第10回「#やえなつ」シナリオができるまで -ビジュアルを細かく詰めていこう 編-

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■07/17 弥映ちゃんのビジュアルを詳細に考える

※今日から多少のネタバレも含みます※


弥映ちゃんのビジュアルのデザインを細かく詰める。


今日は主に靴について。
靴はジャケットイラストにはあまり反映される事のない部分ですが
(『つばさ』『クラウディア』『サリア』は、
イラストレーターさんたちにすごくご協力いただいた結果です)

毎回デザインにはすごくこだわっていて、
具体的には、キャラクターの精神状態や
主人公との関係性を示すようにしています。
実は全員分靴を履いた全身イラストがあるのでみてみてね。


ということで、弥映ちゃんの靴の件について悩む。

一見してわかる通り、
トラック01『01.夏休み_さびれた田舎_川原で出会う』
で弥映ちゃんがヒールが折れた状態で登場するのは、
彼女の心が折れている事の象徴です。

こんなひどい姿でも
『でもまぁ歩け(生きていけ)ない事もないし』
と言ってしまうのが弥映ちゃん。
自分を粗末に扱うのが当たり前という、
『それはどうなの?』という状態からお話が始まります。


これを『そんなのはダメでしょ』と主人公にNOを突き付けられ
新しい靴(サンダル)を与えられて
主人公と弥映ちゃんの物語が始まるわけですが、

『今の関係でも十分幸せだから』という理由で
サンダルを履き続けようとする弥映ちゃんと
『もっと深い関係になりたい』と願い
新しい靴をプレゼントする主人公の気持ちが
交差するのがトラック10『10.雨_迷子_バス停_キス』になります。


で、この時主人公がプレゼントする二足目の靴が
デザイン画に載る、
つまりデザインしていただく靴になるわけですが、
これは『主人公が弥映ちゃんに望む姿』でもあるわけで。
デザイン上、非常に重要な存在なわけです。


最初は『主人公がイメージする大人の女性』として
また、リアルに容易に手に入りやすそうな靴として
ポインテッドトゥをプレゼントさせようと思っていました。


でも
『この期に及んで自分の思う大人像を押し付けるのはどうなんだ?
そんなに浅い関係なの?
というか、ここでプレゼントする靴は
弥映ちゃんにとっても履きやすいもので、
それは彼女の人間性を理解していることの象徴になるので、
慎重に選ばねばならないのじゃが……』

というのがあり、別のデザインの方がいいのではないか……。
と思っていたのです。


そこで考えた結果、つま先が丸くて、かかとも高くない靴。
それから、素材感もガチガチじゃない靴。
つまり柔らかい印象で歩きやすく、
そして、金魚モチーフとも合致する
チャイナシューズはどうだろうと思い当たったのでした。


結果的に、この案をベースにさねさんにデザインしていただき、
とても良いものが仕上がりました。
こんなに素晴らしい靴が手に入る田舎のショッピングセンター……やべぇよ……。
と思っていただければ幸いです。

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