5月5日までの進捗
こんにちは。竪穴式狸穴住居です。
前の記事には、かままこと様、Hope様にチップをいただき深く感謝申し上げます。
前回に続くプロローグ以前のヒロインのストーリーです。
制作中に変えていく箇所があるかもしれません。
印刷が普及するより昔、本は知識層の象徴だった。
重厚な装丁、修道士の流麗な筆、幾人もの所有者を経た風格は古書ならでは。
今は亡くなった資産家のコレクションを改めているところ。
保存状態はまずまず、何冊かはパステルに修復してもらわないと。
流行らない商売だから、もう王国にも数えるほどしか古書店は残っていない。
その一つが、僕の店。
古書のコレクションは割とマニアの趣味だし、売り込めば儲かる商売でもないから、どうにか一人で食べていける程度の暮らしだった。
それがどういう訳だか、数年前からだんだん増えた引き合いに手が回らなくなった頃、知り合いの大学教授から紹介してもらったのが、隣にいるパステル。
旧市街の狭くて暗い店で仕事も地味、給料もそこそこなんて条件で折り合うとは思いもしなかったし、働いてもらったら呑み込みも早くて仕事も丁寧、常連客やご近所さんの評判も上々で、彼女を逃がさないためのアドバイスを山ほどもらった。
それでも完璧な人間なんていないもので、掃除に洗濯など家事はからきし、料理に至っては壊滅的。だけど、そんな不完全さに惹かれてしまう。
二人でする食事の支度、パステルと過ごす客足の少ない雨の午後がどれほど満たされるかなんて知らなかった。
仕事で、趣味でもある古書に囲まれて、隣にはパステル。
これが、いつまでも続くといいなあ。
パステル:
「あのね、ネッド?」
お、おっぱい!!??
よくわからないけど、なんかマズい。
どうにか口を抑えて、理性を軋ませながら顔を背ける。
パステル:
「もっと見て。いいですよ?」
何か呟いたのを聞き逃したのは、見惚れていたから。
嫌われたくなくて目を背けていた胸は、理想の美乳。
漏らした溜息に普段通りに微笑むパステルと、晒した胸の落差に理性が狂う。
上げた脚の間、見てはいけないのに、吸い寄せられた目が離せない。
なんとなく覚えのあるシチュエーション。
お気に入りの本の一場面なら、この次は…。
初めて触れる太腿は、抵抗もなく望むままのあられもない姿を見せてくれる。
顔を押し当てると、鼻腔にパステルそのものの香りが満ち、クロッチの下の窪み、繊細で薄い生地から唇に伝わる艶めかしい感触。
舌先で舐る度に甘い吐息に誘われて、夢中で吸い付いた身体が震えて固まって…。
パステル:
「ひっ!
ん…っふ、ぁあ!」
悲鳴にしては甘く、鳴き声よりも切ない吐息が理性の最後の糸を断ち切る。
パステル:
「んうっ、ん…あっ」
押し付けた腰から思考を溶かす温かさと、本能的な歓喜が背を伝う。
避妊もしていないのに、いまさらとめられない。
ごめん、パステ…
パステル:
「あっ、は…ぁ。
こんなに…いいっ、いい…のぉ」
え…?
…ほんとに?
パステル:
「だめ、んぁ…っ、また…変なの…っ。
おかしく…なっちゃ…うっ!」
昂るほど蕩けるパステル。
愛おしくて、息が詰まりそう。
パステル:
「んっ…く、はひっ!
あっ、ああ…っ、あ…っ、んあっ」
間隔が詰っていく吐息に誘われて、奥底を穿つほど泡立つ快楽が弾け、熱を帯びた尻から痺れる肉棒に熱情が込み上げてくる。
パステル:
「…っ、んっ…ぷ。
んちゅ…っ、んぱ…っ」
最後に至る前、目の前の小さなパステルの唇に吸い付いて塞ぐ。
唇と身体、そして性器。
歓喜が溢れたのは、その直後だった。
パステル:
「はひっ!いっちゃ…っ、ぅう!
…あ、また…い…っく」
弱々しい朝日がカーテンの隙間から差し込んでいる。
昨日の夜から、エッチしてエッチして、気絶するみたいに寝て、またエッチ。
昨日のことを思い浮かべたら、今でもドキドキする。
わたしのお腹に顔をあてて、夢中になったネッド。
気持ちよくなるのは、少し怖くて、だけど求めてくれるのが嬉しくて。
初めてのキスが、セックスと一緒って、変…なのかな?
えへへ。
急なキスだったけど、それだけで気持ちよくなるなんて…素敵だったな。
思い出したら、変な気持ちになりそう。
なんか…恥ずかしい。
パステル:
「あ、ネッド?」
お手洗いから戻ってきたネッド。
なんだかモジモジしている。
…あ
おちんちんが…うっわ!
ネッド:
「ごっ、ごめん…っ!」
慌てるネッドが可愛い。
どっちかっていうと、嬉しいのに。
パステル:
「キス、して?」
裸のネッドに胸が高鳴って、その唇が恋しい。
身体が繋がっていた余韻がまだお腹に残っていて、切なくて息が詰まりそう。
パステル:
「…んっ」
唇を重ねるだけの優しくて、物足りないキス。
思わず抱き寄せて、舌を絡めたら、それだけで軽くイきそう。
身体に添えた手の焦れったさが狂おしくて、お腹にあたるおちんちんが恋しくて、自分が自分じゃないみたい。
だから、このまま自分で入れても、いいよね?
ある日、ネッドと話し込んでいるのは、久しぶりに店を訪れた教授。
二人は前からの友だちで、忙しいネッドを見かねてわたしを紹介したことになっている。
教授が内務省の役人とはネッドも知らないし、わたしが古書の取引を報告していることも内緒。
もともとがうま過ぎる話だから、このくらいは覚悟していたけど、少しだけ心は痛む。
それでも、わたしがここに居たかったら、この仕事をするしかない。
マニア同士、含み笑いを交わす二人を横目に報告書にペンを走らせる。
面倒なことに、この店には帳簿というものがない。
なんでかといえば、旧市街は売上に関係なく建物一律に課税されるから
取引の全ては店主の頭の中、それが古いギルド制度の名残り、というのがネッドの説明だった。
だから、書き出すのは記憶が頼り。
どうしてそんなものを内務省が欲しがるのか見当もつかないけど、わたしもそのほうがいい。
さてと。
報告書が出来上がったら、こっちも支度しないと。
内務省が教えてくれなかった手管はご近所さんの世間話で学んだし、気を引く所作は懐かない猫から教わった。
あとはネッド秘蔵の本でお勉強。
読みかけで開きっぱなしのページは、多分、ワザと。
口に出せないのがネッドらしくて、困らせてくれるのが嬉しくなるくらいおかしくなってる。
「あ、おつかれさま。
もう教授は帰ったの?」
開いた胸元に視線を吸い寄せる。
うん、いい感じ。
「あ、これ?
えへへ、どう?」
黙っているのが好感触の証拠。
熱の籠った目で舐め廻された肌が火照ってくる。
だから、もっと煽ってみる。
「じゃあ、こういうのは?」
ネッド:
「はふ…ぅ」
うん、いい感じ。
理性が弾けるまで、あともうちょっと。
おかしくなりそうなわたしも、そう。
そんな毎日。
たまに刺激的、だいたいは穏やかな愛おしい日々。
ある日、珍しくネッドから服を着るように頼まれる。
ネッド:
「はぁ、ふー。
こ、この服、着て…くれない、かな…ぁ?
んふー!」
露骨に不審な頼み方なのは、慣れてないから…なのかな。
とにかく、ネッドの頼みならなんだって大丈夫。
って…え?。
なに、この…雲みたいにサラサラの生地。
信じられないほど繊細なレース。
これって、ドレス…だよね?
アクセサリーまで。
もしかして…。
よくわからないままドアを開けたら、拍手で迎えるご近所さんと、念入りに毛づくろいした猫。
教授:
「幸せになるんだよ、パステル」
柔らかく微笑んで手渡してくれたブーケの香りに包まれて、ゆっくりと頭をあげる。
ネッドの待つ玄関には、大きな馬車。
あれほど待ち望んだ、わたしの憧れ。