【オバキル創作秘話 ⑥】情熱と執念のリスタート【2022〜】
お疲れ様です!
M'sファクトリーのえむふぁく!です!
「自分が理想とする音声作品を作りたい!」
そんな一心で、ここまでに様々な困難を乗り越え、ようやくCVとイラストレーターが決定!
ようやく制作が軌道に乗ったと一安心した矢先...
今回またしても新たな壁が立ち塞がります。
CVの兎月さんから届いた一通のメール...
その時、制作で一体何が起こっていたのか!?
それではいきましょう!
オバキル創作秘話⑥!
※前回のエピソードはこちら!
【オバキル創作秘話 ⑤】理想のパッケージを作る為に【2021〜2022】
https://ci-en.dlsite.com/creator/15510/article/785846
※今回の内容は、通常私と兎月さんの秘密保持契約の対象となる内容ですので、事前に兎月さんに掲載の可否を確認した上で掲載させていただいております。
また、兎月さんご自身から補足コメントもいただきましたので併せてご注目ください!
その時、一体何が起こっていたのか?
兎月さんからのメールを開き、初めに書かれていた以下の文面を目にした時、私は世界の時が止まったような感覚を覚えました。
「このたびは大変申し訳ございませんが、
全額返金および収録キャンセルのお願いにまいりました。」
過去の記事にも書いたように、私もここまでに様々な困難を乗り越えて来ましたが、この時ばかりは神様に「お前は同人音声を作るな」って言われてるのかな?と本気で思いました^^;
しかし、その後に続く文面を確認することで、今回起こっていた問題&兎月さんがキャンセルを申し立てた理由が明確になりました。
《今回起こっていた問題》
台本の大枠はガイドラインに則したものの、双子ものとしてタイミングや掛け合いなど複雑に構成された台本がガイドラインの穴をつく状態となってしまっており(=声優が全ての演技に感情を憑依させ、且つ、抜け漏れのミスなく収録できる状態となっていなかった)この台本では収録が困難な状況となっていた。
《キャンセル申し立ての理由》
兎月さんがトラック1を収録したタイミングで《今回起こっていた問題》が発覚。
今後続く膨大な量のシナリオを現行の台本のまま完遂することは現実的に不可能という判断となり、断腸の思いでキャンセルの申し立てをするに至った。
兎月さんは当時で累計200作以上の作品に出演している実績を持っておりましたが、その兎月さんの経験をもってしてでも過去に例のないような相当特殊な依頼だったのでしょう。
逆に言うとその経験則があったからこそ、このまま無理に突き進むといずれ大事故に繋がるリスクを予測し、多大なサンクコストが発生することを承知で止まることができたのだと思います。
(おそらく、立ち会い収録であれば、ある程度依頼者がその場でディレクションできる状況にあるので期待値のズレは発生しにくくなるのですが、立ち会いがない形の場合は、声優判断での収録となりますので、依頼者と出来上がりの期待値のズレが発生する可能性は非常に高いことが予想されます)
「この当時でも台本ガイドラインはかなり改善を繰り返された結果、「いざ収録を開始してから初めて問題があるとわかる」というケースは予防できる状態で安定運用ができる形になっていました。今思うと、本当に超激レアのケースでした…。」
それでも、オバキルを実現させる為に...
しかし、前回の創作秘話④でも語った通り、私は
「本作のCVは兎月さんが不可能であれば、もはや他の誰にも実現できない」
と考えておりました。
(アドリブのレギュレーションだけでなく、キャラクターイメージ、音のクオリティ、対応力を総合的に踏まえての考えです)
執念でここまできた男、えむふぁく!。
ここで引き下がるわけにはいきません。
私の熱い想いを再度伝えた上で、現状の台本形式を調整することでどうにか収録できないか?ご相談したところ、ある一定の形式に書き換えることでもともとの想定工数・金額で継続できることが判明しました。
そこで、
●今作独自のガイドラインの制定とテストは兎月さん
●それに則して台本形式を大幅に調整する作業はえむふぁく!
が担当しました。
「今作独自のガイドラインをもとに、台本ガイドラインのアップデートをその後行いました。新しいガイドラインでも依頼をかなりの数お引き受けしましたが、ガイドライン自体の大型アップデートは本作より後には行われていません。
最後のピースだったんだと今になって思います。」
実際あれだけボリューミーな作品ですので、台本の修正作業もかなりの工数を必要とする作業ではありました。
この作業に限らず、本作にかけた工数と原価は凄まじいものがあります。
制作開始から休日の多くの時間は何かしら本作の作業に充てていたと思います。
(いち企業としてやるのあれば絶対こっぴどくしかられるような内容だと思います^^;)
しかし、何度も申しているように、この作品はとにかく「自分が理想とする音声作品を作りたい!」という欲望を追求したものです。
自分のやりたいことをこだわり抜いて、最善の物にできるよう頑張りましたが、この時間は決して苦ではなく、むしろ自分の作りたいものを作れているというワクワク感の方が勝っていたように思います。
そして、仕切り直しから約4ヶ月...
兎月さんから本作の収録データが届き、その音声を恐る恐る確認...
そして思いました。
ここまでやってきたことは間違いではなかった と。
つづく。
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P.S.
結論として、今作独自のガイドラインに則した台本を新たに設定することで、兎月さんへの工数や、こちらの追加金額は抑えた上で、双方共に満足のいく収録結果が得られました。
とはいえ、一度整えた台本の形式を再度イチから調整するのは非常に大きな時間的コストがかかりますし、手作業で直すためヒューマンエラーも発生しやすい状況となります。
声優さんの確認工数も二度手間になってしまうので、できるだけこういう状況をお互いに産まないことがベストです。
今回の私の経験談から言えることは以下の2点かなと思います。
①まずは原稿を送る際は必ず各々の声優のHPなどに、独自のガイドラインがないか確認して依頼すべし!
※兎月さんの運営する同人音声どっとこむでは、基本的な台本形式ハウツー記事もあります。特に独自のガイドラインがみられない場合でも、txt形式で送るより親切に思われるためオススメだそうです。
https://xn--gmq92kmxes03f.com/post-1647/
②もし自分のつくる作品が他より特殊な気がするならその点も事前に伝えておこう!
創作活動の初心者の方は、是非上記を参考に頑張ってください!