえば、デメリットにならなくなるかもしれません。最近は海外に出すサークルさんも多いことですし、海外のユーザーさんなら、むしろこういう絵柄の方が受け入れやすいかもしれません。うちは成人向けゲームを作っているサークルですが、全年齢ならばもはや前提みたいな感じでもありますし。
室内を生成したいのに風景画になる
「教会の中」を描いて欲しいのに、「教会の外観」を描いてしまう場合は、Roomとかで室内と指定すると良いです。
いちいち和訳するのが面倒
DeepLを使うと良いです。
https://www.deepl.com/ja/translator
--ar 16:9などのオプションもそのまま翻訳元に書いてしまっても良いでしょう。
使い続けていると、言語を自動検出が逆転してしまうことがあるのですが、←→ボタンで左右を切り替えると治ります。その際はオプションが消えることがあるので注意しましょう。
日本っぽいモノが作れないとこ?
「よくある中世ヨーロッパ風のファンタジー世界は実際には中世ヨーロッパっぽいの風景ではない」、みたいなところがあるので、本当に海外な風景を出すとバタ臭い背景になります。広葉樹を指定したり、それっぽいキーワードが必要そうです。なるべく指定は具体的に、そのためには多くの呪文の習得が必要ですね。
また、同じ現代風の建築物でも、日本と海外ではだいぶ違うので工夫が必要そうです。
時間差分が作れない
意外な盲点ですが、同じ画像の時間差分は作れません。なんせ、同じ画像は作れないのですから……。自然物の場合は違う角度の風景みたいに誤魔化すこともできそうですが、人工物だと厳しいです。夜の画像をレタッチして作ったほうが早そうです。
便利な呪文
anime style
ほどよく情報量を減らしてくれます。四分割画像では良い感じになるんですが、ただしアップスケールした際に、めちゃくちゃ書き込んでくれやがるので、ディテールを落とさなくてはなりません。
screenshot
これもゲームかPCの画面ぐらいにしか使わない用語と思うので、途中までは良い感じに情報量を減らした画像を作ってくれます。四分割画像では良い感じになるんですが(以下略)。
green light / blue light
lightはかなり強力な呪文で、有効度はかなり高いです。greenとかblueの所に、好きな色を入れましょう。Midjouneyはエロ画像不可なのでそのままではエロいものを作れませんが、普通の建物でもピンクや紫にすれば、ちゃんとエロっぽく見えてきます。
また、「海外っぽいクセのある色の付け方」も、こちらである程度マシに出来ます。
by Makoto Shinkai
伝説の魔術師の名を冠した究極呪文。すごく空気感あって綺麗になるんですが、なんでもかんでも綺麗な空が入り込みがちになります。あとなぜか謎の少女が手前に映り込みがちになります。
by Studio Ghibli
究極呪文その2。
作例
以下は試行錯誤中に作ったモノの中でマシと思ったモノです。上のノウハウ(特に究極呪文)は使ってないので今ならもっとマシなものが作れる気がします。適当に作ってもこれぐらいは作れるという、参考になればと。
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