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快楽責めの記事 (7)

猪熊夜離 2023/05/03 14:00

ノロノロビームを浴びたリナリーが小太りおじさんに快楽責めされる話

 これぞ『東洋の美』という少女が街を歩いていた。

 彼女の出生地である中国を離れ、遠く西側に移動した地方の田舎街である。

 少女の名前はリナリー・リー。世界の終焉を阻止するためAKUMAと戦うヴァチカン直属の組織『黒の教団』に所属するエクソシストである。

 ただでさえ田舎街にはリナリー以外に東洋人の姿が見当たらないのに、加えて彼女は飛び抜けた美少女のため、すれ違う人間の注目を集めていた。まだ幼さを残すが、数年後には大輪の花を咲かせると容易に想像できる美貌、陽光を受けて艷やかに輝く長い黒髪はツインテールに結っている、体つきはスレンダーで手足が長い。上半身は黒の教団の制服を正しく着こなしているが、下半身は男の本能を刺激し、理性を破壊する長さのミニスカートだ。惜しげもなくさらした美脚が眩しい。

 だが今のリナリーは顔に僅かばかりの緊張を浮かべている。先程から何者かに尾行されているのだ。

(何が目的か分からないけどAKUMAなら好都合ね。この街のイノセンスについて聞いてみましょう)

 教団本部が新たなイノセンスの手がかりをつかんだのが三日前。AKUMAに破壊される前にイノセンスを確保すべしというのが教団の意向だ。その調査のためリナリーは田舎街に派遣されてきた。

「そこのあなた! どうして私をつけるの?」

「――っ!」

 人気のない路地裏に入ったところで、リナリーは後ろをつけていた男に振り返る。そこに立っていたのは年齢三十代前半で小太りの男だった。暑くもない日に少し歩いただけで汗をかいている。脂ぎった顔は陽光を浴びテカテカと光っていた。

 もし仮に男の目的がナンパだとしたら「身の程を知れ」と言われてしまうだろう。リナリーと釣り合うとは思えない並以下の男だった。

 リナリーの質問には答えず、男は美少女を前に鼻息を荒くしている。

「可愛いねぇお嬢ちゃん……僕好みのおっぱいしてるよ。Cカップくらいかな? おっぱいは大きすぎても小さすぎてもいけない。君くらいのサイズが遊んでて一番楽しいんだ」

 気色悪いことを言う小太りの男にリナリーは不快感を隠さない。こんな奴のために時間を割いている暇はないとばかりに口を開く。

「あなたの目的はなに? 千年伯爵の関係者?」

「なに伯爵だって? 僕には偉そうな貴族様の知り合いなんかいないよ」

 一応尋ねてみたのだが男は千年伯爵のこともAKUMAのことも知らないようだ。だとすると本当にただ気持ち悪い変態なのだろうか? それとも知らないふりしているだけ?

「あなた何なの? 目的は?」

 耐え難い嫌悪感を我慢しつつリナリーは聞いた。心優しい少女であるリナリーが、ここまで初対面の相手に悪感情を募らせることは珍しい。それだけ男は女性に不快感を与える存在だった。ただ姿形が女性ウケしない冴えない男というだけでなく、全身から湯気のように立ち上るスケベオーラが不快だ。

 男はニヤニヤ笑って答えない。どうやら答える気はないらしい。ならば、こちらも遠慮はしないとリナリーは対応方法を決めた。

「答えないのなら捕縛するわ。悪く思わないでね」

 リナリーは彼女のイノセンス〈黒い靴(ダークブーツ)〉を発動した。普段はパンプスの形状をしているが、発動するとリナリーの膝付近まで覆うブーツに変身する。

 ダークブーツは、強力な蹴り技を放てるようになるほか、高速移動や空中移動も可能にするイノセンスだ。

 ダークブーツの能力で一気にリナリーは男に接近した。瞬きをする間に二人の距離は目と鼻の先まで縮まる。このスピードに初見で対応できる相手は多くない。ただの変態小太り男が相手なら小細工は必要ない。

 ……そうやって油断したのはリナリーのミスだ。

 もう少しでリナリーの蹴りが男の腹に命中するというとき、それよりもひと足早く男の右手から光線が発射された。より正確には右手に嵌めた腕輪が光線を作り出していた。

(イノセンス!)

 気がついたときには遅かった。リナリーは得体の知れない光線を浴びてしまう。

「急に加速したからビックリしたけど、真っ直ぐ突っ込んできてくれて助かったよ。適当に撃っても当たったからね。どうやら運は僕に味方しているようだ」

 光線それ自体に攻撃力はないようだ。光線が命中してもリナリーは痛みを感じなかった。怪我もしていない。その代わり、彼女は自分の意思で指先ひとつ動かせなくなっている。

(まさかこの男がイノセンスの適合者だったなんて。私に何をしたの)

 まるで石にでもなったかのように動かない体を、リナリーは必死になって動かそうとする。せめて蹴りの途中で固まってしまった片足立ちの姿勢をキャンセルしたい。ミニスカートが捲くれ上がり下着が見えてしまう。

 リナリーの羞恥心を煽るように男は彼女の足元に屈んだ。少女の足がちょうど顔の辺りになる高さだ。彼は美少女のスカートの中に顔を突っ込み、肺いっぱいに息を吸い込んだ。蒸れた雌臭を体内に取り込む。

 自分が何をされているか理解して、リナリーは絶望的な気持ちになった。AKUMAとの戦いで肉体を傷つけられたことは多々あったが、この男のように女性の尊厳を傷つけてくる敵は初めてだった。

「やっぱり僕の勘通りだったよ。僕は強い女が好きなのさ。君みたいに強くて可愛い女の子こそレ○プする価値がある。簡単に屈しないでくれよ。時間をかけてたっぷり男に負ける屈辱と気持ちよさを教えてあげる」

 男は舌なめずりをしながら言う。彼の股間はズボンの上からでも分かるくらい膨らんでいた。

 リナリーの太ももを撫で回し、スカートの中で息を荒げる。汗ばんだ手が、少女特有の柔らかな感触を楽しみながら這い回る。

(くっ、触らないで!)

 謎の光線によって顎の筋肉も固まっているため、リナリーは声を発することができない。勇ましい言葉の一つも吐けない己の無力さを噛みしめるしかない。

 スカートの中に入った男の手は、今度はリナリーの尻を揉んだ。柔らかい尻肉に五指が食い込み、形を変えていく。

「君は黒が好きなのかな? 清純そうな見た目なのに黒のセクシーな下着を着けてるじゃないか。実はこういうプレイに興味があったりする?」

 そう問いかけられても答えることができない。リナリーは顔を真っ赤にして耐えるだけだ。

(こんなことって)

 これまで教団の任務で数々の修羅場をくぐり抜けてきたリナリーだが、今ほど窮地に陥ったことはない。なぜなら彼女はまだ性行為を経験したことがないからだ。リナリーとてエクソシストであると同時に恋を夢見る少女である。いずれは愛する男性と幸せな初体験を夢見ていた。それは断じてこんな場所で、こんな男を相手にするものではなかった。

(私はまだ男の人とキスさえしたことないのに……)

 目の前の男が初めての相手だと思うと虫酸が走る。悔しくて悲しくて涙が出てきそうだが、男のイノセンスによって体の動きを止められているリナリーには泣くことさえも許されない。

 スカートの中の男は、リナリーの下半身を弄ぶだけでは飽き足らず、胸の方に手を伸ばした。服越しに胸を掴み、乱暴に揉みしだく。

「着痩せするタイプなのかな? なかなか揉み応えあるおっぱいだね」

 男はリナリーの胸を品定めするように弄くり回す。その間も、スカートの中から聞こえる荒い鼻息の音が、リナリーの羞恥を煽る。

 男は、リナリーの胸の大きさを確かめるように何度も何度も、服の上から彼女のおっぱいを握り潰す。リナリーにとって不幸中の幸いは、男の光線が触覚も遮断してくれていることだった。おかげで男に触られる気持ち悪い感覚を感じなくて済んでいる。

 男はリナリーのスカートの中から抜け出すと、立ち上がって顔を近づけ彼女のうなじの匂いを嗅ぐ。

「いい匂いがするなぁ。シャンプーの香りかな? それとも君のフェロモン?」

 男は口にする言葉すべてが気色悪い。

 匂いを嗅ぎ、うなじを舐め、リナリーの体に手を這わせる。リナリーの体が自由であれば、今頃は抵抗して男を殴り倒しているところだ。しかし、今のリナリーはピクリとも動くことができず、男の手を受け入れるしかない。

「そろそろかな」男がささやくように言った。

 何がそろそろなのかと疑問を持つよりも先に、リナリーは己の体の異変を感じ取る。それまで失われていた身体機能や五感が突如として回復したのだ。それは即ち男に体を触られた感触が一度に押し寄せてくるということでもある。

「んっ、あああぁぁぁっ!」

 突然の出来事に混乱しながらリナリーは絶叫する。男の前で快楽に染まった甘ったるい声など出したくなかったが、不意打ちの衝撃に少女の肉体は耐えられなかった。

「ひっ、あっ、なにこれぇっ?」

「僕の光線を浴びたものは、すべての動きがのろくなるのさ。君の体は完全に動かなくなった訳じゃない。停止してるのと変わらないくらい動きが遅くなっていたんだ。触覚もそうだ。僕に触られた感覚は数十秒間、君の体内で貯められる。そして光線の効果が切れた瞬間まとめて君の体を襲ったんだ」

 男に触られても感じないのは不幸中の幸いなどでなかった。むしろ、その逆。本来なら分けてくるはずの快感を一度に叩きつけられる恐ろしい能力だった。

「ここからが、お楽しみの時間だ」

 そう言うと男は再び右手をリナリーに向け、光線を放った。どうやら光線の速度はそんなに速くないらしい。普段のリナリーなら余裕で避けられる。だが今は初めて感じる性的快感で足元がふらつき、立っているのもやっとだった。

「あああああああ!」またしてもリナリーは男の時間停止光線を浴びてしまう。

「今度は胸だけじゃなく、おまんこもじっくり触ってイカせてあげるよ」

 男はリナリーを地面に優しく寝かせた。彼は仰向けにしたリナリーのスカートを捲り上げ、下着を完全に露出させる。望まぬ性感を叩きつけられた美少女の股間は濡れていた。クロッチに貼り付いた下着越しでも割れ目の形がはっきり分かる。

(い、いやぁっ!)

 リナリーは羞恥心から足を閉じようとするが、やはり体は言うことを聞いてくれない。それどころか男が足の間に割って入ってきて余計に恥ずかしい格好になってしまう。

(この体勢じゃ全部見えちゃう!)

 恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になるのを感じた。

 リナリーの羞恥心を弄ぶように、男は少女のパンツに手をかける。彼女はこれから何をされるのかを理解して恐怖に怯えた。

 男はそんなリナリーの様子を嘲笑いながら、下着を脱がせた。愛液で濡れた布地が糸を引く。

「可愛らしいおまんこだね。新品未使用に見えるけど中はどうなってるかな?」

 少女は自分の最も秘すべき部分を異性に見られる恥辱に耐えながら、なんとかして体を動かそうと試みる。しかし、リナリーの意思に反し、彼女の体は指先ひとつ動いてくれなかった。

 リナリーの股の間に座り込んだ男は、両手で左右の陰唇をそれぞれ開く。少女の性器からは甘い蜜が溢れ出る。そこは綺麗なピンク色をしており、ヒダヒダが密集していた。

 男は少女の膣口を観察し、指先で軽く触れる。光線の影響でリナリーには触れられている感触がない。だが数十秒後には、いま触れられている分も含め、蓄積された快感が一気にリナリーへ襲いかかる。

 男はさらに深く少女の膣内へ指を挿れる。ピッタリ閉じた縦筋は十中八九処女で間違いない。膣内を傷つけないよう注意しながら、ゆっくりと掻き回し始めた。

 クチュ……グチャ……と、粘ついた音がリナリーの股間から漏れる。男はリナリーの肉壁を押し広げるように、指を動かし続ける。

(うぅ、んあぁっ! やっ、やめてぇ! それ以上はっ、入らないぃ!)

 声を発せないリナリーは心の中で必死に訴えるが、もちろん声なき声の意思など男は汲んでくれない。仮に彼女が声を出せたところで、男が指を止めることはなかったろうが。

 レ○プ魔のくせに男の手付きは優しかった。リナリーに痛みを与えないように、丁寧に、時間をかけて、愛撫を続ける。それがかえって彼女に屈辱感を与える。己の油断から男に組み敷かれ、体を良いように弄ばれていることへの怒り、悔しさ、悲しみがリナリーの胸の内に募っていく。

(いやぁ……どうにかして、逃げないと……)

 何秒後かに自分を襲う暴風雨のような性感を予想し、リナリーは脱出の糸口を探る。だが、彼女にはどうすることもできない。できるのはただ耐え忍ぶことだけだ。

「そろそろかな。三、二、一」

 男のカウントダウンが終わると同時に、リナリーの肉体を束縛していた光線の効果が切れた。それは堰き止めていた快感の放流も意味する。

「んっ、んんんっ……んっ、んうぅぅぅうううぅぅぅぅ!」

 これまで溜まりに溜まった快楽が一斉にリナリーの体に襲い掛かる。

「イ、イクゥウウッ!!」

 少女は悲鳴と同時に、絶頂を迎える。今まで感じたことのない暴力的なまでの快楽。我慢などできるはずもない。リナリーは仰け反りながら、生まれて初めて味わうアクメの味に酔い痴れる。

 頭の中が真っ白になり何も考えられなくなるほどの凄まじい衝撃だった。

 絶頂と同時に少女の膣穴から潮が吹き出し、辺り一面に飛び散る。あまりの快感に腰がガクガク震える。震えはリナリーの全身に広まる。奥歯と奥歯がぶつかり合うガチガチという音が辺りに響いた。

「おお、すごいな」

 男が感嘆の声を漏らす。それほどまでにリナリーの初イキは強烈だった。まだ男を知らない無垢な体が味わった、強烈なアクメ。少女の腰は浮き上がり、ブリッジするように背中を反らせる。

「まだまだ始まったばかりだぞ」

 男はリナリーの膣内に埋め込んだ指を鉤状に曲げると、見た目に似合わない繊細なタッチで他とは反応が違う場所を探り始めた。

「あっ、ああっ、そこぉ、だめっ、変になっちゃうぅ」

 リナリーの反応を見て、男は弱点を探り当てたと悟った。他とは違う少しザラついた場所を指先で軽く押す。派手な動きは必要ない。

「ここかい?」

「ひゃんっ、あっ、あううっ、んっ、んあぁぁっ!」

 リナリーの体がビクビクと痙攣する。男の指先がそこに触れる度に、リナリーは腰を浮かせた。

「どうだい? 気持ちいいだろう?」

「んっ、くぅっ、あっ、あぁ、こんなこと、されて、気持ちいいわけ……ないでしょっ」

 リナリーは強気に言い返すが、その顔は快楽に蕩けていた。誰がどう見ても感じ入っているのは明らかだ。それでもなお屈しまいとする姿はいじらしく、嗜虐心をそそる。

「まだそんなこと言う元気があるのか。それなら、もう少し激しくしてもいいね」

 男はリナリーのクリトリスに吸い付くと、思いっきり吸い上げる。

「ひぃっ、いやぁっ、なに、これぇっ!」

 今まで体験したことのない快楽に、リナリーは大きく目を見開き悲鳴を上げる。

「嫌ぁ、こんなの、おかしいよぉ」

「大丈夫、すぐに気持ちよくなるさ」

 男はリナリーのクリトリスを舌で転がしながら、彼女のおまんこに挿れた指で膣内をかき回す。男の指先は女体の敏感なところを知り尽くしているようだった。リナリーの弱い部分を責め立て、黒髪の美少女をイカせようと躍起になっている。

 リナリーは感じたくない、小太りの醜男に無理やり犯されて反応したくないと理性で抵抗を試みるが、一度イカされて敏感になった肉体は簡単には鎮まってくれない。

「ほら、もうこんなに広がったぞ」

 いつの間にか男の指は三本に増えていた。それらはバラバラに動き、少女の膣穴を広げようとする。

「そして、この状態で快感をキープしてやる」

 またしても男はリナリーに光線を浴びせる。身に余る快楽に反応して激しく暴れていたリナリーの手足は動きを止めた。男の愛撫は追加の刺激を産まなくなった。人心地つける時間が訪れた。しかし、これが嵐の前の静けさでしかないことをリナリーは知っている。

 絶頂寸前で神経伝達を止められた快感は、男の指が膣内を、彼の舌がクリトリスを一撫でする度、確実にリナリーの体内で積み上がっている。

(このままじゃ駄目。私、おかしくされる)

 男はリナリーの膣内から指を引き抜くと、変わって舌を処女の小穴に捩じ込んだ。寝床に潜り込むウナギのように、男の舌はリナリーの膣内で奥を目指す。とろみのある愛液が溢れ出てくるのを啜り上げ、膣内の肉を一枚ずつ丁寧に舐めしゃぶった。

(いっ、いやぁっ、そんなとこ、舐めないでぇ! やめ、て、汚いから、お願い、やめてぇ!)

 しかし、その願いは聞き届けられない。それどころか、さらに激しい責めがリナリーを襲う。

 男は舌先で少女の膣壁をなぞりながら、ゆっくりと抜き差しを始める。その動きに合わせて、ちゅぱっ、じゅぷっ、ぐちゅっ、といやらしい水音が鳴り響く。その音を聞くだけで、少女の羞恥心が煽られる。

 女の最も恥ずかしい部分を口で愛撫される恥辱の責めは、光線の効果が切れるまで時間いっぱい続いた。

 溜まりに溜まっていた性感が開放されると、リナリーは脳が焼き切れるのではないかという衝撃を味わう。

「ひっ、あああっ! あああっ、いいっ! 凄いっ! またイクっ! またイクっ! はぁぁぁ――――ッ!」

 光線による快感遮断がなくなった瞬間、彼女は絶叫と共に絶頂を迎えた。全身を駆け巡る爆発的な快感。頭の中が真っ白になり、意識が漂白されるほど強烈なエクスタシー。

(イクの止まらない! 私の体、気持ち良すぎる!)

「ははっ、いつ見ても女が本気でイキ狂う様は面白いな。最高の見世物だよ」

 リナリーのイキっぷりを見て男が笑う。男はリナリーの両足を持ち上げると、まんぐり返しの体勢にする。少女の陰部が天井を向いた。男は、膣口から垂れる本気汁に舌を伸ばし、下から上へと舐め上げる。

「汚れたからね。綺麗にしてあげるよ」

 男のざらついた舌が割れ目をなぞるたび、リナリーは体をビクつかせた。

 男の唾液と、滝のように溢れ出したリナリー自身の体液によって汚れた陰部を、男の舌が丁寧に清めていく。

 男の舌が蠢くたびに、リナリーの腰が小さく跳ねる。少女は自ら腰をくねらせ、男の口に秘部を押し付けた。

「おやおや、そんなに僕の口が気に入ったのかい?」

「ち、違うわっ!」

 男の言葉に我に返ったリナリーは、慌てて腰の動きを止めようとする。だけども彼の舌がリナリーの割れ目に沿って動く度に、彼女の腰は恥知らずに揺れた。

(こんな人に媚びるなんて……)

 自分の浅ましさに恥じ入りながらも、少女の体は正直だった。もっと舐めて欲しいと言わんばかりに腰を突き出し、さらなる愛撫を求めている。

 リナリーの意思とは裏腹に、本能は快楽を求めてしまっていた。

(それでも私は負けない。チャンスさえあれば逆転してみせる)

 その隙を窺っていたリナリーに好機が訪れた。

「それじゃあ、そろそろこっちでも楽しませてもらうよ」男が自分のズボンに手を掛けた。

(今だ!)

 リナリーは男の両手が自分から離れた瞬間を見逃さなかった。男の体を蹴った勢いで地面を滑る。まんぐり返しされた不自由な体勢からでは通常、たいした反撃はできないが、リナリーのイノセンスは彼女のキック力を強化してくれる。

 リナリーが胸を突くように男の体を蹴り飛ばすと、小太り男の丸っこい体は地面を十メートルほど転がっていった。

 リナリーはすぐさま立ち上がり男と距離を取る。油断なく構えを取ったまま男を睨みつける。

「まだ動けるか」

 男は少し驚いた様子で立ち上がった。これまで彼が手籠にしてきた女たちであれば、これくらい連続でイカせれば快感と無力感に打ちひしがれ、抵抗する意思などなくなるはずだった。よしんば抵抗しようとしても、連続イキした体は気力を裏切って動かない。それがどうだろう。この少女はいまだに戦意を失っていない。

「こうでなければならない」弛んだ頬肉の重さにも負けず、男は口角を上げて笑った。「僕のような醜男に処女まんこを指でほじくられ、クリトリスを吸引され、おまんこのヒダヒダを舐められてもまだ戦う気でいるなんて素晴らしい。それでこそ、犯しがいがあるというものだ」

「私はあなたの玩具じゃないわ」

「そうとも。玩具なんてとんでもない。君は僕の女だ。僕が飽きるまで永遠にね」

 男は両手を広げて少女を受け入れるポーズをとった。

「さあ、おいで。可愛がってあげよう」

「ふざけないで!」

 リナリーは地面を蹴ると路地の両側にある建物の壁を蹴って高く舞い上がった。三角跳びで男から距離を取ったリナリーは、ダークブーツの機動力を活かして男の周囲を高速移動する。

 エクソシストとして様々な経験を積んできたリナリーは、快楽責めを受けている最中も男のイノセンスに対して打開策を講じていた。

(あの光線はたしかに驚異だけどスピードは遅い。落ち着いて対処すれば私なら避けられるはずよ。それに腕輪を身に着けた右手から直線的にしか発射できないみたい。それならスピードで撹乱して、背後を取ったら一撃で意識を刈り取れば勝てる!)

 先程は油断から失態を招いたが、本来であれば自分のイノセンスは男のイノセンスに対して、相性が良いはずとリナリーは考えた。その弱点を突くべく徐々に彼女は包囲を狭める。

 男は完全にリナリーの動きを見失っているようだ。左右をキョロキョロ見ながらリナリーの黒い影を必死に目で追っている。

(このまま、一気に決める!)

 リナリーは男の背後に回り込むと渾身の蹴りを放つ。辱めを受けた怒りも込め、後頭部に強烈な一撃を放った。昏倒どころか絶命もあり得る全力の蹴りだった。

 だが、リナリーの蹴りが当たる直前、彼女と男の周囲を囲むように足元からドーム型の光が現れた。その光に触れた瞬間、またしてもリナリーの体は動きを止めた。

(なっ、これは!)

「残念、君の攻撃は届かない」男は勝利を確信した表情で振り返る。「僕の光線が真っ直ぐにしか飛ばせないことに着目し、スピードで撹乱して背後を取る作戦は理に適っていたよ。もし本当に僕の光線が真っ直ぐにしか飛ばせないなら、だけどね」

 含みがある男の言葉にリナリーは愕然とする。彼女は男の罠に引っかかったのだ。

 リナリーの作戦は全て、男の攻撃が直線的にしか飛んでこないことを前提に考えていた。そうした攻撃を打ち破るにはどうすれば良いかを出発点に論理を編んでいる。こうした考え方の場合、まず前提が間違っていたら、その後に続く全ての考えも破綻する。

 光線は曲がる。男の意思で自由に形状を変えられる。その可能性を一切考慮せずに立てたリナリーの作戦は、初めから穴だらけの欠陥品だったのだ。

(そんな、そんな……)

 自分の思い違いにリナリーは青ざめる。どうして私はもっと慎重に敵の能力を見極めなかったのだろう? そもそも、ここで無理して彼と戦闘を続ける必要はなかったはずだ。一度退き、教団に加勢を送ってもらってから、再度男と対峙しても良かったはず。それができなかった理由は、頭に血が上っていたからとリナリー自身も認めぬ訳にいくまい。

 乙女の肉体と尊厳を辱められた怒りは、リナリーを短絡的な思考に走らせた。いくらリナリーが平時は冷静なエクソシストであろうと、まだ十代の少女である。卑劣な方法で肉体の自由を奪われ、派手な音を立ててマン汁を啜られる辱めを受けたら普段どおりではいられない。

「ああ、いいね。怒った顔も素敵だよ」

 リナリーが自らの自らの勝利を確信し、憤怒の一撃を見舞わんとする表情のまま固まっているのを見て、男は満足そうに笑った。そして、ゆっくりとリナリーに近づく。

「それじゃあ、続きといこうか」

 右足を大きく頭上まで振り上げ、踵落としの体勢で固まっているリナリーを抱き寄せると、男は彼女の唇を吸った。肉厚な唇を押し付けると、男はリナリーが抵抗できないのを良いことに唾液まみれの舌を入れ、これがファーストキスとなる少女の口内を蹂躙した。犬が餌皿を舐め回すように少女の歯茎を舐め、舌の裏側にまで侵入し中年男の唾液を塗りたくった。

(いや、嫌ぁ……)

 キスという行為自体は知っていたが実際にされたことは初めてだった。リナリーの舌は男の舌によって激しく擦られる。

 リナリーは嫌悪と屈辱を感じながらも抵抗することができない。せめてもの反抗とばかりに男を睨みつけた。

「おおっ、可愛いよ」

 そんな少女の反応を愛でるように男が頭を撫でまわす。男の分厚い手のひらは汗ばんでいて、リナリーの頭を汚していく。男は自分の所有物をマーキングするようにリナリーの髪に手櫛を通した。男の手が頭皮に直に触れ、髪の根元を撫で付けると、リナリーは鳥肌が立つのを感じた。

 リナリーの反応を見た男は満足げな表情を浮かべて言った。

「それじゃあ、君をたっぷり味わってあげるよ」

 男は下着ごとズボンを下ろした。現れた陰茎は既に最大値まで勃起していた。初めて男の欲望を目の当たりにしたリナリーは、そのグロテスクさに息を飲んだ。

 太く逞しい血管が脈打ち、亀頭は子供の握りこぶし程もあり、カリ首も高くエラが張っていて、先端部分は傘を広げたようになっている。一番太い場所は女性の手首ほどもあるのではないかと思えた。

(無理よ……そんなの入るわけない……)

 こんな醜く巨大な肉の塊が自分の体に入るとは思えない。リナリーは顔を青くした。恐怖で全身から血の気が引く。

 男は右足を大きく振り上げたポーズで固まっているリナリーに正面から近づくと、左手で彼女のお尻の肉を掴んだ。そのまま立位で挿入の位置と角度を合わせる。

(嫌、いやよ、それだけは嫌、やめて!)

 心の中でリナリーは叫んだ。だが、彼女の想いなど関係ない。男は彼女の腰を引き寄せて狙いを定めた後、無慈悲に腰を突き出した。

 ぶちん、と肉の裂ける音がした。処女を奪われてもリナリーには肉体的な感覚は何一つない。きっと、これも数十秒後に遅れてやってくるのだろう。

「おおおお!」男が吠える。「きついね!」

 狭い膣穴に男の肉棒が激しく突き込まれる。初めての性交で極太ペニスを遠慮なく出し入れする行為は女性側に大きな負担を強いるものだが、あらゆる感覚が遅延してやってくるリナリーの肉体は何も感じない。果たして光線の効力が切れたとき、破瓜の痛みとセックスの快感どちらが上回るかは、リナリー自身もまだ分からない。

「僕のチンポが君の処女まんこに入ってるよっ!」男は下品極まりない言葉でリナリーを責め立てる。リナリーは何も言い返せずただ悔しさに身を震わせた。

 こんな最悪の形で初体験を奪われるなど想定していなかった。

「ああ、すごいよ、君のマンコ、とっても気持ちいいよ」

 男は美少女の初体験を奪い、彼女の隘路に深々と己の雄器官を突き刺している状況に酔いしれ、汗を飛ばしながら容赦なくピストン運動を続ける。彼ご自慢のキングサイズ亀頭が何度もリナリーの子宮を叩き、擦り、引っ掻く。

 もしリナリーに性行為の経験があったなら、過去の経験に照らし合わせていま自分はこれくらい感じているはずだ、光線の効力が切れるときにはこれくらいの官能が自分を襲うはずだと身構えることができたかもしれない。真正のヴァージンであるリナリーには、男から与えられる性感を予測する術はなく、彼女は今自分がどのような状態にあるのかすら推し量れない。

「ほら、もっと密着して、君の大事な場所に押し付けながら射精してあげるよ」

 男はラストスパートに入ったようだ。正面からリナリーの体をきつく抱き締め、お互いの股間を密着させる格好で小刻みに突き上げる。

(だめ、そんな……)

 彼の腰の動きに合わせて、ぐちゅぐちゅという卑猥な音が結合部から聞こえてくる。

 男に抱きすくめられて逃げることもできず、一方的に快楽を与えられ続ける。肉体的な刺激はなくとも、リナリーの精神は着実に追い詰められていた。

(誰か助けて……)

 自分の力だけではどうにもできない無力感がリナリーを襲った。だが、助けが来ることは決してない。

「さあ、イクぞ! 子宮に直接注いで卵子が溺れるくらい精子ぶっかけてやる! 孕め、俺の子を産め!」

 男は叫ぶとリナリーの膣奥に自らの精液を注ぎ込んだ。

 射精と同時に光線の効力も切れ、リナリーは蓄積していた感覚を一気に浴びせられる。

「んあっ! んあああああああああ! 熱い、出てる、私の中に出されてる。いっ! いっちゃう! いっちゃうよおおおおおおおおおお!」

「イケっ! イキまくれぇ!」

 リナリーの膣内は男のザーメンで満たされ、収まりきらなかった分が逆流して、少女の内股を流れ落ちていく。

 初めて迎えるセックスでの絶頂。しかも常人が数十秒間に分けて感じる性感を一瞬に集約して与えられる特殊なプレイ。通常ではあり得ない感じ方、イキ方にリナリーは目を白黒させて悶絶した。

 リナリーの意識が朦朧とする中、男は彼女の体を持ち上げて、駅弁ファックの姿勢をとる。

「ひぐっ!」

 リナリーは小さな悲鳴を上げた。

 男の剛直は彼女の体重を乗せて、リナリーの蜜壺の奥まで突き刺さった。リナリーの華奢な体は、男の肉杭によって串刺しにされる。

「あ、ああああ……」

 リナリーは弱々しく呻き、涙を流した。彼女の視界は涙で滲み、何も見えない。

 男はリナリーの尻を両手で掴むと、激しく上下に揺さぶった。

 ぱんっぱんっ、と肉同士がぶつかり合う音が響く。その度にリナリーのツインテールが揺れ動き、男の陰茎が美少女の子宮口を叩く。

「おほっ、この締め付け具合たまらん。君は最高の名器だ」

「抜きなさい、もうやめて、こんなことを続けても、あなたに屈したりはしないわ!」

 リナリーは半狂乱になって叫んだ。

「駄目だよ、まだまだこれからじゃないか」

 男はリナリーを地面に下ろすと彼女の体に覆いかぶさった。上から抑えつけるようにして抱き締め、キスをしながら再びピストンを始める。

 上も下も同時に犯され、リナリーは前後不覚に陥った。快感と酸欠で頭の中は真っ白になり、何も考えられなくなる。思考を放棄してただ喘ぐだけの雌と化した彼女を男は容赦なく責め立てる。

「ほら、また中に出すよ! 妊娠しろ! 受精アクメきめるんだ。ブサイク精子で美少女卵子を汚してやる!」

「や、やあっ! あっ、あうぅっ? あっ! あっ! あっ! あぁぁっ!」

 リナリーは歯を食いしばって耐えようとするが無駄だった。男の乱暴なピストンに、彼女の心とは裏腹に肉体は悦んでしまい、ついには絶頂を迎える。

「うおおおっ!」

 男は獣のような咆哮を上げて、リナリーの膣奥で果てた。どくんどくんと脈打ちながら、大量の精液を流し込む。

「ひぃ、やぁ、ああっ、ああああぁぁぁぁぁ……」

 男の欲望を受け止め、リナリーの下腹部はナカ出し精液で膨らんだ。男は最後の一滴まで出し尽くすと、リナリーの体からペニスを抜いた。

「ふぅ、よかったよ。君も僕に抱かれて気持ちよかっただろう?」

 男はリナリーの耳元で囁く。

「ふざけないで、誰があなたなんかと!」リナリーは怒りを込めて叫んだ。

「おいおい、さっきまであんなによがっていたくせに、強情な子だね」男は制服の上からリナリーの乳房を揉み、乳首を抓りながら言った。

「くぅ、ん、ああ、やめて、触らないで!」

「さて、そろそろ次のラウンドといこうか」

 男はイッた衝撃で体の自由が利かないリナリーの体を裏返すと、彼女の両膝裏を手で持ち、自分のチンポの上に座らせた。大股開きでの背面座位の姿勢を取らされたリナリーは慌てて逃れようと抵抗するが、四肢には力が入らず、まともに抵抗できない。

「だめぇっ! いやあぁっ!」

「これも深く刺さるだろ? 今度は自分で動いてごらん」

 男は下から突き上げるように腰を使い始めた。重力に逆らえず、リナリーの子宮口が男の亀頭に吸い付いてしまう。リナリーの体は勝手に反応し、子宮がきゅんと疼いた。

「くう、うっ、んんっ、くうぅ!」

リナリーの体が小刻みに震える。男は彼女の体を後ろから強く抱き締め、首筋に舌を這わせながらピストン運動を続ける。

「あっ、あんっ、はっ、激しいっ、はっ、はあっ、あっ、あんっ」

「激しいのが好きなんだろ? 可愛い顔してチンポ乱暴に挿れられると、お股ビチャビチャに濡らす変態女」

「ち、違う、これはあなたが無理やり……!」

「違わないね。君は僕みたいな男に犯されるのが好きで好きで堪らないんだ。だからこんなに感じてるんだろう?」

「私はあなたのことなんて何とも思ってないわ! 嫌いよ、あなたなんか!」

「いいよ。上の口に聞いたって正直に答えっこないんだから時間の無駄だ。おまんこに聞いてみよう」

 男はリナリーの両膝を抱え直し、より深くまで彼女の陰道を抉れるポジションを探った。そして、どちゅんっ、という音とともに、女体の秘奥を押し潰すような背面座位ピストンが始まる。

 リナリーは無防備な背後を取られ、為す術なく男の突き上げに翻弄される。

 男が背後から密着してくると、汗まみれになった二人の肌が密着してヌルリとした感触が伝わってくる。

「あっ! んおっっ! おぉっ! やらぁ! らめっ! お゛っ! ん、んぉおっ!」

「ほーら、おまんこは正直だ。つられて上の口からチンポに媚びる声が出てきたぞ」

「そっ、そんなわけないっ! んひっ?」

「嘘つくなよ、ほらっ!」

 パンッ! パンッ! パァンッ!

 膣内を肉棒で蹂躙されるたび、リズミカルに尻たぶを打ち付けられるたびに、リナリーの口からは甘い喘ぎ声が漏れ出ていく。それは紛れもなく快楽の声だった。

(こんなのっておかしいわ)

 リナリーは歯を食いしばりながら必死に抵抗する。しかし、抵抗すればするほどに体は快感に反応してしまい、ますます淫らに腰を動かしてしまう。

 男はリナリーの反応を楽しむように、小刻みにピストン運動を繰り返したかと思うと、今度は一気に最深部へと押し込んだ。ポルチオへ亀頭が到達する度に、その衝撃で膣内が痙攣するかのようにうねり出す。

「ひぃいっ! あ゛~~~ッ!」

「またイッたのか? この淫乱娘め。認めろよ、君は自分より強い男に太っいチンポ捩じ込まれて、おまんこ躾けられるのが大好きな淫乱娘だ!」

「あっ、あっ、あっ♡♡ またイクっぅううっ♡ イックゥっ♡♡」

「さっきまでの威勢の良さはどうしたんだ? どんどん声が甘くなってきてるぞ」

 男は腰を突き出しリナリーのGスポットを刺激する。そのたびにリナリーは甘い声をあげ、華奢な体を戦慄かせた。

 もはや認めねばなるまい。リナリー・リーの肉体は、お互いの名前さえも知らない小太り中年男とのセックスによがり狂い、屈服しているのだ。

 卑劣な男に弄ばれ、悦んでいるという事実を認めたくないのも当然だが、しかしリナリーひとりが否認したところで事実は揺らがない。

 だからこそ彼女は、精神的な勝利だけは譲るまいと気合を入れ直す。たとえ肉体は男に圧倒されていようと、精神だけは一部たりとて彼には預け渡さない。

「何を小賢しいこと考えてるか知らないけど、無駄だよ。君のおまんこはもう僕のチンポのことしか考えられないようになってる。そうだろ?」

「んひっ、っひ、ふぅゔッ♡ わた、私は、あっ♡ あなたに負けたりなんかぁっ♡」

「無駄ッ! 無駄ッ! 無駄ッ!」

 男はリナリーの腰を持ち上げては落とす動作を繰り返して責め立てる。リナリーの口は半開きになり、だらしないアヘ顔を晒してしまっていた。それでもなお、リナリーはプライドを捨てない。

(私はこんな人に負けない! いくら体は気持ちよくなっても、心まで屈したりしないわ)

 リナリーは背後を振り返り、男を睨みつける。

 男は彼女の表情を見て嗜虐的な笑みを浮かべると、さらに激しい突き込みを始めた。

 ずちゅっ、ぐちゅっ、ぬぷんっ、どちゅっ、ずちゅっ、どちゅっ。

 肉と粘膜がぶつかり合う音が響く。

 リナリーは必死に抵抗しようとするが、膣内を乱暴に擦られ、子宮口を突かれるたびに甘い声が漏れ出てしまう。

「んぉっ、んおっ、んおおっ、んんっ、おぉッ!」

「ははは、やっぱり体は正直じゃないか。素直になってイッちまえ!」

「いやっ、あっ、ああぁぁぁっ!」

 リナリーは、ひときわ大きな喘ぎ声を上げると、全身を激しく痙攣させた。

「おぉ、すごい締め付けだ。僕も我慢できない」

 男はピストン運動を止め、下腹部に力を込めるように深く息をする。

「もうっ、中には出さないで!」

「ダメだ。僕と君は運命の相手なんだ。ここで孕ませてやる」

「絶対にイヤッ!」

「強情な女だな。そんなところも可愛いよ」

「誰があなたの子供をッ! いやぁっ! こんなのってぇ!」

 男はリナリーの膣内に再び大量の精液を流し込む。リナリーは悔しげに首を左右に振ったが、彼は最後の一滴を絞り出すまで放してくれなかった。

 男はリナリーを持ち上げ結合を解くと、地面に四つん這いで寝かせた。

「次はバックからするぞ。強い男に理解らされるのが大好きな雌犬《ビッチ》は、ビッチに相応しい姿勢で躾けてやる」

 オーガズムの衝撃と中出しされた精神的ショックで放心していたリナリーだが、男の手に尻を撫でられるおぞましい感触で覚醒した。彼女は地面を犬のように這って移動する。無様な格好だなどと考えている余裕はなかった。とにかく少しでも男から逃げなければという思いだけで四肢を動かす。

「どこへ逃げようというんだ。短いスカートが捲れ上がって、おまんこからナカ出し精液が溢れ落ちてる様が丸見えだぞ」

 必死に逃げるリナリーを、男は悠然とした歩調で追い詰める。男は、既に致命傷を与え、あとは力尽きるだけの獲物を追いかけるハンターの気分だった。

 すぐ後ろに迫った気配へリナリーは反射的に蹴りを繰り出した。それを待っていた男はリナリーに光線を浴びせる。

 四つん這いから右足だけ後ろに蹴り出した格好でリナリーの体は硬直する。

「どれ、約束通りバックで躾けてやるぞ」男はリナリーの右足を小脇に抱えると、そのまま挿入を開始した。

 ずぷっ、ずぶぶっ、じゅぶんっ!

(んお゛ッ! いやっ、だめっ! うあぁああっ! 抜いてえっ!)

「さっきまでより奥まで入るだろ? こうやってお互いの体を交差させるのがコツなんだ。わざわざ僕のために自分から足を上げてくれてありがとう」

 男は凶悪な形をしたカリ高極太ペニスを根本まで捩じ込むと、腰を巧みにローリングさせリナリーの膣内を大きく撹拌した。

(あっ、あ ひっ、うぅっ、あっ、あっ、うぅっ)

「何だ、もう降参か? 光線が効いてるうちは感覚は遅れてやってくるはずだが、雰囲気だけで感じてるのか?」

(い、いやっ、違うっ、んひっ♡ ん、ん、んんっ♡ はぁっ、はぁっ、はぁっ♡)

 リナリーは否定しようとするが、彼女は無意識のうちに自分から男に甘え、腰をくねらせていた。

 まだ自分は雌悦に抗えていると頭では思っているのに、体は全然我慢できていない美少女を見下ろすと、男の海綿体にはグングン血液が集まってくる。男のチンポは彼自身も過去に覚えがないほどバキバキに勃起していた。

「君はどうやら僕のチンポに夢中になってくれたようだ。嬉しいよ」

(もうっ、いやぁっ! んっ、んぉっ♡ んひぃっ♡)

 そろそろ光線の効力が切れる時間だ。何度も犯されているうちにリナリーは、およその持続時間を覚えてしまった。

(また快楽の激しい嵐がきてしまう。私の体は暴風に吹き上げられた木片のように快楽に翻弄されてしまう)

「おまんこは僕のチンポに絡みついてきてるぞ。もう限界なんだろ。イキたいよね? だけどイカせてあげない」男は先に浴びせた光線の効力が切れる瞬間より僅かに先んじて、次の光線を重ねがけした。

「こうすることで持続時間は延長できる。さあ、今度こそラストスパートだ」

 男はリナリーの足を抱え直すと、彼女の腰に手を添える。それまでの膣奥に押し付けたまま撹拌する動きから、荒々しくピストンする動きへと責め方を変えた。

「いままでで一番すごいエクスタシーをあげる」

 男は腰を突き出し、膣の最深部を亀頭の先端で押し上げた。

 さらに男はカリ首を引っ掛け、膣壁を擦るように抽送する。彼は巧みにスピードやリズム、挿入の深さや角度を調節し、様々なバリエーションでリナリーのおまんこを突いた。それらは着実に彼女の体に快感を溜め込んでいく。

(だめ、このままじゃ、また同じことの繰り返しになってしまう)

 今回も彼には逆らえないのか、また時間切れと共に絶頂するのを待つしかないのか。まさかイノセンス適合者が、こんな卑劣で好色な男だったなんて。保護しに来たはずの対象にレ○プされるなんて。

 一言では言い表しにくい複雑な感情がリナリーの胸中で渦巻く。

 そのわだかまりも解けぬなか、恐れていた瞬間がやってくる。

 男がひときわ強く突き上げた時だった。光線の効力が切れ、堰き止められていた性感がどっとリナリーの神経に流れ込んでくる。これまでで最大の波に襲われたリナリーは、無様にアクメを迎えた。

「あぁぁあぁぁっっ! や、やだぁ、いくっっっっ! またいくっっっ! いやぁあっっ! またイッちゃうゥッ! いくのやだぁっ! イッ、あっ、あっ! んあぁぁぁあぁぁ――」

 その一撃を最後に、リナリーは意識を刈り取られた。次に彼女が目覚めたとき、男の姿はどこにもなかった。俺の女にする、子を孕ませると宣言しておきながらヤリ捨てていった彼に腹を立てたがすぐに、あんな男との縁など切れて良かったのだ、と思い直した。

 リナリーは気を失ったあとも犯され続けていたようで全身ドロドロだった。彼なりのこだわりがあるのかショーツ以外は脱がされていなかったが、制服にはザーメンの臭いがこびりつき、洗濯しても落ちそうになかった。

 彼女は男との間に起きたことを教団には報告しなかった。ただ適合者には逃げられたとだけ報告した。教団側もイノセンスを回収できなかったことには不満の色を見せたものの、任務失敗について追求されることはなかった。

 だがこの出来事は、彼女にとって決して忘れられない心の傷となった。その傷は次に出会うことがあったとき、あの男を自らの手で倒さなければ決して癒えはしないと感じた。

 そんなリナリーの前に男が新たなエクソシストとして登場するのは、もう少し先の別の話。

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猪熊夜離 2023/05/01 23:00

【進捗】ノロノロビームを浴びたリナリーが小太りおじさんに快楽責めされる話

Skeb依頼より。

原作:D.Gray-man
キャラ:リナリー・リー(初期デザイン)

『ONE PIECE』のノロノロビームに似た能力を持つイノセンスに適合した男が、リナリーを停止状態にして○す。

あらすじ:イノセンスの調査中に、何者かに尾行されていると気づいたリナリーは、敢えて人目がない路地裏に入ることで相手を誘き出す。現れたのは30代前半のぽっちゃりした、如何にも女にモテなそうな男性だった。

男が千年伯爵の関係者か本当に単なる変態か迷うリナリーは、とにかく捕縛して話を聞いてみようとする。ところが男はイノセンスの適合者で、油断したリナリーは謎の光線を浴びてしまう。

本文

 これぞ『東洋の美』という少女が街を歩いていた。

 彼女の出生地である中国を離れ、遠く西側に移動した地方の田舎街である。

 少女の名前はリナリー・リー。世界の終焉を阻止するためAKUMAと戦うヴァチカン直属の組織『黒の教団』に所属するエクソシストである。

 ただでさえ田舎街にはリナリー以外に東洋人の姿が見当たらないのに、加えて彼女は飛び抜けた美少女のため、すれ違う人間の注目を集めていた。まだ幼さを残すが、数年後には大輪の花を咲かせると容易に想像できる美貌、陽光を受けて艷やかに輝く長い黒髪はツインテールに結っている、体つきはスレンダーで手足が長い。上半身は黒の教団の制服を正しく着こなしているが、下半身は男の本能を刺激し、理性を破壊する長さのミニスカートだ。惜しげもなくさらした美脚が眩しい。

 だが今のリナリーは顔に僅かばかりの緊張を浮かべている。先程から何者かに尾行されているのだ。

(何が目的か分からないけどAKUMAなら好都合ね。この街のイノセンスについて聞いてみましょう)

 教団本部が新たなイノセンスの手がかりをつかんだのが三日前。AKUMAに破壊される前にイノセンスを確保すべしというのが教団の意向だ。その調査のためリナリーは田舎街に派遣されてきた。

「そこのあなた! どうして私をつけるの?」

「――っ!」

 人気のない路地裏に入ったところで、リナリーは後ろをつけていた男に振り返る。そこに立っていたのは年齢三十代前半で小太りの男だった。暑くもない日に少し歩いただけで汗をかいている。脂ぎった顔は陽光を浴びテカテカと光っていた。

 もし仮に男の目的がナンパだとしたら「身の程を知れ」と言われてしまうだろう。リナリーと釣り合うとは思えない並以下の男だった。

 リナリーの質問には答えず、男は美少女を前に鼻息を荒くしている。

「可愛いねぇお嬢ちゃん……僕好みのおっぱいしてるよ。Cカップくらいかな? おっぱいは大きすぎても小さすぎてもいけない。君くらいのサイズが遊んでて一番楽しいんだ」

 気色悪いことを言う小太りの男にリナリーは不快感を隠さない。こんな奴のために時間を割いている暇はないとばかりに口を開く。

「あなたの目的はなに? 千年伯爵の関係者?」

「なに伯爵だって? 僕には偉そうな貴族様の知り合いなんかいないよ」

 一応尋ねてみたのだが男は千年伯爵のこともAKUMAのことも知らないようだ。だとすると本当にただ気持ち悪い変態なのだろうか? それとも知らないふりしているだけ?

「あなた何なの? 目的は?」

 耐え難い嫌悪感を我慢しつつリナリーは聞いた。心優しい少女であるリナリーが、ここまで初対面の相手に悪感情を募らせることは珍しい。それだけ男は女性に不快感を与える存在だった。ただ姿形が女性ウケしない冴えない男というだけでなく、全身から湯気のように立ち上るスケベオーラが不快だ。

 男はニヤニヤ笑って答えない。どうやら答える気はないらしい。ならば、こちらも遠慮はしないとリナリーは対応方法を決めた。

「答えないのなら捕縛するわ。悪く思わないでね」

 リナリーは彼女のイノセンス〈黒い靴(ダークブーツ)〉を発動した。普段はパンプスの形状をしているが、発動するとリナリーの膝付近まで覆うブーツに変身する。

 ダークブーツは、強力な蹴り技を放てるようになるほか、高速移動や空中移動も可能にするイノセンスだ。

 ダークブーツの能力で一気にリナリーは男に接近した。瞬きをする間に二人の距離は目と鼻の先まで縮まる。このスピードに初見で対応できる相手は多くない。ただの変態小太り男が相手なら小細工は必要ない。

 ……そうやって油断したのはリナリーのミスだ。

 もう少しでリナリーの蹴りが男の腹に命中するというとき、それよりもひと足早く男の右手から光線が発射された。より正確には右手に嵌めた腕輪が光線を作り出していた。

(イノセンス!)

 気がついたときには遅かった。リナリーは得体の知れない光線を浴びてしまう。

「急に加速したからビックリしたけど、真っ直ぐ突っ込んできてくれて助かったよ。適当に撃っても当たったからね。どうやら運は僕に味方しているようだ」

 光線それ自体に攻撃力はないようだ。光線が命中してもリナリーは痛みを感じなかった。怪我もしていない。その代わり、彼女は自分の意思で指先ひとつ動かせなくなっている。

(まさかこの男がイノセンスの適合者だったなんて。私に何をしたの)

 まるで石にでもなったかのように動かない体を、リナリーは必死になって動かそうとする。せめて蹴りの途中で固まってしまった片足立ちの姿勢をキャンセルしたい。ミニスカートが捲くれ上がり下着が見えてしまう。

 リナリーの羞恥心を煽るように男は彼女の足元に屈んだ。少女の足がちょうど顔の辺りになる高さだ。彼は美少女のスカートの中に顔を突っ込み、肺いっぱいに息を吸い込んだ。蒸れた雌臭を体内に取り込む。

 自分が何をされているか理解して、リナリーは絶望的な気持ちになった。AKUMAとの戦いで肉体を傷つけられたことは多々あったが、この男のように女性の尊厳を傷つけてくる敵は初めてだった。

「やっぱり僕の勘通りだったよ。僕は強い女が好きなのさ。君みたいに強くて可愛い女の子こそレ○プする価値がある。簡単に屈しないでくれよ。時間をかけてたっぷり男に負ける屈辱と気持ちよさを教えてあげる」

 男は舌なめずりをしながら言う。彼の股間はズボンの上からでも分かるくらい膨らんでいた。

 リナリーの太ももを撫で回し、スカートの中で息を荒げる。汗ばんだ手が、少女特有の柔らかな感触を楽しみながら這い回る。

(くっ、触らないで!)

 謎の光線によって顎の筋肉も固まっているため、リナリーは声を発することができない。勇ましい言葉の一つも吐けない己の無力さを噛みしめるしかない。

 スカートの中に入った男の手は、今度はリナリーの尻を揉んだ。柔らかい尻肉に五指が食い込み、形を変えていく。

「君は黒が好きなのかな? 清純そうな見た目なのに黒のセクシーな下着を着けてるじゃないか。実はこういうプレイに興味があったりする?」

 そう問いかけられても答えることができない。リナリーは顔を真っ赤にして耐えるだけだ。

(こんなことって)

 これまで教団の任務で数々の修羅場をくぐり抜けてきたリナリーだが、今ほど窮地に陥ったことはない。なぜなら彼女はまだ性行為を経験したことがないからだ。リナリーとてエクソシストであると同時に恋を夢見る少女である。いずれは愛する男性と幸せな初体験を夢見ていた。それは断じてこんな場所で、こんな男を相手にするものではなかった。

(私はまだ男の人とキスさえしたことないのに……)

 目の前の男が初めての相手だと思うと虫酸が走る。悔しくて悲しくて涙が出てきそうだが、男のイノセンスによって体の動きを止められているリナリーには泣くことさえも許されない。

 スカートの中の男は、リナリーの下半身を弄ぶだけでは飽き足らず、胸の方に手を伸ばした。服越しに胸を掴み、乱暴に揉みしだく。

「着痩せするタイプなのかな? なかなか揉み応えあるおっぱいだね」

 男はリナリーの胸を品定めするように弄くり回す。その間も、スカートの中から聞こえる荒い鼻息の音が、リナリーの羞恥を煽る。

 男は、リナリーの胸の大きさを確かめるように何度も何度も、服の上から彼女のおっぱいを握り潰す。リナリーにとって不幸中の幸いは、男の光線が触覚も遮断してくれていることだった。おかげで男に触られる気持ち悪い感覚を感じなくて済んでいる。

 男はリナリーのスカートの中から抜け出すと、立ち上がって顔を近づけ彼女のうなじの匂いを嗅ぐ。

「いい匂いがするなぁ。シャンプーの香りかな? それとも君のフェロモン?」

 男は口にする言葉すべてが気色悪い。

 匂いを嗅ぎ、うなじを舐め、リナリーの体に手を這わせる。リナリーの体が自由であれば、今頃は抵抗して男を殴り倒しているところだ。しかし、今のリナリーはピクリとも動くことができず、男の手を受け入れるしかない。

「そろそろかな」男がささやくように言った。

 何がそろそろなのかと疑問を持つよりも先に、リナリーは己の体の異変を感じ取る。それまで失われていた身体機能や五感が突如として回復したのだ。それは即ち男に体を触られた感触が一度に押し寄せてくるということでもある。

「んっ、あああぁぁぁっ!」

 突然の出来事に混乱しながらリナリーは絶叫する。男の前で快楽に染まった甘ったるい声など出したくなかったが、不意打ちの衝撃に少女の肉体は耐えられなかった。

「ひっ、あっ、なにこれぇっ?」

「僕の光線を浴びたものは、すべての動きがのろくなるのさ。君の体は完全に動かなくなった訳じゃない。停止してるのと変わらないくらい動きが遅くなっていたんだ。触覚もそうだ。僕に触られた感覚は数十秒間、君の体内で貯められる。そして光線の効果が切れた瞬間まとめて君の体を襲ったんだ」

 男に触られても感じないのは不幸中の幸いなどでなかった。むしろ、その逆。本来なら分けてくるはずの快感を一度に叩きつけられる恐ろしい能力だった。

「ここからが、お楽しみの時間だ」

 そう言うと男は再び右手をリナリーに向け、光線を放った。どうやら光線の速度はそんなに速くないらしい。普段のリナリーなら余裕で避けられる。だが今は初めて感じる性的快感で足元がふらつき、立っているのもやっとだった。

「あああああああ!」またしてもリナリーは男の時間停止光線を浴びてしまう。

「今度は胸だけじゃなく、おまんこもじっくり触ってイカせてあげるよ」

 男はリナリーを地面に優しく寝かせた。彼は仰向けにしたリナリーのスカートを捲り上げ、下着を完全に露出させる。望まぬ性感を叩きつけられた美少女の股間は濡れていた。クロッチに貼り付いた下着越しでも割れ目の形がはっきり分かる。

(い、いやぁっ!)

 リナリーは羞恥心から足を閉じようとするが、やはり体は言うことを聞いてくれない。それどころか男が足の間に割って入ってきて余計に恥ずかしい格好になってしまう。

(この体勢じゃ全部見えちゃう!)

 恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になるのを感じた。

 リナリーの羞恥心を弄ぶように、男は少女のパンツに手をかける。彼女はこれから何をされるのかを理解して恐怖に怯えた。

 男はそんなリナリーの様子を嘲笑いながら、下着を脱がせた。愛液で濡れた布地が糸を引く。

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猪熊夜離 2023/02/07 17:56

堕落した女プリースト 神をも裏切る執着快楽責め

Skeb依頼より。

https://skeb.jp/@inokuma_yoga/works/75


原作:アンホリ☆プロダクション(UnHolY SaNctuaRy)


キャラ:マリアンネ


シチュ:とある国の王を調査するよう言われたマリアンネ。メイドに扮して潜入したところ法力が使えない部屋に連れ込まれる。王は若くてイケメンで絶倫。マリアンネと王の体の相性は最高。王はマリアンネの体にハマり自分の嫁になれと説得してくる。マリアンネはこれを拒み、もっと真面目に生きなければならないと説教する。余計に彼女のことが気に入った王は快楽漬けにして結婚を認めさせようとする。

UnHolY JaiL -Complete Edition-

前書き或いは能書き

ラグナロクオンラインに登場する女プリーストを主人公にしたR-18ゲームで有名なアンホリ☆プロダクションさん。ということで今回は二次創作成人ゲームの二次創作(三次創作)となりました。

あとでプロット出してああだ、こうだ語るけどプロット段階では2万4000文字予定だったんですよ。実際に書いてみたら3万8000文字まで膨らみました。相変わらず計算がヘタクソ。なにが原因かってスケベシーンを挿入しないはずの場面でまで指が勝手にスケベシーンを打ってたからですね。

ちなみに序盤ちょっとだけ出てきた、マリアンネを慕う後輩のコンスタンツェは原作にいるキャラです。

チンポで壊される百合チャンス! と思ったのですが流れ的に出せなかったというか、出したら5万文字じゃ収まらないですもんね。

新人メイドにイケメン国王の最お気に入りを奪われたメイド長や他の女の反応とか、マリアンネからの連絡が途絶えたことにより新たに送り込まれてきたコンスタンツェがやはり捕まるとか、処刑か愛人化かの二択でマリアンネが「コンスタンツェが相手なら大丈夫です。私と一緒に陛下の子種で孕ませてください」と言うとか、フル尺でやったら倍は必要になるので。

友愛を超越した情を向けていたお姉さまに乳首責めされながら国王のデカマラでピストンされる銀髪処女百合プリースト~~~。

本文

 彼女と擦れ違った男は思わず振り返らずにはいられなかった。

 女性にしてはやや高めの身長に凹凸の激しい肉感的なボディ。どこにいても目立つピンクのロングヘアーの下には、大きな母性と神の慈愛を感じさせる美しい顔。年齢は二十代前半といったところ。

 首から下に視線を巡らせて男たちは納得する。彼女が着ているのは教会の聖職者が身に着けるユニフォーム。女プリーストの正装とも呼べるロング丈のワンピースだ。ただし、とある目的のため飛んだり走ったり、大きなアクションが必要になる彼女のユニフォームはサイドスリットが普通よりも深い。腰まで切れ込みが入った服から白く美味しそうな太ももや、俗に安産型と呼ばれるボリューミーなヒップがこぼれ出していた。

 聖職者然とした上品な顔立ちの女が男に使われるためのスケベボディを揺らして歩いているだけでも男ならば第三の足が生えてくるところ、裾をめくり上げればすぐにでも性交可能な格好でうろつかれては辛抱堪らん。しかも、いま彼女がいるのは余所からの客など滅多に来ない山奥の村である。

 久しぶりに訪れた客が都会からの美女というのでは男たちに我慢しろと言っても無理なこと。

 彼女が村の大通り――といっても大人が横に五人も並べば一杯になる――とき、下半身をパンパンにした三人組の男が声をかけた。

「なあ姉ちゃん! こんな辺鄙なとこに一人で何してんの? 俺たちと遊ぼうぜ」

 彼らはナンパする相手を間違えたことに気づかない。 それもそのはず。彼らの常識からすれば、目の前の美女は自分たちに力尽くで組み伏せられ、神の意志に従うよりもっと手っ取り早く、気持ち良く、天国に連れて行ってもらう機会を待っている哀れな雌でしかない。

 だがこの女――カテリーナ・マリアンネ・エレールマイヤーの正体は、王国教会総大司教直属組織『摂理の司』に所属する、特別なプリースト。聖なる力で身を守り魔物と戦うのが彼女の務めだ。そのため戦闘力は一般人以上であり、並大抵の男であれば束になっても相手にすらならない。

「俺たちが親切で誘ってるんだ。なんか言ったらどうなんだ」

 だから田舎の三下どもが凄んだところで、彼女の眉ひとつ動かすことはできないのだ。

 男の一人が馴れ馴れしく肩に手を伸ばすと、マリアンネは相手に柔らかく笑いかけた。

「私、あなたたちのような方を探していました」

 虚を突かれた一言に男たちは一瞬だけ固まる。この女プリースト、聖職者のくせに実は好き者なのか? どうりで男に媚びたドスケベ衣装のはずだと都合が良い方向へ納得する。

「おーそうかそうか。なら俺らと楽しいことしようぜ。たっぷり可愛がってやるよ」

「それはとても魅力的な提案ですけれど……」

 マリアンネは肩に置かれた男の手に自分の手を添えると、軽く捻り上げた。途端に彼は悲鳴を上げて地面に倒れ込む。

「ぐわあああっ! て、手が折れ……折れてるぞ!」

 仲間の男が叫んだとおり、地面に倒れた男の手首は不自然にぶらーんとしている。激痛が走っているらしく手首を反対の手で抑える彼の顔には、大粒の脂汗が急速に浮かんできた。文字どおり顔色を変え激痛を訴える仲間の様子に、他の二人がようやく事の重大さを認識した。

「てめぇ何しやがる! ただじゃおかねえぞ!」

「はい。残念ながら私も、あなたたちを見過ごすわけには参りません」

 彼女は右手を水平に振り切った。いつの間にか握られていたチェインが近くにいた男たちの顔を横薙ぎに払う。

 ガツッ! ゴキッ! という骨を打つ音が連続し、彼らの身体が面白いように宙を舞う。周りで見ていた男たちは、まるでボールのように吹き飛んだ仲間の姿に唖然とした。しかし、彼らが驚きに固まっていたのは束の間のこと。我を取り戻すと口々に怒声を発し始めた。

「こ、このクソアマがあああっ!」

 腰の短剣を引き抜いた男が一直線に飛びかかる。怒りのせいか動きは単調だった。正規の訓練を受けた経験がないことは一目瞭然。マリアンネは冷静に見極め、ひらりと身をかわす。

 目標を失った男は足をもつれさせて地面に転倒した。起き上がろうと足掻く彼にマリアンネは追撃をかける。地面から飛び上がり、垂直に急降下すると男の背を思い切り踏みつけた。さらに地面に押し付けるようにグリグリ踏みにじると男は悶絶の声を上げる。

 彼女は更に力を込め、相手の肋骨を踏み折った。男の顔色が変わり、口から絶叫が上がる。それを無視してマリアンネはさらに足に力を込めた。骨の砕ける感触とともに、肉が裂けるような音が続く。絶命寸前といったところだろう。

 なおも彼女の容赦ない攻撃は続く。背中に乗っていた足を外すと同時に再びチェインを振った。側頭部に金属の一撃をくらった男は絶命する。

「よくも仲間を!」

「教会の聖職者がそんなことしていいのか!」

「教会の人間だからこそ、です」

 男たちの怒声の中からひとつをマリアンネは耳聡く聞き咎める。それこそ彼女がこの村を訪れた理由だった。

「あなた方は既に亡くなっています。この村は数十年も前に近くの火山から流れてきた有毒ガスにより村人が全滅した廃村なのです」

 マリアンネは男たちの注意を引くため、敢えてチェインを振り回しながら叫ぶ。

「あなたたちは死んでいながら、肉体への未練に囚われて成仏できないでいました。そこに付け入った魔物が、あなたたちをグールとして甦らせたのです」

「何を馬鹿なことを」

「信じたくなければそれでも構いません。ただ、私は魔物に操られたまま魂の救済が得られない人を放っておくことはできません。そのために私は教会の命を受け討伐にやってきたのです」

「黙れ! 適当なことを言うんじゃねぇ! 魔物なんかいるかよ」

「いるんです。あなた方は魔物の力で甦ったため自分や仲間の姿を正しく認識できなくなっているのです。本当はもう……あなた方には、骨が折れて痛みを感じる神経など残ってないんですよ」

 マリアンネが腕を振るう。風を切ってチェインが唸った。

「そ、そうだ。俺たちは死んじまったんだ! 俺たちは化け物になっちまったのか?」

「そうですね。ですから私が解放して差し上げます。あなたたちの罪を許しましょう」

「嫌だ。せっかく生き返ったんだ。化け物でも死にたくねえよ」

「大丈夫。すぐに終わります。私に身を委ねてください」

 彼女は優しく語りかけると、男たちに一歩近づいた。

 そして、神の代行者として彼らに永遠の安息を与えた。



「以上が今回の顛末です」

「ご苦労でしたマリアンネ」

 アンデッドの男たちを退治した後、教会本部の大聖堂にマリアンネの報告が届いた。

 報告を聞いたのはこの教会の大司教である女性。マリアンネは彼女直属の部下ということになる。

 デスクの前で膝をついて頭を下げる彼女に総大司教は労いの言葉を掛けた。

 顔を上げたマリアンネを見て、ふっと総大司教は表情を崩す。この顔を見るのがマリアンネは好きだった。無言の内に逞しくなったなと褒められている気がする。

「あなたの働きのおかげで、村人の魂を救うことができました。これは教会にとって喜ばしいことです」

「はい」

「今後も期待していますよ。マリアンネ」

「ありがとうございます。総大司教様の御心のままに、お仕え致します」

 マリアンネは深く頭を垂れた。彼女の使命は王国と教会の秩序を守ることだ。この国を魔物の脅威から守るためには、今後も努力を惜しまないつもりだった。

 総大司教は穏やかな笑みを維持したまま、ゆっくりとした口調で話し始めた。

「さっそくのことで申し訳ありませんが、また姉妹には調査に赴いてもらいたいのです」

「私でできることでしたら何なりと。この身は神に捧げてますゆえ」

「そう言っていただけると思っていました。皆がマリアンネのように敬虔な信徒であればと思うと……嘆かわしい限り」

「総大司教様。そのようなお言葉は恐れ多いことです」

「良いのですよ。あなたのような素晴らしい部下に恵まれて、私は幸せ者だと思っているくらいですから」

「勿体無い御言葉で……」

 頬を赤く染めるマリアンネを微笑ましく見守りつつ、総大司教は続けた。

 今回、調査対象になっているのは近隣国の国王だった。コンスタンティンという王は先王が急逝したため若くして即位。年齢はマリアンネと然程離れてないそうだ。即位式典を見物した人間の噂によれば大層な美丈夫で、その場にいた女は誰も彼もが見惚れていたとか。

 顔が良いだけでなく剣術と乗馬が趣味というだけあって体は程よく鍛えられ健康的。今度の王様は百歳まで長生きしそうだと市井の言の葉に乗っている。

 ただし、若くて健康を持て余した男だから仕方ないのか、女癖の悪さも多く聞こえてくる。曰く王太子宮のメイドは彼が成人を迎える十五歳までに全員お手つきになったとか、女五人を同時に寝室へ連れ込み翌朝メイドが起こしに行くとベッドの上で死に体になっていたのは女たちのほうで、そのままコンスタンティンはメイドにも手を付けたとか。

 とにかく、噂を総合するとコンスタンティンという王は若くてイケメンで文武両道に優れた秀才だが、英雄色を好む性格で有り余る体力を女たちに注ぎ込む精力絶倫な人物らしい。

 女の敵であると同時に欲望や堕落に抗うことを教える教会の敵でもあった。

「単なる放蕩者の王かと思いましたが最近にわかに良くない話を聞きました。彼が魔物と取り引きして怪しい薬を手に入れているというのです」

「それは事実ですか」

「王宮で働く侍従からの内部告発がありました。この秘密を知ってしまった以上、隠しておくことは主を欺くことになるため良心の呵責に耐えられないと」

「その中身は、どのような?」

「残念ながら詳しいことは不明です。しかし、内部告発した侍従の話によれば、薬は男女の睦みごとに関係ある可能性が高いでしょう。つまりは性行為に関する効能のある薬物だと」

 マリアンネは唾を飲み込んだ。聖職者としては耳を塞ぎたくなるような内容だった。しかし、魔物が絡んできているとなっては聞かぬ訳にいかない。

 性行為に関する薬とはどのようなものだろうか。まさか噂に聞くコンスタンティン王の性欲絶倫ぶりは、魔物と契約して手に入れた薬によるものなのなのか? マリアンネには理解できない。人外の存在と取り引きしてまで飽きることなくしたいものなのだろうか、性行為とは。

 教会のプリーストであるマリアンネは処女だ。この道に進むと決めたときから自分の肉体も魂も神のためにあると思っている。そのため彼女は今まで一度も男を知らないし、誰かと関係を持ちたいとも思わなかった。男に抱かれたいと感じる欲の存在さえ知らないと言って良い。

「それで総大司教様。私に何をしろとおっしゃるのです?」

「まずは情報が必要です。相手は一国の王。内部告発があったとはいえ確証もなしに敵対する訳にはいきません。国王コンスタンティンの調査を行い、薬物の存在を確かめてください」

 マリアンネは無言で首肯した。

「潜入調査のため姉妹には偽りの身分を用意しました。あなたは今から欠員が出た王宮にメイドとして入ります。王宮のメイドは応募の段階で相応の家格や身の証しを求められることもありますが、なんと今回は年齢二十五歳以下で若く健康な見目の良い女なら誰でも良いとのこと。下半身に獣を飼っているという噂は本当のようですね」

 総大司教は最後のほうを呆れと侮蔑混じりに言った。生涯を神の教えに捧げてきた彼女からすると、コンスタンティン王は欲に塗れた俗物の象徴のように見えていることだろう。

「国王の周辺を調査し、彼の評判や人間関係、薬物に関する情報を集めなさい。それと、可能ならば彼と接触する機会を設けて欲しいのです」

「分かりました。謹んで拝命致します」

「よろしくお願いしますね」

 マリアンネは大司教に一礼してから退室する。

 王国教会最深部の廊下を歩きながら美しき女プリーストは考える。自らに与えられた新しい任務。なぜ自分が選ばれたか。おそらくは適任だったからだ。

 若くて見た目が良くて健康な女。かつ好色な王に襲われても自力で対処できるだけの法術の使い手。

 マリアンネは自身の肉欲には鈍感だが、己の肉体が男の肉欲を刺激する自覚はあった。幼いころから教会外に出るたび好色な視線を向けられてきたのだ。自覚しないほうが難しい。

 それだけなら私の他にも適任者がいるけど、と彼女が考えたとき、丁度その適任者候補がやって来た。

「お姉さま!」

 マリアンネにも引けを取らないグラマラスなボディの持ち主――ベロニカ・コンスタンツェ・へラーだった。

 コンスタンツェも『摂理の司』に所属するプリーストの一人だ。ピンクの神を腰の辺りまで伸ばしているマリアンネに対し、銀髪を肩に触れるくらいの長さで切っている。

 年齢はまだ十九と若いが、さる高僧の血縁者という優秀な血統に違わぬ法力の持ち主で、通常のステップを何段も飛ばして大司教直属の身分となった。マリアンネとは同じ修道院の出身で幼馴染みでもあり親友でもある。コンスタンツェのほうはそれに収まらない秘めやかな感情を抱いているようだが。

「あらコンスタンツェじゃない」

「お久しぶりです。最近は忙しくてお姉さまと会える時間が減って悲しいです」

「可愛いことを言ってくれるわね」

 昔から甘えん坊の妹のようなところがあるコンスタンツェのことを、マリアンネは内心可愛いと思っていた。大人になれば『姉離れ』するかと思ったが、むしろ彼女の妹属性は年々増加傾向にあった。それもこれも幼い頃から一緒に過ごしてきたせいで、お互いの間に築かれた親密すぎる距離感が原因だろう。二人は実の兄弟姉妹よりも互いのことをよく理解していた。

「それでどうしたのかしら? もしかして、私を心配して様子を見に来てくれたの?」

「もちろんです! お忙しいお姉さまのことですからきっと無理をなさっているんじゃないかと。お会いできて本当に嬉しいです」

 十代も終わりだというのに少し落ち着きがないコンスタンツェ。今も表情を目まぐるしく変え、全身から喜色を発散させている。そんな彼女を愛おしく思いつつも、マリアンネは本題に入った。

「ところでさっき総大司教様と会っていたのだけど、あなたも聞いた?」

「あの話ですよね」

 マリアンネが王の毒牙にかからないか心配してコンスタンツェは顔を歪める。何せ相手は教会の最深部まで噂が届くヤリチン王。麗しのマリアンネお姉さまの貞操が危ないと心配するのも無理はない。王族の手慰み程度に囓った程度の剣術でマリアンネを手籠めにできるはずはないと思いつつ、万が一を考えると気が気でないのだろう。

 コンスタンツェの気持ちを察して、マリアンネはいつも通りに微笑んだ。

「心配しないで。あなたが思うような危険な目には遭わないわ」

「本当ですか?」

 不安げに尋ねるコンスタンツェの髪を撫でながら、マリアンネは優しく言った。

「でも、そうね。もしもの時があったらあなたに助けてもらおうかな」

「私なんかでよろしければ喜んでお助けします。何でも言ってください」

 姉と慕うマリアンネに頼られた喜びから、コンスタンツェの声音は明るいものになった。

 そんな愛らしい妹分の頬をマリアンネは指で突っついた。柔らかな肌だった。

「もしもの時があればお願いね」



 お城での生活にマリアンネは素速く順応した。掃除や洗濯といった日常の家事は修道院生活で慣れたもの。それらをテキパキとこなし無駄口は叩かない、だからといって無愛想でもない普通の女を演じる。王宮では多くの者が忙しなく動き回っており、いちいち他人を気にしている余裕がないことも好都合だった。

 ここに来てみてコンスタンツェではなく自分が任務に選ばれた理由が分かる気がした。彼女は少し落ち着きがない。王宮の使用人としては少し悪目立ちしてしまうかもしれない。それに独断専行で教会の指示を待たず物事を解決してしまおうとする癖があった。

 若く才能豊かなコンスタンツェは通常の見習い期間を経ずに『摂理の司』入りした。そのためリスクを慎重に見極める経験や、物事が予定どおりに進まなかったときの次善策を用意する周到さには疎い。そうした若さゆえの情熱と突破力が事件を解決に導いたこともあったが、充分な経験を積んできたマリアンネの目には危なっかしくも映った。

 敵地で身分を偽っての潜入調査。これは確かにコンスタンツェより私向きでしょうね、とマリアンネは心中で思う。

 たとえば、この城のメイド服ひとつ取っても、もし彼女なら初日に大騒ぎしていただろう。

 好色な王の城で働くメイドたちは全員水着に近いデザインのお仕着せを支給されていた。色こそ白黒の二色で落ち着いてはいるが、布面積の小さいビキニにフリルが付いただけのメイド服は、マリアンネの豊満な肉体を全く隠せていない。下はビキニショーツの上からスカートを履くのだが、これも尻たぶが露出するくらい短い超ミニスカート。床のゴミを拾おうとすれば尻が丸出しになってしまう。

 上から九三センチ、五八センチ、八九センチという破壊的なスリーサイズの持ち主であるマリアンネが着れば、何処も彼処も肉がはみ出て大変なことになる。

 さらに驚くべきことに下着までもが支給品として用意されていた。この城ではメイド服を脱いでいる時間も王の好みに合わせねばならないらしい。メイドひとりひとりに合わせてメイド長が選定する。マリアンネに渡されたのは純白のブラとショーツの組み合わせ。

 ただし、ショーツは股間の切れ込みがえぐいTバックだった。

 前はデリケートゾーンの大半が露出する布面積。後ろは尻の割れ目に食い込む紐。

「あなたのような体は下品なのに顔は上品な女には、こういった攻めたものがよく似合うのよ」

 メイド長は自分のチョイスに大満足のようだ。こんな衣装を身に着けて働かされる関係上、やはりメイド長と言っても年齢は二十代。マリアンネより数歳上に見える。

 彼女はマリアンネに服を渡し、試着するように促した。

「私は他の使用人に仕事を教える立場にあるから、あなたの仕上がりを確認する必要があるの。着て見せてちょうだい」

「分かりました」

 ここで問題を起こすわけにはいかないと己に言い聞かせ、マリアンネは素直に着替えた。衝立や更衣室などない。その場で服を脱ぎ、全裸になってからブラジャーを身に付ける。ほとんど紐としか思えないTバックを手に取り足を通した。

「あらピッタリ。やはり私の見立てどおりね」

 まるで測ったかのようなサイズだった。どれだけ多くの女の裸を見れば、ここまで正確に目測できるようになるのだろう。

「きっと陛下も気に入ってくださるはずだわ」

 メイド長の口調は夢見がちな少女のようだった。ひょっとすると彼女は、この仕事の出来栄えによってコンスタンティン王から『ご褒美』がもらえるのかもしれない。

 それがもう一週間前のことである。それから今日まで、マリアンネは毎日昼は卑猥なメイド服を着せられ、夜はルームメイトとお互い規則を破っていないか確認しながら、エロ下着に着替えさせられた。

 その間あまり調査のほうは進んでいなかった。まず内部告発者の侍従が見つからないのだ。彼とは派遣された日に王宮の指定された場所で会う手はずになっていたが、約束の時間になっても現れない。結局、その日は何の収穫もなく終わった。

 その後も彼とは接触できていない。

 まさか、と良くない想像が頭を過る。既に彼は教会との関係が露見して処刑されてしまったのではないか。そうだとしたら、そこまでして隠したい秘密があるということになる。

(早く国王が魔物と取り引きしている確証を得たいのに……)

 あまり長く滞在するつもりはない。潜入調査は期間が長引けばそれだけ正体が露見するリスクは高まる。いくら気を張っていても人間の体力も集中力も無限ではないからだ。ふとした弾みで本当の身分に繋がる手がかりを漏らしてしまいかねない。

 ミスに繋がるような焦りは持たず、それでいて可能な限り短期集中で結果を出す。そう考えていたマリアンネに突破口が開けたのは今朝のこと。今日は仕事を普段よりも早めに終え国王の部屋に来るよう言われたのである。

「これは大変名誉なことなのですよ。あなたも陛下に抱いていただければ分かります。女という生き物はすべて、あの方に愛していただくために生を受けたのだと」

 そう力説するメイド長や羨ましそうに見てくる同僚メイドに冷やかされつつ朝からの仕事を終えると、まだ陽が沈みきってないうちからマリアンネは湯を使わされた。汗と埃にまみれた体で陛下の寝所に入るなど失礼とメイド長に指示されてのことだ。

 湯から上がるとメイド長が直々にマリアンネを国王の部屋まで案内した。まだ新人メイドの身では、王族が住むエリアまで足を踏み入れたことがなかったのだ。

「ここからはマリアンネだけが入れます。くれぐれも失礼のないように。あなたは身を任せているだけでいいですからね。あとは陛下が万事よくしてくださいます」

 自分の時を思いだしているのか、メイド長の頬が微かに上気していた。

 マリアンネはドアの前で深く息を吸って吐く。このドアの向こうに魔物との関係を示す秘密が隠されているかもしれない。それを暴くために自分はやって来たのだ。朝から周りの目が集中したため、王宮の外にいる連絡係と接触することができなかった。よしんば接触できたとしても、総大司教の指示は間に合わなかっただろうが。

「失礼いたします」

 ノックして部屋に入る。部屋の中央に置かれた天蓋付きのベッドが目に入った。ベッドの上に誰かが座っているのが見えた。

「来たか。こっちにおいで」

 若い男の声。察するにコンスタンティン王本人。手招きされて近寄ると、王は待ちきれないとばかりにマリアンネの腕を掴んで抱き寄せた。

「きゃっ!」

 突然のことでバランスを崩し、そのまま彼の腕の中に倒れ込む。胸板に顔を埋めるような体勢になる。慌てて離れようとするが、裸の胸にがっちりと抱きしめられていて抜け出せない。

「会いたかったぞマリアンネ。新しいメイドは美しいと聞いていたが評判に相違ないな」

 王が耳元で囁いた。ぞくり、背筋が震えた。驚くべきことだが、至近距離で聞く男の低い声に、マリアンネの心は強く惹きつけられた。

(流されてはダメ!)

 必死に自分を叱咤する。私の肉体は神に捧げたもの。たとえ任務であっても男性に穢される訳にはいかない。頭ではそう考えているのに王の手で体を撫で回され、耳元で囁かれると体は言うことを聞かない。乳房を押しつけるように男に抱きついてしまう。

(これが魔物と取り引きして得た|能力《ちから》だというの。こんなことのために……)

 だとするなら余計にマリアンネは負けられない。彼とセックスすることは魔物の支配に屈したことになってしまう。

 彼を突き放さなければ。そうしたら城にはいられなくなってしまうだろうが仕方ない。今日で調査は終了だ。総大司教には、コンスタンティン王は女性を従わせる不思議な術を使うと報告し、教会から正式に審問官を派遣してもらうのだ。

 マリアンネは法力を全身に漲らせようとする。聖なる力を己の身に通すことで彼女は身体能力が大幅に強化される。それによって熟練の戦士とも遜色ない戦闘力を手に入れられるのだ。

 ――しかし。

(法力を感じない。まさか力を封じられてる!)

 今まで何度も危機を乗り越えてきた経験則から、自分の身に何か起きていることを悟る。この部屋には超常の能力に類する力を封印する結界が張られているのだろう。暗殺者対策だろうか。これは致命的な失敗だった。だが、もはや取り返しがつかない。

「抵抗しても無駄だ。俺の許可なくこの部屋から出ることはできない」

「くっ、離しなさい!」

 マリアンネは渾身の力を込めて抵抗する。だが法力の使えない彼女は女性の平均値並みな腕力。いくら暴れても男の腕から逃れることはできない。それどころか男は軽々とマリアンネの体を持ち上げ、お姫様抱っこのような状態で自分の膝に乗せてしまう。そして片手で彼女の背中を支えつつ、空いた片方の手で胸を揉んだ。

「あんっ♡」

 思わず甘い声が漏れてしまう。男が我が意を得たりと笑ったのが分かった。恥ずかしくて顔が真っ赤になる。

「いい反応だな。もっと可愛い声を聞かせてくれ」

「誰が、あっ、ん、あん、あ、や、やめ、んっ、ひぅ、ああっ♡」

 反抗的な言葉を口にしながら同時に喘ぎ声を漏らすマリアンネを見て、男はますます興奮を高めるようだった。

「こっちを向け」

 それまで顔を背けていた女に王が言った。

 恐る恐るマリアンネは顔を上げる。目の前に男の顔があった。端正な顔立ちをした青年である。髪は金。獅子の鬣のように波打つ金髪はカーテンを閉め切り、燭台の灯りを頼りにする薄暗い部屋でも目を打つ目映さだった。目を合わせれば翠玉の瞳がこちらをじっと見ている。

 放蕩者と聞いていたが国王という立場は気苦労が絶えないのか、その眼差しはどこか達観した印象を受ける。それでいて瞳の奥には少年のような輝きが見て取れた。

(なんて素敵な人……)

 不覚にも胸がときめいてしまった自分に驚く。男性の容姿に目を奪われるなどマリアンネは初めての経験だった。

(いけない、私はこの男の正体を確かめるために来たのだ。気をしっかり保つようにしなければ)

 気を引き締めたプリーストの頬を疑惑の国王が撫でる。

「お前は本当に美しい女だ。こうして間近で見ると、なおさらそう思う」

 そう言って彼は顔を近づけてくる。キスされると思い、反射的に顔を背けそうになるが、なんとか踏みとどまった。ここで拒絶すれば怪しまれる恐れがある。彼は私のことをただのメイドだと思っている。だったらそれを利用して今は脱出の機会を探らねば。マリアンネは目を固く閉じ、心の中で主に懺悔しながら男のキスを受け入れる。

 暗闇の中。すぐに柔らかな感触が唇に伝わってきた。最初は軽く触れるだけのキス。顎に手を添えられ、何度か角度を変えて啄むような口づけを繰り返す。

「ちゅっ、ちゅ、れろ、んん、ふぁ、んんっ、ちゅ、ちゅう、ん、んんん……」

 そのうちに舌先で唇を突かれたので、こちらも舌を伸ばして迎え入れてやると、あっという間に絡み合うようなディープキスに変わる。唾液を流し込まれると、頭が痺れて何も考えられなくなってしまう。舌を吸われて甘噛みされると、下半身がきゅんっと切なくなった。

(なにこれ、すごく気持ちいい……)

 まるで自分が自分でなくなるような感覚に陥る。頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなる。ただ目の前の男のことだけしか考えられない。気づけば自分から彼の背中に腕を回していた。

 彼の逞しい腕がマリアンネを抱きしめて、分厚い胸板が豊かなおっぱいを押し潰す。彼の体温を感じるだけで幸せすぎて涙が出そうになってしまう。このままずっと抱き合っていたいと思ってしまうほど、彼との触れ合いはとても心地よかった。

「どうだ、初めての接吻の味は?」

 唇が離れてようやく一息つくことができたマリアンネに、王が意地悪く訊ねてくる。

「どうして私が初めてだと?」

「そんなに緊張していては童貞でもなければ分かる」

 女の経験のなさを見透かした国王は余裕の笑みを浮かべた。

「もっと楽にしていろ。俺に全て任せろ。余計なことを考える隙もなくなるまで可愛がってやる」

 王の大きな手がマリアンネの乳房を掴んだ。ぐにゅり、と男の大きな手の中で乳房が潰れ、指が食い込む。痛みよりも快感が勝って、思わず喘ぎを漏らしてしまう。

「あんっ、んぅ、くぅ、あ、ああっ、ひ、ひあっ」

 如何にマリアンネが魔物との戦闘では経験豊富なプリーストだろうと、男女の睦みごとにおいては素人だ。一生涯経験することなどないと思っていた。それなのに今、男の腕に抱かれ、彼に体を自由にされている。

 相手は絶世の美男子で、ベッドの上で抱き合いながら愛の言葉を囁かれると、つい身を委ねてしまいそうになってしまう。

(だめよ、惑わされてはダメ! この男は女を籠絡することに慣れているのよ。私みたいな経験のない女を篭絡することに慣れているだけ。それにさっきからおかしいわ。私の体がまるでコンスタンティン王に抱かれることを望んでいるみたいな。魔物との取り引きで得た能力を駆使しているに違いない!)

 自分に言い聞かせることで、かろうじて理性を保つことができている。だが、それもいつまで続くか。

「胸が大きいだけでなく、感度もいいようだな。ほら、乳首がこんなに硬くなっているぞ」

「やっ、そんなこと言わないでっ、あぁっ、いやぁっ、ひっ、あっ、あんっ、ひゃぅんっ、ふわぁああぁぁ!」

(だめぇ!)

 まだ彼に横抱きにされ、胸を揉まれているだけ。セックスの手順としては入り口も入り口なのだが、もう既にマリアンネの頭の中では、彼に最後までリードしてもらうことしか考えられなくなっていた。

(こんな……こんなことって……)

 真面目なプリーストは初めて味わう快感に混乱していた。自分がこれほどまでに感じやすいとは知らなかった。まさか神に仕える身がこれほど淫蕩な本性を隠し持っていたとは。生涯知りたくもなかった。

「んっ……あぁ……」

 快楽に翻弄され彼の腕の中で悶えた。全身から力が抜け、頭の中までトロけてしまう。マリアンネの瞳からは涙が流れ落ちていた。嬉しくて泣いているのか、それとも悔しくて泣いているのか自分でもよくわからない。生まれて初めて味わう不思議な感覚に頭が混乱する。

 そんなマリアンネを見て、コンスタンティンは「やはり可愛いな」と呟き、深いキスを再開した。

「んっ……ふぅううん……んちゅ、くぷ、んちゅう、ぢゅる、れりゅう♡」

 そのまま、二人は舌を絡め合う濃厚な口づけを交わし、唾液を交換し合った。互いの口腔内に溜まった唾を飲み込み、相手の体液を取り込んでいく。キスだけで脳髄が痺れそうなほどの快感を感じてしまう。

 子宮の奥がきゅんきゅんと疼いた。自分の体が目の前の男性を求めていることを自覚してしまう。それでもマリアンネはすぐに気を引き締めなおす。魔物と取り引きして得た能力に教会の聖書者が屈してはならない。

(この窮地を脱して逃げるのよマリアンネ。隙を見て彼の腕から抜け出しなさい。部屋から出さえすれば法力が使えるはず)

 そんなことを考えている間にも、胸を揉んでいた彼の手が女体を滑り降り、下半身に狙いを変えていた。

 股間からは愛液が溢れ出している。既にビキニパンツどころかシーツまで濡らしていた。割れ目に指先を這わせられるだけで快感が走る。マリアンネは無意識のうちに腰を動かしてしまいそうになり、慌てて歯を食いしばる。

(ダメよ……我慢しないと……)

 そう思うのだが、体は言うことを聞いてくれない。まるで主人の命令を無視する犬のように、勝手に快楽を求めて動き続ける。

「うぅ……あぁ……んっ♡ はぁぁ……あんっ♡」

「どうだ俺のテクは。気持ちいいだろう?」

 マリアンネは答えられないでいた。素直に言ってしまえば、我を忘れそうになるほど気持ちが良い、しかし、そんなことを言えば、自分が彼の虜になっていることを認めることになる。それだけは絶対にできない。

「黙っていては分からない。ちゃんと言葉で言え」

 マリアンネの心を読んだかのように、コンスタンティン王は耳元で囁く。その声すらマリアンネを狂わせる媚薬となる。

「んっ……あぁ……はぁ……んんっ……そ、それは……」

「教会のプリーストと言えど体は普通の女と変わらないんだ。余程の不感症でもなければ堪えがたい快感だろう?」

 なぜそれを、と思わずマリアンネは声に出して問い質しそうになる。

「どうして俺がお前の本当の身分を知っているか不思議そうな顔だな。答えは単純だ。俺が教会に情報を流して、お前をおびき寄せたからだよ。情報提供者に会えなくて難渋しただろ。当然だ。そんな侍従は最初から存在しないんだからな」

「なぜそんなことを」

「大した理由はない。教会の聖職者というやつを抱いてみたかっただけさ」

「そんな……」

 たったそれだけの理由で彼は罠を張ったのか。教会を敵に回すことも厭わずに。

「だがまさか、ここまで俺好みの女が派遣されてくるとはな。俺の噂やメイド募集の話を聞けば、俺に気に入られそうな女を寄越してくることは予想できた。だがマリアンネ、お前は……」

 王の手が手中に収めた女プリーストの秘所を素速く摩擦する。

「くぅ……あ……ああっ、ひあっ、ああっ、あっ、ひぃいいいいいんっ!」

「顔、体、声、気持ち良くしてやったときの反応。すべてが俺の理想どおり。俺の妄想を希代の美術家に依頼し、具現化してもらったかの如き理想像だ。お前こそ俺の女神だマリアンネ」

 背中を支えていた手が女プリーストの体を抱き直す。抱きしめたまま手は大きな肉球を揉みしだいた。反対の手はビキニパンツの脇から入り、ぬかるみ始めていた姫割れをこじ開ける。

「く、くぅぅぅん♡ こ、こんなことして、私は屈しない。屈しませんっ♡ わ、わたしはっ、ぜったいにぃ――あひんっ♡」

 言葉とは裏腹に膣奥から大量の蜜液が分泌された。濡れた粘膜が男根を求めるようにヒクついている。指が二本挿入され掻き回されるとマリアンネは簡単に絶頂した。

 絶頂直後の敏感すぎる陰唇に男の指が容赦なく出入りした。

「くぅううんっ♡ ひぁああぁっ! やらぁあああっ! らめぇぇぇっ!」

 絶頂したばかりの性器を乱暴に弄られてマリアンネは泣き叫んだ。快感が強すぎて辛い。なのにもっともっとして欲しい。彼女は自分でも震撼するほど激しい性欲に突き動かされている。

 もしコンスタンティン王が魔物と取り引きしている話自体が嘘だとしたら、こうして彼に愛撫され悦んでいるマリアンネは、隠してきた女の浅ましい本性をイケメンの手慣れたセックスで引き出されているだけになる。

 それは魔物の貸し与えた力に屈する以上に受け入れがたい事実だった。

 だから必死に耐えようとする。

(だめ、感じてはダメなのに)

 貞淑な女プリーストは懸命に理性で欲望を押さえ込もうとする。そんな努力も虚しく、体は着々と彼を受け入れようとしていた。

「もう準備万端じゃないか。そんなに期待しているのか。こんなに濡れるとは思わなかった。これだけ濡らせば十分だろ」

 そう言うと、男はマリアンネをベッドに押し倒した。

「これは必要ないかと思うが、せっかく用意したし使っておくか」

 コンスタンティンは枕の下から、しっかり栓がされた小瓶を取り出す。彼が軽く手を振ると小瓶の中でピンク色の液体が揺れた。

「それはなんですか」

「強力な催淫剤だ。これを使えば、どんな女も淫乱になるぞ」

「まさか! 普段からそんなものを使って女性たちを陵○しているのですか。だとしたら私は軽蔑します」

「勘違いするな。こんな物を使うのはマリアンネが初めてだ。他の女は俺が抱いてやると言えば、喜んで自分から脱ぎだすからな。だがしかし、お前だけは確実に俺のものにしたかった。だから、こんな俺らしくもない、道具の力に頼ることにした訳だ。媚薬なんて本当は俺も使いたくないんだ。俺本来のやり方はもっとスマートなんだがな」

 そう言うと、王はマリアンネの両足を開かせ、その間に自分の身体を割り込ませた。

「マリアンネ。お前が俺のモノになった暁には、大陸全土だってプレゼントしてやる。欲しいものはなんでも与えてやる」

 コンスタンティンは小瓶の栓を開く。媚薬を垂らした指先でクリトリスに触れてきた。

「くぅうんっ♡」

 瞬間、電流のような快感が走り、マリアンネは身悶える。

 そのまま王は勃起した陰核を執拗に責め始めた。指で摘んで引っ張ったり、押し潰したり、捻りを加えたりする。

「んんっ♡ あふぅ……んんっ♡ んんん~っ♡ んふぅっ♡」

 マリアンネは腰を振りたくって悶えた。快楽に負けまいと耐えるのだが、抵抗すればするほどに官能は増していく。

「んんっ♡ はぁ……ああっ、あぁ……んっ♡ はぁ……あぁ……んっ♡」

 マリアンネは声を押し殺そうとするが、どうしても漏れてしまう。

「どうだ。気持ちいいだろう。これが俺のテクニックだ。女なら誰でも腰砕けにしてやる。お前みたいに淫乱な肉体を理性で抑えていたタイプは特にな」

(ダメ……我慢できない……気持ち良過ぎる……こんな……)

 マリアンネは媚薬の効果に抗えず、早くも腰を振っていた。無意識のうちに男を求めているのだ。

(ダメよマリアンネ。そんなことしちゃダメ)

 心では拒絶するが、体は言うことを聞いてくれない。マリアンネは腰を浮かせると、自ら股間を押し付けるようにして擦った。

「良い反応だ。可愛い奴だな。素直になれよ。お前は俺に抱かれるために生まれてきたんだ」

「そ、そんなこと……誰が……あなたなんかの……んんっ♡」

「本当に強情だな。まぁいいさ。時間はたっぷりある」

 王はマリアンネの股間に顔を近づけた。

「んんっ♡」

 秘所を嗅がれ、マリアンネは身を捩った。

「凄い匂いだ。興奮してたな」

 王はマリアンネの肉芽を舌で転がす。

「あぁんっ♡」

 舌を根本から先端まで広く使い、ねっとり舐めしゃぶられるときも、尖らせた舌先で勃起した花芽をピンピンと弾かれるときも、マリアンネは甘い声を上げて悦びに震えた。神に仕えるはずの自分の体が性的な刺激に弱く感じやすい体質なのか、それとも媚薬のせいで感度が上がっているのか、経験のない女プリーストには分からない。ともかく秘所の割れ目はしきりに開閉して、愛液の雫を大量に分泌していた。それを王は指で掬い取って、マリアンネの膣内へ塗り込んでいく。膣内の壁は熱っぽく潤んでいた。指を挿入されると、まるで歓迎するように柔らかく締めつけてしまう。

(なにこの感覚。おかしい。私の体、変になってしまったの?)

 なにも分からず、ただ手慣れた男の愛撫で喘がされ戸惑うだけの肉人形になってしまったが、その戸惑いすらすぐに快楽に上書きされてしまう。

「ひぅううんっ♡ そこぉっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あぁああっ♡」


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猪熊夜離 2023/02/01 00:48

コードギアス カレンとオリキャラがショタ皇子の雌奴○に

Skeb依頼より。

コードギアスの紅月カレンとオリキャラが中華連邦からブリタニアに引き渡されたあと、原作とは違って各地の蜂起で劣勢になっている帝国側が二人を寝返らせようと快楽尋問することに。

閨の教育はバッチリなショタ皇子の巨根絶倫責めにスケベな身体をした処女二人が翻弄され、媚薬も使われたりなんかしてチン負け。

リクエスト内容を詰め込もうと思ってかなり端折ったんですが、それでも3万5000文字ほどあります。



 一日を退屈で窮屈なスペースに押し込められて過ごす以外、これといって屈辱的な扱いを受けないのは眼の前に居る少女のおかげか、それとも自分がブリタニア帝国では名家と呼ばれる家の娘だからか。

 紅月カレンはナナリー・ランペルージの顔を見ながら考えた。

 カレンとナナリーの関係は複雑だ。

 貴族令嬢カレン・シュタットフェルトとして見れば、ナナリーはブリタニアの皇女であるから目上の存在となる。だが二人の間に生まれによる上下の意識はない。

 彼女たちは一人の少年を介して知り合った。ナナリーの兄であり、アッシュフォード学園でカレンの同級生でもあった少年――ルルーシュ・ランペルージは、その本名をルルーシュ・ヴィ・ブリタニアといった。

 妹のナナリーがそうであるように彼もまた、ブリアニアの皇子であった。

 しかし幼少期に宮廷の陰謀により母親を殺され、日本に兄妹ともども捨てられた恨みを持つルルーシュは、長じると自らをゼロと名乗り反ブリタニア組織『黒の騎士団』の指導者に収まった。

 黒の騎士団でゼロの側近を務めていたのがカレンである。はじめ彼女はゼロの正体を知らなかったが後にルルーシュだと気づいた。そのショックで一度はゼロの下を離れてしまったが、現在は再び黒の騎士団でゼロの指揮下に入っている。

 その彼女がなぜナナリーと顔を合わせているのか。

 先だって黒の騎士団は中華連邦と交戦。その際にカレンは捕らえられ、身柄をブリタニアに引き渡されたのだった。現在では捕虜の身である。

 一方のナナリーも数奇な運命を辿った末に皇女の身分を回復。現在は日本の新総督として振る舞っている。

 だが二人の間に政治的な緊張した空気はない。

「どうしましたか?」

 僅かに首を傾げ、疑問を浮かべた顔でナナリーが聞いた。その目は重く閉ざされている。目の前で母親が撃ち殺される現場を目撃した彼女は、精神的なショックと怪我により視力と両脚の自由を失った。

 それでも世を儚んだり他人を恨んだりすることなく、心根の優しい真っ直ぐな少女に成長したのは、彼女生来の優しさはもちろん過保護とも思えるルルーシュの献身的なシスコンぶりがあったればこそだろう。

 今も不自由な捕虜生活で退屈しているのではないかと、カレンの話し相手になってくれていた。

「自分の境遇が不思議だなと感じていたところよ。そちらから見れば、私はブリタニア人を何人も殺したテロリストなのに拘束具を付けられたのは初日だけ……それも私が逃げ出そうと暴れたからだし……ありきたりな囚人服ではなく、お姫様みたいなドレスまで着せられて」

 カレンは軽く袖を持ち上げドレスを示す。ナナリーは不自由な視力をカバーするため他の感覚が優れている。きっとこうすれば何が言いたいか伝わるだろう。

「私が自分で選んだらまず着ないタイプのドレスね」

 クスッとナナリーが笑う。

「シュタットフェルト家はブリタニアでも名家に数えられますから。手荒には扱えないという配慮があったのでしょう。それに、私も個人的にカレンさんが困る姿を見たくありませんから」

 つまり先ほどの疑問は二つとも正解というわけか。カレンは目の前の少女に感謝しつつ、折り合いの悪い父親には心のなかで毒づいた。

「困るな、ナナリー。あまり捕虜と仲良くされたら」

 少女たちの平和な会話を打ち破るように少年の声がした。カレン、ナナリーとも驚き、少年の声がしたほうを見やる。

「これだから女にまともな仕事は任せられないんだ。仲が良いとか悪いとかでやり方を変えるんだから。相手はブリタニア人を何人も殺した極悪人なんだよ。こんな手を抜いた尋問してて彼らの遺族に申し訳ないとは思わないの」

 皇族であるナナリーを仕事が出来ない女と呼び、蔑んだような目で見る少年は年のころ十二、三歳。ナナリーよりも僅かばかり年少に映る。

 見た目は混じりけのない、黄金の波のような金髪に翡翠色の瞳。まだ幼い少年らしく甘さを残す輪郭は、完全な男性になりきれていない中性的な美貌を宿す。

 並外れた美少年であるが不吉なものを感じる。それは彼の容姿にブリタニア皇族の血を嗅ぎ取ってしまうからだろう。より具体的に言うなら瞳の色こそ違えど、シュナイゼル・エル・ブリタニアを幼くしたら目の前の少年そっくりになるのではないか。

「はじめまして。僕はマリユス・デュ・ブリタニア。名前で分かると思うけど、ブリタニアの皇子だ」

「道理で性根が腐ってそうな顔をしてると思ったわ」

 カレンは強気に言い返したつもりだが、マリユスはビクともしない。囚われの身では自分に危害を加えることなどできないと高を括っているのだろうか。

「シュタットフェルトでの何不自由ない生活を捨てて、イレブンに肩入れするくらいだから相当な跳ねっ返りだと思ってたけど想像以上だ」

「気分を害したかしら? それならどうする、○問でもする?」

「カレンさん! マリユスも。感情的になってはいけません」

 ナナリーが二人の間に割って入る。看過できない事態に発展することを止めたかったのだろうが、結果的にこれはマリユスの火に油を注ぐ形になった。

「僕が感情的……」

 その言い方は気に食わないと少年皇子が肩を怒らせる。

「マンコで物を考える生き物の分際で、僕が感情的になってるって? 一度は皇室から見捨てられてお情けで復帰した出来損ないが、ずいぶん偉そうなこと言うね」

「マっ――!」

 あまりにも直球な卑語。ナナリーは顔を赤面させ固まってしまう。

「アンタたちの事情は知らないけど、ちょっと物言いが過ぎるんじゃないかしら。見たところナナリーのほうが年上よね」

「だから?」

 見かねて口を挟んだカレンにも、マリユスは冷めた一瞥をくれる。

 躾がなってない獣を冷ややかに品評するような目で見られ、カレンは背筋を氷が滑り落ちるような悪寒を味わった。

「ブリタニアが実力主義なのはカレンも知ってるだろ。特に皇族となれば己の能力を示して地位を得るものだ。僕は既に言うだけの功績は立ててるんでね。どこかの夢見がちな無能とは違って」

 彼の言う夢見がちな無能がナナリーを指していることは明白だった。まだ皇族に復帰して間もなく、確たる政治的な達成がないナナリーは言い返せないのか黙ってしまう。

「近いうちにカレンと仲間のなんて言ったっけ……」

「ナディヤ?」

 カレンが探るように尋ねると「それだ!」とマリユスは胸のつっかえが取れたように喜んだ。

「そのうちカレンとナディヤの尋問は僕が担当することになるから。いまは本国の裁可を待ってるところだけど、まあ問題ないだろ」

 マリユスの声は確信に満ちていた。絶対に断られるはずないという自信があるようだ。

「どんな女か先に挨拶だけ済ませようと思って来たけど、なるほど……屈服させがいのあるじゃじゃ馬みたいだね」

「やれるものなら、やってみなさいよ」

 どんな尋問をされるか分からないが、マリユスのような子供に口を割る私ではない。そうカレンは自信を持って答える。

「その意気だカレン。その調子でどこまで頑張れるか見せてくれよ」

 自分が勝つに決まっている、という自信の笑みを残してマリユスは去っていった。

 あとに残された二人の少女は、お互いに気まずい思いをしながら顔を見合わせる。

「あんなのが弟なんて大変ね」

「ですが、自信を持つだけあって尋問のスペシャリストだと聞きます。特に女性相手なら絶対に秘密を話させるとか。大丈夫でしょうか」

「面白いじゃない。こっちだって覚悟はできてるのよ。私もナディヤも簡単に話したりしないわ」

「頑張ってくださいとは立場上言えませんが……」

「心の中で思ってくれてるだけで充分よ」

 カレンは精一杯強がって見せる。しかし内心ではマリユスの余裕綽々の態度を思い出し、不安を感じていた。



 ナディヤ・アーベルはカレンと同じくブリタニア人と日本人のハーフとして生まれた。ただし、名門貴族のシュタットフェルト家とは違い、ナディヤの家は平民である。ここがブリタニアという国の捻くれたところなのだが、徹底した実力主義を謳っている一方で厳然とした身分制度が残された階級社会でもある。

 これは一見すると矛盾しているように思えるが、第九八代皇帝シャルル・ジ・ブリタニアに言わせれば「人は不平等であるからこそ争い、己を磨き、進化が生まれる。不平等は悪ではない。進化を妨げる平等こそが悪」らしい。

 そんな理屈をヒエラルキーのトップにいる皇帝が口にしたとして、果たして生まれながらに差別される側が受け入れられるだろうか。少なくとも一般庶民には受け入れ難い思想である。

 競えと言われたところで機会の平等さえ与えられていないのだ。最初から社会のあらゆる組織で席次は上から身分によって決まる。そこへ平民が割って入ろうとすると陰口を叩かれる。

 そんな社会でナディヤは母親と二人きりで育った。ブリタニア人だった父親は彼女が物心付く前に家を出て消息不明。日本出身の母親は蔑まれながらも女手一つでナディアを育てたが、病を得て若くしてこの世を去った。

 母親の死後、ナディヤは養護施設に引き取られたが、そこでは男たちの欲望の汚さを知った。

 彼女は女たらしで有名だったらしい父親に似て、見た目が整っていた。銀色の髪に透き通るような碧眼をした少女は、幼いうちから大人たちの目を引き欲望の対象となった。

 施設で働く男たちは事あるごとにナディヤの身体を触りたがった。

 彼女は優れた頭脳も持っていたが、肉体的な美しさ以外は一顧だにされなかった。薄汚れたナンバーズの血が流れる少女にブリタニアの男が求めるのは、己の性のはけ口になることだけだったのだ。

 思春期になるとナディヤの肉体は、ますます男たちを喜ばせる形に成長していった。同年代の女子よりも大きく膨らんだ自分の乳房が恨めしかった。男たちの目を惹き付けて止まない尻も、まるで彼らの劣情を煽って誘うためにあるような気がした。

 それでも施設内で賢く立ち回り貞操は守り続けていると思っていたある日、ナディヤは施設長に呼ばれ彼の執務室を訪れた。そこには貴族らしき男性が待っていた。

「喜べナディヤ。こちらの方がお前を養女に迎えたいそうだ」

 これは大変喜ばしいことなんだぞ、ナンバーズの血が流れてるお前でも、これからは貴族を名乗れるんだと施設長は噛んで含めるように言い聞かせた。

 私は売られたんだ。ナディヤは瞬間的に察した。施設長の表情は、良縁に恵まれた子供を祝福するそれではなかった。コストを掛け育ててきた家畜が高値で売れた生産者の顔というのが一番イメージに近いだろう。

 そしてナディヤを買った貴族の男。彼の顔は、彼女を性欲の対象として見る施設の男たちと同じだった。どんなに見た目を綺麗に取り繕っても男の中身は変わらない。そのことをナディヤは身をもって知った。

 一週間後に迎えに来ると言い残して紳士は去って行った。時間的な猶予が与えられたのは幸いだった。

 その日のうちにナディヤは施設から逃げた。当時まだ十五歳。行く宛などない。それでもここに居ては駄目だと感じた。あの男が戻って来たら私は彼の屋敷に連れて行かれ、耐え難い辱めを受け奴○同然に扱われるだろう。

 独りで生きていく。そう覚悟を決めたナディヤの足が軍に向いたのは必然だったかもしれない。世界に版図を広げんとするブリタニア軍は常に人手を募集していた。軍の教育施設に入れば無料で教育が受けられる。そればかりか在学中から給料をもらえるのだ。それに軍は、自分たちこそブリタニアの実力主義を地で行く存在、優秀なら出自は問わない、能力次第で出世も可能と喧伝していた。

 それが嘘だったことは軍の教育施設に入ってすぐに分かった。

 ナディヤは次席で入学を果たしたが、本当は歴代トップクラスの成績で主席だったにもかかわらず、身よりもない平民の女に映えある主席入学者の挨拶を任せて良いものかと物言いがついたらしい。次席の生徒と順位が入れ替えられた。彼はブリタニア貴族の息子だった。

 結局どこに行っても同じか。自身に関する噂話を聞いたナディヤは、軍は実力主義という空疎な宣伝文句を信じていた己の幼さに嘆息した。

 入学後もナディヤは優秀な成績を収め続けた。しかし公式には彼女が主席を取ることは一度もなく、常に貴族の子弟がその上にいた。

 卒業後のナディヤは何の因果か母の故郷である日本に派遣された。ブリタニアに占領されてからはエリア11と数字で呼ばれ、国名も国民だった埃も奪われた極東の島国。その地を踏めば何かしらの感慨が湧くかと思った。何もなかった。

 母と死別して数年。忙しい日々の中で既に彼女の顔さえ記憶から薄れ始めていた。その人の故郷と言えど一度も目にしたことがない、ほとんど話さえ聞いたことがない土地を訪れたからといって感傷に浸るほど、ナディヤはナイーヴな人間ではなかったのだ。

 ただし、ここに来てナディヤに二つの転機が訪れた。

 一つは黒の騎士団と名乗るレジスタンス組織との邂逅。彼らはゼロと名乗る首魁の下でブリタニア軍を苦しめ、奇跡的な戦果を上げていた。

 ブリタニアの兵士として彼らに手を焼かされ、同僚の死を経験しながらも、ナディヤは黒の騎士団に心惹かれていった。劣勢でありながら数々の奇策を弄して大国ブリタニアに挑む彼らの姿に、あっさり一度は捨ててしまった階級社会への犯行という理想を重ねてみたからか。

 二つ目はユーフェミア・リ・ブリタニアによる日本人虐殺だ。特区日本を立ち上げると虚偽の宣言で日本人を一箇所に集め、その場で大勢の市民を殺した虐殺皇女の悪行をナディヤは現地で見ていた。

 後世の歴史に長く残るであろう蛮行を目にして、ナディヤの心は完全にブリタニアという国から離れた。

 ただ皇族の血筋に生まれたというだけの畜生にも劣る人間をありがたがって、彼らの手先になる人生に意味を見いだせなくなった。

 程なくして彼女はブリタニア軍から脱走し、黒の騎士団の人員募集に申し込んだ。



「以上。ここまでの経歴で何か間違いはあるかな」

 手元のファイルを閉じながら少年が言った。金髪の美しい子供だった。絵本の王子様がそのまま飛び出してきたような美貌。だが目には狂気が宿っている。まるで私を人間とは見做していない。対等な存在だと考えていない。紅顔の美少年の本性をナディヤは瞬時に見破った。

「何も。こちらから訂正することはなさそうね」

「結構。それなら話が早くて助かる」

 少年は傍に控えていたメイドに閉じたファイルを渡す。メイドの数は五人。最も近くに侍っていたメイドが横一線の列から歩み出てファイルを受け取る。彼女はすぐに三歩退いて元の位置に戻った。

 己をブリタニアの皇族マリユス・デュ・ブリタニアと名乗る少年が訪れたのは、ナディヤが拘束されている部屋だ。カレンとともにブリタニア軍に引き渡されたあと、彼女と引き離されたナディヤは留置場のような部屋に押し込められた。

 窓はなく、三方の壁と全面強化アクリルの出入り口。天井に換気用のファンがあり、そこから空調設備のモーター音が聞こえるのみだ。簡易的なベッドにトイレと洗面台はあったが外部との連絡手段はない。

 大人が十歩も歩けば、端から端まで横断できてしまう広さの部屋で、ナディヤはお仕着せの囚人服を着せられベッドに腰掛けていた。椅子がないので座るとなったらベッドか床しかないのだ。

「それで……私は何をさせられるのかしら?」

 これから○問にでも遭うのだろうか。それだけの理由は充分にある。

 だが、彼女の予想に反してマリユスは首を横に振った。

「君を手荒に扱うつもりはない。むしろ最高に幸せな思いをさせてあげる。だから君は僕に全てを委ゆだねればいいんだ」

「……どういうことかしら」

 意味が分からない、と困惑するナディヤに向かってマリユスが一歩踏み出す。すると彼を取り巻くメイドたちが主の意を汲み、独房の鍵を開けて中に入ってきた。

 ベッドに座るナディヤを囲むようにして正面と左右に一人ずつ、残った二人は出入り口の守りを固める。

 左右の女たちに腕を掴まれた。そのまま彼女たちはナディヤをベッドに押さえつけようとする。ギシッと粗末なワイヤーベッドのフレームが悲鳴を上げた。

 抵抗を試みるものの二人の女は全く意に介さない。ただのメイドではない。きっと彼女たちも元は軍人だったのだろう。純粋な腕力勝負では到底敵いそうになかった。

「離せ! 離しなさい!」

「どうかお静かに。皇子の寵愛をいただける幸福な機会なのですよ。あまり手荒なことをさせませんように」

「何ですって……」

 聞き間違えかと、そう思った。

 目の前の少年が私を抱く? この可憐な容姿をした男の子が、なぜそんなことをするというのか。

 困惑しているうちに仰向けでベッドに押し倒される。両手をそれぞれ左右から押さえられる。正面に立っていたメイドが身体の上に跨るようにして馬乗りになった。彼女はメイド服から拘束用のバンドを取り出すと、仲間が押さえつけているナディヤの腕をベッドのフレームに縛り付けていく。

 これまでいったい何度こんなことを繰り返してきたのだろう。完璧なチームワーク。あっという間にナディヤは身動きが取れなくなった。

「乱雑な部屋で乱雑な女を抱く。これもまた一興というやつだよ」

 マリユスはメイドたちの連携プレイで安全が確保された独房に足を踏み入れる。そして優雅とも思える動作で服を脱ぎ始めた。

 ドア付近にいた二人が脱衣を手助けする。

 ベルトを外し、ズボンを落とす。下着に手が掛かると、少年はナディヤの反応を想像してか、僅かばかり勝ち誇ったような顔をした。

 それはとても子供のものとは思えないサイズをしていた。股間には成人男性の平均より明らかに大きなサイズの陰茎があった。だが処女のナディヤを怯ませたのは、大きさよりもその形状だ。カリ首が異様に張り出しており、幹全体も太く、血管が浮き出てゴツゴツしていた。同じ人間の身体の一部とは思えなかった。

 こんな凶器を相手にしたら壊れてしまう。本能的に恐怖を感じる。しかし逃げようにも両腕は拘束され、両足はそれぞれに別のメイドたちに乗られて動けない。

「そんなもので私をどうこうしようというつもり? やはり皇族などと言っても下世話な男と変わらないわね」

「これも立派な尋問官の務めだよ。僕の仕事は君たちから情報を聞き出すことと、優秀なパイロットを心からブリタニアに寝返させることなんだ」

 マリユスの口調は穏やかなままだったが、目の奥は笑っていなかった。獲物を前にして舌なめずりをする獣のようでもあった。

 彼が一歩、また一歩とベッドに近づいてくる。

 少年はベッドの上で仰向けに寝転ぶナディヤの身体に覆い被さり、まず軽く唇を合わせた。

 チュッと軽いリップ音が鳴る。キスと呼ぶのもおこがましい、本当に触れるだけのバードキスだった。だが、それだけでも幼い少年が、性的には自分よりも遥かに経験豊かな強者だと感じた。

 彼の唇が触れたところから電流が流れるような気がした。

 マリユスはナディヤの首筋に舌を這わせた。同時に両手でナディヤの大きな乳房に触れる。少年の手では掴みきれない巨乳。それを手のひらいっぱいに握り込んでグニュリと揉む。痛みはない。ただくすぐったかった。

「んっ……くうっ……」

 乳首の周りを指でクルクルなぞられると妙な気分になってくる。

「ふふ……感じてしまってるのかな」

「……そっ……そんなわけ、ないでしょう」

 否定しても声が震えてしまった。図星だったからだ。まだ触れられて間もないのに乳頭が勃ってしまっているのが分かった。

 そんな反応を楽しむかのように、指の動きが徐々に激しくなる。乳房の先端、敏感なツマミをコリコリと擦られるたびに甘い刺激が走った。時折強く摘ままれ、その痛みが快感へと変換される瞬間もあった。

「あんっ、んんっ……あっ、ああん……」

 堪えようとしても抑えきれず、吐息と一緒に小さな喘ぎ声が漏れ出る。

 胸への愛撫を続けながら、マリユスはナディヤの頬や首筋にキスの雨を降らせていく。ただ捕らえた敵兵をレ○プしたいだけならする必要ない前戯。まるで恋人を抱くような優しい行為が彼女を混乱させる。

「やっ、やめなさい……こんなことをして何が楽しいの?」

「僕はサディスティックなところがあるからね。そのくらいの自覚はあるんだ。僕に犯されて死にたいほど屈辱だと言ってた女が、嫌々ながら感じ始め、最後には自分から求めるようになる姿を見るのが大好きなんだよ。しょせん脳みそじゃなくマンコで物を考える低俗な動物なんだって姿をさらけ出す様がね」

「なっ!」

 絶句した。なんて最低な男だ。

「それに女のほうだって濡れてもないうちから無理やり突っ込まれて、痛い思いをするよりこっちのほうが好きだろ」

「馬鹿なこと言わないで。私は貴方なんかに絶対に屈したりしない!」

 そう叫んで顔を背ける。だが内心では火照り始めた肉体の反応に困惑を深めていた。

 身体が熱い。下腹部から股の間にかけて、一帯に熱が籠っているような感覚がある。こんな状態をナディヤは知らない。今まで男に身体を触らせたことなどなかったのだ。

 だから今自分の身に起こっている異変の正体を掴めずにいた。

 耳朶を口に含まれ、舌先で嬲られる。ピチャピチャと唾液の絡まる音がするたび背筋がゾクゾク震えた。未知の感覚だった。

 ナディヤは幾ばくかの自由を与えられた指先でシーツを掴んだ。固く握りしめることで、身の内から湧き上がってくる快感――そう、これは紛れもなく快感だった、絶対に認めたくないことだが――をやり過ごそうとした。

 そんな彼女の努力を嘲笑うように、そのまま少年の唇は耳から首へ、首筋から鎖骨へと自由自在に動く。彼女の細い首から肩にかけてのラインはとても綺麗だった。きめ細やかな肌の下には瑞々しい肉が詰まっており、触れば指に心地よい弾力を返すだろう。マリユスも嬉しそうに撫で回す。

(どうしてこんな奴に……)

 十歳は年下に見える少年の手管にナディヤは翻弄されていた。これは自分のような捕虜を凌○して鍛えたテクニックなのか、それとも天性のものか。いずれにしろ今のナディヤでは抗いようがなかった。

 胸の先では二つの突起がツンッと勃ち上がり、自己主張していた。そこにマリユスが顔を寄せてくる。まさか……と思った次の瞬間には、服の上から彼に乳首を座れていた。

「ふぅ、ふぅっ、ふぅ……ふぁ……あぁ……んッ……」

 布越しに舌で舐ねぶられる。もう片方の乳首は指で摘まれた。服と擦れて感じる鈍い感触とピリピリとした痺れが走る刺激。両胸に異なる快感を覚え、ナディヤは小さく喘ぐ。

「随分と敏感だね。さっきのファイルによれば男性経験はないらしいけど、本当に処女?」

 その質問をナディヤは無視した。マリユスも答えを期待している風ではない。

 マリユスは片手でナディヤの胸を弄りながら、空いた手を下半身のほうに伸ばした。貫頭衣の裾をめくり上げ、下着に手を差し入れる。今そこに触れられる訳にはいかない。知られたくない秘密がある。

「やめろ……やめなさい、そこはダメよ!」

 脚をバタつかせ少年を振り落とそうと試みる。だが全体重を掛け抑え込んでくるメイドの力には敵わない。

「そんなところ、触ったら許さないわよ」

 制止の声が届くより先に指先が割れ目に触れる。クチュリ、という音。それが己の股間から響いたものだと知り、恥ずかしさのあまり頬が熱くなった。

「あれあれ? 濡れちゃってるよ。憎いブリタニアの皇子に触られて、おまんこ濡らしちゃうなんて黒の騎士団への裏切りなんじゃないの?」

 厭味ったらしいセリフを口にするマリユスの顔には、彼の腐った性根を表すような笑みが浮かんでいる。元の美貌はそのままなので余計に卑劣さが強調された。

 彼は中指と薬指を揃えてゆっくりと割れ目をなぞる。まだ誰にも侵入を許したことない場所を優しく、時に少し力を込めて刺激される。本当に憎たらしい。いっそ乱暴に力付くで、無理やり挿入されてしまえば楽なのに。

 濡れてもない膣を乱暴に使われ、痛みと出血のなかで破瓜を迎えられるなら、懊悩せずに済む。己の身体が敵の愛撫で感じることなど知りたくはなかった。

 ナディヤの身体はビクビクっと震えた。自分でも驚くくらい鋭敏な反応だ。

 マリユスの責めは的確だった。陰唇を上下に擦ると時折指が敏感な突起に当たる。最初はくすぐったいだけだった場所が、次第にジンジン熱を持ち始めるのが分かる。そこから広がる甘美な疼き。それは快楽の前兆だ。ナディヤの呼吸も自然と浅くなり、切なげに潤んだ瞳は宙を見つめるだけになる。

「クリトリス気持ちいい? いきなり剥き身で触ると刺激が強すぎて感じるどころじゃない女もいるから、処女は処女らしく包皮の上から優しく撫でておくだけにしようね」

 マリユスは言うが早いか親指の腹を使って、ナディヤの小さなクリトリスを圧迫しだした。指全体で押しつぶすようにされると、ピリピリと電気のような鋭い感覚が脳髄を貫く。

 初めて経験する快感にナディヤは思わず声を上げた。

「ふいっ、いいっ、ああぁっ、やっ、やめっ、あああっ!」

「いい声だね」

 マリユスは楽しそうに笑う。その間も指先は休むことなくナディヤを虐め続ける。クリトリスへの責めだけで、愛液が溢れてきたのが分かった。粘り気のある透明な液体がトロトロと零れて、ベッドを濡らしていく。まるで小水を漏らしてしまったみたいで恥ずかしい。甘酸っぱいメス臭が狭い独房に広がった。

 この少年の指が触れる度に腰が跳ねる。もっと欲しいと思う。けれど、それを口に出すのだけは我慢しなければならない。こんな屈辱的なことを受け入れるなどありえないことだ。

 ――でも、ナディヤの身体はすでに堕ちかけていた。彼女は気づいていない。無意識のうちに太腿を擦り合わせ、自ら腰を振っていることに。

 少年の手が離れる頃には、彼女の下腹部は己が分泌した淫汁でベトベトに汚れていた。

「粗野な味だな」

 ナディヤのマン汁だらけになった指を舐めながらマリユスが言う。

「だが粗野にして甘美だ。悪くない」

「……くっ……はぁ、んっ……」

 彼の尊大な品評にも反応できなかった。ただ荒い息を吐くだけで精一杯。

 そんな彼女を後目に、少年はいよいよ最後の砦であるショーツを脱がせにかかる。脚の間に入り込まれれば、最早どうすることもできない。

 両脚を閉じようとするが今回もメイドたちに動きを封じられる。そればかりか、傍らに待機していたメイドがハサミを取り出すと、ナディヤの貫頭衣を切ってしまった。

「暴れませんように。傷がついた肌を主に差し出すのは、メイドの本意ではありません」

「こっちは肌をさらすこと自体が本意じゃないわよ!」

 もっともなことを言って抵抗するナディヤだが、ヒヤッとした刃先が肌に触れれば自然と身体から力が抜ける。刃物を恐れるのは人間の本能だ。

(だからって無抵抗でいるわけには)

 分かっているがどうにもならない。せめてもの抵抗の意思を示すため、顔を背けて瞼を閉じた。

 露わになった秘部を見て、マリユスが鼻を鳴らす。

「へぇ~綺麗な色じゃないか。本当に処女みたいだ」

 マリユスは感心した風に呟いた。見られている。本当にアソコを見られているんだ。羞恥心を煽られ、顔が真っ赤になる。

 秘所に触れた冷たい感触に目を見開く。慌てて股間を確認すれば、メイドがナディヤの膣口に粘液を垂らしていた。

「ご安心ください。滑りを良くするためのローションです。人体に有害な物質は入っておりません」

「僕のは見たとおり大きいからね。あって困ることはないだろ」

「……そうね、ありがたくいただくわ」

 皮肉たっぷりに言ってやったつもりだったのだが、通じなかったようだ。むしろ喜ばせたようで腹立たしい。

 ヌルリと滑る感覚があった直後、異物感が下腹部を襲う。硬く細いものが胎内に進入してきたのだ。恐らくは指なのだろう。だが初めての感覚に戸惑うナディヤには、正確な正体までは分からない。とにかく不快だった。腹の中に他人が入ってきてグニグニ押されるなど。

 こんな時間がずっと続くのか。先ほどのような快楽に襲われず、ありがたいやら苦痛やら。ナディアは一息つく思いだった。

 ――そして、それはすぐに来た。

 膣内に侵入した指が曲げられたとき、お腹側の壁を強く押されたのだ。

 瞬間、電流が走ったような感覚があった。痛みはない。それどころか未知の快感すらあった気がする。思わず甘い吐息を漏らすと、それを見計らったかのように指が同じ場所を刺激し始めた。何度も、何度も繰り返されるうちに身体が勝手に跳ねてしまう。そのたびに乳房や股の間の突起もプルンプルンと揺れた。その揺れに合わせるように腰が前後してしまうのも止められない。

(どうして――ッ?)

 自分の反応の不可解さに困惑するナディヤに対し、メイドは淡々と説明してくれた。

「クリトリスの裏側のあたりですね。ここはGスポットと呼ばれる性感帯になります。女性が腟内で感じる最も敏感な場所の一つとされていますが、人によって場所が違うため見つけるには男性側の経験も必要です」

 つまり自分は、今まで自分ですら触れたことのない場所を、他人の指で弄ばれ強○的に快楽を植え付けられているのだ。それも、あのブリタニアの皇子に。その事実が悔しくて仕方がない。

 それなのに。

「ここがいいのかい?」

「――ひぁっ!」

 不意にGスポットを指先で押し込まれる。少年の細い指先に膣内の一点を弄ばれると、鍛え上げられた肉体も精神も役に立たない。ただ身体をくねらせることしか出来ない。さらに弱点を探り出すみたいに次々と膣内への責めが行われても、抗う術はなかった。

 二本の指を抜き差しされても苦にならなくなり、あっという間に三本指のボリュームにも慣れてしまった。内蔵を押される気持ち悪さだけがあるなどと思っていたのは遠い昔。膣内に挿入された指が複雑なフォーメーションを組んだり、バラバラに動いたりする度に腰が熱くなって、堪えようとしていても情けない声が出てしまう。

「や、やめろぉ、っ! お゛ッ、お゛っっ、ぉお゛ぉおぉぉおっ!」

 最初は声を抑えようと思ったのだが全く意味がなかった。声は愛液同様に止めどなく溢れてくる。押さえつけることもできずにナディヤは、よだれで顔を汚しながら喘ぎ声を上げ続けた。

 その間メイドたちは眉一つ動かさず主人による女捕虜への調教を見守っていた。彼女らには見慣れた光景でしかないのだろう。

「さっきのローション。あれに、なにか」

「細工がしてあったんじゃないかって? ないよ。本当にただのローション。自分の身体が好色なことを他人のせいにしたらいけないな」

「う、うるさい! んんっ♡ ふぅ♡ こ、この……ひゃうっ! くぅぅ♡」

「声に甘いものが混じり始めてきたよ。もう僕の女になりたくなっちゃったのかな」

 マリユスは意地の悪い笑みを浮かべて、さらに激しく指を動かしはじめた。彼の指摘通り、先ほどまでより己の抵抗感が薄れているのが分かる。ナディヤの理性は既に限界に達しようとしていた。

 もはや快楽自体を否定することなどできない。認めた上で耐えなければならないという段階まで来ている。それでもまだギリギリ踏み止まれているのは、彼女が高いプライドと男の性欲に対する潔癖な考えの持ち主だったからだ。快楽に溺れるなどあり得ないし許せない。私は下半身でしか物を考えられない下劣な男どもとは違うんだ。

 そんな気持ちとは裏腹に身体は素直に反応していく。

「んあっ……はっ、はぁっ、んん~~っ!」

「イクときはちゃんと言わなきゃダメだよ。イキますって大きな声で宣言するんだ」

「誰がっ! そんなみっともないこと言うもんですか!」

 ナディヤの絶頂が近いことを察してマリユスが手の動きを早めた。クチュクチュと卑猥な水音が大きくなるにつれ、彼女の中で膨れ上がった何かが弾けそうになる。歯を食い縛り耐えるが、我慢すればするほどに欲求は高まり、頭の中が真っ白になっていく。やがて下腹部に熱い感覚が生まれ、それが一気に全身に広がった。脳天から足の先まで雷にでも打たれたみたいな衝撃が走る。

 視界が白く染まったあと、ゆっくりと戻ってきた。遥か高みまで浮き上がったような浮遊感のあと、イキ疲れした身体の重みがズッシリと蘇ってくる。全身が汗まみれで気持ち悪い。だがそれ以上に最悪なのは、未だに身体の奥底で燻っている熱だ。もっと強い刺激が欲しいと思ってしまっている自分がいるなんて認めたくない。しかし事実だ。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 荒く呼吸するたびに豊かな胸が上下する。ナディヤは自分の息が発情している雌犬のように浅ましいものに思えてならなかった。屈辱のあまり死んでしまいたいくらいだ。

「……そろそろ頃合いかな」

 不意にマリユスの呟きが聞こえたかと思うと、彼は指を引き抜いた。愛液にまみれた指に舌を這わせると、満足げに微笑む。

「やっぱり、いい味だ。それにいい女だしね」

 マリユスがナディヤの脚を抑えていたメイドに指示を出すと、彼女たちは捕虜の膝を立ててM字に開脚させた。くぱぁと割れ目が広がり奥の奥まで少年に見通されても、法悦の極みに達して放心状態のナディヤには抵抗できなかった。

 ナディヤの目に生気が戻ったのは、マリユスの屹立した男根を見たときだ。脱衣した時から大きいと感じていた男根は、今や最大限に大きくなっている。その他のパーツが少年なりの肉体で構成されているため、そこだけ巨大な姿は歪で禍々しかった。

 叫びたかったが言葉にならない。代わりに出たのは声にならない悲鳴だった。マリユスの股間からそそり立つ赤黒い肉塊を目の当たりにして、血の気が引いていくのが分かった。あんなものが入るわけがない。だって、こんなに太いのよ! 恐怖で青ざめるナディヤをよそに、少年は彼女の両膝に手をついた。

「いよいよメインディッシュだ。これで男を教えて病みつきにさせてやる」

 先端が濡れそぼった膣口に触れる。それだけで、火傷しそうな熱さを感じる。そのままグッと腰を押し進められれば、狭い膣口はあっさりと異物を受け入れた。

 処女膜を突き破られる痛みに顔をしかめる。だがすぐにそれは別の感覚にとって変わった。亀頭が子宮口を押し上げた瞬間、先ほどの何倍も強烈な快感に襲われたのだ。

「あ゛っ! あ゛あぁああぁぁっ!」

 全身を痙攣させながら絶叫するナディヤを見て、マリユスは小さく笑った。彼女の目には、美少年の姿が嗜虐願望の化身に見えた。

 この女を征服してやると宣告された気がした。実際その通りなのだろう。彼女はこれから徹底的に犯され尽くすことになるのだから。

 長大な肉棒が全て膣内に収まるまで時間はかからなかった。途中何度か休憩を挟んだものの、結局一度も抜かれることなく最奥まで到達してしまった。

「ふ~ようやく全部入ったね」

 結合部を眺めながら少年が呟く。その声色はどこか満足げでもあった。一方のナディヤはといえば、完全に脱力しきっていた。初めてのセックスだというのに痛みはほとんど感じない。むしろ圧倒的な快楽に翻弄されっぱなしで、頭がおかしくなりそうだ。今も挿入されているだけで軽く達してしまいそうになっている。

「動くよ」

 宣言とともに始まった抽送に、たちまち二度目の絶頂を迎えてしまう。一度目よりもずっと激しい波が押し寄せてくる。休まず動き続けるマリユスの責めに立て続けの三度目を予期して、ナディヤは懇願するように叫んだ。

「ま、待って!」

「なに?」

 これから本腰を入れて連続絶頂させるつもりだったのだろう。マリユスは少し苛立った様子で聞いた。

「お願い、ちょっと待って……少しだけでいいから休ませて……」

 こんな男にお願いなどしたくない。さっさと私を解放しろと噛みついてやりたい。だが自力で脱出不可能な以上は彼の慈悲にすがるしかない。みっともなくても、そうすることでしか正気を保てそうになかった。

 しかし、どうやらそれが裏目に出たようだ。嗜虐的な性格をしている皇子は、弱った獲物を前にして舌なめずりをした。

「――ダメだね」

 次の瞬間、剛直が深々と突き立てられる。ナディヤの口から濁った悲鳴が漏れた。身体を逆エビに折り曲げて大きく震わせる。

「あ……ああ……」

 虚ろな瞳で天井を見上げながら、うわ言のように意味のない音を吐き出すしかなかった。

 それからどれだけの時が流れたのだろうか?

 もう分からない。時間の経過を把握する余裕すらない。ただ与えられる暴力的なまでの快感に身を委ねる。

「あ゛っ、あ゛ぁ゛っ、あ゛あ゛っ」

「最初の威勢はどうしたのさ。もう完全に僕のチンポで翻弄される肉人形になってるよ」

 嘲るような口調にも言い返す気力がない。今できることと言えば、ひたすら喘ぎ続けることだけだ。そしてまた、何度目かも分からぬ絶頂が訪れた。頭の中が真っ白になり身体が硬直する。膣内が激しく収縮し、それによってさらに快感を得てしまう悪循環に陥った。

 もはやナディヤは意識を保つことさえ難しい状態なのに、マリユスは腰の動きを止めようとしない。それどころか一層激しく突き上げてくる。

 相手が弱ってるなら追撃。とことんまで堕とす。二度と自分に反抗的な態度を取れないよう理解らせる。性格が悪い皇族の皇子らしい行動原理だった。

「あはははっ! もうイキすぎて声も出ないみたいだね」

 少年の笑い声を聞きながら、ナディヤの意識は闇に溶けていった。

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猪熊夜離 2023/01/06 01:15

第二王女様、混浴温泉でエクスカリバーと交合す(アレクシア・ミドガル/陰の実力者になりたくて)

「お題箱付きプラン」より。

原作:陰の実力者になりたくて!
キャラ:アレクシア・ミドガル
シチュ:アニメ11話温泉シーンのあと。シドが上がった温泉に入れ替わりで青年が入って来る。彼のイチモツはシドの何倍も大きかった。ついつい興味本位な視線をアレクシアは向けてしまう。すると気づいた青年は「後学のために触ってみないか」と誘う。

はしたないと思うも好奇心に負けたアレクシアは男の巨根を握ってしまう。そうしてるうちに発情してきてしまい……。

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