karimi 2022/07/22 21:23

今作っているゲームのシナリオの一部!!

今作っているゲームのシナリオの一部を公開したい!
じゃないとゲーム作らないと思うから!!

 俺は女同士の喧嘩が好きだ。
 
 俺は物心ついた時には女の子同士の喧嘩を見ると興奮していた。この性癖の始まりは、幼稚園の頃に幼馴染のイツキちゃんとバラ組のヒメコちゃんがパンツを丸出しで喧嘩していたのが始まりだった。

 二人が喧嘩をした理由は、どっちが俺にオママゴトの旦那役をやらせるのかといったものだった。
 最初は普通の幼稚園児らしい口ゲンカだったが、次第に自分の方が相手より妻役をやるのに相応しいとか、相手の事を不細工呼ばわりし始めると、取っ組み合いの喧嘩になった。
 人生で初めて見た異性同士の喧嘩は、喧嘩と言うには可愛らしいものだったが、女同士の喧嘩らしく、髪の毛を引っ張り合い、相手の頬を抓り合って涙目になりながら互いに手を離さないというものだった。
 先生が仲裁に入るまで続いていた喧嘩だが、仲裁に入る直前で、よほど喧嘩を止めて欲しくなかったのか、二人はブチュリと唇同士をくっつけ合わせた。
 キスと言うには不格好だが、自分たちは仲良しで喧嘩をしていない、だから止めないでというメッセージだったのだろう。先生も一瞬喧嘩をしているのか、じゃれ合っているのか判断が付かないようだったが、髪の毛をギリギリと引っ張り合っているのを見て止めに入った。俺は先生が止めに入るまで二人の姿をジッと見て、痛い位にチンチンを勃起をさせていた。物心ついた中で初めての勃起だった。


 俺は二人の喧嘩が終わった後に、先生に呼び出された。理由は目の前で喧嘩しているのになんで止めなかったのかという事だ。この時の俺には正直止める理由が無かった。女の子が俺を取り合って喧嘩をしている。その様子に小さいながらも興奮していた。だから、後から来た他の子が騒ぎを大きくして、先生を連れて来た時には「余計な事をするな」と思っていたくらいだ。
 だから俺は、二人がおままごとの流れでそういうごっこ遊びをしているのかと思ったという話をした。先生は驚いた表情をしていた。後で分かったことだが、喧嘩をしていた二人も同じことを言っていたらしい。
「最近の子はどこでこういうのを覚えるのかしら」先生はそう言いながらも、理由はどうあれ暴力や人を傷つけるのはダメだと俺たち三人に話をした。
「傷つけなかったら、何をしても良いんですか?」

 イツキちゃんがそう聞くと、先生は少し考えて……。「本当に好きで好きでどうしようも無かったら、良いんじゃないかな」と笑いながら言った。あの時の先生の表情は今でも覚えている。
 結局その日以降にも、二人と一緒におままごとをする事はあった。当然二人は喧嘩をしそうになるが、周りに誤魔化す術として口づけをしながら喧嘩をするようになった。そして俺は、その日の勝者の唇におめでとうのキスをした。
 この幼少時代の経験が俺の中にと性癖の種を植え付けたのだろう。だが、そんなハーレム的な生活も長くは続かなかった。ヒメコちゃんが引っ越しをしたからだ。
理由は両親の離婚と再婚だ。ヒメコちゃんのお父さんは離婚して、別の人と結婚するから、引っ越すと聞かされた。お父さんの再婚相手は、あの時に喧嘩を止めた先生だった。

 そんな経験と性癖と一緒に育ってきた俺は、ネットの海の中で、女の子同士の喧嘩の事をキャットファイトと呼ぶことを知った。
 ネットにはキャットファイトの情報がゴロゴロと転がっていて、まだ精通もしていないのに画面にむしゃぶりつきながら、女同士の喧嘩を見ながら大きくなったチンチンを弄っていた。
 もし、チンチンを弄るのがこんなに気持ちいい事だと知っていたら、イツキやヒメコにもさせていたかもしれない。

 さらに二人が喧嘩をしていると悟られないためにしていたキスの事を、キャットファイトではなくてレズバトルという単語で表現するという事も知った。情報源は当時も今も多くのキャットファイト情報を取り扱っているサイトだ。
 ネットが普及し始めたばかりでリテラシーなんて言葉が無い時代だからなのか、多くの人が今よりもディープに、自身の性癖やフェチズムの情報発信をしていた。俺は自身の体の成長と一緒に、そういったフェチの知識を人知れずに深めていった。
 学年が進むと大人に近づいていくように、性についての知識も徐々についてきた。今まで自分が無意識の内に陰茎を弄っていたことをオナニーや自慰行為と呼ぶ事を知ったり、自分が興奮していた女性同士の喧嘩やレズものはマイナーな性癖で、そういった嗜好を持っている人は少ないという事。そして、そういう性癖を持っていることは、男性にも女性にも引かれたりすることを知った。俺は極力自分の性癖がバレないように隠しながら生活をしていた。


 そんな俺にも気づいたら恋人が出来たり、童貞を捨てり、結婚をする事を決めた女性が出来たりした。妻になった女性の名前は沙也。顔立ちは凛として清涼感があり、少し近寄りがたく見えるが、打ち解けると凄く優しくて甲斐甲斐しく、俺の身の回りの世話をしてくれたりと俺には勿体ない位の女性だ。

 彼女と出会ったのは大学時代で、沙也は大学の男たちの注目の的だった。彼女は服の上からでも分かるほどに大きな胸の持ち主で、結婚した今でも一緒に歩いていると、通り過ぎる人が性別問わずに沙也の胸にチラりと視線がいっているのが分かる。俺も初めて会った時は顔より先に胸に目が行った。
 入学当初は大学のイケている先輩やチャラついた男たちが、沙也に声を掛けていたが「興味ない」の一言で皆撃沈していった。2,3か月もしない内に、ナンパ目的で彼女に声を掛ける男は居なくなっていた。
 振られた男たちは口々に「お高くとまっている」とか「男じゃなくて女が恋愛対象」などと言ったり、果てには石油王とかハリウッドの俳優並みのイケメンと付き合っているという荒唐無稽な事を言う奴もいた。まるで、自分が悪いんじゃなくて沙也が悪いんだと言い訳をしているようにも聞こえた。
 俺はと言うと、あのデカイ胸を揉みてぇと思いつつも、心のどこかで「俺なんかとは縁がない女だな」と彼女に声を掛けて撃沈していく男たちの背中を見ながら思っていた。

 そんな沙也と付き合う事になった切っ掛けは、ドラマや映画の様なラブロマンス的なものがあったりとかではなく、単純に受講するゼミが同じで、帰りの電車が同じで、教授の面白話や最近見た映画が同じとか、とりとめのない話をしていく内に彼女との距離が近づいて行った。

 セミがよく鳴く季節に駅のホームで俺たちは並んで椅子に座っていた。その日は夏休みの特別講義が有ったが、花の大学生活で遊びより講義に参加するといった考えの人間は少なかったのか、参加する人数は両手で数えられるくらいだった。
 俺が席に着くと、少し後になって沙也が隣に座った。軽い会釈をして講義を受け、そのまま一緒に帰った。そして、駅のホームで隣り合わせに座って電車を待つ。
「夏休みにこんな講義を受けるなんて、彼氏と遊んだりしたほうが楽しいんじゃないの?」俺の中では世間話的なつもりだった。こんなに美人な女で、色々な男の誘いを断る奴に彼氏が居ないはずが無いと思っていたのも事実だし、根も葉もない噂が真実なのかも知りたかった。
 今までそういった恋愛関係の話題はなんとなく出さないようにしていたのだが、あの日はセミの鳴き声と一緒に鳴きたかったのか、夏の暑さで頭が働かなかったのか気づいたら言葉が出ていた。
沙也は俺の言葉を聞いて眉間にしわを寄せながら「いや、わたし彼氏なんて居ないけれど」なんでそんな事を聞くのと、いつもの冷たく凛とした顔で淡々と答える。
 俺は固まった。「え、なんで居ないの?」今思うと大分失礼な質問だったが、考えるよりも先に言葉が出ていた。熟練の格闘家が無意識で練習した動きをするかのように、俺はデリカシーの無い言葉を無意識の内に吐き出していた。

「なんでって、特に付き合いたい人とか居ないし。そういうアンタはどうなのよ」沙也はジッと俺の目を見つめながら言うが、俺の視線はTシャツの上からでもはっきりと形が分かるオッパイを見ようと視線を動かし始めていた。
 だが、沙也のセンサーに気付いて蛇行をしながら視線を戻して、彼女の目を見る。「俺もいないよ」と言うと、沙也の視線が泳ぎ始めて、体も一緒にくるりと反転させると次の電車の時間が表示されている電子掲示板の方を向いて、そうなんだ。居ないんだと。何回か呟いていた。俺は彼女のTシャツから透けて見えるブラジャーのラインを見ていた。

 それからほどなくして俺たちは付き合う事になった。別にどっちが何かを言って付き合うわけでもなく、自然にそうなった。大学生が付き合うとなったら、当然デートもするし、相手の裸も見るし、キスだってする。当然それ以上の事もする。

 沙也の胸は服の上から見るよりも、ずっと奇麗なお椀型の胸で揉み心地も張り具合も良かった。指で触ると沈み込むような感覚に陥るし感度も良く、乳首も奇麗なピンク色だ。下の方もキスをしながら乳首を弄るだけで、男の欲望の塊を受け入れる準備が出来ていて、俺の指がスルッと入ったかと思うと、その指を逃さないようにとキュッと締め付けてきた。
 大学生の体は性欲と体力が有り余っている。更に時間も有るとなると、俺は沙也とサルみたいに一日中セックスをしまくった。こんなイイ女を抱きながらも、子供の時の御馳走が大人になった今でも御馳走になるのと同じように俺の性癖は変わらなかった。
 講義も終わり、沙也もいなくて、バイトも休みとなると、いつものようにネットの海に冒険に繰り出す。冒険というよりは巡回と言った方が正しいのだろう。

 当然、キャットファイト系のサイトを見ていく。すると、女性同士の戦いは男の奪い合いによって起きることが多いらしい。浮気の時の怒りの矛先の大半は、もちろん浮気をしていた男に向くものだが、独占欲が刺激されるのか矛先が浮気相手の女に向く事もある。そして浮気している方も元サヤの方を敵視していることは少なくないらしい。ハマスキケロと言う作家はこう言っていた。
 女の争いとは、得てして起きるものであり、それは避けられるものではない。この言葉の意味は決してキャットファイト的な意味合いだけでないのだろうが、俺の知らない所で女同士の喧嘩が起きているのは確かだ。

 サイトの中にはレズバトルについての記述も多くあった。「できるレズ観賞」や「目隠しの有効な使い方」といった記事を見ていると、自然と妄想が湧いてくる。沙也と言う恋人がいる以上は、他の女に手を出すのは浮気になるので妄想程度で留めておきたい。そうお思っている一方で、もう一つの感情もある。
「俺の大切な沙也が女の人と喧嘩をする時にはどんな風にするのだろうか?」と。家族として見たときには絶対にそんな事はして欲しくないが、一人の女として見たときに、そういった劣情が湧いてくるのは俺の性なのかもしれない。
 キケロは愛の形の一つをこう説いていた。恋慕の愛もあれば刺激と悲劇しかない愛もあると。愛が有るからと言って互いを傷つけないわけではなくて、他社を傷つけることでしか得られぬ愛も有ると。
 ここでの愛は家族愛なのか性愛なのかは分からないが、自分の気持ちや自分と言う存在を表現する手段として、相手を傷つける方法しか知らないという人も居るのは事実なのかもしれない。

 沙也を妻として見ても、女性としても見ても申し分ないことを知っているが、その一方で彼女のメスの一面も俺は知っている。
 俺は自分でも性欲は人一倍ある方と思っているが、沙也はそんな俺より性欲が強いのではないかと思う時がある。ある時のセックスで俺が先に果ててしまった時に、沙也は「はや~い」と笑うと、自分の中からペニスを抜いて、コンドームの中に溜まった精子を自分の汗ばんだ体にドロッと掛ける。タワワに実った胸の谷間から流れ落ちる精子を自分の胸に擦り付けると、子種でドロドロにねばついたオッパイを持ち上げて自分の指と舌で慰め始めたのだ。沙也は自分のメスとしての価値を良く分かっていて、こうしたら男が興奮するだろうというのも知っていた。
 他にも、射精したばかりでまだ半勃起状態にもなっていない肉棒の上に跨ると「大丈夫、入れないから」と言って、一番敏感なところをこすり付けて乳首と合わせて素股オナニーを始めた。
 そんな女の姿を見て股間が奮い立たない筈はなく、意地でも脳から海綿体へと血液を送る指令を出すよう命令をして、半勃起状態にさせると、沙也は「硬くなったね」といじらしく笑い、腰つきを激しくしていく。その快感に脳は俺が命令を出す前に、勃起命令をエマージェンシーで出していて、そのままゴムを装着して沙也がイクまで我慢しながら腰を振った。
 沙也は自分の性欲だけを満たす行為や俺を性欲解消の道具のように扱う事も、少なくなく無かった。俺はそんな彼女の姿を、自分が童貞を捧げた幼馴染の女の子とダブらせていた。SEXを覚えたての頃だったが、最終的には彼女の方から求めてくる事の方が多かった。

 彼女はエッチが終わった後に、いつもの凛とした表情のまま「ごめん、私エッチの途中にああなっちゃうんだ。自分が自分じゃないって言うか、気持ちをコントロールできなくなって、その、男の人が出した後でも自分が満たされるまで、ああいう感じになるんだよね」少しだけ頬を染めながら言う。
 これが友人から聞いた話なら俺は「羨ましい奴め!けしからん!」となるかもしれないが、当事者になると複雑な心境になる。
 沙也はただでさえ人気のある女だ。そんな彼女を満足させることが出来ずに別れるなんてなったら、こんなレベルの女とは二度と付き合えない。そう思ってから俺は筋トレとジョギングを始めて、オナニーは出来る限り控えることにした。つまりは、キャットファイトやレズバトルから離れることになったのだ。

 それから数年が経ち大学を卒業して、社会人になって、沙也と結婚をした。もっとドラマがあっても良いのかもしれないが、大学卒業前に別れそうになったとか、沙也と元カノが同じ高校だったことを知ったとか、結婚のプロポーズは洒落たバーでやったとか、大学時代の後輩が同じ会社に入社してきたとか、そんな話は何処でも聞くし、大して面白くないだろう。ただ重大な事実として俺は沙也と結婚をしたのだ。

 結婚をするとなると、色々と生活環境も変わっていく。沙也は勤めていた会社を辞めて前よりも時間を作れる仕事に転職をした。俺はと言うと、守るものが出来たとかそういう理由があった訳でもなく、単純に先輩が転職をして空きが出来たポジションに座る事になった。つまりは昇進だ。
 別に収入自体が増える訳でもなく、ただただ時間的に余裕がなくなり、沙也とすれ違う時間も増えて、夫婦の営みをする回数も減っていった。それによって夫婦仲少し冷えたり、セックスをしなくなたりもして、だんだんとストレスが堪る。イライラすると人は何かで発散をしようとする。
 俺の場合は手が自然に数年間離れていたキャットファイトとレズバトルに伸びていったのだ。好物を変えられないように、性癖を買えるのは難しいのだ。
 俺が離れてから色々な作品が出ていたらしく、それらをネットで買って観ていく夜が半年近く続いた。半年も経つと俺も沙也も段々と新しい生活に慣れてきていた。二人の時間も徐々に増えていき、沙也の口からこんな話が出た。
「ねぇ、私たちも大分落ち着いてきたからそろそろ妊活しない?その、大分ご無沙汰だったし」
 久々に頬を赤らめている沙也を見た。ここ半年は食事は何処にあるとか、もう寝るねと言う会話がほとんどで、俺が遅く帰って来た時は寝床は別で寝たりもしていた。

「ああ、そうだな。お前は子供が早く欲しいって言っていたもんな」
 結婚する前に沙也がよく口にしていた。なんでも若くて体力があるうちに子育てをしたいらしい。
 二人掛けのソファに座りながら沙也の頬に軽く触れて、唇同士をそっと触れ合わせて、ゆっくりと舌と舌を絡ませ合う。久々のキスの味に気持ちが高ぶって、そのまま妻を押し倒す。
 沙也は「アッ」と声をあげるが、顔は嬉しそうにして、俺の手を自分の胸に誘う。手のひらにふにっとした、乳房特有の柔らかな感触が伝わる。手のひらに収まらないほどの巨乳を揉む、沙也はもっとと言いながら腕を俺の首に回してもう一度口づけをする。
 甘いキスをしながらも、細い指で俺の股間をそっと弾く。久々に自分以外に肉棒を触られて「アウッ」と情けない声を出してしまう。
「なに?久々だからって、もうっ」キスをしながら、指を肉棒の形に沿わせるようにゆっくりと上下に動かしていく。気持ちいい。気持ちいい……。気持ちいいのだが―――
「ちょっと、どうしたの?」沙也が蕩けたから真顔になる。俺も少しだけ顔から血の気が引く。ソファから降りて、ズボンを脱いで、パンツを下ろす。

そして、自らの息子を見るとしょんぼりと力なくブラブラと揺れている。いつもならキスをするだけでガチガチに勃起をするというのに、どうしたことか。
「元気ないね。ちょっと舐めてもいい?」沙也は髪の毛を耳にかけて、ゆっくりと全体に異常が無いかを確認するかのように丹念に舐め上げる。そのまま鈴口を舐めるチロチロと子種の出口を刺激する。
 それでも俺のオチンチン君は元気にならない。妻はどうしちゃったの?と優しく指先で突いて、今度は口全体でアイスを舐めるかのように頬張る。口内の温かい感触は伝わるが、勃起をする気配はない。
「今日は疲れているのかな?」沙也と俺の目が合う。俺がどんな表情をしていたのかは彼女の顔を見て分かった。
「とりあえず今日はここまでにしよっか」
 妻はそう言って部屋に戻っていく。俺はそんな彼女の揺れる大きなお尻と長い黒髪を見ながら、完全に固まっていた。
 ちんこは固くないのだが、体は完全に硬直していた。沙也とセックスをしない間でも、筋トレやジョギングは続けていた。体力は落ちていない筈なのに。なぜか勃起をしない。一昨日レズバトル動画で抜いたせいなのか?

 動画のことを思い出すと、少しだけ肉棒がピクリと動く。それなら、この間抜いた動画でもう一度勃起が出来るかを確認しよう。俺はスマホから動画を再生する。動画の内容は両親の都合で同居する事になった女の子たちが、家族にばれないようにイカせ合いをするという作品だ。俺はそれを見て、勃起して、射精をしてしまった。
 ハァハァと息を荒げながらも、右手でガッツポーズをしていた。
 よかった。俺は決してEDでは無いんだなと分かると安心した。そうだよな、疲れていたんだよなと自分に言い聞かせつつ、その日はぐっすりと寝た。

 オナニーの時にはしっかりと勃起するというのに、実際のセックスでは勃起をさせることが出来ない。沙也も少しずつ「なんで勃起しないの」と機嫌が悪くなり、俺も「そんなの言われても知るかよ」言い返すようになっていった。
 沙也の気持ちは分かる。彼女の考え方は、物事には何かしらの原因があるというものだ。今回の場合は、まるで自分に魅力が無いから勃起しない言う風に捉えている。つまりは原因は妻である自分だという事になる。俺はもちろんそんな事は言っていないが、人の思考は厄介なもので、特に性生活になると思い込みが激しくなっていく。
 沙也は生まれてずっと男に言い寄られてきたからこそ、そんな自分に魅力が無いはずが無いと思って不満を感じるのは仕方がない。と、言う風に思ってはいるが俺もそんな風に不満の感情をぶつけられると冷静ではいられずに、互いに距離を置き始めていった。

 このままでは薬や病院のお世話にならなくてはと思いつつも、なんとなく男としてのプライドが邪魔をする。そうなると、仕事を終わらせても少しずつ家に帰りづらい気持ちを抱え始めていき、次第に家に帰る前にコンビニで時間を潰したり、同期や後輩と飲みに行ったりして遅く家に帰ることもあった。
 そんな日々が続いたある日。自宅のドアを開けると、鍵がかかっては居ないのだが、玄関に沙也の靴が無い。それなのに誰か人が居る気配がする。俺は玄関に置いてあった木の靴ベラを手に持ってゆっくりとリビングへ歩く。何もないよりはマシだと自分に言い聞かせる。
 やっと辿り着いたリビングのドアノブを握って、ゆっくりと静かににドアを開けると、沙也の匂いとは違う、女性もののシャンプーの香りが鼻をくすぐる。
 驚いて匂いの先を見ると、携帯を弄りながら、一人の女が立っていた。見覚えがあるというか、今日有休をとって会社に居ないはずの大学時代からの後輩の衣奈だった
「は?なんでお前が家にいるんだよ?だいたい、今日は休みとってたろ」俺の声に驚いてキャッ!と声をあげて肩も跳ね上げる。

「びっくりした!先輩は帰ってきたらただいまとか言わないんですか?」肩と胸を撫でおろしながら、俺に怒る衣奈。衣奈も沙也に負けないほどの巨乳だが、今の俺はそれどころではない。不法侵入してるのか、なんでコイツがと頭の中で考えがグルグルと回っていく。
「そんな感じだから沙也さんが色々と動かなきゃいけないんじゃないですか」俺の質問には答えずに言葉を続けていく。衣奈は沙也の高校時代からの後輩らしく、追いかけるように同じ大学に入ってきた。俺と沙也が付き合っていた事を誰よりも早く知っていたり、沙也と同じ会社に入ろうとして、落ちた結果として俺と同じ会社に入ってきた大学時代の後輩である。
「普段はするよ。今日はいつもと違う雰囲気だったから警戒してたんだよ。空き巣とか泥棒じゃないかって。さっきも聞いたけど、なんでお前が家に居るんだよ」
「警戒ですか。ま、いつもと違うって言うのは間違って無いですね。沙也さんから伝言頼まれてて、家に上がらせて貰ったんですよ」
「伝言だぁ?俺の携帯に連絡入れるとか、直接言えばいいんじゃないのか?」
 その言葉に、分かってないですねぇと両腕を広げる衣奈。ニット生地のトップスがその動きに引っ張られていき、大きな果実が実った胸元が強調される。自然と胸のラインに目が行ってしまう。

「自分で伝えづらいからこうして私を呼んだんですよ。先輩たち夜の方が上手くいってないんですよね?」ニヤニヤした顔で言ってくるが、こいつはどうしてそんなことを……。
「沙也さんから聞きましたよ。その解決策を思い付いたらしくて、最近連絡を取り合っていたんです。正直私は反対したんですけれど、先輩も罪作りな男ですね」衣奈はそのままバッグの中から一枚の紙を取り出す。それには住所が書かれている。
「ここに行ってあげてください。そこで沙也さんが待っていますんで」深くお辞儀をして、部屋から出て行こうとする衣奈。
「あ、そうだった。沙也さんが……、えと、お二人の関係がそのままでしたら、沙也さんに私の方も手伝って下さいねって伝えてください」一方的に除法を堪えると、衣奈は家から出て行った。
 
 一人残された俺は全然状況を把握できないまま、衣奈から渡された紙に書いてある場所に向かい始めた。

 歩いて15分くらいで目的地に着く。目的の場所はもしかしなくてもラブなホテルだった。洋風の派手な門、その横には大きな文字で「休憩・宿泊」と書かれている。
 いつもと違う場所ですれば治ると考えたのか、それとも家でするよりももっと濃密なセックスがしたいとかそういうのか……。
 答えのない妄想をしながら、女性の受付に待ち合わせと紙に書いてある部屋番号を伝えると「お連れ様なら先にお部屋に居ますよ」と言われて部屋に向かう。
 ラブホテルは何度も来ているが、いつもとは違う緊張感が自分の中にあった。一つはもちろん俺が男としての能力を取り戻せるのか、もう一つは沙也がなぜ衣奈を呼んでまでこのラブホテルに呼び出したのかということ。いつもと違う事をするといっても別に衣奈を呼ぶ必要は無かったのではないかと、ホテルに着いてからも思っている。 
 いつもより早く動く心臓の音を聞きながら部屋に入る。そこには窓の光を浴びながらベッドに腰かけている沙也の姿が有った。陽の光のせいかいつもの沙也よりも、奇麗に見えた。

「あら、来たのね。衣奈には会えた?」いつも通りの凛とした顔でといつもと変わらぬ口調で聞いてくる。
「ああ、会ったよ。何も言わずに衣奈だけいたからビビったよ。あと、こんな所に呼び出したりしてどうしたんだよ」こんな所と言いつつも、ここで男と女がすることは一つだけと言うのは分かっている。
「理由はもう少ししたら分かるわ。それまで、ね」
 沙也はベットから立ち上がると俺に抱きついて唇を重ねる。体をドアに押し付けられながら舌と舌を絡ませ合う。股間は相変わらず反応はしないが、久々の妻とのキスにムラムラとした欲求は湧き上がってくる。靴を履いたまま沙也とベッドに倒れ込んで、大きな胸をまさぐろうとすると、備え付けていた電話が鳴る。
 沙也は少し待ってねと言って、受話器を取る。二、三度返事をするとガチャリと電話を切って、俺の方を向く。

「もう一人来るから」

 そう言う沙也の顔には、少しの恐怖心と言葉に出来ない妖艶さがあった。
 
「もう一人って、誰だよ」
 もしかして、浮気か?ここに来る時にはそんなことを考えもしなかったが、数か月もセックスレスが続けばそういう状況になるのもおかしくはない。ここまで自分に都合の良い妄想ばかりをしていたが、そういう事は考えもしてこなかった。冷静に考えればそっちの方が自然じゃないか。
 頭の中に不信感が募っていく。来るのは浮気相手の男なのか、それとも……。
「あなたにとっては久しぶりの人で、私にとっては……。ま、会ったら分かるわ」
 沙也は澄ました顔をして言うが、二人の間に張り詰めた空気が生まれていく。
 ドアが開いて、その人が部屋に入ってくると古い思い出が蘇る。俺にキャットファイトとレズバトルの性癖を植え付けたあの子が入ってきたのだ。
「久しぶり。そういえば結婚したんだっけ。私がアンタの童貞貰ってあげたのに、まさかこんな女と結婚するなんてね」
 入ってきたのは幼稚園の頃からの幼馴染で元カノでもある樹だった。彼女は昔よりもすっかりと大人びていたが、俺はそれよりも沙也と同じくらい大きな胸に目が行ってしまった。
 樹と俺は付き合って居る時に、処女と童貞を渡し合った仲だが、なぜここに来ているのか分からない。樹が来たことでよって部屋の空気は更に緊張感が増していく。
「こんな女なんて、久々に会った相手に失礼じゃない。それに、たまたま先に彼に会っただけでしょ。私の方が先に出会っていたら違ってたから」
 沙也の表情が凛から怒に変わる。付き合っていた時も結婚してからも、見せた事が無い表情だ。その感情をぶつけられた樹もイライラとした感情を隠そうともしない。
 この突然の状況で、頭は混乱しているはずなのに、俺の肉棒は何故か固くなり始めていた。

なげええええええええええ!

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