猪熊夜離 2022/08/09 18:00

乃木若葉は抱かれたい(乃木若葉/乃木若葉は勇者である)

 今や人類の本陣となった丸亀城。香川の街を見下ろす城の一等奥まった場所で乃木若葉は男を待っていた。風呂上がりの火照った身体に浴衣を羽織っただけの無防備な格好で、頬を林檎のように紅く染めて布団の脇で正座している。

 普段は後頭部の高い位置で結い上げる髪を下ろしていた。出撃時やメディア対応時には目尻を吊り上げ、キリッとした表情を浮かべる若葉だが、今は夢見がちに表情を緩める。これから始まることを想像すると自然にそうなってしまう。人類を守る勇者のリーダーではなく、好きな男の人に抱かれるのを心待ちにする少女の顔が隠せない。

 締まりのないことではいけない。これは個人的な楽しみじゃないんだ、勇者のお役目なんだぞと口角が持ち上がった頬を両手でぺちんと叩く。だが、そう思っても若葉は頬が緩んでしまうのを抑えられない。

 これから少女を待っているのは禊と呼ばれる儀式。若葉たち勇者は神樹の力を借りることで、普通の人間では出せない力を行使することが可能だ。人類に残された最後の希望。普通の少女だった五人を特別な存在に変えた力。それでもより強力に、数も増え続ける天の神の尖兵から人類を守り切るには足りない時がある。

 そんな場合に勇者は切り札と呼ばれる奥の手を使う。神樹内にある概念データに接続して戦況に合わせた精霊の力を借りるのだ。切り札は勇者の戦闘能力を飛躍的に向上させる。事実この能力で窮地を切り抜けたり、戦況を逆転させたりしたこともあった。ただし、切り札は心身への反動が大きく、無闇やたらに乱用することは大社も推奨してない。

 切り札を使った反動は肉体の著しい衰弱や深刻なダメージとなって返ってくるほか、精神面への悪影響ともなって表れる。使用するたび穢れが溜まり勇者は不安感の増大、周囲への不信感からくる攻撃性などが顕著になる。

 勇者の内側に溜まる穢れを取り除き精神の安定を図りたい大社は、神樹の前で交わる神前式を開発した。神樹の力を利用した結界の中で性行為を行い、絶頂することで無防備になった精神から穢れが輩出されるというのだ。

 最初に神前式の説明を受けた勇者は誰もが馬鹿なと思った。大社の言うことは『セックスは身体にいい』という俗説を大真面目に語り直してるだけではないか、と。

 そもそもが勇者たちは平和な世の中なら義務教育に属する少女たちである。年端もいかない彼女たちに性行為の経験などなかった。それがお役目だから純潔を捧げろというのか。五人とも強い葛藤があるのは当然といえよう。

 それでもバーテックスと戦うために必要ならやるしかない。最初に神前式を受け入れたのは若葉だった。人類を守るため尻込みするわけにいかない。リーダーが率先して受けねばと覚悟を決めた。

 彼女自身、近ごろ自分の精神が不安定になってる自覚もあった。

 大社が用意したお役目柱は二十歳前後の若者だった。

 こんな時代でなければ大学生くらいの風貌。勇者が嫌悪感を催さず行為に集中できるようにとの配慮か、見た目が整った好青年風のイケメンだった。

 彼と交わる前の若葉には不安もあった。神前式は勇者が強い快楽で絶頂することを前提にしたシステム。果たして私が性行為で乱されるようなことあるだろうか。己が堅物だと自覚する若葉は、相手が頑張ってくれたのに絶頂できなかったらどうしようと心配した。

 すべては杞憂だった。

 彼は上手かった。とてもとても上手だった。

 大社としても厳選に厳選を重ねた人材だったのだろう。初めては痛いと聞いていたのに、若葉は最初から女の子の身体にはこんなにも気持ちいいツボがたくさんあるのだ、自分のようにお堅い女でも男の人に抱かれると幸せな気分になってしまうのだと教えられた。

 処女なのにはしたない、これでは男に抱かれることを楽しみにしていたようではないかと恥ずかしがり、快感を封じ込めようとしても彼の巧みすぎる腰使いが許してくれない。

 若葉は破瓜の日からいきなり二桁絶頂を記録してしまった。

 そして、その日から若葉の切り札使用頻度は増えた。



「お待たせしました」

 若葉の待つ部屋に男が入ってきた。

「大したことない」

 何てことはないように若葉は言う。だが、彼女の頬は赤みが強くなり視線は彼の股間へと向く。そこには衣服越しにもわかるほど屹立した男のペニスがあった。

 今からあの大きなモノが自分の膣内に入ってくるのだ。それを考えるだけで若葉の胸は高鳴る。早く、欲しい。

 男が若葉の前に座る。彼女は待ちきれず自ら浴衣の前を開いた。下着はつけていない。少女の瑞々しい乳房に男が息を呑んだのが分かった。何度も抱いて見慣れてきたろうに、今でも興奮してくれるのか。それならもっと見てもらいたい。一つ深呼吸してから若葉は浴衣を完全に脱いでしまう。

 一糸まとわぬ姿で布団の上に横になる。まだ成長途中の胸を隠すことなく仰向けになったまま膝を立て、足を広げる。陰部はすでに濡れそぼっていた。

 男は若葉の身体を視姦しながら自らも脱ぐ。鍛えられた肉体が露わとなり若葉はうっとりした目を向けた。男の人の逞しい身体。自分たちもバーテックスと戦うため鍛えているが、やはり筋肉の付き方などは男女で違う。この肉体美も彼がお役目柱に選ばれた理由の一つだろう。

「では始めましょうか」

「……そうしてくれ」

 いつもながらこの瞬間だけは緊張してしまう。これから自分はこの男に犯されるんだ。そう思うだけでドキドキする。

 若葉は仰向けで両腕を上げた。バンザイした少女の白い腋が無防備に晒される。彼の身体が伸し掛かってきて控え目な膨らみから腋窩に向かって舐められた。

 もっと胸が大きければ私も挟んであげられたのに。己の心もとない戦力を若葉は恨めしく思う。同い年でも年齢不相応にスタイルが良い上里ひなたや伊予島杏に比べ、若葉の膨らみは年相応と言えよう。仰向けで腕も上げると薄い脂肪は流れてほとんど残らない。そのことを彼女は恥じる。

 固くしこった乳首を口に含まれながら肋骨に沿って脇腹を指でなぞられる。気持ちいいとくすぐったいの洪水が押し寄せてきて若葉は身をよじった。

「はぁ、ン! うぅん……そこばかり執拗に……はぁぅ、あ、そこ、そこはっ!」

 脇腹を撫でる手とは反対の手が側頭部の髪を掬い上げた。胸を弄ばれる快楽と羞恥で真っ赤になった耳を指の腹で擦る。

「ヒャゥゥン!」

 たび重なる神前式ですっかり若葉の弱点が耳だと把握されている。幼馴染みのひなたや勇者仲間の高嶋友奈から耳かきされただけで腰砕けになり、普段では絶対に出さない雌声を出してしまうほど敏感なパーツを、彼は明確に性感帯扱いしてくる。

 胸を離れた唇が反対側の耳に近づく。吐息が掛かっただけで若葉は腰を浮かせた。きゅぅっと締まった肉穴が奥から熱い潤いを排出した。

「あっ、ふぅ、んんっ、ひぅぅぅぅぅ……」

 耳朶を食まれ穴の中に舌を挿し込まれる。ぬちゃぬちゃという水音がダイレクトに脳髄まで響き、頭の中を直接舐め回されてるような気分になって背筋がゾクゾクした。耳の穴を○す舌の動きに合わせて乳首も愛撫される。先端を爪先でカリカリ引っ掻かれた。充血してぷっくり膨れ上がった乳首を強く吸われて、若葉は仰け反って喘ぐ。

「んっ♡ んぅ、や、やだっ♡ だめだっ♡ 耳、やめてくれぇ♡」

 やだ、だめと言いながら、もっとして欲しい本心を隠せてない声。メディアに流れる勇者としての乃木若葉しか知らない人間には想像もできないだろう。あんなに凛々しくて、格好よくて、自分たちを恐ろしい怪物から守ってくれる人類の希望も、セックスが上手くて格好いいお兄さんの前ではちんぽに媚び媚びの声で啼く可愛い女の子になってしまうなんて。

「はぅっ……あ、だめ、それされたらっ……はうぅぅぅっ」

 ダメだめと言いつつ若葉は自分から耳を差し出してしまう。深く挿入したまま奥でチロチロ動かされると下半身に力が入る。前後の穴がキュンキュンして、まるで自分たちにもほしいとおねだりしているよう。

「――んくぅ♡ ――んはぁ♡ はぁ♡ ――っ♡ ……すっごい♡ ……すっごい♡ やはり♡ うますぎるっ♡ おっ♡ おっ♡ おっ♡ ほぉっ♡」

 ちゅぽんっと舌が抜かれた瞬間、若葉の腰が跳ね上がった。腰を反らして全身が小刻みに痙攣し、呼吸すらままならないほどの快楽に襲われる。絶頂したのだ。耳イキさせられてしまった。若葉は「はー、はー」と荒い息を吐き、呼吸を整えようとする。

 だが本番はここから。まだ絶頂の余韻に浸っている若葉の秘所へ指が突き立てられた。ぐじゅりと蜜壺を掻き回す音。二本の指がバラバラに動き出し膣壁を擦っていく。

「あんっ♡ ふぁぁぁああぁぁあぁあぁぁ♡♡」

 絶頂したばかりの膣内へ与えられる刺激は強烈すぎた。視界が明滅するほどの衝撃に若葉は再び仰け反り絶頂してしまう。

「だめだっ♡ これ、またイっ……くうぅぅぅ♡♡♡ あぁっ♡ これダメェ♡♡ イクッ♡ イグゥゥゥゥ」

 だというのに彼は指の動きを止めてくれない。少女の細い身体が悲鳴をあげる急角度でブリッジしても、眉一つ動かさず恥骨の裏側を擦ってくる。その姿はさながら獲物を捕らえた蜘蛛のようだ。

 若葉は逃げ場のない体勢で一方的に嬲られ続ける。シーツを掴み首を激しく振っても何の抵抗にもならない。むしろそんな無駄な動きが余計に彼の嗜虐心をそそるのか、ますます激しくなる責めに若葉は咽び泣いた。

 こんな激しいプレイは初めてだ。いつもは優しく甘やかすように抱いてくれるのに、今日はまったく容赦がない。どうやら鬼畜スイッチが入っているらしい。そういえば前回、いつも同じような抱き方では飽きがきませんか、次回は少し違った方法も試しませんかと彼が珍しく提案してきた。普段の彼は大社から与えられたお役目を全うすることに徹し、あまり自分の気持ちを出してこないので不思議に思った。

 若葉は彼に抱いてもらえるだけで深い幸福が感じられるので構わないが、もし彼にやりたいことあるなら付き合ってあげたいと思った。だから男が言う少し違った方法に同意したのは間違いない。まさかそれがこの結果になることまでは予想していなかった。

 強すぎる快楽から逃れようと反射的に身をよじっても、男の指が的確に弱いところを抉ってくる。若葉の身体は既に彼専用になっているのでどこを責められたら気持ちよくなってしまうのか、本人以上に知り尽くされていた。

 クリトリスの裏筋を擦り上げられるたびに、尿意に似た感覚がぞわぞわっと背筋を這い上がる。このまま続けられたら本当に失禁してしまいそう。それだけは避けねば。若葉は慌てて自分の股間に手を伸ばす。しかし男の手によって手首を掴まれ阻まれてしまう。

「やぁ! やめっ、やめてくれっ! もう無理だぁ! 漏れる! おしっこ出てしまう!」

 イヤイヤと首を振る少女の言葉は無視して男の指が敏感な部分を押し潰すようにぐりぐりとめり込んでくる。そのまま左右にグリッと捻られると液体が溢れ出るのを感じた。

「あっ、やあっ……! だ、だめ……やめっ! そこっ、だめっ……!」

 プシッと音を立てて割れ目から潮が飛び散る。布団の上だけでなく顔にまで飛沫がかかるが気にする余裕もない。

「や、あっ……やめ、て……っ! お、お願い……っ! お願い、しますっ……!」

 人類の希望である勇者が命乞いのように助けを求める。人よりセックスが上手いだけの男におまんこを指でほじられて。懇願の言葉を口にしながら若葉は目尻に涙が滲むのを感じた。

 不意に膣内から異物感が抜けていった。終わった? 一瞬安堵したがすぐにそれは間違いだと思い知らされる。男が若葉の両膝に手を掛け開かせた。

 熱く硬い物質が自分の入り口に宛がわれたかと思うと、次の瞬間には磨かれた氷上を滑るように膣内へ入ってきた。

「入ってきた♡ ……くっ、相変わらず硬くて、大きくて……熱い♡」

「今日みたいなやり方はあまり好きじゃないようですね」

「私には向いてないようだ」

 彼なりに自分を悦ばせようと考えてくれたに違いない。そう思うと完全否定も躊躇われたが、変に含みを持たせてリトライとなるのは勘弁願いたい。

「そうですか」

 男は短く答え腰を前後に動かし始めた。彼のペニスの形を覚え込まされた膣肉が嬉しそうに絡みつく。膣内で若葉の好きなところに彼のカリが引っ掛かる。派手な動きではないのに早くも腰の辺りがムズムズしてきた。

「はぁぁぁん……♡ あんっ、あぅっ♡ あっ♡ はぅっ……はあぁぁっ……♡♡」

「どういうセックスが好きですか。若葉さんに悦んでもらうことが私のお役目です。何でも言ってください」

 お役目だから抱いている。そう無機質な言い方をする一方で、彼の腰使いはどこまでも甘く、女体を内側から蕩けさせ、若葉の女を揺さぶり起こそうとしてくる。彼にしか触れさせたことがない奥深い場所を突かれると、一突きごとに男根を食い締め如何に自分を女にしてくれたモノが気持ちいいか切々と歌い上げてしまう。それが恥ずかしくて、気持ちよくて、若葉は自分で|膣内《じぶん》の動きに合わせて何度も軽く達してしまった。

「あっ♡ あっ♡ い、いいっ♡ あんっ♡ す、すぐにっ♡ イッてしまうっ♡ イッてしまうぅ♡」

「若葉さんイッてください。たくさんイッて穢れを外に出すんです」

 正直もう穢れなんてどうでもよかった。彼とのセックスが儀式であることも忘れ、ただただ没頭していた。今はただこの気持ちよさを貪りたい。子宮を揺さぶられる感覚に身を任せていたい。

 男の亀頭が一番奥をごりゅっと削った瞬間、若葉の身体がビクンっと跳ねた。頭が真っ白になる強烈な快感に襲われ意識が飛んでしまいそうになる。四肢の先から力が抜ける。

「これが好きっ♡ あなたがいつもしてくれるセックス♡ いっぱい甘やかして、気持ちよくしてくれるセックスが一番好きだっ♡ もっとしてくれ♡ もっと私の膣内を擦って……あ、頭も撫でてくれ♡」

「はい」

 男は言われた通りに頭を撫でる。汗で湿った髪を梳くように撫で付けられた。頭を包み込むようにして抱かれると彼の鼓動を感じる。若葉の口からほうと甘い息が漏れた。

「キスも……してほしい♡」

 若葉の要望に応えて男が唇を奪う。舌を絡ませ合い唾液を交換するような情熱的な接吻ではなく、唇を吸いあう軽いものだ。それでも恋人同士のような行為をしていると心が満たされていく。

「んちゅっ、ちゅぱっ、ちゅぅぅぅう……ぷはっ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 息継ぎのために一度顔を離す。互いの口の間に銀色の橋がかかった。それを舐め取りながら男が尋ねる。

「満足しました?」

「……まだ足りない」

「甘えん坊モード全開ですね」

「私がしたいようにしてくれると言ったのはそっちだぞ」

「そうですね。じゃあ、まだまだ甘やかしますよ」

 若葉の身体を胸に掻き抱いたまま男が腰を動かす。じゅぶじゅぶと濡れた膣肉を肉棒で捏ねられる恥ずかしい男が辺りに響いた。

 キツく締まる膣洞が、太く長く立派な剛直に擦り上げられる。いつの間にか恋人つなぎで彼の手に絡め取られていた指先まで快感に痺れ、若葉は細い体を戦慄かせた。

「ここを一歩出たら若葉さんに求められるのは凛々しい勇者の姿。市民を不安がらせないため弱い姿など見せられませんよね。だけど本当の若葉さんは十四歳の可愛い女の子で、甘やかされえっちで気持ちいいコトするのが好きなんですよね」

「んっ♡ んんっ♡ そ、そうだ……私は、あなたに愛してもらうのが好きだ♡ あなたとのえっちが大好きだ♡ いつもいつも私のことを気遣ってくれて、大切にしてくれて、気持ちよくしてくれるあなたのことを愛してるっ♡」

「私も若葉さんのことを愛していますよ」

「嬉しい♡ 大好き♡ もっともっと私を好きになってくれっ♡」

 きっと彼は他の勇者にも好きや愛してると言うのだろう。セックスを盛り上げるため、勇者のメンタルケアも兼ねて。お役目柱の心が自分にだけ向いてると思えるほど若葉は楽天的ではない。それでも抱いている間は自分だけを見てくれる。その一時だけは彼を独占できる。だったらそれでいいじゃないか。どうせ閨で男と女が交わす言葉なんて服を着たらお互い忘れてしまう程度のものなのだから、と若葉は聞きかじった話で己を納得させる。

 力強く腰を動かして彼が抽送を繰り返す。熱く泥濘む膣壁を突かれて若葉がよがった。

「ふ、深っ♡♡ こ、これすごいぃ♡」

「イキそうなんですか? いいですよ、いつでもイッてください。若葉さんがイクところを見せてください」

「イッ♡♡ イクッ♡♡ イグゥゥッ♡♡♡ イッちゃうぅぅ♡♡♡♡」

 前戯から段階を踏んで高められてきた若葉の肉体は、彼のモノでイキたくて仕方なくなっている。絶頂願望が最高潮に達した敏感な肉体に容赦なく快楽を叩き込まれ、若葉は目を剥いて全身を痙攣させた。

「あっ、あっ、あっ、あっ♡♡♡」

「若葉さんの中、すごくうねっています。まるで別の生き物みたいです。私も気持ちよすぎて腰が止まりません」

 そう言うと男が若葉の身体を強く抱き寄せた。そのまま腰を突き上げ、亀頭の先端で子宮口をぐりぐりと押し込む。

「ひぎぃぃぃっ!」

 脳天を貫く衝撃に少女の口から濁った悲鳴が上がった。

 若葉の蜜道は絶頂を繰り返しても一向に弛緩せず、相変わらずキツいまま収縮を繰り返した。

「本当に若葉さんの身体は私とのセックスが大好きなんですね。まったく緩めてくれない。これでは私もイッてしまいそうです」

「イッてくれっ♡ 中に出してくれ♡ あなたの精液が欲しいんだぁ♡」

 お役目に選ばれた男の人は万が一を防ぐため生殖機能が封印されたと聞く。つまり膣内で射精しても子供はできない。バーテックスに対抗できる勇者が妊娠で戦線離脱などあってはならないゆえ仕方ないのだと大社の人間は説明した。

 ナカで出されても子供ができることは絶対にない。その事実は当初、勇者たちを安堵させた。もしも自分たちの中に新しい命が芽生えてしまったら、その時は人類は敗北するかもしれないのだから。

 だが実際にこうして身体を重ねてみると、勇者たちの中で彼への想いがどんどん膨らんだ。彼との間に子供を授かりたいという欲求が日に日に強くなっている。

 若葉は万が一が無理でも億が一、兆が一の可能性に縋って彼に膣内射精をねだる。きっと他の勇者たちも同じことをしているだろう。こんなに素晴らしいことを教えてくれる素敵な男の人に抱かれて、彼の子供が欲しくなってしまうのは女の本能だ。勇者だからとか、中学生なのにとか、理屈で我慢できるものではない。

 今日もまた彼の腰に脚を回して種付けをせがむ。彼の精子が自分の卵子と結びつくことはないけれど、それでも彼の遺伝子を自分の胎で受け止めたかった。

 彼も若葉を抱き締め返してくれる。唇を重ね舌を絡め合った。お互いの唾液を交換し合う濃密なキス。下半身では激しく結合部を擦り合わせた。

 ずちゅっ! ぐちゅっ! ぬぷっ! ぱんっぱんっ!

 愛液と先走り汁が混じり合って、二人の股間が白く泡立つ。若葉は自分から腰をしゃくり上げ大好きな彼のちんぽを深くまで迎え入れた。膣壁が擦られるたび頭が真っ白になった。

「あ、ああっ♡ す、すごっ♡ いいっ♡ 気持ちいいっ♡ もっと、もっとぉ♡ 私の中をめちゃくちゃにしてくれぇ♡」

「若葉さん、若葉さんっ!」

 感極まったように自分の名を呼ぶ彼の声が愛おしい。若葉は彼の背中に腕を回しぎゅっとしがみつく。全身で密着しながら子宮口で亀頭を受け止めると、それだけで目の前がチカチカした。

 子宮口が亀頭に吸い付き子種を求めてチュウチュウと吸い上げているのが分かる。自分の身体はもう完全に目の前のオスのものになってしまったのだ。お役目だから抱いてるなんて言わないで欲しい。私はこの人のお嫁さんになりたいのだ。本当なら赤ちゃんだって産んであげたい。

「そろそろイキますっ!」

 膣内射精を懇願する若葉に応えるべく、男がピストン運動を加速させる。固く尖った先端で子宮の底をゴリゴリ擦られた。鮮烈な快感に反応し、若葉の膣洞がこれでもかと彼のペニスを締め上げた。

「ああっ♡ いいっ♡ いいっ♡ 出してっ♡ 射精してくれっ♡ 私の子宮に♡ あなたの精子っ♡」

 彼の下で若葉は身体を大きく震わせた。お腹の奥に溜まっていた熱が弾けた。全身の毛穴が開き汗が噴き出す。頭の中も身体の外も全部気持ちよくなって何も考えられなくなる。

 絶頂と同時に膣内が激しく蠕動して男の剛直を扱きあげた。精巣で作られた大量の白濁液が尿道を駆け上がり鈴口から噴出する。熱く粘っこい液体が若葉の膣内を満たしていった。

「熱い……♡」

 下腹部に広がる熱を感じながら若葉はポツリと呟いた。

「満足しました?」

「……まだ」

 男の胸板の上で呼吸を整えながら若葉は答える。まだ足りない。こんなものでは火がついた身体の火照りは鎮まらない。彼と肌を重ねると若葉は貪欲で我がままな女になってしまう。もっともっとと求めてしまう。

「……もう少しだけいいか?」

「もちろんですよ」

 男は笑顔で頷く。

 はしたないと思うが愛する人と触れ合える喜びのほうが勝つ。若葉は目覚めたての青い性欲が満たされるまで彼の上で腰を振り続けるのだった。

あとがき

凛々しい武士のような女の子が少し年上でエッチの上手い男の人に色々されちゃって、外では相変わらずなんだけど二人で居るときだけ甘々セックス大好きになっちゃうのいいよねという性癖を濃縮しました。

西暦勇者時代は何かと未完成で神世紀勇者に比べると大変だのう。300年後まで乃木家が続いているということは、若葉ちゃんは家の存続のため婿を迎えて子作りしたんだな。

乃木若葉は勇者である

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