M’sファクトリー 2023/01/16 01:54

【オバキル創作秘話 ④】その企画は実現不可能...?【2021〜2022】

お久しぶりです!
M'sファクトリーのえむふぁく!です!

前回の記事から少し間が空いてしまいましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?
こちらは慣れない確定申告の書類集めでバタバタしておりました💦
今回は個人事業の開業ということで青色申告になりますし、わからないことだらけなので、後々税金のトラブルにならぬよう税理士さんを雇うことにしました。
税理士さんは決して安くはないですが、日々税務のことで怯えないで生きていくための安心を買う意味で使っています。

ただでさえお金の勉強をしてこなかったのに、電子帳簿保存法やらインボイス制度やら、も〜本当に厄介で個人勉強だけ正しく対処するのは難しいですね...。

さてさて、そんな話はさておき、今回も【オバキル創作秘話④】を書いていこうと思います。


※前回のエピソードはこちら!
【オバキル創作秘話 ③】執筆、絶望、そして再起【2020〜2021】
https://ci-en.dlsite.com/creator/15510/article/774397

前回のあらすじ

個人利用作品もある程度使い倒し、更なる理想の寸止め作品を作りたくなったえむふぁく!
えむふぁく!は己の理想を表現しきった作品を制作するために、個人利用ではなく、販売リターンのある音声同人作品を作ろうと決意する。

しかし、台本完成目前でPCがクラッシュ。
約半年かけて制作した台本は跡形もなく消えてしまった...。

もう全てを諦め、もとの生活に戻ろうとしていたえむふぁく!だったが、突如現れたドマゾ向け音声サークル もつにこみ さんの作品により再び情熱の炎をたぎらす。


消えてしまった台本を修復させ己の理想の作品を作り切るために、
再びイチから台本の復元作業に取り掛かるのだった...。

ついに完成した台本!しかし...

正直、再起してから細かいことは覚えていません。
ただひたすらに、没頭し、書いては消し、書いては消しを繰り返し、
【意地悪な双子の終わらないオーバーキル射精我慢地獄】の台本を再び執筆し続けました。
今度は2重バックアップとicloudの保存も忘れずに。(ここ重要)


正直あの台本をもう一度復元させる作業は相当しんどかったです。
勿論全てを厳密に元通りにすることはできませんが、表現したかったものは全て元通り詰め込めたと思います。


そして、そんな作業を繰り返し約三ヶ月...。
ついに台本の完成のゴールが見えてきました...!
私がTwitterのサークルアカウントを立ち上げたのもこのタイミングです。


ようやく念願の台本が完成するという喜ばしいタイミングだったのですが、私の中ではこの時とても大きな不安感に苛まれていました。
その時の不安の正体をTwitterにもこう書き記していました。



【オバキル】をご購入いただいた方にはわかってもらえると思いますが、
本作は特に耳舐め時間の長さや、煽り耳舐めを重視した作品です。

これは台本完成後にわかったことなのですが、
KU100など高級なバイノーラルマイクは本当に繊細な構造をしており、特に湿気が天敵だそうで、これにより耳舐めのアドリブ秒数は収録できる時間に限度があることが業界的には常識だったようです。
色々な声優さんのご依頼フォームや、音声収録スタジオを確認しましたが、
《1作品のアドリブ収録秒数は最大10分まで》
としていることが、その当時のスタンダードな指標だったのです。。。


私もユーザーとして、スタンダードな音声作品は「耳舐め音は基本ループさせている」ということはわかっていましたが、そんな事情があったとは...。
そして、今回の作品で私が特にこだわっていたポイントは、
耳舐めのバリエーションや圧倒的な耳舐めボリューム
でした。

音声作品を愛聴する私自身、耳舐め音が「単調にループされているな」と感じた瞬間、それがただの録音音声だったという現実に引き戻されガッカリしてしまった経験が何度もありますし、そういった意味でもこの作品もできる限りループを使わず表現したかったのです。

というより、今回の作品は舐め音特化で3時間をゆうに超えるボリュームだったので、そもそも作品の中で全てのアドリブを10分で表現すること自体が不可能だったのです。
(私の当初の台本ではアドリブ秒数だけで90分を超えていました。)

「(あれ...? 自分はそもそも実現不可能な企画を作っていたのでは...?)」

不安を頭に残したまま、11月中旬ごろ、台本が完成しました。

運命の声優依頼メール!

「(この作品を本当に演じてもらえるんだろうか...)」
指を震わせながら、私がこの作品の第一候補と考えていた声優様に台本を添えてご依頼メールをお送りしました。
それはもう本当に祈るように...。

...しかし、お返事メールは以下のように返ってきました。


「アドリブが1時間以上あるようですが、マイクは精密機械で湿気による故障が懸念されます。アドリブは1作品で合計10分以内に収まるよう、お願いしております。」


「収録の日にちを何回かに分けたり、マイクを複数台稼働させることで、なんとか実現できないか?」というお伺いもしてみましたが、やはり環境面や声優様の都合も総合的に見てお受けいただくのは難しい、という判断となりました...。
他に検討した候補声優さんもいましたが、その方のHPにも事前に「アドリブは10分程度まで」と書いてあり、この条件ではご依頼自体ができない状態...。


あぁ、やっぱりダメだった...。
やはり私が理想とする台本はそもそも実現不可能なのか...?
だとしたら今まで頑張ってきたことって一体...


そんな虚無感に苛まれる中、もう一人だけ頭の中にいた候補声優さん...。
その方のHPを見たところ、幸いにもHP上にはアドリブ制限などは記載されていません。
しかし、多くのスタジオや宅録で10分制限の目安が記載されていたため、おそらく業界でもこのことは常識的なルールなのでしょう。
記載されていないからといってすんなりお受けいただけるとは思っていません。
ただ、この作品を成立させるためには、どうしてもアドリブ収録制限をなしでお受けいただく必要がありました。

しかし、この方が不可能であれば、正直この作品の双子のメ○ガキを体現できると思われる声優さんは他にいませんでした。


その方のHPの依頼フォームから内容を打ち込み、台本を添付し、備考欄にもアドリブ時間の懸念点とこちらの作品に対する想いを追記し、また祈るようにクリックを押しました。

そこから数時間後...
先に掲載した私のTwitterの投稿にその声優さんは全てにいいねをつけてくれていました
「こ...これはもしや......!」

暗闇に一筋の希望の光が差し込んだような感覚でした。
そしてまた数時間後...その声優さんからお返事が返ってきました。
それも、とんでもなく丁寧な長文で...!


そう。
その声優さんこそが兎月りりむ。さんです。


兎月さん自身も、ここまでのボリュームの作品ははじめてということでありながら
この作品を成立させるための進め方や、販売戦略の前段まで視野に入れながら、お受けいただけるというお返事の内容でした。
ちなみにそのお返事をもらった直後の私のツイートがこれでしたw


なにはともあれ、2021年11月、ようやく「オバキル」の作品制作が本格的にスタートしました。
この後も綿密なやりとりを繰り返し、キャラクターボイスもすり合わせ、立ち会いなしの宅録にて収録素材をお送りいただくことに。

そしていよいよ、2022年2月上旬にその音声の一部をお送りいただく運びとなりました。


この期間は本当にワクワクして毎日を過ごしてました。
2月に入ると毎日メールがきていないか念入りにチェックをし、収録素材に期待を膨らませる日々...。

そして、来たる2022年2月8日...!
ついに兎月さんからメールが着信!

メール通知に「兎月りりむ。」という名前が来ることを本当に心待ちにしていた私はウッキウキでメールを開いたと思います。


...しかし、開いたそのメールの一文を見た時、私は世界の時が止まったような感覚を覚えました。


「このたびは大変申し訳ございませんが、
全額返金および収録キャンセルのお願いにまいりました。」


どうなる!?オバキル!!?
どうする!?えむふぁく!!!?


つづく

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