彼女を抱いた間男が彼女を評価する
むかし「ぱちんこ北斗の拳」打ってたとき。
パチンコってほら、その作品の色んな場面をリーチ予告とかリーチ演出として使うから、打っていると色んな場面やセリフを繰り返し繰り返しザッピングすることになるんですね。
そうやって大当たりするまで朝から打ち続けていると、頭が麻痺するくらい繰り返し作品の重要シーンを見ることになり、フト、その作品の骨組みや本質、テーマみたいなことに気がつくことがあるんですよ。
シンが「ケンシロウ…、女の心変わりは恐ろしいのう~」って煽るんですが。
なるほど、NTRの真髄って女の心変わりだな。と気づきます。
考えてみればNTRはもともと官能小説のジャンルで、ノベルゲームを通じて漫画に流行したジャンルです。
その流れの中でいつのまにか忘れられていたのが、ヒロインの一人称小説が多かったNTRの物語で重要なのは「ヒロインの心変わりの描写」だということです。
もともと官能小説でNTRは女の心変わりを(知り得ない)男が「どうするんだろう? そう考えるんだ? そんな風に快楽に押し負けるのか…」と楽しむジャンルだったわけです。
「知り得ない事」を楽しむ作品、まさにフィクションの面白さです。
が、ジャンルの裾野が広がると、そういう真髄を知らないままガワだけ真似ても一応NTRのように見えるものもできちゃうわけです。
漫画なんかの場合、絵が上手くてヌケたら満足なので、「いやこれはNTRではない…!」なんて指摘しても「まあまあ、いいじゃないですか、これもNTRですよ」なんて実質陵○ものであっても同じジャンルということにされてしまいがちですが。
しかし、あなたが作り手だとしていざ作ってみようとするとき、NTRの何が好きで何をやればいいのかぼやけているかもしれません。作り手はそういうことを考えないと制作の再現性がなくて、いずれ作れなくなってしまう。
わたし個人はヒロインが何を考えているのか、気持ちがどう変化したのか、が全くわからないもの想像できないものは、起こっている事象がNTRもの似ていても、別ジャンルじゃないかな、と「ぱちんこ北斗の拳」で5万円負けながら思い至りました。
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