ぐらしゅぴMk-Ⅱ 2022/01/30 09:30

映画「7500」考察

映画「7500」考察

今回はネタバレありで語ります。


この映画開始10分程度で登場人物が問題人ばかりでネガティブな登場人物ばかりだと気付くんですが、だからこそキャラが立ってて最初から面白い。

面白くない映画は名前も印象も薄いキャラがいつの間にか死んだりするのでキャラ付けは凄くスムーズです。


この映画全部で1時間半ありますが、開始30分程度で実は"全員即死していた"というワンアイデアで映画1本創れるのは素直に凄いとしか言えない。


物語としては、
飛行機の運転中に乱気流に巻き込まれ、急激に気圧が変化した為に船内の酸素が一気に0になり酸素マスクを着けて目を開けたまま。
気付く間もなく全員が即死したが誰も自分が死んだとは気付かずに物語は進むという内容です。


ホラー映画の常識、固定概念として"被害者は1人ずつジワジワ…"というのを打ち砕かれますね。
まさか映画最後で一気に座った死体が並んでる光景を見せられるとは…。

最初に1人謎の死を見せ付けて印象付けて"じっくり死んでいくのか"と思わせてから最後に大勢の死体。

しかも、死体が散乱とするとか、血の海じゃなく全員綺麗に座席に座ってるのが素晴らしいというか悪趣味というか。


最初にいなくなる犠牲者は時計を盗む青年ですがあれは"時計を盗みたかった"という後悔だけがあったので盗んだので成仏しました。
それだけのちっぽけな人生だったのですね。でも、かませ犬のお手本みたいないいキャラです。


映画最後のシーン。
1番の問題だらけなクレーマーな女性キャラは種明かしの説明をされないまま最後まで1人で探索していますよね。
夫はどこ?というのも愛想を尽かして先に逃げて成仏したと十分に伏線があります。
自分の死が認められずにずっと彷徨いそうですね。

モブ達はほぼ出番がありませんがそれにも意味があります。問題児が


1番僕が謎に感じたのが「呪いの人形の箱を調べたら?」と渡し席に戻ったチャラい女性がそのまま寝ようとした時にシーツがズルズルと下に引っ張られるシーンがあるんです。
あれの理屈が少しわからない。

"シーツは既に自分が死んでるから幽霊は被れない"ならわかるんですが、じゃあシーツは死ぬ前に引っ張られた方向にあったのか?という問題です。
ホラー感を出す演出といえばそれまでですが。

あとはキャビンアテンダントの2人はなぜあそこで消えたのかですね。意味がわからない位置で消えるので謎です。


あと、面白いと思ったシーンが、
呪いの人形を機内で発見した時。あれがオモチャみたいにずっとカタカタと動きっぱなしなんです。動き過ぎて逆に怖くない。

あれは"海外の日本文化への勘違い"かなと思いきや、あれは飛行機全員の魂を吸い込んでオーバーヒート状態だからずっと動いてたんでしょう…。
呪いの人形すら被害者だったというブラックジョークです。


まとめ
ホラーは本来は幽霊、怪物が出るから怖いというより、
何が怖いのかわからないから怖いというのが1番の怖さだと思うのでそれを最後まで焦らされるのは凄い映画です。
結局、化け物は自分達の方だったと。

しかも、映画の最初から映画内で何度もネタバレされてるんです。
"死は突然やってくる"と。
本当に全員が即死してたとは……

よく見ると乱気流を抜ける際に機長の片方はずっと酸素マスクを付けずに何故か生きていたり、
乱気流を抜けた際に"パァァァァ…"という効果音がするのは決して深読みではなくわかっててやってるのが深い映画だと思います。

とてもシンプルながら奥深い。すごく好きな映画です。

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