「美少女戦士セーラームーン」3
「美少女戦士セーラームーン」3
3回目でもまだまだ語りたい事がある魅力ある作品セーラームーンですが、魅力を最後に完結にまとめると。
まず、初代オープニングのセンスが素晴らしい。
原曲"ムーンライト伝説"とは違うアニメ独自のアレンジが原曲以上なんです。
最初に鐘がゴーンゴーンと鳴り響き、都会から煙が立ち込める不吉なカットから始まります。
低学年女の子向けアニメでこんなにネガティブな主題歌があるでしょうか。
その後、タイトルテロップ。
月に写るヒロインのうさぎ。
その後は「まどかマギカ」の元ネタなんじゃないかと思うような不気味な世界観。
足からじっくり舐め回すようなフェードインのすぐ後に敵の仮面達がニヤニヤと増殖。
その後の「月の光に導かれ」の歌詞のシーンは僕がアニメ史の中で1番好きなんですが、
第6話まではシルエットだけ。
それ以降はベールを脱いで姿を現すんですが、少女向けアニメではない芸術とも言えるエロスのセンスです。
さらに、その後に敵のボスが登場して両手を上げるまでのシーンもカッコいいです。
"さぁ、盛り上がって来ました!"と言わんばかりの画面の盛り上がりに反して、
サビはまたAメロという肩透かし感が逆にセンスがよく、セーラームーン達も通常歩行です。
この時の"パン!"という曲の繋ぎ目はアニメ独自のアレンジです。
魔法少女アニメにしては地味で控え目な印象ですが、僕は素晴らしいオープニングだと思います。
そして、最後にキャラの魅せ方が本当に上手い。はっきり言えば物語は破綻しているんですよ。
それもその筈、毎話1話完結で違うテーマを用意しているので、
新しい仲間が出来たと思ったら次回はいきなり仲良く遊園地の回です。
しかし、普通のアニメは"キャラを魅せようとして魅せる"これが当たり前なんですが、
物語進行の中で自然に魅力を出しているんです。
時にはキャラの魅力が物語進行を妨害してしまいます。
テンポ良く1話完結で、キャラがいきいきして、さらにエロスを感じさせる製作陣の遊びも入れる。それを同時にする難しさは地味ながら凄いです。
背景も絵の具のグラデーションがとても綺麗。
「セーラームーンは女の子のアニメ」という無意識な固定観念のせいで知名度の割にはプリキュア等の魔法少女アニメよりは評価されていないセンス溢れた作品でした。