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ASMRの記事 (16)

HARE / define 2021/04/08 12:54

M.C.制作話(9回目)

 始めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 いきなりですが宣伝からいきたいと思います。

 4月9日、明日……というよりも、おそらく0時販売なので、あと12時間くらいしたら、ASMRの新作「義理の姉になった彼女と、親に内緒で恋人になる方法」が発売です!

 内容は前回と同じく、催○物です。

 「義理の姉」となった彼女と、恋人になって――と、純愛系っぽい感じですが、ちゃんとdefineっぽい作品になっていると思います。

 よろしくお願いいたします。








 宣伝も終わりましたし、MC制作話の9回目といきましょう。

 次回(10回)で、終了予定ですので、あと少しのお付き合いをお願いいたします。

 さて、前回はゲームの制作は終わりが見えつつありましたが、CDのプレスが間に合わないことに気付いた、という状態でしたね。

 そうです。当時は、今と違ってデータではなく現物(CD・紙媒体等)で欲しいという人が多かった時代です(※注1

 通常の会社(工場)では、プレスは不可能(※注2)です。となれば、自分達で作るしかなありません。

 100枚ならば、スタッフ4人で割って一人25枚です。問題ないでしょう。

 その後、変更した目標枚数300枚でも、スタッフ4人で割って……75枚です。

 それなりの枚数になりますが、まあ、いけるでしょう。

 しかし、実はこの時点に至って、さらに枚数を増やすことになりそうでした。

 同人イベントに来られない人からご要望(※注3)をいただいたこともあって、委託販売をすべきでは? という流れになりました。

 そうです。同人をやっている人ならば、みなさんご存じでしょう。メロンブックスさんや虎のあなさんの存在です。

 さて――ここで、久しぶりの選択肢です。

 1.コミケにもっていく制作可能な分だけだけを作成。メロンブックスや虎のあなさんには、会場で余った分を委託する。

 2.会場販売予定分を作成、その上でメロンブックスさんや虎のあなさんに委託する分も作る。

 このような選択肢が出た場合は、答えはいつも一つです。

 そうです。2ですね。

 ……無謀にもほどがありますが、当時はいくしかないと勢いで決まりました。

 生まれたばかりのサークル、イベントそのもの(※注4)に初参加、知名度など無いに等しい状態です。

 しかも、コミケには自分達のサークルで参加しているわけでなく、他の方の厚意で場所を間借りさせてもらうだけ。

 そんなサークルとしては、制作するリスクを考えると無謀もよい枚数へと膨れあがっていきます。

 しかし、制作できる枚数には限界があります。

 それでも待っていてくれるみなさんの要望に応えるためにも、やるしかない! と決定しました。

 ……表向きは綺麗な理由を書いてますが、たくさん売って、うっはうはしたい、というゲスな下心が透けて見えますね。

 さすがにこれだけの枚数を作れば、絶対に余るだろうという考えから、会場には700枚(※注5)持っていくことを決めました。

 ショップさんは、合わせて500枚くらい(※注6)の委託分があったと思いますが。

 ともあれ、この時点で制作数はさらにアップしました。一人あたり、300枚くらいです。

 20分で1枚作っても、6000分です。1日が1440分(※注 追加)なので、眠ることなく、休むことなくやっても4日以上かかる計算です。

 ……かなりキツい枚数になってきましたね(苦笑)

 この時点でも、ほぼ無理な状況なのに、さらに無謀な意見が出ます。

 普通(レーベル面が販売した状態のもの)のCDでは味気ないという話が出ました。

 プリンタブルCD(※注7)を使用し、盤面に絵を印刷しようということになりました。

 ……余裕のない状態で、ずいぶんと余裕(笑)のあることです。

 当時はテンションもあがり、少しでも良いものになるなら! というノリで、できることはなんでもするぜ、という感じでした……が、CDを手焼きするだけでもかなりまずいのに、盤面に印刷をするなど、正気じゃありません。

 何しろ、手元にあるのはインクジェットプリンタです。

 専用の台(?)に乗せ、1枚ずつ印刷をしていく必要があります。これも手焼きと同じくらいの時間がかかる作業です。

 しかし、やると決まったからには、もう後戻りはできません。

 自らの首を絞めているとしか思えない行為に飛び込んでいくdefineスタッフ達。

 まずは、表面に印刷ができるCDを大量に購入する必要があります。

 50枚入りのケースを、予備も含めて結構な数、購入しました。

 車を持っているスタッフがいなかったので、電車で移動です。秋葉原とスタッフ宅を、重い荷物を持って行き来することになりました。

 CDのケースについては、通販会社を利用していました。

 ……足りなくなるたびに、やはり電車で秋葉原まで買いだしに行きましたが。

 ガワ部分の準備をしている間にも、ゲームの制作も大詰めです。

 シナリオの分量が最初に予定していた倍になったり、絵の差分数が減ったり、色々とありましたが、ついに必要な素材は全てあがりました。

 もう、家から家に移動している時間も惜しいと、defineメンバーは合宿よろしく、一人の家に集まって作業です。

 男だらけのむさい空間のできあがりです。

 しかし、それはそれで楽しい時間だったと言えなくもありません。

 ここからは、ゲームの組み立て作業、スクリプト(※注8)です。

 ここからは、ざくざく作業をすることになりました。defineスタッフの得意分野(?)です。面目躍如といったところでしょうか。

 とはいえ、時間がまったくない+いじり始めて10日くらいしかたっていない吉里吉里です。

 どうにかゲームの体裁を整えるだけでいっぱいいっぱいでした。

 そんな中、シナリオ執筆という苦行から解放されたHAREは、のんびりと過ごしていました。

 ……嘘です。ゲームを手焼きする予定のCDの盤面に、絵の印刷をしていました。まるで、賽の河原で石を積むような作業でした。

 この時点で、コミケまで残り数日です。

 え? もういくつ寝るとコミケなの? と歌いたくなるくらいの状態です。

 わかっていましたが、ゲームが完成してから手焼きをしていては、どうやっても間に合わないんじゃね? と再確認するしかない状態です。

 考えなしにゲームを制作してはいけない。常に時間の余裕を持って行動しなければならない。

 これは、M.C.制作から20年近く経過しても、うまくいかずに失敗をくり返すのですが。


 さて、M.C.制作話も、いよいよ次で終わり(の予定)です。










※注1 HAREの実感と偏見です。


※注2 後で知り合いに聞きましたが、資金力にものを言わせて頬を札束で叩くと、数日でプレスをしてもらうことも可能だそうです。当然、そんな知識も予算もありませんでした。


※注3 ありがたくも、メールなどでご連絡いただきました。当時の人には届いたのかはわかりませんが。


※注4 普通は小さめのイベント等に参加するものですが、defineはそういう経験もほぼありませんでした。

※注5 内部でも意見がわかれる程度には、当時のdefineにしては強気の枚数です。


※注6 記憶が曖昧なのと、1回目だったので、枚数についてはちょっと違うかもしれません。ありがたいことに、この後すぐに追加もいただくことになります。

※注7 CDの盤面が真っ白で、そこにインクジェットプリントで絵や文字などを印刷できるものです。当時、ちょっと流行だしたころだったと思います。


※注8 なんどか説明していますが、ここで言うスクリプト作業は、ゲーム画面に、背景、立ち絵、イベントCGなどを表示するための命令を本文に入れていく作業です。

//■背景:教室・昼 表示
//■立ち絵:ポーズ1:制服・笑顔 表示
【ヒロイン】「こんにちは」

//■立ち絵 消去
//■背景 消去
//■画面遷移(場面を変える命令)
//■背景:空・昼 表示

【ヒロイン】「今日も良い天気だね」

//■画面遷移(場面を変える命令)
//■背景・教室・昼 表示

 実際は、指定部分は英文や記号ですが、わかりやすくしてみました。
 このような感じで、延々と必要な指示を入れていく作業です。
 やってみればわかりますが、面倒くさい上に、こだわり始めると終わりのない作業です。


※注 追加 さくっと間違っていたので、こっそり修正しました。
   最初の状態で読んでいた方は、生暖かい目で見ていただければと思います。

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HARE / define 2021/04/05 14:35

M.C.制作話(8回目)

 初めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 M.C.制作話も、8回目です。

 今回、書いたことで終わりが見えました。区切りも良いので全10回という形で、M.C.制作話は終わろうと思っています。

 ……終わる、はずです。

 さて、終わった後はどうしようか。今はそんなことも考えています。

 無計画にCi-enを始めたので、色々と後手後手に回っている感じがすごいですね。

 今は、ASMRの新作を制作しているというのに、そちらの宣伝さえもだいぶ疎かですし。

 ゲーム制作の時からずっと言われているように、宣伝ベタなのは変わっていません。

 とはいえ、何をすればいいのか、どうすればいいのか、そのあたりはこれから模索していくしかないでしょう。

 ……真っ暗闇で出口のない洞窟に突っ込むことになりそうですが。

 とりあえず、ASMR


「義理の姉になった彼女(わたし)と、親に内緒で恋人同士になる方法」 

4月9日発売です(宣伝)

 有料プランには、お得なクーポンもありますので、ご一考ください。

 よろしくお願いいたします。

 そして、実はASMRの3作目も制作中です。

 ASMR制作話とかは、興味のある方はいますかね?

 ……話をするにしても、あちらは2、3回で終わってしまいそうですが。

 ということで、毎回、きままに適当にやっている前置きはこれくらいで、M.C.制作話の8回目となります。





 ゲーム制作は順調(?)に進んでいましたが、コミケまでの残り時間も減り、10日くらいしかありません。

 この頃には、ざくそん氏の協力もあって、M.C.を制作していることや、コミケで頒布する、という告知もしていました。

 初めての制作、初めての参加、初めての販売。

 となれば、100本も用意すれば十分だろう。

 たとえ、目についた人達が買ってくれることを期待しても、300本まではいかないはず。

 制作本数は、そんな予想の元に動いていました。

 しかし、ネットなどの反応を見ると、どうやらもうちょっとくらい多くしても、全てが捌けそうだと、手応えがありました。

 となれば、制作数のアップです。

 たくさんの本数の売りさばき、うっはうはの、左うちわだぜと、取らぬ狸の皮算用です。

 まあ、実際に同人をやったことのある方々は、よくわかっていると思います。


 ネットの反応を信じると、痛い目に遭う、ということを。


 しかもdefineは初参加(※注1)です。

 だというのに、なんとなく行けるという感覚のまま、当初予定を上回る頒布本数を用意することになりました。

 数を作ることを決めたまではいいのですが、CD(※注2)の枚数を増やすには、プレス会社に依頼する必要があります。

 そうです。この時点まで、CDのプレスってデータを納品してから数日もあればできるんでしょう?

 ……などと、甘いことを考えていたのです。

 すでに皆さんはお気づきでしょう。

 コミケまで、プレスが間に合うはずもないことを。

 そうです。当時のdefineのスタッフは、誰一人としてCDのプレス生産にかかる時間がどれくらいなのか知りませんでした。

 そんなことを知りもせず、さっそく依頼できそうな会社を探しだして連絡をいれます。

 そして、当然のように全てに断わられます。

 これでは、完成しても、購入を考えてくださっている方々の数分の1(※注3)にしか売れません。

 プレスできないのであれば、手焼き(※注4)をするしかないない、という状況に陥ります。

 1枚作成するに要する時間は○○分、となると○○○枚を作成するとなると――。

 ここで、再びHAREの前に「時間がない」ことの壁が立ち塞がりました。

 さらに「え……?」と思われるかもしれませんが、そもそも、まだこの時点でゲームは完成していません。

 プレスとか、枚数を増やすとかの前に、完成の心配をしろよ、という感じですね。

 原画は完了しました。

 彩色も(統括はしていませんが)完了しました。

 シナリオも、問題というか状況の変化(※注5)はありましたが、終わりが見えていました

 ゲームのほうは、基本動作はできそうです。

 他の素材も揃ってきていました。

 ここまできたら、次の作業は「スクリプト(※注6)」です。

 幸い、defineのスタッフは、そっち系の作業には馴染みがありました。

 やっと、自分達のスキルが十全に役立つ時がきたのです!

 4人がかりで手分けして、サクサクと進めることができます。

 ……何も問題がなければ。

 そして、他作業もあって、結果的に実際に組んでいたのは2名だけとなります。

 ある意味予想通りの展開ですね。

 この時点でスクリプト作業が、予定していた倍の時間がかかることになりました。

 さらには、実際にゲームを組み上げてくると、細かい問題がたくさん出てきます。

「このシーン、服装が合わない」

「この前で服を脱いでいるのに、次のところでまた着ている」

「ここの指定の背景の画像がない」

 そんなものが、ぼろぼろと出てきます。

 時に素材を増やし、時におくとぱす氏に書き直してもらい、どうにか形を整えていきます。

 ギリギリになって、こんなことができるのは、ボイスがなっかった(※注7)からですね。

 しかし、その裏側ではプレスができなかったことで新たに発生した作業が。

 それはどのようなものだったのか、そのあたりは次回に。







※注1 しかも、自サークルの参加ではなく、知り合いのところのみの委託です。


※注2 当時はゲームのメディアは、主にCDでした。だいぶ安くはなっていましたが、50枚で2,3000円~くらいはしていたはずです。


※注3 勝手にこれくらいの人が購入してくれる、と予想していた数の数分の1です。まったく根拠のない数字ですね。


※注4 CDにデータを保存することを「CDに焼く」、1枚ずつCDを手ずから作成することを「手焼き」などと呼称していました(自分の周りだけかもしれません


※注5 実は、シナリオの分量が当初予定を大幅に上回り、倍くらいになっていました。
 当然、増えた分ところでおくとぱす氏は余裕ですが、片方のルートだけ、短くさくっと終わるのは体裁が悪いので、HAREも合わせて加筆していました。
 自分のルートのテキストだけが終わってないという、胃の痛い日々が続いていました。


※注6 スクリプト、正式な意味や、他での使い方は違うかもしれませんが、ゲームにおいては、ここで立ち絵を出す。ここで立ち絵を消す。ここで表情を変える。ここで音楽を流す。というような命令をいれていく作業であると考えてください。


※注7 声がついてしまえば、修正は難しくなります。他作品ですが、とあるライターさんが、渾身の一言、そのセリフをヒロインに言わせるために話を積み上げたのに、収録し忘れ、泣く泣く文章を修正をした、という話もあります。
 また、取り忘れた一言のために○○万円をかけて、収録し直すことになり、ゲームの発売がずれた、という話もあります。

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HARE / define 2021/04/04 10:29

ASMR「義理の姉になった彼女~」発売に伴うクーポンにつきまして。

 ASMR新作「義理の姉になった彼女と、両親に内緒で恋人同士になる方法」の発売日、4月9日が迫ってきました!

 ということで、今回はクーポンの発行に挑戦してみました。
 サークルdefineの全商品が割引ですよ!


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「義理の姉になった彼女」発売クーポン70%オフ
  • 発行期限:
    2021/04/08 00:00:00まで
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期限切れのため受け取れません。

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HARE / define 2021/04/01 21:58

M.C.制作話(7回目)と、エイプリルフール。

 始めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 M.C.制作話の7回目となります。

 もう7回。まだ7回。人によっては違うでしょうけれど、そろそろ飽きてきた方もいると思います。

 興味の無い方は、引き続き華麗にスルーしてください。

 書いているHAREも、こんなに長くなるとは思っていませんでした。

 なにしろ、1回目からで、テキストの分量が35KB(原稿用紙40枚くらい?)になっています。

 ASMRドラマCDにしたら、60~80分程度の作品が作れる分量です。

 こんなことを書き連ねるくらいならば、素直に新作を作れば良かったと思っても、後の祭りです。

 HAREとしても、この話のネタがなくなったら、次はどうするかまだ決まっていないので、もう少しだけ引きのば……続けようとおもっています。

 とはいえ、あと2、3回で終わりの予定です。

 では、今回も後悔から目を背け、過去を忘れて突き進んでいきましょう。




 ゲーム制作がやっと進みはじめた……そんな状況になり、足りないところは基本的に、Y氏に相談という名の手助けをしてもらっていたとこからですね。

 メンバーはそれぞれ担当に分かれて作業を進めていたのですが、状況はざっとこんな感じでした。

 ゲームの土台となるスクリプトエンジン、吉里吉里については、当時から解説をしてくれるサイトもあって、どうにか動くようになっていきました。

 ゲーム画面ですが、制作するには技術が必要です。知識が必要です。お金も必要です。

 ……ちなみにdefineのスタッフ(※注1)は誰も作れません。

 ここでも、Y氏に泣きつき、作業について教えてもらったり手伝ってもらって事なきを得ます。


 原画の彩色作業も、まともに指示を出せる人間は内部にいませんでした。

 Y氏の力でゴリゴリと作業を進めてもらっていました。

 実は、後で、ここの編成でも大きな問題(※注2)が発生するのですが「とりあえず原画全てが塗ってある状態」になればよいと進めてもらいました。


 BGMやSEも、一部はY氏の知りあいの方に、他はフリーで使用可能なサイトさんにはお世話になりました。足を向けて眠れませんね。


 背景。今でこそ、フリー素材がかなり増えてきています。安く販売しているサイトなどもありますね。

 この漫画の背景、どこかで見たぞ?
 このゲームの背景、知っているぞ?
 このCG集の背景、あそこのやつだよね?

 と、大活躍です。

 ただ、当時はそういうサイトもほとんどなく(※注3)、背景を描ける業界の知りあいもいません。

 いくつかやってくれそうな会社も調べましたが、金額的にも、スケジュール的にも受けてはもらえませんでした。

 ここで毎回のごとく、Y氏にも相談しましたが、さすがにいくら彼であっても無理なことはあります。

 ここクオリティよりも、完成を、ということで写真を撮ったものを加工して使用することになりました。


○ロゴ
 defineのスタッフの一人が、それっぽくでっちあげました。


 背景などは、いくら昔のこととはいえ、もう少し方法はなかったのか? と思わなくもありません。

 ですが、当時はあれ(写真加工)でいっぱいいっぱいです。全力です。

 時間のない中、少しずつゲームが形になっていく。

 これはテンションがあがります。

 プロジェクトがXしそうな勢いで盛り上がり、頭の中では中島み○きさんの歌う、番組のテーマソングが流れます(※注4)。

 けれど、素人が寄せ集まり、ノリだけで進めていた作業です。当然ですが、そんなに甘くはありませんでした。

 残り時間の無さが、ゲームの制作以外にものしかかってきます。

 そのことを、HARE達は知る由もありませんでした。

 ……というか、自分達が知らないことを知らないという状態だったので、問題視さえできなかった、というのが正しいでしょうか。

 一見、どうにか間に合うかもしれないという状況になりつつある制作。

 しかし――。

 ということで、小賢しい感じに引きにして、続きは次回ということに。
 よろしくお願いします。



 それと、今日はエイプリルフールというのに、先ほど気付きまして。

「キモい兄貴の催○術なんかに、妹がかかわるわけない」をゲームにするぜ!

 とか告知を丁寧に作ったら面白いかもと思ったのですが、すでに時間もなく、制作を依頼するような予算も、自分で作る技術もありません。

 今回は、ASMR作成の時に吉先生に作ってもらったキャラデをなどを。





 Twitterのほうでも公開している絵と同じものです。

 ……これで本当に作るなら、制作日記にすれば、ネタがつながりますね。







※注1 当時、作業をしていたのは4名で、その全員がプログラム系です。偏った編成ですね。


※注2 ゲーム制作における彩色作業では、社内にチーフ(グラフィックチーフ、彩色統括者などといわれます)を置くのが普通です。
 グラフィックチーフの主な役割は、色彩設計(最初の色決め)複数の人が塗ったものの調整、全体のクオリティの底上げ、彩色作業の進行管理、内部外部を問わずに仕事の割り振りなどです。
 defineないにそのような技能を持っている人はいませんでした。
 M.C.をお持ちの方は、イベントCGごとに色味が違うというのがお分かりかと思います。
 どうしてか?
 グラフィックチーフがおらず、統括作業をしていないからです。
 言い訳としては、手抜きとかではなく「そういう役割の人が必要」なことを知らなかったためです。
 無知というのは恐ろしいですね。


※注3 HAREの主観です。写真加工系はそれなりにありましたが、画像系はほとんど見かけませんでした。あと、この少し後に増える3D系もですね。


※注4 あの番組が、当時放映されていたのかは知りませんので、あくまで今から振り返った時の感想です。

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HARE / define 2021/03/20 16:45

M.C.制作話(4回目)

 始めましての方、読んでくださっている方、ありがとうございます。

 M.C.制作話の4回目となります。

 さくっと2、3回で終わらせるつもりでしたが、思ったよりも回数が増えそうです。

 興味のないかたは申し訳ありません。


 さっそく前回の続きから――と、いきたいところですが、ここで新作の宣伝を挟ませていただきます。


 昨日の更新で触れました、ASMRの新作ですが、もう少しお待ちください。

 こちらのことですね(露骨な宣伝)

 それと、私――HAREが、シナリオでお手伝いをさせていただいております、別のASMR作品を作成中のサークル「オトヌキヤ」様が、Ci-enを始めたようです。

 https://ci-en.dlsite.com/creator/7919/article

 こちらも合わせて、よろしくお願いいたします。






 さて、ここからは前回の続きといきましょう。

 この状況で、ゲームを制作するのは無謀じゃないのかなぁ……?

 と、やっと気付いた後、どうやって完成をさせるて行くべきなのかという話からですね。

 ここで素直に諦めていれば、この後のこともなかったでしょう。

 しかし、すでに撤退することを諦めて、前に進むことは決まっています。

 そうなったら、次は「どうにか完成させる」しかありません。

 とはいえ「完成」についても、いくつかの選択肢があります。


 1.制作するゲームの規模を縮小する。
 2.少しでも早く作れるゲームに切り替える。
 3.制作する時に手を抜く。


 あたりでしょうか。

 では、1番のゲームの規模を縮小するからいきましょう。

 制作することを決定した分量は、その当時に可能な最大規模であり、ゲームの体裁を維持する最低限でもありました。
 つまり、削るということは無理な状態です。

 ここで、CG3枚、50KBくらいのお試し版を作り、本編は次の機会に出そうぜ!

 ……みたいなことは思いつきませんでしたし、思いついてもやらなかったでしょう。

 続いて、先に3の選択肢、手を抜くへ行きましょう。

 そもそも、まともに作り方さえ良くわかってない状況で、規模の縮小以外で、手を抜くというのはどうやれば良かったのでしょうか?

 ここまで読んできた方はお分かりだと思いますが、手を抜くにも知識や経験が必要です。
 これはゲームに限らず、なんでもそうですね。

 運転免許を取得したてで公道を初めて走る人と、10年ほど乗っている人の差、と言えばわかりやす……かえってわかりにくいかもしれません。

 ということで、手を抜くは却下です……不可能ともいいます。

 残った最後の選択肢である2番、早く作れるものにする。

 これも3と同様に、ろくに制作方法も知らない人間が、早くってどうやるってんだよ? という感じですよね。

 そもそも「早い」、「遅い」って、どういうことが? どういう部分が? と疑問が浮かぶと思いますが、この時、幸運にもゲームの制作全体を圧縮できそうな方法がありました。

 ここで、3回目にも触れている「執筆速度」の話に戻ります。

 そう――おくとぱす氏の存在です。

 純愛? と首をひねっていたHAREと違い、氏にはこの時点ですでに「得意な分野」がありました。

 氏が情熱を傾ける「催○術もの」であれば、企画・原案・プロット・実際のテキスト作業の160~180K程度など、ちょちょいのちょいです。

 ならば、「催○術もの」にすれば、制作速度はあがるはず!

 ……はい、また根拠のない考えですね。

 しかし、落とし所も明確でない「純愛物」を制作していくよりも良いだろうとということになりました。

 ここで横道にそれますが、ライター(企画者)の作業を大まかに記載しますと。

 ・企画(どんなものをつくるか)
 ・プロット(どんな話にするか)
 ・指定(必要な素材:イベント絵、キャラの立ち絵、背景、BGM、SE(効果音)、などなど)の指定書の作成
 ・テキスト(文章)の執筆

 人によっては、
 ・収録用台本作成
 ・収録立ち会い
 ・スクリプト(※注1)

 なども追加されます。

 閑話休題。

 つまり、企画とプロット(話の流れ)、指定の半分と、テキストの半分を、おくとぱす氏に丸投げしてしまえば「間に合う」可能性が高くなりました。

 ならば、これでいこうと「催○術物の小規模ゲーム」として、おくとぱす氏に作業に入ってもらいました。

 ここで、メインのライターの変更です。おくとぱす氏を中心に、話を作ることになりました。

 テキスト作業についても、二人で手分けすれば、想定量が160KBですので、一人あたり80KBずつになります。

 これは、当時のHAREならば10日~2週間くらい。おくとぱす氏なら3~5日程度です。

 ……比較すると、執筆速度のおかしさが際立ちますが、純然たる事実です。揺るぎ無い現実です。

 これでどうにか、コミケでの頒布に間に合うかもしれない。

 そんな想いから、ほっと一息です。嘘です。まったく油断のできない状態は変わりません。

 知識もなく、不慣れなdefineスタッフは、ここから色々と動きだす必要がありました。

 まずは、ゲームを作るしても、どう作るかを調べることからです。

 ゲームの本体ともなる、スクリプトエンジン(※注2)などは、HAREとおくとぱす氏のデビュー作「Stitch」で使っているものを使用させてもらえればいいかーなどと、のほほんと考えていました。

 ここでさっそく、唯一に近いの業界人の知りあいであり、デビュー作のディレクション(※注3)をしていて、自分達よりも詳しいY氏に相談です。

 先方に相談してもらい、快く使わせていただけるという話になりました――○○万円で。

 今ならば、かなり良心的な値段というのはわかりますが、当時は相場も知りません。その上、第一回で書いてますが「お金がない」状態です。

 残念ながら、予算の都合もあって、他の手法を探す必要がでてきました。

 そうです。この段階で、企画プロットシナリオはどうにかなっても、プログラム側の観点からは「ゲームにする時の基本部分」が決まっていなかったわけですね。

 さて、そこからどうやっていくのか。次回以降で触れたいと思います。





※注1 そのうち、ざっくり説明をすることになると思います。


※注2 パソコン上で、ゲームを動かす土台 くらいに考えていれば、問題ないと思います。


※注3 ゲーム制作で、もっとも作業が多く、割りに合わず、名前も出ないし、出ても見向きもされないのに、責任は重いという、「やりたがる人は能力が足りずにやらかすことが多いので、やりたがらない有能な人に押しつけるしかない」仕事です(※個人的な偏見と感想です。

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