転売問題とソシャゲ課金

転売問題とソシャゲ課金

僕は行けていないんですがコミケ100が先日あって有名作品の転売問題が問題になっていますね。

転売はもちろん多くの人にとって凄く迷惑な行為だと僕も思います。
しかし、それ自体が本当に悪だとは一概には言えないと思うんですね。

スマホが普及してからは誰しもがソシャゲをやるのが当たり前ですが、ソシャゲには必ず"ガチャ"という物があります。
基本無料でもこれがゲームの利益を出しています。

レア度の高いキャラをお金を出してSNSで自慢するのはもう当たり前ですよね。
無課金で何十時間も育てるより、数万円で最強のキャラを当てる方が強かったりします。
つまりは時間や手間をお金で買っている訳です。

ここで最初に戻りますが、
わざわざ東京に行き長蛇の列に並んで定価で買う事と、その手間をすべてお金で解決する事。
これはソシャゲ課金で最初から最強キャラをゲットする事と何が違うのかなと思ってしまうんです。

もちろん、他にダミー参加者がいて迷惑だ、ガチャはデータだとか理由はありますし、僕も転売自体は迷惑だと思いますが、

定期的にガチャに何万円も掛ける方が転売についてあまり非難するのは何か違うような気がするんです。

では、何が悪いかとなれば"そういう時代だから"としか言えないとは思います。

下策で上首尾に勝る偉業

下策で上首尾に勝る偉業

「下策をもって上首尾に至ったなら、上策から始めるよりも数段勝る偉業」
アニメ「Fate/zero」に登場するイスカンダルのセリフです。

最高級の物で創り上げた物より、安価でそれと同等の事をすれば何倍も凄い。という意味です。
これに似たことわざを知らないんですが、何事に置いてもまさにこの通りだと思うんです。

低予算映画で人を感動させる事や、
難しい専門用語を使わずに説明できる人、
下手なイラストでも思わず見入ってしまう作品などは、
たとえ、一流が大予算で100点を出して、
それに少し劣った80点だとしても、それはまさしく数段勝る偉業だと僕は思います。

最高級の食材を使えば美味しいのは当たり前ですよね。
何かと最近は100点満点を求める人が多いですが"欠点がある事の美しさ"って僕はあると思っています。

映画「プリズナーズ」

映画「プリズナーズ」

ひさしぶりに心にグッと来た映画でした。
ただし、ほんわか大好きな現代の良い子は観れない映画です。

内容を軽く説明すると、
可愛い娘を誘拐した絶対に何か知っているが知能遅れの容疑者をパパが個人で○問する映画です。

顔が腫れあがって熱湯をかけて○問します。

可愛い６才の娘の居場所を聞き出す為に
無抵抗の人間に熱湯を上から掛け、
その蛇口をひねる側が泣きながら崩れ落ちる演技は胸が締め付けられます。

映画冒頭に鹿を撃ち殺すシーンから始まり、
鹿を撃ち殺して可愛そうだと思わないのか？との日常会話から始まるんですが、
まさしく、この映画そのものなんですよね。

娘がいなくなって母親が刑事に泣き付きながらも必死に堪える演技、
鬼になって虐○を続ける父親からツーっと流れる涙、演技とは思えない必死さ、
自分の失態を机に八つ当たりする刑事の格好良さ。

有名俳優も予算もあまり掛かってない映画ながら、ここまで素晴らしい映画も珍しいと思います。

映画最後に刑事が伏線が頭の中でカチッと繋がった時の表情はゾクゾクしました。

そこは最近の大衆向け映画なら「そうかわかったぞ」くらいは言ってしまいますが、
スッと銃を無言で構えるのは素晴らしい。

実話なのかと思えるくらいの伏線の多さと、役者の演技力、2014年作でここまでの作品を観たことがなかったので本当に感動しました。

ただ、映画の大部分が"虐○"なので受け入れられない人は多いだろうと思います。

忘れてはいけない初心とは

忘れてはいけない初心とは

大人になるって事、歳を重ねるという事。
それは誰だってあります当たり前です。
ただ、どんな時でも絶対に意識した方がいい事はあると思うんです。

それは"世間知らずでいる事"です。

もちろん知らない事は馬鹿にされます。
物を知らないと簡単に騙されます。

それでも誰しも夢を持った日。

学校のクラスで絵が上手いと褒められる。
ゲームで地元じゃ負け知らずだった時。
体育や部活でヒーローだった日。

誰だって自分は最強なんじゃないかと輝いていた世間知らずのガキだった瞬間はある筈なんですよね。

ただ、現代のスマホSNS時代においてちょっとネットを開くと無料でプロなみのイラストがボロボロ出てきます。
見たくもないのにちょっとした好奇心でタッチして何万の高評価数を見て愕然として勝手に落ち込んで……

情報が嫌でも目に入る現代において、
世間知らずでいることは余りにも難しいんです。
ネット対戦も当たり前になって地元でゲーム最強とすら、今の子ども達は自慢出来ないでしょう。

表現者、自己肯定感に対する虐○ですらあると僕は思うんです。

夢を持ち続けて初心を忘れないなんて事は無理とわかっていてもそれが理想なんですよね。
それを忘れてしまうのを大人になる…とも言うんでしょう。

「ジョーカー」はなぜ問題なのか

「ジョーカー」はなぜ問題なのか

地下鉄でジョーカーの真似をして逮捕された事件がまだ記憶に新しいですね。
映画公開日にはどこかの国で館内に警備員が張り付いていたという話も聞いたくらいです。

では、どこが問題なのでしょう。

おそらくこんな質問をすると「そんな事もわからないのか？」と問われるかも知れません。
では、整理してみます。

あまりにも完璧で計画的な犯行だからでしょうか？
違いますね。
突発的で衝動的な犯行です。

演技が素晴らしかったから？
それも違うと思います。
映画サイト等ではチープな演技だった、安物のB級映画みたいとの意見がある位です。

主人公に共感できたから？
たぶん違いますね。
この映画を観るほとんどの人は急に笑いが止まらなくなったり、スラム街出身ではないでしょう。

では、何故か。
これは僕の仮説ですが、
映画がチープ過ぎるからこそ逆に共感してしまうんだと思うんです。
濃密な犯罪映画はむしろ衝動的な犯罪をする知能の人には理解できないと思います。

だったら理解できない濃密な犯罪映画を…とはならずに、
「大衆の皆様は馬鹿なんでしょう？だからチープな映画にしてあげました」という作品そのものがブラックジョークなんです。

馬鹿な作品に向かって「馬鹿みたいだ」とクレームを付ける馬鹿な客がいる時点で作品としては大成功なんです。
何故ならそれが狙いだからですね。
そういうジョークです。
「ジョーカー」は死神ではなくジョークに掛けてるんでしょう。
この作品はこういうネタが好きですね。

ただ、ジョーカーに重ねて「自分は世界一不幸な人間だ」と思い込んだナルシストさんが有名な映画を口実に犯罪を犯しただけで、別に事件はジョーカーじゃなくても良かったんだと僕は思います。

"心を揺さぶる"っていうモノは涙でも絶望でも恐怖でも笑いでもエロスでも他人の人生を変える事まである作品は偉大…ですが難しい所ですね。