八卦鏡 2021/09/15 00:00

寮長日記4[迷女・前編]

枯葉の道
つもった枯葉を踏み砕きながら、夢香は学生寮へと戻る道を歩く。
少し肌寒さを感じながら、夢香は空を見上げる。
まるで、絵に描いたような見事ないわし雲が広がっている。

夢香「はぁ、秋って感じ」

意味もなく、センチメンタルな気分になる。
そんな夢香の気分を、踏み砕いて走り寄る足音がする。

流美「あら、夢香じゃない!」

夢香の同級生の茶岳流美だ。

流美「この道ってば、隣が森だから枯葉だらけね!」
流美「でも、学生寮の近道だからつい使っちゃう!」

夢香「こっちの道の方が、学生寮にかなり近いもんね」

流美「学園から一直線の最短ルートだからね」
流美「そう言えば、もうすぐ学園祭じゃない?」
流美「夢香のクラスは何の出し物をやるの?」

夢香「…猫耳メイド喫茶…」

流美「なっ、何ですと!」
流美「これは、新聞部として取材に行かねばなるまい!」
流美「夢香の猫耳メイド姿を、ばっちり写真に収めてあげるわね!」

夢香「丁重にお断りします!」

学生寮の食堂
夢香と流美は学生寮に帰り着いた。
寮の入口の扉の先は、すぐに食堂のホールになっている。
寮生だけではなく、一般生徒も食堂を利用するからだ。
学生寮の食堂のレインボーカレーは、人気メニューだ。

流美「あっ、灰川先輩発見!」

流美は食堂の奥の席に座る女生徒の元へと駆けて行く。
夢香も流美の後を追って向かう。
本当は、このまま自分の部屋に戻って休みたい。

新聞部
その席に座っているのは、流美の新聞部の先輩だ。

灰川智絵(はいかわ・ちえ)

眼鏡を掛け、理知的な雰囲気のある女性だ。
この学生寮の寮生で、流美を通じて夢香は既に知り合いだ。

流美「灰川先輩、こんなところにいたんですか!」
流美「学園祭の取材の打ち合わせがあるって、部長が言ってましたよ!」

智絵「あら、そう」
智絵「でも、土曜日の午後は図書館発掘の日なのよ」

流美「図書館発掘?」

智絵が座るテーブルの上には、古そうな本が積んである。

智絵「そう、図書館発掘よ」
智絵「この学園の図書館って、凄く大きいでしょ?」

流美「確かに、世界のあらゆる書物が集められてるらしいですね」

智絵「だから、定期的に珍しい書物を発掘して読んでるのよ」

流美「へぇ、うわっ外国語の本ばかりですね…」

智絵「今回は洋書の本棚を発掘したからね」

夢香には、オーラを放つ洋書があるのが見える。

夢香「この洋書は、何の書物なんですか?」

夢香はさりげなく、オーラを放つ洋書について聞いてみた。

智絵「これは、ラテン語の書物なのよね」

流美「灰川先輩、ラテン語を読めるんですか?」

智絵「少し読める程度よ」
智絵「この書物のタイトルは…」

ヒプノスの迷宮

智絵「…だと思うわ」

流美「タイトルからじゃ、何の書物か分かりませんね」

智絵「そうね……あら…?」

その洋書を開いた智絵が、不可解な顔をした。

智絵「これ、書物じゃないわ」

智絵は流美と夢香に、表紙を開いた書物を見せた。
それは、書物の形をした箱というのが正しい表現だった。
智絵は、その箱の中身を取り出しテーブルに並べた。

白色のサイコロ×1
灰色のサイコロ×1
黒色のサイコロ×1
金貨が描かれたカード×15
迷宮が描かれた地図

流美「これって、ボードゲームですか?」

智絵「そうみたいね」

流美「どんなボードゲームなんだろ」

智絵「ルールブックはないのかしら」

智絵は箱の中を再度確認するが、他には何も入っていない。
ただ、箱のふた側の裏に、何やら書かれてあるのを発見した。

智絵「…えっと…サイコロを一つ手に取り…地図の同色のマスに置け…」

智絵は迷宮が描かれた地図を、テーブルの上に広げた。
そして、灰色のサイコロを手に取ると、地図の灰色のマスに置いた。
その瞬間、智絵は倒れてテーブルに伏した。

流美「ちょ、灰川先輩!」
夢香「えっ、灰川先輩!」

ヒプノスの迷宮
智絵は気が付くと、見知らぬ場所に立っていた。
確か学生寮の食堂にいたはずだが、ここは一体どこだろうか。
智絵は不安な心を抑え込み、今の自分の状況を確認する。
右手には灰色のサイコロが握られている。
左手には5枚の金貨のカードを手にしている。
どちらも、ヒプノスの迷宮の箱の中に入っていたアイテムだ。

智絵「…ここは…まさか…」

智絵は自分の周りを見回した。
智絵の目の前には石碑のようなものがあり、周囲は石の壁に囲まれている。
石の壁の各面には1から6の番号が刻まれている。
智絵は石碑に刻まれている文字の解読を試みた。

智絵「何の言語か全くわからないわ」

石碑には、奇妙な記号が並んでいる。
智絵がその石碑に触れると、記号が全て日本語へと変化した。

智絵「えっ?」

ヒプノスの迷宮
石壁はサイコロの出目により扉が出現する
金貨のカードで商人からアイテムが買える
秘宝を手にすればゲームクリアとなる
秘宝の名は夢のクリスタライザー
迷宮には秘宝の守護者が彷徨っている
秘宝の守護者に捕まると永遠の屈辱を与えられる
秘宝を手にしない限りこの迷宮からは出られない

智絵「やっぱり、ここはヒプノスの迷宮なのね」

智絵の頭の中は混乱している。
常識では考えられない状況だ。
だが、今はやれる事をやるしかない。
智絵は床に屈むと、灰色のサイコロを転がした。

[6]

智絵の真後ろの6と刻まれた壁に扉が出現した。

智絵「…………………」

智絵は警戒しながら、出現した扉に近付いた。
その扉には、ドアノブはあるが鍵穴はない。
智絵はドアノブを回し、ゆっくりと扉を開いた。

智絵「!?」

扉の奥は、同じような石の壁に囲まれた部屋になっている。
だが、部屋の中央に金色の猫の像がある。

智絵「猫の像?」

智絵は他に部屋には何もないのを確認すると中に入った。
金色の猫の像の前には、プレートが設置してある。

[金猫の店]

雨合羽         :金貨×1
電撃銃C型        :金貨×3
秘宝の部屋へのテレポート:金貨×5

智絵「これが商人?」

金色の猫の像の鼻がボタンになっている。
金色の猫の像のお腹にスロットがある。
スロットに金貨のカードを差し込み、ボタンで購入決定なのだろう。
智絵はプレートの商品を見ながら考える。
金猫の店という事は、他にも違う色の猫の店が存在するのだろう。
金猫の店は普通に考えると、一番いい商品が並んでいるはずだ。
その目玉商品が、秘宝の部屋へのテレポートなのだろう。

智絵「買うなら、この店の目玉商品よね」

やはり、ここは秘宝の部屋へのテレポートしかないだろう。
例え武器の銃を買っても、敵を倒しながら進んで行く自信がない。
全ての金貨のカードを使ってしまうが、その後は秘宝の部屋で考える。

智絵は非現実的な場所放り込まれた不安と焦りから、そういう結論に至った。

智絵「最短ルートで、ヒプノスの迷宮をクリアさせてもらうわ!」

智絵は腹のスロットに5枚のカードを差し込み、鼻のボタンを押した。

秘宝の部屋
智絵がボタンを押し終えると、一瞬視界が暗転した後に別の場所にいた。
智絵は、部屋の中央に不思議なものが置いてあるのに気付いた。
それは、直径30cmほどの黄色い卵のようなオブジェクトだった。

智絵「あれが秘宝に違いないわ!」

智絵は喜び興奮したが、すぐにそれは絶望へと変わった。
その秘宝の後方に、暗く揺らめく影が見えたからだ。
それは、長い複数の触手を備えた、巨大なクラゲのような外見をしていた。
そして、戦慄すべきは黄色い猫のような瞳が智絵を見詰めている事だ。
当然、秘宝の部屋にも敵がいる可能性はあった。
だが、こんなに間近に秘宝があり敵がいるとは想定外だった。
智絵は恐怖を払いのけ、サイコロを振った。
智絵が助かる方法は、この場所から逃げる以外はない。

[3]

サイコロの出目は3だが、部屋の壁に何の変化も起こらない。
そして、智絵は気付く。
この部屋の壁には番号が刻まれていない事に。
そう、この部屋は秘宝が眠る最終目的地。
通常は外から扉を開いて、この部屋に入る。
なので、この部屋から外に出る為の番号はない。

智絵「そっ、そんな…」

もう、智絵には最後の希望に賭ける事しか残されていない。
すなわち、あの怪物に捕まる前に秘宝に手を触れる事だ。
秘宝に手を触れれば、ゲームクリアになる可能性がある。
その可能性を信じて、智絵は秘宝に向かって全力で走った。

智絵「きゃあ!」

智絵は凄まじい衝撃を受けて壁側に吹き飛ばされた。
怪物の触手が伸びて、智絵の身体を弾いたのだ。
智絵は身体の痛みに呻きながら、地面から起き上がる。

智絵「ああっ…」

智絵は恐怖で全身が震えた。
智絵の前に、黒いクラゲのような怪物がぷかぷかと浮かんでいるのだ。
その黄色い猫のような瞳が、智絵を見詰めている。

智絵「ひぃいいっ!」

智絵は怪物に背中を見せて逃げ出した。
出口のない部屋で、どこに逃げるというのだろうか。

智絵「あああっ!」

智絵の身体は簡単に触手に絡み取られ、怪物の元引き寄せられる。

智絵「あっ…あっ…あっ…あっ…」

智絵は絶望に満ちた顔で怪物を見上げる。
自分はこの怪物に殺されてしまうのだろうか。
出発地点の石碑には、こう書かれてあった。

秘宝の守護者に捕まると永遠の屈辱を与えられる

怪物の触手が、智絵の制服の胸元を引き破いた。
破れたブラジャーが床に落ち、豊満な乳房がこぼれ出る。
この瞬間、智絵は永遠の屈辱の意味を悟った。

智絵「いゃあああ!」

智絵のもがきを無視して触手がくねり動く。
智絵の制服のスカートを捲り、その下のショーツを剥ぎ取る。
智絵の薄毛に覆われた陰部がさらけ出される。

智絵「だめええっ!」

智絵の悲鳴を無視して触手がくねり動く。

一本の触手は、智絵の膣口へと入り込む。
一本の触手は、智絵の肛門へと入り込む。
一本の触手は、智絵の口腔へと入り込む。

智絵の三穴に入り込んだ触手が、激しく小刻みに震える。

智絵「あがああああああっ!」

苦痛と快感が混じり合った感覚が、智絵の全身を襲う。

智絵「あぎいいいいいいっ!」

三穴から体液を垂れ流しながら、智絵の全身がびくびくと痙攣する。

智絵「あぐううううううっ!」

秘宝の守護者に捕まると永遠の屈辱を与えられる

まだ、食事しか知らない智絵の口腔が、触手に犯される。

智絵「んがああああああっ!」

まだ、排便しか知らない智絵の肛門が、触手に犯される。

智絵「んぎいいいいいいっ!」

まだ、月経しか知らない智絵の膣口が、触手に犯される。

智絵「んぐううううううっ!」

想定外
学食のテーブルに伏した智絵を、流美と夢香が取り囲む。
智絵は眠っているように見えるが、体を揺らしても起きない。
夢香がどうすべきか考えていると、流美が意外な行動に出た。

流美「…確か…サイコロと同じ色のマスに置いたわよね」

流美は黒色のサイコロを手に取る。
そして、広げられた迷宮の地図の黒色のマスに置いた。
その瞬間、流美は倒れてテーブルに伏した。

夢香「ちょっと、流美!」

予想外の展開に、夢香はテーブルに伏す流美を呆然と見詰めた。

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