田宮秋人 2023/01/14 21:00

ブレイズハート小説版 第7話

「お前はそこで仲間が蛇神様に捧げられるのを眺めているがいい。安心しろ、お前もすぐに捧げてやる」
「待ちなさい! 彼女はかなり疲弊しているわ。やるなら私からにしなさ……あぐっ!」
 顔を上げて道源に抗議したが、頭を踏みつけられて地面に擦りつけられた。
「主に向かってその口の利き方はなんだ? 立場が理解出来ていないようだな」
(一体なにが起きたの? 私がしようとしたことがことごとく反対になって……まさか、幻術?)
 相手の手札は見えないものの、自分が受けた攻撃の現象だけは想像出来た。とはいえ、現状では桜火を救うこともヴィランを倒すことも出来ない。自分の実力不足を改めて感じさせられ、悔しさに奥歯を噛みしめた。
「ほう、自ら贄に立候補するとはいい度胸じゃないか。ならばまず、その覚悟を見せてもらおう。俺に奉仕しろ」
 雪菜は両手を縛られたまま身体を引き起こされる。目の前に道源がいきり立ったペニスを見せつけるように近づけてきて、思わず頬を赤らめながら顔を背けた。
「どうした? まさか経験がないわけではないだろう? お前からヴィランの精液の匂いがするが」
「……お前には関係のないことよ」
「こいつまだ生意気な口を利くな。自分の立場がまだ分かっていないのか?」
 気丈に振る舞っているものの、内心では危機感に心が押しつぶされそうになっていた。
(私がこいつらの気を引いている間に桜火が目を覚ましてくれるといいんだけど。後は、桜火以外に誰が来ているか次第ね……)

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