猪熊夜離 2022/11/20 09:20

痴○のテクと美声に完全敗北したアルクェイド

Skebより。

原作:月姫(MELTY BLOOD)
キャラ:アルクェイド・ブリュンスタッド
シチュ:電車で痴○されたアルクェイドはトロトロに蕩かされホテルに連れ込まれる。
 ホテルで一旦は正気を取り戻すも高ぶった身体は彼に触れられると簡単に再燃してしまう。
 最後に残った一欠片の理性と志貴への罪悪感で生ハメだけは拒むも、ゴムありとはいえ痴○と最後までしてしまう。
 それ以来、志貴に隠れて痴○とセックスする仲になってしまったアルクェイド。
 ある日、アクシデントでコンドームをつける前の肉棒と膣口が触れ合ってしまう。怒り出すどころか挿れて欲しそうに腰を揺らすアルクェイドの様子を見て、男は何度も膣口に亀頭を擦りつけてくる。
 それでも拒まず、男から目を逸らし何が起きているか知らないふりするアルクェイドの意を汲んだ痴○が、とうとう生ペニスを挿入してくる。

1

 数百歳の吸血鬼だって現代社会で生きていれば電車くらい乗れるようになる。

 平日昼間。あまり混んでない時間帯の駅をホームに向かって歩きながら、アルクェイド・ブリュンスタッドは先日見たテレビ番組を思い出していた。ナビゲーター役の芸能人が電車を気分で途中下車し、その街の名物や名所を案内するというもの。

 テレビの取材なんて急に来られても迷惑だから、実際には裏で話が通っているのだろうと言うのは野暮。そういう体で放送しているのだから見る方も、そのつもりで楽しんでやるのがアルクェイド流だった。

 その番組に感化されたアルクェイドは、遠野志貴が学校に行ってる間の暇な時間を使い、ふらふらと駅に向かった。自分も気が向いた場所で途中下車する旅というやつをしてみたくなったのだ。

 ――と言っても志貴が学校から帰ってくる時間までには戻るつもりだから、精々が往復数時間程度の小旅行である。

 行き先は決めずホームに上って最初に来た電車へ乗り込んだ。車内は朝夕のラッシュ時に比べたら空いているが、そこそこ乗っているといった状況。座れない代わりに、立っていても不快じゃないだけの余裕がある空間だ。アルクェイドは車両の端に陣取り窓外を流れる景色に目をやる。一定の間隔で枕木を打つ音に耳を傾けつつ、車窓からの風景を楽しんだ。

 流れる風景の中に自分の知らない街を見つけては、そこで住民がどのような暮らしをしているか想像するのも旅の楽しみのひとつだ、と例の番組で言っていた。

 さっそく実践したわけだが、いざやってみると退屈だった。

(思ってたより退屈かも。志貴が隣りにいたらな)

 いつも傍にいるはずの存在が今日はいない。そんなことを寂しいと感じてしまうくらい、アルクェイドの中で彼の存在は大きくなっていた。

 いなくなって初めてわかる大切さ……みたいなものは自分にはないと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。

(一人でいるほうが慣れているはずなのに)

 アルクェイドは苦笑しつつ、でもそれも悪くないかと思った。

 一人きりだと感じることのできない何かを彼は与えてくれる。

(やっぱり早く帰ってこないかなぁ……志貴に会いたい)

 アルクェイドは窓の外を見つめながら、心の中で呟いた。

 背後に気配を感じたのはそのときだった。

 立つ場所を選べないというほどではない車内で、隣の車両から移ってきた男は迷わず金髪美女の後ろをとった。

 男は息を殺して獲物の様子を窺う獣のように身動きせず、ただ視線だけがじろじろとアルクェイドを観察していた。男の気配には明らかに下心を感じられる。

 男は大胆にも尻に掌を這わせてきた。彼の手はスカート越しにも分かるお尻の丸みに添えられている。電車が揺れるたび、偶然を装って指先が柔肉を撫でる。

 アルクェイドは痴○というものを知らなかった。己の容姿が初対面の異性に性的興奮を与えるほど整っていることにも無頓着だった彼女である。それに引き寄せられる不埒な輩のことなど気にも留めていなかった。

 それでも馴れ馴れしく身体を触られれば嫌悪感は募る。

 男の手つきを不快に感じ、すぐにでも振り払おうとしたアルクェイドだったが、思い留まった。車内で暴れては痴○男以外にも累が及ぶ。彼女個人としては知ったこっちゃない話だが、おそらく志貴は嫌がるだろう。

 事を大きくしてまた志貴に叱られるのは勘弁だ。

(次に電車が停まったら片付けようかしら)

 などと考えながら、アルクェイドは痴○行為を黙認した。

 それを自分が受け入れられたとでも勘違いしたのか、男の手は徐々に大胆な動きを見せ始める。偶然を装い、ぽんぽん、すりすり触ってくるだけだったところから一転して、ねっとりとスカート越しに尻のなだらかな線を撫でてきた。

 指先を立てて、つつぅっと背筋をなぞるように愛撫してくる。

「ん……」

 ぞくりと、甘い刺激が走る。アルクェイドは軽く肩を震わせた。声を出したのはわざとではなく、本当に不意打ち気味に快感を与えられてしまったからだ。

 男は敏感な反応に満足したらしい。クスッと小さな笑い声が聞こえた。さらに大胆に手を動かし出す。ロングスカートの上から尻や太ももを我が物顔で触られた。

(気持ち悪い……)

 もう周囲の迷惑など知らない。ここで殺ってしまおうか。忍耐の限界を試すような不快感が込み上げてくる。

 アルクェイドが唇を噛んで耐え忍んでいる間も、男の責めは続く。尻肉の柔らかさを堪能していた手がスカートのサイドジッパーを下ろし、中に潜り込んできた。

 姫君の御御足を包むストッキングの上から下着のラインを確かめるように上下する。

 そのたびに、くすぐったさともどかしさの中間のような感覚がアルクェイドの神経を刺激した。

「ふ……ふふっ」

 漏れそうになる吐息を必死に抑える。その様子が男の嗜虐心に火をつけたらしい。痴○男は大胆になった。前まで回り込んできた彼の指先が下着越しにクリトリスを突いた。目隠し越しの愛撫でありながら、あまりにも見事に、あまりにも的確に初対面の女の急所を暴くその手練は、この男が常習犯であることを物語っていた。

 アルクェイドは驚きに目を見開く。男に触れられた部分から全身を貫くピリリッとした快感電流が生じたからだ。大きな声が出そうになるのを慌てて堪える。

 まさか志貴以外の手で私がと動揺する女の内心などには一切関心を向けず、痴○男はさらなる攻勢に出た。アルクェイドの股間に伸ばした指先で、ぐにゅり、と淫核を摘まんだのだ。瞬間、アルクェイドの視界が真っ白に染まる。

 脳髄まで貫かれたかのような衝撃に、膝から力が抜けそうになった。危うく倒れかけたところを痴○男に支えられる。

「大丈夫ですか?」

 心配そうな声で痴○男は言った。

 アルクェイドは震える足腰に力を込めてどうにか立ち続ける。そんな彼女の耳元に口を寄せ、痴○男は囁いた。

「とても感じやすい身体なんですね。もっと気持ちよくなりたいでしょう? 私に任せてください。今よりもずっと良くしてあげますよ」

 女体を操作し慣れた男にとってブラインドタッチは何のハンデにもならないらしい。寸分の狂いもなくクリトリスを転がしてくる。

「あっ……やめ……て……ふぁ!」

 アルクェイドは快楽に抗おうとしてできなかった。男の巧みな愛撫によって、意思とは関係なく肉体が反応してしまう。

 痴○の言うとおり、アルクェイドは自分で思っている以上に敏感だった。ほんの少しの接触だけで、彼女の芯は熱を帯びて潤みだす。

「こんなに濡らしちゃって。いけない人だ。お仕置きが必要かな」

「そ、そんなこと、しなくていいから、離しなさい……ひゃう!」

 男は、ますます大胆になってきた。ショーツ越しに割れ目をなぞられ、思わず悲鳴を上げる。

「駄目ですよ。そんなことを言っても。ほら、クリトリスだって勃起して、こんなにコリコリし始めてるじゃないですか。本当は期待してるんでしょ?」

「ふざけないで! 誰があなたなんかに……きゃう?」

「素直になりましょう。ね。そうしたほうが楽になれますから。そうすればもっともっと気持ちよくなりますよ。我慢なんてしないで、欲望のままに乱れてごらんなさい。さぁ、どうして欲しいんですか?」

「や、やめて……っ、触らないでっ、あんっ、んっ……んあッ!」

 声を押し殺しながら交わされる会話。痴○との語らいを楽しんではない。それでも一定のテンポで繰り返される反復運動は人を|催○状態《トランス》に誘う。催○術師が光や音の繰り返しを導入に使うようなもの。

 電車の場合は枕木を打つガタタン、ガタタンという音や振動の繰り返しもある。単調なリズムは乗客の意識を揺さぶり、いつしか心に入り込んでくる。

 アルクェイドも例外ではなかった。

 男の指先が動くたび、痺れるような快感が脊髄を駆け上る。思考が蕩けていく。理性が薄れる。抵抗の意思が消え失せる。

(だめ……このままじゃ、わたし……)

「どうです。気持ちいいでしょ。正直に言っちゃいなさい。気持ちいいって」

 痴○男は執拗に、それでいて優しく、アルクェイドの身体を弄ぶ。

 彼の手は女を甘やかすことに長けていた。自分で触ってもこうはいかないだろうというくらい、好いところばかり触ってくる。痴○男に触れられて初めてそこも私の性感帯だったんだと発見するポイントがあった。

 アルクェイドが夢中になり始めていると、痴○の手は下着の裾から中に入ってきた。

 直に秘部を触られる感触で正気を取り戻したが、あっと驚くまもなくクリトリスを摘まれ、キューンと切ない疼きが子宮を直撃した。

「んん~ッ!」

「おやおや、もうイキそうになってるんですか。仕方のない方だ。まだこれからだというのに」

「……はぁ……はぁ……はっ! わ、私は、何を……んぅ……ッ」

 アルクェイドは自分が絶頂寸前まで高ぶっていたことにようやく気づいた。

(な、なに、これ……?)

 今まで味わったことのない強烈な快感。志貴に抱かれるときでさえ、これほどの悦びを得たことはない。これが痴○男の技術によるものなのか、それとも自分はもともとこういう体質だったのか。

(どっちにしろ……)

 アルクェイドは悔しさに唇を噛む。

(こいつの思い通りになるのは嫌……)

 心中で気合を入れ直す。耐えてみせる。次の駅まで我慢したら痴○を電車から引きずり下ろし、きっちり制裁を加えてやるのだ。

「ふぅ……ふぅ……ふぅ……んぅ……んんっ!」

「頑張ってくださいね。応援してますよ」

 男は小馬鹿にしたように笑いながら、さらに激しく指先を動かした。

 痴○の指が無遠慮に肉穴を襲う。いきなり二本も捩じ込んできたが、濡れた媚粘膜はあっさりと侵入者を受け入れた。

「ふぁっ、んんんっ!」

 アルクェイドはたまらず声を漏らした。

「すごい締め付けだ。食い千切られてしまいそうですよ」

「く……う……やめ……て……あっ、ああぁぁぁッ!」

「もうイキそうなんですか? 早いなぁ。でも、もうちょっとだけ我慢してください。私も気持ちよくなりたいんですよ。それまではイカせてあげません」

 男は残酷に告げると、穴の中で二本指を動かし始めた。バラバラにして膣内を掻き混ぜたり、揃えてクリトリスの裏側を押したり、叩いたり。かと思うと、奥まで差し入れてピストン運動を始めたり。

 とにかく多彩な攻め方で慣れや飽きが起きないようにしてくる。

「う……うぅ……く……ふ……くふ……くふふ……ふふっ」

 これが恋人や夫婦、そうでなくとも女の側から望んだ行為なら男の配慮やテクニックは喜ばしいものだったが、卑劣な行為に耐えねばならない身には○問でしかない。

 アルクェイドは必死に唇を噛んで抵抗した。快感が背筋を走り抜けるたび、ビクン、ビクンと腰が跳ねそうになる。

「こ、この程度……何よ……こんなの全然大したこと、くふ……ないんだから……っ!」

「頑張りますね。では、こういうのはどうでしょう?」

 男は左手をアルクェイドの股間から引き抜くと、今度は股間を押し付けてきた。彼の欲望は衣類越しでも形がくっきり分かるくらい硬くなっていた。

 それが双臀の割れ目にぐりぐりと押し付けられる。痴○の硬い先端が谷間を駆け抜け尾てい骨までスライドしてくる。その動きにアルクェイドは身震いして悶えた。

「い、いや……そ、そんなとこに、擦りつけないで……ひうっ」

 首筋に感じる男の吐息が熱い。アルクェイドの性器も、そして脳も負けずに煮え立ちそうだった。

「こんなことで驚いてたらいけませんよ」

 そう言って痴○男は大胆にもロングスカートを捲くり上げてくる。まさかそこまでされるとは思っておらず、反射的に太ももを閉じるが、すぐに男の手に阻まれてしまう。

「綺麗なお尻ですね。それに、とっても美味しそうです」

 痴○はうっとりと囁くように言った。

「じっくり楽しみたいんですが、正直あなたほど魅力的な女性を相手にしたことがないので、どこまで我慢できるか自信がありません」

 男の右手が尻肉を揉みしだいてくる。むっちりとした豊満な尻を手のひら一杯に味わい、撫で回す。

 ジジジっと背後で音がした。何の音だと訝しんでると両足の間に硬い棒状のモノが差し込まれた。まさか、そこまで。アルクェイドは痴○が始まってから驚かされっぱなしだが、今度こそ驚愕にただでさえ大きな目を眼球がこぼれるほど見開いた。

「ああ、いいですねその表情。最高ですよ。もっと見せなさい」

 男が腰を前後に動かす。その摩擦は膣口への刺激となり、彼女の身体をさらに昂ぶらせた。愛液が溢れ出し下着を濡らし、内股を滴っていく。

「ん、くっ……うぅぅ……!」

 それでも歯を喰い縛って耐えるアルクェイドだったが、次第に身体から力が抜けていくのが分かった。

 最初は己自身の長大さを見せつけるようにゆっくり、緩慢なストロークで動いていた男は、次第にピッチを上げてくる。

 固く尖った亀頭の先端が秘所の割れ目を何度も何度もなぞってくる。それだけでも快感なのに、男は己の肉棒とアルクェイドのクリトリスをチャンバラでもさせるように擦り合わせてくる。

 だが雌を○すための器官と雄に犯していただくための器官とが、まともな勝負になるはずもない。勃起しても豆粒大にしかならないクリトリスは、先走り液にまみれた凶悪な男性器の餌食となり、あっという間に制圧されてしまう。

 ずにゅっ! ちゅぅっ! と水音を立てて押し潰されるたびに、電流のような快感が脊髄を駆け上がり、目の前が真っ白に染まる。もはや抗う意志さえ持てなかった。ただ一方的に快楽を与え続けられるだけの時間が流れていく。

「次は~■■■、■■■、お出口は右側です」

 待ちに待った停車駅を報せるアナウンスが流れても、アルクェイドは力づくで男を止めようとはしなかった。そんな余裕もなかったというほうが正しい。

「次の駅で降りますよ」

 男が耳元で告げてくる。どうやら電車が停まるのを待っていたのは自分だけじゃなかったらしいとアルクェイドは気がついた。

 彼女は他の乗客に迷惑を掛けず痴○にだけ制裁を加えるために、痴○は車内ではできない猥褻を彼女に働くために、それぞれ停車駅を待っていた。

「一度|射精《だ》させてもらいますよ」

「え?」

 聞き返す間もなく濡れた下着の向こうで痴○のピストン運動が本格化した。

 ぐちゅっ、ぬちょっ、じゅぶっ、ぱんっぱんっ!

 卑猥な音が耳朶を打つたび子宮まで揺すられるようだ。再びサイドジッパーから侵入してきた男の指に肉芽を摘ままれる。容赦なく扱かれ抗えない快感にアルクェイドは全身を戦慄かせた。

「くああぁっ! ひぁあっ! あひぃぃっ!」

 今までとは比べ物にならないくらいの快感が襲ってきた。

 もはや男の動きはセックスだった。他の乗客にバレることなど一切気にしてない。なぜと周囲を見回してやっと気がついた。

 乗客たちは突如として日常に差し込まれた熱の入った性行為に釘付け。アルクェイド・ブリュンスタッドという絶世の美女が、公共の場で、素股で、あられもない嬌声を上げてる姿から目が離せないでいた。

(見られてる……)

 恥ずかしい姿を視姦されていることに気がつき、頬がカッと熱くなる。

(だめ……こんな姿……見られたくない……)

 羞恥心とは裏腹に、身体の芯はますます燃え上がった。

(なんで……どうして……)

 自分の肉体の変化に戸惑いながらも身体は素直に反応してしまう。下半身が燃えるように熱い。膣内が疼いてたまらない。自分でも気づかないうちに両脚を締め、太ももの内側と恥丘で男のモノを挟み込んでいた。そればかりか自ら腰を突き出す様は、相手の挿入を促しているようではないか。

(だめ……これじゃあ私……)

 完全に屈服しているみたいじゃないか。そう意識すると興奮は青天井に膨らんでいった。

 男を拒もうとする意思はあるのに肉体が言うことを聞いてくれない。まるで別の生き物になってしまったかのように勝手に腰が動いてしまう。

「|射精《だ》しますよ。まずはスカートの中に。続きは降りてから」

 痴○の言葉にゾクッと背筋を震わせるアルクェイド。恐怖か期待か。彼女自身にも分からない。電車がホームに到着すると同時に、痴○は勢いよく精液を解き放った。

 びゅるるっ! どぴゅうっ! どくっ! ごぷっ!

 白濁した液体がスカートの内側にぶちまけられた。たちまち濃厚なオスの青臭いにおいが周囲に立ち込める。

(わたし……まだ、イッてな……)

 絶頂の寸前で男に先を越されたと口惜しく思うアルクェイド。初対面の痴○にイカせてもらいたかったなど不貞の極みだが、自覚してしまった本心を否定することもできず火照った身体の熱と共に持て余す。

「それでは行きましょうか」

 汚れた肉棒をスカートで拭った痴○の手が肩に回る。ふりほどかなきゃ。頭で考えたことを身体が実行してくれない。

「あなたのスカートの中は私のザーメンまみれなんですから、そのままでは身体も流さないと気持ち悪いでしょう」

 そう言って男は強引に手を引いて歩き出した。

 男と二人、身体を洗える場所に行く。その意味を分かっていながらアルクェイドは彼について行った。



2



 駅からほど近いラブホテルの一室。バスルームでシャワーを浴びていると、内ももに貼り付いた精液と一緒に、肉体を焦がす情欲もお湯に溶けて流れていった。

 こんなことをしていてはならない。志貴以外の男に抱かれるため身を清めるなど。

 二人きりになったならかえって好都合。あの痴○男を叩き伏せて帰るのだ。何なら二度と陽の目が拝めないようにしてやってもいい。

 あれこれ考え反撃の意志を盛り上げたアルクェイド。しかし彼女の決意は男がバスルームに入ってくると霧散する。

「一緒に入りましょう」

 言うなり男が背後から抱きついてきた。背中に感じる逞しい胸板の感触に、心臓が早鐘のように脈打つ。

「ちょ、ちょっと……」

 慌てて振り払おうとするが、逆に手首を掴まれてしまう。男は反対側の手をお湯と一緒にアルクェイドの股間に滑り込ませてきた。

「やっ、やめ……んんっ!」

 敏感な割れ目を指先でなぞられ、たまらず声を漏らしてしまう。膝から力が抜けカクッと折れた。

 その隙を突いて男の指先が秘裂に侵入してきた。

「くぅぅっ!」

 膣孔に指の第一関節まで突っ込まれると、それだけで背筋が震えた。

「やっぱりあなたは濡れやすい体質なんですね」

 男は嬉しそうに言うと、指を根本まで埋めてきた。

「ああっ!」

「こんなに簡単に飲み込んでしまって。そんなに欲しかったんですか?」

「そ、そんなこと……あるわけ……ないでしょ」

 耳元で囁かれると抵抗できない。電車の中でも感じていたことだが彼は声がいい。セックスの巧さはもちろんのことだが、この声が聴覚から入り込んで女の脳を侵す。

 異能の力は感じない。ただ単純に声がいい、その一点だけで最強の真祖であるはずのアルクェイドは、他の女たちと変わらない扱いを受けてしまう。

 まさに天が捕食者に与えし唯一無二の才能だった。

「でも、ここは私の指が欲しくて堪らないみたいですよ」

 言いながら男は膣内を掻き回してくる。

 じゅぶっ! ぐちゅっ! ちゅぷぅ!

「んあっ! あふっ! ふあぁっ!」

 彼の言葉通り、肉ヒダは指に絡みつき愛液を滴らせていた。いやらしくヒクつく肉ビラを擦られるたび甘い痺れが走る。

 この状態で悦んでないと言って誰が信じようか。

 クリトリスの裏側を撫でられたときなどは、早くも達してしまいそうになったほどだ。

「んふぅっ! くっ……うぅん……!」

 唇を噛み締め必死で耐えるものの、どうしても声が漏れてしまう。

「我慢しないでいいですよ」

 耳をくすぐる男の声はまるで媚薬。ただでさえ敏感になっている身体に染み渡り、さらなる高みへと押し上げていく。

 やがて下腹部の奥から熱い塊が込み上げてきて、それは瞬く間に全身に広がった。

「あはぁっ! イくっ! イクッ! イっちゃうぅぅぅ!」

 電車で絶頂寸前まで押し上げられるもイカせてもらえなかった身体は、あっさりとその|瞬間《とき》を迎えた。ガクガクと腰を震わせながらアルクェイドは悦楽に呑み込まれる。

「すごいイキっぷりですね。まさかこんな簡単にイッてくれるとは思いませんでしたよ」

 男が何か言っているが頭に入ってこない。絶頂の余韻に浸りながら肩で息をしていると、男の腕が乳房に伸びてくる。

「あんっ!」

 不意打ち気味の愛撫に甘い声が漏れた。男はアルクェイドの豊かな胸を揉みほぐしながら首筋に舌を這わせてくる。

「ふぁ……あ……ああ……」

 まるで骨抜きにされてしまったように全身の力が抜ける。立っていることさえままならず背後の男に体重を預ける形になってしまう。

 それでも男の責め手は緩まない。

 今度は両手で両乳首を摘み上げてくる。ぎゅぅっと捻り上げられると、それだけで乳首の先っぽから耐え難い大きさの快感が駆け抜けた。

 さらに強く引っ張られるともう堪らない。

「ひぁぁんっ!」

 痛み混じりの快感が胸の先端から子宮へ、そして全身へと広がっていく。

 乳首を責められながらアルクェイドは鏡越しに背後の男と目を合わせた。

 男の見た目は普通の男性だった。都市部なら掃いて捨てるほどいる、景色に溶け込んで見た人の記憶に残らない容貌。

 年の頃はいくつだろう。悠久の時を過ごしてきたアルクェイドにとって人間の年齢など誤差でしかないが、人間基準で考えれば志貴と同年代の子供がいても不思議ではないように見える。

 きっと彼の印象を尋ねられた人間は、十中八九『良き家庭人』『真面目で実直そう』『優しそうな上司』などと答えるだろう。

 そんなイメージとは裏腹に、彼の瞳は獣欲でぎらついていた。極上の獲物を前にした痴○男の瞳は志貴よりも雄を感じさせた。

 彼と視線が絡んだ。その瞬間、ぞくりと背筋が震えるほどの興奮が襲ってきた。理由は分からない。分からないが、とにかく今、自分はこの男との性交を求めている。その証拠に両脚の付け根からはとめどなく愛液が溢れ出し、太ももを伝い落ちている。

(私……どうして……)

 戸惑いながらも身体は男を求めて止まなかった。気づけば両脚を大きく開き、腰を後ろに突き出していた。まるで犯してくださいと言わんばかりに。

「挿れて欲しいですか?」

 耳元で囁かれ、ぶるっと全身が震えた。理性が警鐘を鳴らす。

(いけない……こんなこと……早く止めさせないと……)

 だが心とは裏腹に、肉体は欲望に支配されつつあった。無意識のうちに腰が動いてしまう。挿入を催促するかのようにくいくいとお尻を振ると、それに気づいたのか、痴○の指が再び秘裂に滑り込んできた。

 すでに洪水のような有様になった秘裂に中指と薬指を同時に潜り込ませてくる。

「あはぁぁっ! くひぃぃっ! くぁあぁぁっ!」

 膣内を穿られ掻き回されると、たまらず嬌声を漏らしてしまった。二本の指が縦横無尽に動き回るたび、脳天まで突き抜けるような衝撃が走る。アルクェイドは完全に快楽の虜になっていた。

「こっちも気持ちよくしてあげます」

 言いながら男はクリトリスを摘んできた。

「ひゃあぁっ!」

 あまりの快感に背中が大きく仰け反る。同時に膣内が激しく収縮し、指を強く締め付けた。

「イキそうですか? またイキたいならちゃんと口に出して言ってください」

 興奮で掠れた声に背筋がゾクゾクッと震えてしまう。

「……だ……だめ……そんなこと……」

「強情ですね。でもそういうところが嬲り甲斐ありますよ」

「んんっ!」

 言葉と共にうなじを甘噛みされる。そのまま唇を押し当てられ、舌でチロチロと舐め上げられれば、もうダメだった。

 身体の内側から込み上げてくる感覚に屈服してしまう。もはや自分が何を言おうとしているのかすら定かでない。ただ、これ以上は我慢できないことだけが分かった。

「イカせ、て……イカせ……て……おね……がい……んぁ……はぁ……ぁ……イキ……たい……」

 羞恥で死にそうだ。けれど今は羞恥心すらも快感となって身の内を焼き尽くす。

 プライドも理性もかなぐり捨てて、アルクェイドは懇願するしかなかった。

「……分かりました」

 息も絶え絶えに吐き出された答えを聞いて、痴○は満足げな表情を浮かべた。彼は指の動きを速め、トドメとばかりにアルクェイドの膣内を激しく掻き回す。

 ぐちゅっ、ぶちゅぅっ、ぬちょっ、にゅちゃあぁぁぁぁぁっ!

 いやらしい音が浴室に響いた。同時に全身を強烈な快感が駆け巡る。アルクェイドは背筋を反らせ浴室の天井に向かって叫んだ。

「イっくぅうぅぅぅっっ!」

 秘裂からプシャアァッ! と潮が吹き出した。まるで失禁したようにタイルの上に水溜りを作るそれは、凄まじい勢いで湯気を上げている。

 びくっ、びくっと身体を引き攣らせながら、アルクェイドは何度も絶頂を極める。ようやく余韻から解放されるころには全身から力が抜け、自力では立っていられなくなってしまった。

 しかし男は容赦しない。

「まだ終わりじゃありませんよ」

 そう言ってアルクェイドにバスタブの縁を掴ませると、目一杯に突き出させた臀部の割れ目に顔を埋め、すっかり蕩けきった秘所に舌を押し付けてきた。

「んあぁあぁぁぁっっ!」

 膣孔を舐めしゃぶられる感触に思わず悲鳴を上げてしまう。舌先で膣ヒダをなぞられるとそれだけで気が遠くなるほど気持ちいい。

 生暖かい軟体動物のようなものが体内で暴れ回っている。おぞましい感覚は間違いなく嫌悪感を伴うはずなのに、今のアルクェイドには快楽しかなかった。

「ちゅぱ……ちゅぷぅ……ちゅっちゅっ……れろぉ……じゅぷぅ……じゅぷぅ……」

 卑猥な水音が耳朶を打つたびに膣孔がきゅっと窄まる。肉ビラを舐められるのが堪らない。

 男の舌が膣内で肉壁を掻き出すように蠢き始めた。

 ざらついた感触が敏感な粘膜を刺激するたび、悪寒にも似た感覚が背中を走り抜ける。

「あはぁっ、んひぃっ! はああぁっ! いやっ……あっ、や、やめっ! うああぁっ!」

 拒絶の言葉は半ば悲鳴に近い。このまま気持ちよくされ続けたら、頭がどうにかなってしまう恐怖が吐き出させた。

 強すぎる刺激に耐え切れず逃げようとしても無駄だった。がっしりと腰を掴まれ身動きさえままならない。

 男の愛撫は激しさを増す一方。肉穴全体を丹念にしゃぶりつくす様はまるで巨大なナメクジを思わせる。何らかの執念さえ感じさせる執拗な愛撫で、アルクェイドは降りてきたばかりの山を再び強○的に登らされる。

「もっと奥まで舐めてあげる。気持ちよくなりたかったら脚を開きなさい」

 命令口調の彼に逆らえない。

 アルクェイドはゆっくりと脚を開いていく。まるで催○術にでもかかったかのように男の言うことに従ってしまう。男が満足そうに頷いたのを視界の端で捉え、アルクェイドは自分の肉体が支配されていくのを感じていた。

(こんなの嫌なのに、嫌なはずなのに、どうして言うことを聞いてしまうの?)

 思考回路は既に麻痺していた。自分の肉体が自分ではない何者かに乗っ取られている感覚は初めてだった。

 彼女の身体はとうに発情している。その状態で快楽を与えられてしまえば抗うことはできない。心では抗おうと思っていても肉体は受け入れてしまっている。

 だからアルクェイドは彼の命令通り秘所を晒すしかなかった。

「くふうぅんっ……!」

 舌先が膣洞の深い場所まで入ってくる。ぬめった肉を根本まで埋め込んだ男は、その場所で小刻みにピストン運動を始めた。柔らかな媚肉を巻き込みながら舌を前後に動かす。

 唾液と愛液にまみれた陰唇はテラテラと妖しく輝き、男の情欲を誘う。

 股間に顔を埋めた痴○男は夢中になってむしゃぶりついている。彼とてアルクェイドほどの美女を自分の舌技でイカせることに興奮を覚えぬはずがないのだ。

「あんっ……くふぅ……んっ……んんっ……ふぁぁっ……はぁんっ……」

 絶え間なく襲い来る快感に膝が震える。立っていること事態が辛い。

 ついに彼女はバスルームの床に膝と額をつけ、土下座でもするかのようなポーズで尻だけ突き出した。みっともない格好でアソコを舐めてもらうことは、泣きたくなるほど恥ずかしくて悔しくて、甘美な体験だった。

 男にはそれが分かるのだろう。

「いい格好ですね」と言って嘲ってくる。

 悔しいけど言い返せない。アルクェイドはもう、この男が与えてくれる悦楽に心を奪われていた。

 秘裂から滴る愛蜜を啜りながら、男は人差し指と中指を膣孔に挿し入れてくる。膣内を搔き回しながら同時にクリトリスを扱かれると恥も外聞もない。

「んあぁっ! あひっ、くひぃぃっ!」

 ケダモノ声で悦び泣き叫び、自ら彼の指と舌でイカせてもらうことを乞い願った。

「そ、そこぉっ! 弱いところだからぁ……もっとぉ……ひぁああぁっ!」

 快楽を求めて腰を振り、もっともっとと尻を突き出してしまう自分が信じられなかった。

(なんで……こんな簡単に、イッちゃうなんて!)

 男の指がGスポットを抉るように押し込んできた。指の動きには一切の迷いがない。彼女が一番感じるポイントを正確に把握している動きだ。

 ぐりぃっ、ごりぃっ、ぐりゅぅっ、こしゅりっ、くりっくりっと執拗に攻め立てられて、あっという間にイカされてしまう。

「ああっ、イクッ、イックウゥッッ!」

 エクスタシーを迎えたアルクェイドは恍惚とした表情で涎を垂らした。ぐったりと脱力した身体は、男の指を食い締める蜜壺以外は弛緩しきっている。

(私……またイっちゃった……)

 この短時間にこれだけイカされたことはない。認め難いが認めぬ訳にいくまい。殊セックスに限ってだけ言えば、アルクェイドの身体は志貴との愛あるセックスより、男から受ける一方的な可愛がりに惹かれている。

「いつまでもこうしてたら風邪を引いてしまうよ。ベッドに行こうか」

 男の呼びかけに、アルクェイドは小さく頷いた。もう逆らう気力も残っていない。手を引かれるままに、性器を結合させるためのスペースへと導かれていく。

フォロワー以上限定無料

無料プラン限定特典を受け取ることができます

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索