竪穴式狸穴住居 2024/05/01 03:45

4月30日までの進捗

こんにちは。竪穴式狸穴住居です。

前の記事には、sasasa様、かままこと様、Routine様にチップをいただき深く感謝申し上げます。

プロローグに手間取り、まだメインイベントに着手できていません。
ゴールデンウィーク中には終わらせたいと思っています。

以下はゲームのプロローグ以前のヒロインのストーリーです。
制作中に変えていく箇所があるかもしれません。



最初の記憶は、連れてこられた大きなお家。
大きな扉に大きな階段、何もかも大きくてびっくりしたことを覚えている。
それが二十歳になるまで暮らした王立救民院、わたしの育った孤児院だった。

孤児院は暗いイメージがつきものだけど、暮らしに不自由はなくて、食べ物も充分だったし、服だってお下がりやつぎはぎを着ていた街の子供よりちゃんとしていたくらい。
王国は戦争ばかりしていたから救民院はいつでも満員だったし、夏は王様のヨットに乗せてもらったり、冬は山の別荘で雪遊びなんて振り返っても贅沢だったと思う。


思春期になると、みんな将来を考え始める。
養育費の返還が免除になるから男の子はだいたいが軍に志願するし、手柄を挙げて約束した女の子を迎えにくるのは院が大騒ぎになる一大イベント。
憧れていたけど、わたしに迎えの馬車はこなかった。

男の子の代わりに、声を掛けてくれたのは内務省の役人さん。
簡単な仕事、結果次第で養育費の返還免除と聞いたら、もう飛びつくしかない。

内務省がまともじゃないのは知っていたけど、仕事の中身はやっぱり悪事。ある古書店に勤めて、店主と結婚すること。
…結婚!?
そんなの仕事じゃないし、よりによって、わたし?

後悔しても後の祭り。
行ったこともない生まれた場所、通ってない学校、会ったこともない友達を頭に叩き込む毎日。
あとは、少し気難しそうな男の人の写真だけ。割と好みだったのが救いといえば救いだった。

結局、嘘の経歴で身を固めただけで、男の人を落とす手管はなし。
下手に演技するなら、素のほうがマシなんて訳わからない。
ダメで元々なんて簡単に言うけど、こっちは養育費の返還免除が掛かってるんですけど。

ネッド:
「ええ、結構です。
 それでは、明日から宜しくお願いします」

面接は拍子抜けするほど呆気ない。
ずっと写真を眺めていたから初対面な気がしないし、無口で存在感が薄そうなのもやっぱり写真と大差ない。
結婚以前に、わたし、というより女の人に興味はあるのかな。

ネッドさんは古書の買い付けでほとんど外回り、長いと一週間くらい帰ってこない。
その間は磨き上げた本棚とかび臭い古書に囲まれて、店番をしたり装丁の補修を練習してみたり。
内務省のほうは白髪の大学教授がわたしの担当で、時折ふらりと店を訪れるだけ。
雑談混じりに上品に微笑まれたら、なんだか申し訳なくなってしまう。

それからしばらく。
親切でお節介なご近所さん、全然懐かないのに餌だけは強請ってくる猫、たまに訪れる上品なお客様。狭くて、日当たりの悪い店の穏やかな日常が過ぎていく。

相変わらずネッドさんは不在がちだけど、誰かに唆されたのか出掛けた先で欠かさずお菓子を買ってきてくれるようになった。
お茶を淹れて二人で過ごす時間、頼めば古書を語ってくれる彼のいる店がわたしのお気に入り。
ネッドさんもそうだといいんだけど。

一年が過ぎると、ずっと前からここにいたような気がしてくる。
やっとパステルと呼んでくれるようになったネッドは、難しい補修も任せてくれるようになって、わたしのセンスを褒めてくれる。
彼の辞書にお世辞はないから、間違いなく本心なのが嬉しい。
ご褒美もあれこれと買ってきてくれるけど、それが見当違いなほど頬が緩むくらいにわたしも倒錯してる。
気持ちを伝えたいのに、彼ほど素直に言葉を紡げないのがもどかしい。

わたしの秘密は、内務省に命じられて来たこと。
今の暮らしが幸せだからこそ、それが心苦しくなってる。
そうじゃなかったら、もっと素直になれたのかもしれない。
…あれ?
この本、なんだろう?  …え!?

買い付けた本を丁寧に改めているネッド。
いつだって生真面目なのに、あんな趣味を隠してるって知ったら変にソワソワしてしまう。言ってくれたら、叶えてあげるのに。
でも、そんなことが望めないのは知ってる。
だから、本に書いてあった通りにしてみる。

パステル:
「あのね、ネッド?」









ネッド:
「んー、ちょっと待っ…はぁ!?」

そんな顔のネッドを見るのは初めて。
なのに、直ぐに顔を背けてしまう。

パステル:
「もっと見て、いいですよ?」

ネッド:
「ど、どういう…っぐ!?」

胸を少し揺すっただけで言葉に詰まるのが、可愛い。

パステル:
「隠してあった本見ちゃったから、お詫び…です」

それがネッドの秘密。

ネッド:
「あっ、うん。
 それなら…うん、大丈夫、大丈夫」

大丈夫じゃなくしてるのは、わたし。
だから、もっとおかしくなってほしい。

ネッド:
「はっ、はあ…っ!?」

本に書いてあったままのありふれた綿のショーツ。
普段遣いのだから、透けてないといいんだけど。

目線はお腹の下。
そこが触られたみたいに温かい。

ゆっくり、ネッドが近寄ってくる。
太腿に掛かる鼻息がくすぐったくて、同じくらいに胸が高鳴ってるのが嬉しい。

太腿に掛かったネッドの手が震えてる。
わたしが初めてだったら、いいな。

パステル:
「んは…っ」

ネッドの鼻が触れて、自分じゃないような声が漏れる。

開かされた脚の間にネッドが顔を埋めて、わたしの大事なところを唇がなぞっている。

恥ずかしいのに、息が詰まるほど気持ちよくて、まるでネッドに心を鷲掴みにされたみたいに切ない。

気が付いたら、あそこが温かいのはネッドの舌が…

パステル:
「ひっ!
 ん…っふ、ぁあ!」

それが、わたしの初めてのオーガズム。

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