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ラブラブの記事 (8)

夜山の休憩所 2024/02/16 01:41

新作ノベル発売しました。(2024年2月16日)

追記 2024年2月21日

Amazon様での販売は終了しました。
PDF版の配布は続きます。

販売終了までの経過は次の通りでした。

 成人指定作品として登録し、販売される。
→その後、全年齢対象作品になるよう登録内容を変更。
→先方から、データをリフロータイプにして再提出するように求められる。
→間違って同じデータを再提出。
→先方が、取り扱いをやめる。

取扱い終了まで短期間でしたが、
1点も売れず、1ページも読まれませんでしたし、
問い合わせ先に問い合わせることなどはせず、
このままにします。



ろくに更新していないのに、
いつもご覧くださったり、
いいねをつけてくださったりして、
どうもありがとうございます。

昨日、新作が発売しました。
お店はAmazon様。読み放題対応です。
下のデータはそのPDF版です。
よろしければ。

面白かったら買ってもらえたり、
読み放題でまた読んでもらえたりしたら幸いです。

「グラインダー・ガール」小説・表紙:石川れもん PDF2.0.pdf (7.28MB)

ダウンロード

正常に表示されない等の問題がありましたら、
こちらをお試し下さい。

「グラインダー・ガール」小説・表紙:石川れもん PDF1.3.pdf (8.10MB)

ダウンロード

今回もご覧下さりありがとうございました。






■イラストをアップしています。
・ピクシブ 
・ニジエ 

・PAWOO https://pawoo.net/@kimoriya
 イラストを描いているとき進捗をアップすることがあります。

■リクエストとスケブを始めました。
 対象はテキストと小説・イラストの2つです。※2024年01月現在



 

■これまでこんな作品を創りました。 ※2024年01月現在

「商業ノベル」
●キルタイムコミュニケーション(俗称 KTC) 様
 木森山水道 名義

2023年 ※すべて読み切りです。
・「敗北メス穴テイマーナナ 魔犬獣の躾け交尾」
・「未亡人女王ミルフ 熟れた胎は魔王の苗床になる運命」
・「淫紋悪堕ちマジカル・スズネ リベンジのメ○ガキわからせ」

その他の既刊はこちらです。


●フランス書院 様
 石川檸檬 名義

・「ヤリモク 大嫌いな上司の妻と排卵日セックス」
・「ギャル姉は妹から彼氏を寝取りたい」
・「ハツハメ 内定と引き換えに恋人の父に捧げられる晴れ着姿」
・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」

その他の既刊はこちらです。



「同人」 ノベル、CG集など色々創りました。
※「夜山の休憩所」名義。店名をクリックしてもらうと、既刊一覧へ飛びます。
※お店によって品揃え、セール時の割引率が異なる場合はあります。

●FANZA 様
●DL.site.com 様
●メロンブックスコム 様 
●デジケット・コム 様 


●amazon 様 
※すべてキンドル専売品です。
※基本的にはイラストは表紙だけのノベルです。
※木森山水道、石川檸檬、石川れもん 名義。
 作品の傾向に合わせて使い分けています。

・「マーメイドが溺れる夏」
・「ばつゲーム」
・「ハニトラ・ワイフ」
・「たばかりギャル」
・「バレンタイン・キッスのユクエ」
・「魔滅の巫女」
・「ギャル義母の成人式」

既刊一覧はこちらです。綺麗な一覧でなくてすみません。


■その他のアクセス
・X 
・ブログ

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夜山の休憩所 2022/10/23 09:08

なれそめのゴー淫ハロウィン!(立ち読み版)2022年10月23日

・販売中の書き下ろし小説のキリのいいところ(全体の約半分)までアップしました。
 フォローするだけの「無料プラン」でご覧いただけます。よろしければ。

・製品版では
 「ご町内のアイドルを夢中にさせる濃厚ラブラブなハロウィンックス」
 を収録した残り部分をお楽しみいただけます。

・販売サイトは「アマゾン」様の「キンドル」のみです。
 もちろん「読み放題」にも対応しています。
 是非どうぞ。
 https://amzn.to/3TPBRvv

・ペンネームは違いますが本作は私が創りました。
 表紙はEine様に描いていただきました。
 どうもありがとうございます。
  ピクシブ https://www.pixiv.net/users/4379557
  Pawoo https://pawoo.net/@ein_faust 
 なお本作のイラストは表紙だけです。

■販売サイトの作品ご紹介文■

ハロウィンは片思いの男の子と距離を縮める大チャンス!?
童顔巨乳の元気っ娘の悩殺コスチューム姿に彼は……!

(本作は文庫なら80ページほどの読み切り短編です)

フォロワー以上限定無料

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夜山の休憩所 2022/08/01 00:00

【再掲載】ばつゲーム(書き下ろし小説アップしました)(2022年8月01日)


いつも応援ありがとうございます。
更新頻度が少なくてすみません。

これから有料プランのはもっと少なくなる見とおしです。
重ね重ねすみませんです。

100円の有料プランにて、
過日に発売された同人作品をアップしました。

掲載内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)(右綴じ)(30M強)
・表紙とおまけカットの原本(JPEG画像)

この記事は先月にも掲載しました。
今のところ有料プランにアップした内容は、
翌月にも掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「ばつゲーム」(Affection)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で70ページ程度)

●ご紹介
 夫婦のラブイチャごっこ

●傾向 
 書き下ろし。短編。学生。
 ご奉仕プレイ。快楽責め。背徳。アナル。
 ローションプレイ。対面座位。
 正常位。だいしゅきホールド。後背位。両穴責め。
 避妊具。
 浴室。よそのお宅の夫婦の寝室。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
https://amzn.to/3NzwSLT

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

●小説、表紙イラスト 石川檸檬(いしかわ れもん)
 (木森山水道、石川れもんの別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ギャル姉は妹から彼氏を寝取りたい」
 表紙:和羽 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020901330000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3R3oKGa

・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「ハニトラ・ワイフ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「たばかりギャル」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「バレンタイン・キッスのユクエ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「魔滅の巫女」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「ばつゲーム」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。


主な登場人物紹介

 稲田 実(いなだ みのる) 男子学園生。春奈に連敗しつつも可愛いとは思ってる。
 水無月 春奈(みなづき はるな) 女子学園生。なにかと稲田と勝負してからかう。

※製品版では各節へ「しおり機能」でジャンプできます。


     1

「ねぇ、稲田。成績表の見せっこしない?」
 よく晴れた夏の昼休み。
 昼食をとって一息ついている稲田豊へ、隣の席の水無月春奈がもちかけた。
 エアコンの効いた教室の他のクラスメイトは、友達とおしゃべりを楽しんだり、ケータイをいじったり、本を読んだりしていて、思い思いに過ごしている。
「勝負の内容は忘れてないよね、水無月さん」
「各科目の点数、男女別の順位、学年順位を競う三本勝負ね。勝った方がその回数だけ……だから負けた方は最低二回は言うことをきく罰ゲーム。でしょ?」
 午前中のホームルームで渡された成績表を鞄から取り出しつつ、豊は「そうとも」と相づちを打つ。
(自信ありげな態度だけど、オレには敵うまい)
 素知らぬ顔をしつつ、男子は胸中でほくそ笑む。
 面識はなかったのに、春に席が隣同士になって以来、彼女はなにかと勝負を挑んでくる。
 結構な回数、受けて立っているというのに、なにかにつけて一枚上手の女子には連戦連敗で、悔しさは山のように募っていた。
 だから、定期考査の大分前に成績勝負を持ちかけられたときから、油断を誘うために勉強していない振りをしつつ、こっそり血道を上げてきたのだ。
(結果はかなりよかった。正直、ここまで自分ができるやつだったなんて驚きだ。水無月さん、きみはもっとびっくりしてくれよ)
 いつも澄まし顔でいる女子が、声を上げて目を剥く様子が脳裏に浮かぶ。
 現実でも早く見たいあまり震える手で、机に二つ折りの通知を出す。
「おめでとう、稲田」
「え?」
 既に自分の机に用意していた彼女が、横から顔をのぞき込んでくる。
「すっごくよかったって顔に書いてる」
 肩よりも長い髪が外側にカールしている愛らしい顔が、ニッコリ笑う。
「い、いや……それほどでも……」
 女子にまっすぐ見つめられて、慣れていない男子の頬は熱くなった。
 漂ってくる爽やかに甘い体臭に鼻腔をくすぐられるのにも、胸の奥がムズムズする。
「い、いいのかい?」
「ん?」
「オレがよかったってことは、自分が負けるかもってことじゃないか」
「それはそれ、これはこれだよ」
「そう……なんだ……」
「私がよかったら稲田もお祝いしてね。罰ゲームとは関係なくさ」
「いいよ……それくらい」
 承諾すると、彼女の口角がまた嬉しそうに上がった。
「じゃ、せーので見せあお。ほら、見やすいように机の端に成績表を持ってきて」
「う、うん……これでいいかい?」
「オーケー。じゃぁ、いい? ……せーの」
 とおり道の隙間を挟む机の上で、両者は同時に開いた。
 ふたりで首を伸ばし、隣席の成績をまじまじと確認する。
 先に声を上げたのは豊だった。
「げげっ……ウソだろ……!」
「総合でも男女別でも私の方が順位が上だねー。科目別の点数では負け越しちゃってるけど」
 信じられなくて何度も見返したが、やはり順位は言われた風に僅差で負け。
 現実を受け入れた瞬間、完全に力が抜けて机に突っ伏した。
「そんなぁ……」
「残念だったね。でも、びっくりだよ。中間テストよりすごく伸びてる。もしもちゃんと勉強してたら、勝ってたんじゃない?」
「うぐ……」
 悪戯っぽく笑いかけられて小さく呻く。
 油断するための作戦は、完全に見透かされていたらしい。
「勝敗が分かったんだし、机と仲よくする以外にやることあるよね?」
「……負けました」
「うん、勝ちました」
「ぐぬぬ……」
「あら、これだけ?」
「……好成績おめでとう」
「名前もつけてくれないと」
「ぐ……好成績おめでとう、水無月さん」
「ありがと稲田、うふふ」
 言わせるだけ言わせた女子は満足そうに微笑した。
「稲田のことを思って頑張った甲斐があったよ」
「えっ」
 言葉にマッチした優しい目で見つめられて、胸が高鳴った。
「今度は、どんな罰ゲームしてもらおうかなって」
「えぇっ……そういう意味なのっ」
 胸の高鳴りは即座に鎮まった。
「あれ、顔が赤いね。どういう意味だと思った?」
「し、知らないよ……それより、早く罰ゲームを教えてッ、なにすればいい?」
 突き詰められたくなくて話題を逸らす。
 彼女の興味はあっさりそちらに移ったらしい。こんなこともあろうかと、というよりも、結果を予知していたみたいにごく自然な様子で、鞄から包みを取り出した。
「私は二勝して勝ったから、ふたつ、言うことをきいてもらうということで、いいよね」
「ルールだから従うよ」
「じゃぁ、一つ目の罰ゲームは……コレの試食」
 渡されたのは透明な小袋で、口がリボンで縛ってある。
「クッキー?」
 そうとしか思えない円く膨らんだ塊が十数個入っている。
「お昼を食べた後でも、一枚くらいは入るよね? 育ち盛りの男の子だもの」
「そりゃ、まぁ……」
 リボンをほどいて口を開け、一枚摘まんで口元へ持ってくる。
 店で売っている物みたいに、形は綺麗で焦げ目のひとつもない。
 漂ってくるバターのいい匂いが食欲をかき立て、昼食を入れたばかりのお腹もざわつく。
(美味しそうだ……でも……罰ゲームなんだし……カラシとかタバスコとか……砂糖の代わりに塩が入ってるとかするのかな……)
 想像して背筋が寒くなった。
 踏ん切りが付かず、焼き菓子とにらめっこしていると、彼女が意地悪く笑う。
「もしかして一人では食べられない? あ~んって、して欲しい?」
 別のを一枚摘まみ、口元へよこすそぶりを見せた。
「じ、自分で食べるよっ」
 教室にはたくさん学生がいる。
 もしも、有言実行されたところを見られたら恥ずかしすぎる。
 だからギュッと目をつむり、「ままよっ」と念じて、持っていたのを丸ごと口中へ放り込んだ。
「もぐもぐ……あ……美味い……」
 がむしゃらに咀嚼してまもなく、優しい甘さが口の中いっぱいに広がった。
 見た目どおりに食感もいい。
 噛むだけ噛んで飲みこんでも、後味が引かないのにも驚いた。
 大量生産品と比べ、甘みはあっさりしているがコクは十分。それでいて、食べた後も口の中が心地いい。
「口にあったか……よかったぁ」
 罰ゲームを仕掛けた女子は、なぜかホッとした様子で呟いた。
「これ、どこで買ったの?」
 二枚目を口に入れつつ訊ねる。
 やはり、一枚目みたいにいい味だった。悪戯が仕込まれているなどとんでもない。三枚目、四枚目へと手が自然に動く。
「これ、セットの牛乳ね……売ってる物みたいに美味しいって思ったんだ」
 パックに付属のストローを挿して寄越しながら、妙に嬉しそうに呟く。
「もしかして……これって……」
「私の手作り。稲田に食べてもらいたくて作ったの」
「え……これを水無月さんがっ……オレのために……?」
 聞いた途端、またもや胸が高鳴った。
 はにかんだ笑顔を浮かべて伝える様子には、ウソや冗談を感じない。
「それ……ひょっとして……」
「うん。罰ゲームで食べさせられてるのに、美味しいって喜ぶ稲田を見たくて頑張ったの。うふふ、いい顔をしてくれたね」
「ぬぐっ……」
 淡い気持ちはツユと消え、耳たぶまで熱くなった。
「機嫌が直ってからでいいから、クッキーは全部食べてね。牛乳も」
「昼休み中に平らげるよ……あぐあぐ……ごくんっ」
「おお、いい食べっぷり。勝者のクッキーも美味しく食べられて偉い偉い」
「折角、美味しいクッキーなんだから、精神攻撃はやめてくれない?」
「あはは、じゃぁ、ふたつめの罰ゲームのことを言うね」
「どうぞ」
「今度の休日、私の家でやってもらうわ」
「へ?」
「その日、両親は出張でいないの」
 妖しく粘つく声で告げた女子は、目も半眼だった。
 普段とは別人のように違う気配を纏う女子に見つめられて、心臓が今日一番に強く跳ねる。
「必ず来てね。してもらうことは、当日に教えるわ」
「う……うん…………オレは負けたわけだし……約束は守るさ……」
 反発している間も美味しかったクッキーだったのに、もう味が分からない。
(水無月さん……もしかして……やっぱり……)
 別の意味で頬がまた熱くなったとき、昼休み終了のチャイムが鳴った。

     2

「おはよう、稲田。朝から来てくれてありがとう。これよろしくね」
 約束の日の朝は早かった。
 世界がまだ群青色で涼しい時間に呼びつけられた豊は、甘いことを考えていた自分を殴りたい衝動に駆られている。
「これ……ぜんぶやるの? オレ一人で……?」
 初めて訪れる水無月春奈の自宅は、築二〇年弱の一戸建て。
 近所でも広めの庭を備える、だいぶ大きい佇まいだった。
 電子ロックという玄関の脇には、ブルーシートが敷かれていて、塗装や日曜大工などのための道具が積まれている。
「仕事はメモにあるとおりよ。こういうことは得意だって、いつも言ってるよね。安全第一で頑張って」
「屋根や壁のペンキ塗り……家庭菜園の整地に種まき……廃材の分別と裁断……オイルタンクのストレージの交換……他のも難しくないけど……量が多すぎる
 豊は胸中で嘆息した。
 まさか罰ゲームが、コキ使われることだなんて。
 今まで何度も受けてきたものの、肉体労働させられるのは初めてだった。
 しかも、女子の出で立ちも出で立ちだ。
(薄い桃色のチュニックにスエット風のズボン……これはこれで新鮮で可愛いけど……普段着って感じだ……特別な男子を家に招いた女子の姿じゃない)
 ひとりで舞い上がっていたのが心底バカバカしい。
「ガッカリしてるね。なにを期待してたのかなぁ」
「な、なにも期待してないよっ」
「ほんとうに~? 自分のようにカラダが大人になっている女子に、親がいない自宅へ呼ばれて、エッチにウキウキしてたとか」
「ぐっ……て、天気予報は今日も真夏日になるって言ってたし、暑くならないうちに済ませなくちゃっ」
 置かれていた軍手をはめつつ、こなす順番を考える。
「よろしくね、おとうさん」
「ぶっ」
 不意にされた呼びかけに、頭の中が真っ白になった。
「なんだい、それ」
「女子に頼まれて、家のこんな雑用をする男性は、旦那様じゃない。だから、おとうさんよ」
「そんな……ままごとでもあるまいし……」
 言葉とは裏腹に顔は熱い。
 因縁はあるが、客観的には容姿端麗な女子で、馬鹿馬鹿しい誤解をするくらいには難からず思っている女の子なのだ。親しげに特別な呼び方をされては、胸の奥が甘く温かくなる。
「旦那様の方が好みなら、そうするよ」
 身を乗り出して首まで伸ばしてくる。
 やたらニコニコした女子の顔が、鼻先同士がくっつくまで接近した。
「好きにしてっ、オレは仕事にとりかかるよッ」
 金切り声で叫んで身をひいて、道具の山へ飛びかかる。
「夕方までに終わらなくていいから、怪我だけはしないでね」
 本気とも冗談ともつかない注意が背中に飛んでくる。
 今度こそ仕事の段取りを考えようとする豊だったが、キスできるまで接近した彼女の顔が脳裏にチラつき、なかなか頭が働かなかった。

     ※

「お疲れ様。お風呂の支度もできてるけど、その前にこれに着替えて昼食をとってね」
 途中、休憩をとったり、春奈の差し入れでミネラルと水分の補給もこまめに行ったりして、仕事は昼過ぎに終わらせた。
 エアコンの効いた家の中に招いた彼女は、満面の笑みで出迎えてくれている。
「う、うん……」
 仕事が済んだときには、空腹と疲労が酷かった。早く帰って寝たかったのだが、彼女を目にした途端、どちらもどこかへ吹き飛んだ。
「それと、これ。バイト代よ」
 半ば呆然としつつ、着替えと一緒に渡された封筒の中身を見ると、一万円札が五枚も入っていた。
「え、なにこれっ」
「業者にしてもらうよりも安く済ませるからって言って、親にもらったの。仕事ぶりを確認したけど、言うだけあってなかなか上手ね。親も納得してくれるわ」
「け、けど」
「それ、全額じゃないわ。私と山分けよ」
「へ」
「私は仕事してないけど、頑張ってくれたおとうさんを、うんと労うわ。だから、半分こ」
 名前どおりに笑って、くるりと回って見せた。
 ただそれだけで、野暮ったい玄関先に大輪の花が咲いたみたいな錯覚に陥る。
(うお……っ)
 男子の目の前で、スカート丈がやたら短い純白のエプロンがなびき、ムッチリした太ももが根元近くまで露出した。
(夢みたいだ……隣の席の女子が目の前で……裸エプロン姿でいるなんて!)
 春奈は今、朝に会ったときの肌がほとんど出ない服装とは正反対の出で立ちでいた。
 襟ぐりは大胆に開いていて、小柄なカラダには不釣り合いなまでに大きい双乳の合わせ目がすっかり見えている。
 エプロンの身頃も申し訳程度の幅しかなく、豊満すぎる胸元の外側半分がはみ出しているし、ハート型にくりぬかれている中央部からも、はちきれんばかりの乳肌の膨らみがこぼれていた。
 血色のいい柔肌にはシミも傷も見当たらない。
 くゆる体臭はミルクみたいに甘くて、いつまでも嗅いでいたいくらいだった。
「こっちへ来て」
 案内された部屋で、言われるままに着替えた後、ダイニングへとおされた。
 服のサイズなど教えたことはないというのに、肌着も半袖短パンも計ったみたいにぴったりなのも気になったが、食卓を見た瞬間に声が出た。
「えっ……なにこの量っ」
 唐揚げ、サラダ、肉野菜炒め、マッシュポテト、魚の照り焼き、豆腐とワカメの味噌汁、それに真っ白なホカホカご飯。
 どれもできたてで、香ばしい湯気がくゆっている。
「肉体労働の後は、やっぱりタンパク質よね。でも、他の栄養もとらないと身体によくないわ」
「もしかしてこれ……水無月さんがぜんぶ……?」
 先ほどの労うという言葉を思い出して訊ねると、彼女は胸を張った。
「口に合えばいいのだけれど」
 いつになく神妙な顔で椅子を引いた彼女は、豊が座ると自分も隣の席に着く。
「最初は……コレでどうかしら」
 箸で唐揚げを摘まんだら、反対の手を添えて近づけてきた。
「本当にお疲れ様でした。どうぞ、おとうさん」
 まるで夫を大切に思う本物の新妻みたいに、柔らかい笑みを浮かべる。
「うん……あ~ん……もぐもぐ」
 恥ずかしくて照れくさくて顔は熱いものの、逆らわずに口で受け止めた。
 適度な歯ごたえも心地いいが、噛むほどに溢れる肉汁と鶏モモのうま味は、働き通しの空きっ腹に染みて涙が出てくる。ショウガも絶妙にきいていて、後味は爽やかだ。
「美味しい?」
「最高だよ、水無月さんっ」
 最近、味見させられたクッキー同様、肉の下味はあっさりしていてコクがある。取り過ぎると身体によくない塩分の量を少なくし、他の調味料で味を引き立てているのだろう。美味しいだけでなく身体にも優しい料理なのだ。
「よかったぁ……次は、どれがいい?」
「ごめん……やっぱりあ~んは……自分で食べるよ」
「あはは、おとうさんってば照れてる」
「こんなことされたら誰だって……」
「今の私たちは新婚夫婦って設定なのになぁ」
「それも罰ゲームのうちなんて聞いてないんだけどっ」
 からかわれるのは気恥ずかしいが、彼女の手作り料理を一緒にとるのは悪くない。
 唐揚げ一つで蘇った空腹感のままに箸を進める。
 食卓のすべての皿が空っぽになるまで、二〇分もかからなかった。

     3

「はぁ……高いバイト代と美味い食事だけでなく、熱いお風呂までもらえるなんて……これのどこが罰ゲームなんだろ」
 浴室に入るなりした呟きは、エコーがかかって鼓膜を揺らす。
 よその家のお風呂をもらうのには気後れするが、春奈の勧めは断り切れなかった。
 裸エプロンで美味しい料理を振る舞ってくれた女子には、強く出られない。
「大量の仕事を押しつけられたときは奈落の底へ突き落とされた気分だったけど……今は天にも昇る心地だよ」
 ホテルにあるみたいに立派な浴槽の蓋を外して湯加減を確かめたら、手桶で掬ったお湯を身体にかける。
 大人数人でもラクに使える浴室に、水の流れる音が反響した。
「湯加減はどう? おとうさん」
「ちょうどいいよ、ありがとう……えっ、み、水無月さんっ!」
 合いの手を入れて気がついて、慌てて出入り口へ振り返る。
 音もなく入ってきたクラスメイトは、自分と同じように一枚も被服を着ていない。バスタオルすら巻いていないのだ。
 大きいペットボトルを入れた洗面器を小脇に抱えて、備え付けの椅子を側に据える。
「昼間は本当にお疲れ様。背中を流してあげるね」
「い、いいよっ」
「遠慮はいらないわ。これは罰ゲームの一環なんだから。むしろ、拒否したらルール違反ね」
「うぐっ……」
「稲田は逃げないわよね」
「もぅ、勝手にしてくれっ」
 彼女に背中を向ける姿勢で、勧められた椅子に座る。
「そうこなくちゃ。すぐに準備するから、少しだけ待っていてね」
 ペットボトルの蓋を開けたり、恐らくお湯の水栓を解放して洗面器を満たしたりする音が聞こえてきた。
「んっ……ローションをオッパイとかに塗り込むのは……んふ……何回やっても慣れないかも……んふぅ……」
 豊は耳を疑った。
(今、なんて言ったんだ?)
 かぶりを振っても、やたら粘っこい水音が連続して響くのは止まらない。
 まだ若いが、子作り可能なまでに肉体が成熟している男子だけに、ローションが化粧水として使われるだけでなく、快楽目的の性行為に用いられるという知識も、なんとなく得ている。
 女性が自分のカラダをスポンジにして、男性の身体を性的に刺激しながら洗う、いわゆるローションプレイやソーププレイの存在も、進んでいる男子に聞かされたことがあった。
(そういうことを……してくれようとしてるのか……?)
 思わず振り返りかけたとき、彼女は静かに止めた。
「稲田、勝負しようよ」
「え、今?」
「準備してる私を見たら稲田の負け。背中を流して終了ね。でも我慢できたら、前も洗ってあげるわ」
「そ、それって……」
「見ちゃう? 見ない?」
 教室で勝負をもちかけてくるときみたいに切り出したが、僅かに声が上ずっている。
(きっと、見られるのが恥ずかしいんだ……けど、ローションプレイで男子の後ろも前も洗ってあげるなんていうのはオーケーとか……基準がおかしくない?)
 腑に落ちないものの、他人の嫌がることをするつもりはない。
 前も洗ってくれるというのにも心引かれつつ、正面を向いてじっと待った。
「お待たせ。よく我慢したね。そんなに前もして欲しかったんだ」
「そ、そういうんじゃ……うっ……うおおおっ」
 言い返す途中で、経験したことのない接触感に襲われた。
 問答無用で背中が甘く痺れ、今まで上げたことのない雄叫びが口から飛び出る。
「こ、これって……」
 脳裏に彼女の肢体が浮かんだ。
 教室で見慣れた制服姿ではなく、ダイニングで見せられた裸エプロンと、浴室に入ってきたときに一瞬だけ見た、一糸まとわぬ姿だった。
 両方の肩甲骨の下ら辺に、円く小さく生硬な感触と、柔らかくて少し広くて心まで蕩ける触れ心地が起こっている。
「オッパイの先っぽを少し押しつけただけで、すごい声が出たねぇ」
 悪戯っぽく説明してくれた女子は、同い年の双乳の具合を教え込むみたいに、軽く押しては離れるのを繰り返す。
 男子の死角に押しつけられる豊かな膨らみは、潰れてせり上がっては、元の形に戻る。その間ずっと、うら若い女子の乳肌はかすかに波打つ。
「さっきダイニングで、オッパイをすごい見てたね」
「い、言われるほどは……くぅぅ……」
「大きいのが好きなんでしょ? だから、オッパイで背中を流してあげる」
 勃起前の乳頭と周囲の乳肉の具合が脳裏にインプットされた頃、体重を込めてのしかかってきた。
「ぐぅぅぅッ……そ、そこまで……するなんて……っ」
 見えないが、頭の中に状況が浮かぶ。
 平たくひしゃげるまでオッパイを押し込まれる背中も、この世の物とは思えないほど気持ちいい。
 だが、教室でいつも一緒に授業を受けている女子が、素っ裸で抱きついている様子を思い描くだけでも、どうしようもなく興奮した。
 タオルをかけていない分身に、どんどん血が集まっているのがハッキリ分かる。
「んっ……んっ……どう、気持ちいい?」
 鼻にかかった声で訊ねてくる。
 元々、アニメやゲームで聞けそうな美声の持ち主だが、今は日常では聞いたことのない色気を帯びていた。
「背中をオッパイで、ヌルヌルって洗ってもらう具合はいい?」
 甘ったるく訊ねられるだけで、胸の奥が激しくざわつく。
 話しかけながらも、彼女はスムーズに動きだしていた。
 バストの横で小さく万歳するポーズで一瞬も止まらず、躊躇いも起こさず、首の側から腰までの範囲を、ローションでたっぷり濡らした豊胸で、洗うというよりも扱いてくる。
 同じ人間のものとは思えない乳房の感触に、とっかかりのない摩擦感が加わり、しかも、平常心を奪うほど蠱惑的な媚声を聞かされては、ひとたまりもなかった。
「最高だよ、水無月さん……はあ……はあ……こんな快感は初めてだっ」
 相手は自分を何度も負かしている女子だというのに、手放しで絶賛してしまう。
「うふ、おとうさんったら大喜びして。性感に耐性なさすぎよ」
「こんなことされたら誰だって……はぁっ……はぁっ」
「ほんとウブなんだから……これは、性愛の奥深さをしっかり教えて……他の女に浮気しないよう躾ける必要があるわね」
 双乳の脇にやっていた両手を前に回し、男の胸板を抱きしめる。
 同時に体重を込めて思い切り胸を押しつけ、これ以上ないほど密着させた。
「ふあああっ、こんなことって、うあああッッッ」
 両手と双乳を含めた前半身で、男子の肉体を押し包みつつ、上下に動いてくる。
 肌の接触面積が増すのに比例し、性感も爆発的に上がった。
「んふぅ……んんっ……さっきよりも気持ちいいでしょ? んふぅぅ」
 瑞々しい朱唇を耳穴に近づけて、色っぽい声を聞かせつつ、男のカラダを扱きたてる。
「うああ、気持ちいいよ、水無月さんっ、ああ、最高すぎるっ」
 生まれて初めて女体に接する肉体は、熱く敏感になっていた。
 胴体はまるで性器みたいに興奮し、意識がぶつ切りになる。
「他人行儀に呼ばないで。今はおかあさん、よ」
「いいよ、おかあさん、くぅぅ、カラダ気持ちいいよッ」
 カラダを存分に使って、極楽気分を味わわせてくれる女子には敵わない。
 実母と性行為している風でイヤな気持ちもあるが、
「どうされるのがいいか、具体的に言ってみて」
「おかあさんの巨乳と柔肌とほっそりした手で……はあッ……はあッ……背中も胸元もお腹も、ぜんぶまさぐられるの、ほんとに気持ちいいっ」
 何度か口にしていると気にならなくなってきた。
 自分と同じ歳の女子のカラダは、産みの親とは全然違う。
 豊満なのに華奢で儚げ。放つ匂いもフレッシュに甘い。
(なんだか本当に……水無月さんと夫婦になって、性行為を楽しんでる気がしてきた)
 もう豊の中では、おかあさんという呼び方は、彼女を名前で呼ぶのと同じことになっている。
「うふふ、おとうさんったら、ドライオーガズムしちゃいそうね」
 ローションを擦りつけ、自分と同じように男子の肉体を照り光らせていたカラダが、複数の糸を引いて離れた。
「前も洗ってあげるとも、性行為の奥深さを教えてあげるとも約束したのだから、おちん×んを刺激せずに射精させるわけにはいかないわ」
 前に回ると両手を男の首に回し、ゆっくり腰を下ろしていく。
「えっ……まさか……ぐぅぅぅッッッ」
 対面座位で避妊具なしのセックスをするのだと思えば、彼女の大事な部分は屹立する分身と擦れながらすれ違った。
 迸った快感電気に呻くが、彼女も熱い吐息をこぼす。
「あん……おとうさんの大きいのに触っただけで……アソコ痺れちゃった……はあぁ……」
 無毛の肉土手は尿道を伝って降り、陰嚢と密着して落ち着く。
「うああ……今オレ……教室では隣席の女子のオマ×コに……チ×ポで触れちゃってる……ッ」
 胸板に擦りつけられている巨乳に遮られて見えないが、初めて接する女唇は火が点いたみたいに熱かった。
 特にヌルついているのは、彼女が本当に悦びを覚えているからだろうか。
 意識すると、垂直にそそり立っている怒張が疼いた。
 彼女の柔らかくスッキリし、粘液でヌルヌルのお腹に押される快感が増して、陰嚢から根元にかけてが騒がしい。
「まだ学生同士だし……あふ……ごっこ遊びでも子づくりセックスはできないけど……んんぅ……このまま私のお腹に包まれて射精していいからね……んぅっ」
 首を抱き寄せて顔を交差し、耳の中に蠱惑的な声音を聞かせたら、また動き出した。
「ああん……背中の時と違って……ああっ……逞しいのが当たるから……はああんぅ」
 スイカみたいに大きくて柔らかいのに、若々しい弾力を備えた双乳を男の胸板へねちっこく擦りつけ、全身を上下に揺すり立てる。
「ああっ……おかあさんのオマ×コが……オレのチ×ポの尿道を……裏筋まで、ヌルヌルって扱いてるッ」
 男の肉体をカラダ全体で摩擦する奉仕プレイは至福だった。
 最も敏感で性的な刺激に貪欲な怒張も扱かれている分、背後でされたときよりも気持ちいい。
「はあっ……はあっ……ほんとに、このまま射精していいのかい……くぅっ」
「もちろんよ……んっ、んんっ……いつでも私のカラダに精子出して、あン」
 今までよりも甘く切羽詰まった声で即答してくれた。
(嬉しい……きっと、ちり紙に出すより快感なんだろうな……でも)
 怒張の中は熱くうねっている。
 少しでも蜜時を長く味わいたくてお腹に力を入れて先延ばしにしているが、射精はそう遠くないと直感していた。
「おかあさんもイッてよ。今度はオレに、セックスの奥深さを教えられながら」
 されっぱなしは癪だし、こんなにも素晴らしいプレゼントをしてもらっているのに、お返しをしないのは悪い気がする。
 だから両手をお尻に這わせた。
「えっ、なにをするつもりなの?」
 主導権を握っていた女子が、僅かに怯えの色を見せる。
「乱暴はしないよ。どうしてもイヤだったらやめるね……えいっ」
 同じくらい大きいが、バストと比べたら柔らかさが勝る尻タブを両手で割る。
 それから片方の指の一本を長く伸ばし、露出させた肛門に手探りで触れた。
「ひゃぁっ、そ、そこはっ」
 敏感な部位に触れられた乙女は、瞬時に縦に伸び上がった。
 豊満な柔尻は小刻みに震える。
「う、うそでしょ、ああっ、そんなぁ、はああぁ」
 円い窄まりに優しく指の腹を埋め、ごくごく弱くほじってあげると、彼女の声が今まで以上に切迫感を孕んだ。
「ダメよ、ああんっ、汚いわ、ああ、不衛生よっ」
「この指はおかあさんの可愛いお尻の穴にだけ触れるよ。終わったら、よく洗うし、大丈夫」
「で、でもぉ、ああ……はあああ」
 驚き戸惑っていたが、心を込めて揉みほぐしていると、慣れてきたらしい。
 徐々にくつろいだあえぎ声に変わっていた。
 横目で見れば、恥ずかしそうに、心地よさそうに長い睫毛が落ちている。
 正面から抱きついてカラダを上下に揺すり立てながら、お尻を弄られている女子は、目の下まで赤くなり始めていた。
「ああぁ……いやん……お尻の穴なんて……ダメよぉ」
「やっぱり気持ち悪い? 辛い?」
「うぅぅ……そうじゃないけど……ああんっ、言わせないでぇ」
 怒張の尿道側を垂直に扱く肉土手まで痙攣してきた。
 火照った肉花芯の割れ目からは、今まで以上に粘っこい愛液が溢れ、オス棒を染め上げている。
「お尻の穴、気持ちいいって言ってごらんよ、おかあさん」
 満更でもない様子だからと思い、今度は浅瀬を上下にピストンする。
 同時に指の腹をうねらせ、肛門のすぐ裏側の粘膜をかき回す。
「ほおおっ、お、お尻の穴、気持ちいいわッ」
 女子はのけぞり、顎が軽く上がった。
 白くて細い喉の裏を見せながら上げた恥声は、可愛らしい顔に似合わず下品に上ずっている。
「おとうさんの指で、ほああっ、アナルをほじくり返されるの、気持ちいいのッ」
 つい今し方、恥じらいの言葉を聞かせていた口が、他人には言えない悦楽の丈を正直に放つ。
 クラスメイトは、肉悦に我を忘れていた。
 目の前の男子に首から抱きつき直すなり、もっと責めてと言わんばかりに、お尻を淫猥にくねらせる。
 前半身全体で男の肉体を感じるのにも熱中し、普段からは想像できない激しさで総身を前後に弾ませて、男根ごと扱いてきた。
「はああ、ごめんなさいっ、ああン、ご奉仕する側なのに、おとうさんより先にイッちゃうのぉッ」
 男の胸板に押しつけている巨乳も、ゴツゴツした手で鷲づかみにされている尻タブも、ひっきりなしに波打つ。
 交差した顔の口元からは、あえぎ声がせわしなくあがっていた。
「いつでもイッていいなんて言ったのに、ああンン、もうダメっ、ああっ、おとうさん、私イク、ああ、イクぅぅぅぅ!」
 避けられない絶頂を悟った春奈は、力一杯抱きついてきた。
 双乳と秘部ごと投げ出して抱擁し、オーガズムの大波にさらわれる。
「オレもいくよ、おかあさん、このまま中で出すよっ……うおおおおッッッ」
 男子が浴室用の椅子に座る対面座位で、ぴったりひっついた状態で、豊も絶頂を極めた。
 火が点いたみたいに熱い柔肌と巨乳と肉花弁を肉体と怒張で存分に味わい、教室では聞けない長く尾を引く恥声も堪能しつつ、射精する。
 皮下脂肪を蓄えながらスッキリするお腹に押し包まれながら精液を吐き出し、熱い白濁液で染め上げる。
「はああっ、おとうさんのが、ふああ、私のお腹にいっぱい、ああンンン」
 料理上手の乙女は、オス汁を浴びることでも達してくれた。
 胸板にすがりつく小柄な女体は、淫らに痙攣している。
 陰茎には女性器のうねりが伝わり、指先にはアナル粘膜の歓喜の振幅が染みこんでいた。
「ああぁ……ずっとこのままでいたいわ……んんぅ……おとうさん、精液をもっと出して……私にいっぱいちょうだい……はふぅぅ」
 絶頂快楽に慣れて落ち着いてくると、正面から見つめてきた。
 大きくて黒目がちな目はすっかり潤み、顔は目元まで真っ赤だ。
「オレの精液がおかあさんの身体の中に染みこむけど、いいのかい?」
「野暮なことを言う口は塞いじゃうんだから、むちゅっ」
 少し顔を傾け、力を込めて唇を重ねてくる。
 生まれて初めて異性とキスした感激と快感で、お腹の柔肌に包まれる怒張は跳ね、新しい精液を放った。
 豊は逆らわない。
 彼女が首を抱き寄せ直したのに合わせ、お尻を鷲づかみにする手に力を入れて自分も抱き返した。指先をお尻の穴にいっそう深く埋め、自分の形に変えながら。

     4

「んっ……おとうさん……んんぅ」
 男女で肌身を重ねる味を覚えた若いふたりは、お風呂から上がると春奈の先導で両親の寝室に入った。
 エアコンを効かせ、裸で並んでクィーンベッドの縁に座るふたりは、相手の唇に何度もキスの雨を降らせている。
「ちゅっ……よそのお宅のお風呂場であんなことした後に……んむちゅ……寝室で続きをするなんて……気後れするなぁ……むぶちゅ」
「ここが一番落ち着ける場所なの……ちゅ……ふたりとも今日は帰ってこないから安心して……ちゅぷ……私の部屋は恥ずかしいし」
「なら仕方ないか……むちゅぅ」
 ローションまみれで抱き合う性行為をしたのに、自室に招くのはちょっと、という心理はわからないが、彼女の意思は尊重したかった。
 無理強いして機嫌を損ね、ふたりでしか体験できない蜜の時間が終わったら、悔やんでも悔やみきれない。
(セックスって……こんなにいいものだったんだ……)
 相手は自分を負かし続ける女子だけれど、可愛くてスタイルはいい。日曜大工の報酬を折半してくれたり、自分のために料理を作ってくれたり、お風呂ではカラダを惜しみなく使って労ってくれた。
 相手としては申し分ない。
「それにしても……おかあさんは顔も愛らしいけど、スタイルも抜群だね」
 罰ゲームを建前に、夫婦ごっこしたがるのに合わせた呼び方で褒める。
「日頃から磨いているもの。見てもらいたいおとうさんに悦んでもらえて嬉しいわ」
「それって……」
「世の奥様方のたしなみよ」
「えっ」
「んふふ、なぁに。いつも稲田を意識して、気を遣ってると言って欲しかった?」
 キスしていた口を離して、悪戯っぽく見つめてくる。
 瑞々しい朱唇からは、ふたりのが混ざり合った唾液の糸が伸び、男子のと繋がっていた。
「うっ……もぅ」
 照れ隠しで男子の太い両腕を伸ばす。
 片方は華奢な背中に回し、脇の下もとおして、外側から片乳を鷲づかみにした。
「あぁん、キスだけじゃ足りないのぉ?」
 甘えた声を出すものの、振り払おうとはしなかった。
 暗に許可をもらえたのを利用して、優しく指を埋める。
 本人の顔に勝るとも劣らないボリュームの肉スイカは、お風呂でも感じたが弾力が強い。深く潜るほど心地いい反発力がする。
「こんなに大きくて形が綺麗で感触もいいおかあさんのオッパイを、伴侶として放置できないね」
 力を入れてめりこませては、脱力して押し返され、巨乳を元の形に戻すのを繰り返す。
 弾力も素晴らしいが、柔らかさも魅惑的だった。指を突き立てるときに包まれると、手のひら全体が甘く痺れて何度でも味わいたくなる。
「隣り合って一緒に授業を受けてる女子のオッパイを、こんな風に楽しませてもらえるなんて、不思議な感じだけど感激だよ」
「私も、はあぁ、素敵な心地よ、んんぅ、おとうさん、上手ぅ……もしかして、知らないだけでカノジョいるの? その子のオッパイをこんな風に?」
「まさか。おかあさんのが、生まれて初めて触ったオッパイだよ。やり方は……ネットとかで見て覚えたんだ」
「へぇー、身体つきはともかく精神的には子供っぽいのに、そういうことに興味あるんだ」
「そっちこそ、お風呂場ではすさまじかったじゃないか」
「年齢は同じでも、女子は男子より精神的に大人なのよ」
「一般論はともかく、確かにオッパイだけじゃなくココも、オトナっぽいな」
 ムチムチした太ももをさすっていた手を滑らせ、軽く開いた股間に触れる。
「初めてナマで見るけど……こんなに肉厚なんだな」
 閉じた無毛の肉土手は、形といい大きさといい、チューリップのツボミを思わせる。
「さっきは開いて、オレのチ×ポにすがりついて、扱いてたんだよな」
 皮下脂肪を蓄えた秘部との接触快感が蘇り、分身が根元から跳ねる。
 オスの証はとっくに垂直にそそり立っていた。
 皮もすっかり剥けていて、オンナを知ったばかりのピンク色の亀頭が露出している。
「あぁん……お風呂で私のお腹をドロドロに染め上げたのに……まだこんなに元気で……教科書とかに載ってるのとは形も大きさも全然違うわぁ」
 彼女の目元がねっとりと赤らんだ。
 身を乗り出した乙女の白くほっそりした片手の指先が、極太の怒張に絡みつく。
「友達がカレシのを自慢してたけど……おとうさんの方がずっと逞しいわね」
 存在感を確かめるみたいに、優しくゆっくり扱いてくる。
 薄い皮と中の肉が擦れる性感に、男子の腰が小刻みに震えた。
「ああっ……擦ってあげればあげるほど、どんどん熱くなって……えぇ、まだ硬くなるの? ……なんだかさっきよりも長く太くなってるみたい……」
 彼女の目が淫蕩に輝く。
 手淫のストロークは徐々に早くなり、指を回しきれなくても懸命に握る手の力も強くなっている。
「うっ……女子に手コキされるのって、こんなに気持ちいいんだ……自分でするのとは味わいが違いすぎる……くぅぅ」
 してもらってばかりでは我慢できず、趣味とお返しを兼ねて乳房を柔らかく揉みたて、陰部を指先で撫で回しつつ、ペニスの快感にも意識を傾ける。
 神聖さすら感じる乙女の清廉な手が、同い年の剛直を淫らに扱き抜く様子は、見ているだけでも興奮を誘うし、目が離せない。
「当たり前よ……はあぁ……オナニーするときは……はあふぅ……女の子のオッパイやアソコを撫で回すなんてできないもの……ああん」
「確かに、このままイカせてもらいたい気もするけど……」
 分身は熱く疼き、腰の奥からは射精情動がこみあげている。
 精液を出したい気持ちは強いが、彼女の秘部の様子に別の性欲が湧いた。
「おかあさんのオマ×コ、オレのチ×ポを欲しがってるね」
 潤んだ瞳で視線を絡ませる乙女の秘部は、大きく開いていた。
 鮮紅色の膣前庭が太く覗く割れ目からは、レモン臭の粘い汁がトロトロと溢れている。
「うん……」
 弄っていた手指をより合わせた後に開き、糸を引いたのを見せると、彼女は意外と素直に頷いた。
 身を乗り出して巨乳を紡錘形に伸ばしつつ、枕の下からコンドームのパッケージを持ってくる。
「おとうさんの逞しいのが欲しいわ……」
 慣れた手つきでパウチを開け、コンドームをつけてくれた。
 それから、何も言われていないのに仰向けになり、足まで広げてくれる。
「ハッキリ言ってもらわないと分からないなぁ」
 とぼけつつも彼女の大きく開いた太ももに割り込む。
「それは……あぁっ……いじわるぅ……ああん」
 スキンをつけてもらった怒張を握る。分厚く膨れた穂先で、鮮紅色にせり上がる割れ目の奥を弄ると、甘えたあえぎ声があがった。
「ち、チ×ポよ、あん、おとうさんのぶっといチ×ポを私のオマ×コに埋め込んで、かき回して欲しいの、あぁン」
「いつもオレに勝ってる女の子に、自分好みのエロ言葉を使ってもらうのは、堪らないな。おかあさんは声が綺麗だから、余計にチ×ポに響く。分かるだろ?」
「ああぁん、おとうさんのデカチ×ポ、ますます大きく硬くなってるぅ」
 切羽詰まった仕草で頷いて、ますます足を開く。
 もう本当に我慢できないという感じだ。
(水無月さんって、可愛い顔して人一倍セックスの快楽に弱いのかな)
 そう思うと、自分を求めてくれる女子がますます愛しくて、怒張が痛いほど漲る。
「いくよ……」
 細かい収縮を繰り返す膣口に、圧倒的なまでに大きいオスの膨らみを押し当てた。
「おかあさんのオマ×コにぶちこむね……ふぅン」
 体重をこめながら覆い被さり、ゆっくり挿入する。
「はああぁぁ……友達のカレシよりも極太のが……」
 よそのお宅の夫婦の寝室で、教室では席が隣の女子と正常位でひとつになっていく。
「おとうさんのが……私の中に入ってくるぅ」
 怒張が深く埋まるのに合わせて、内部からネットリした恥蜜が溢れ、ゴムを纏う肉棒は濡れていく。
「これがおかあさんのナカなのか……狭くてキツくて……でも柔らかくて熱くてすごく複雑だ……それがすごく気持ちいい……くぅぅ」
 膣粘膜に包まれる感触は、自分の利き手とは次元が違う快感だった。
 怒張は意思を離れていた。大喜びで跳ね回り、内側から胎内を揺すぶる。
「ああンっ、ぶっといのが元気に暴れてるぅ、はあああ、すごいぃぃ」
 逆手でシーツを握って合体を受け止める乙女が、色っぽく薄く笑う。
「はあああ、うそぉ、ンン、やだ、い、イキそうっ」
 竿の半分近くまで入れた頃、彼女の息づかいが切羽詰まってきた。
「お風呂のときより、はうぅぅ、もっと深いぃ……あああ、まだよいんが残ってたのかしら……くぅぅぅ……と、とにかく、ああん、奥まで届いたらきっと」
「十中八九、触れるよ」
「え……っ」
「女性の膣は伸縮するものだけど、通常時の平均の長さは一〇センチに満たないとか。オレの勃起チ×ポは倍だったとしても面倒見られるよ」
「えぇっ……数字にしたら、そこまでのものだったのっ」
「計ったのはだいぶ前だし、今はそのときを確実に超えてる。おかあさんが魅力的だからね」
「ああっ、こんなときに褒められたら、ああ、ダメ、ほんとにイッちゃう、奥まできちゃダメぇっ」
 イヤイヤと首を振り、カールがかかった可愛らしい髪が振り乱れる。
 だが、本気で嫌がってるわけでないのは、声が蜂蜜みたいに甘いのから分かる。
 男根を受け入れる媚肉も、早く巨根の形にしてとばかりに妖しく締め上げ、しかも奥に向かって扱いていた。
「初めてセックスするのに、入れられただけでイクなんて、格好悪すぎる、はああ、お願い、許してぇ」
「おかあさんの可愛いところ、オレに見せて……ふんッ」
 巨根を子宮で受け止めて絶頂する様子を眺めるために、腰に力を入れ直す。
 実のところ、自分も気を抜くと射精しそうだったが、おくびにも出さずに耐えつつ、挿入を深めた。
 距離にして数センチのところで、行き止まりに達する。
 自分の性器が胎内のすべてに触れたのを刻みつける心地で、ぐいっと押し上げた。
「ふああぁっ、ほ、ほんに届いてるっ、あああ、やっぱり、イクっ、イクぅッ」
 目の前で乙女の細い顎が、弾かれたみたいに上がった。
 普段は顎で隠れているところまで首をさらしながら、のけぞる。
「あああぁぁぁッッッ、やぁん、一番奥までチ×ポ入れられただけで、ああああ、イッちゃってるぅぅぅ」
 両親の寝室に、クラスメイトと性行為する娘の恥声が響き渡る。
 逆手に持つシーツには、深い皺と汗のシミができていた。
 背筋が反れた勢いのままに、スイカみたいに大きくて、仰向けでも流れずツンと上を向く双乳がバラバラに弾む。
 五〇〇円玉サイズでピンク色の乳輪は肥厚し、乳頭も丸く勃起しきっており、乳房の動きに合わせて宙空に線を描いている。
 悦びの声音で恥ずかしがる彼女の太ももは、男子の腰をガッチリ挟んで締め付けていた。
「はああ……ああんん……まさか……こんなにあっさりイッちゃうなんてぇ」
 落ち着くまで待っていたら、悔しそうに呟いたが、全身は桃色に紅潮していた。
 薄い汗で照り光り、甘い体臭と愛液の匂いを放つ姿は、ローションを塗りたくったときみたいに色っぽい。
「お風呂では抱き合ってたから見られなかったけど……じっくり見させてもらったら、想像以上に可愛かったよ」
「う……もぅ……」
「イッたばかりの照れ顔も最高だね」
「今度は、おとうさんを先にイカせてあげるんだから」
「なら、勝負しようよ」
 教室では見られない、色っぽくて可愛らしいところをもっと見たいのと、一緒に気持ちよくなりたい性欲から、豊は切り出した。

【 100円 】プラン以上限定 月額:100円

作品の表紙と全文章つき(縦書き)のPDFデータと画像(トリミング前の表紙画像など)がアップしてあります

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夜山の休憩所 2022/07/01 13:02

ばつゲーム(書き下ろし小説アップしました)(2022年7月01日)


いつも応援ありがとうございます。
更新頻度が少なくてすみません。

これから有料プランのはもっと少なくなる見とおしです。
重ね重ねすみませんです。

100円の有料プランにて、
昨日発売された同人作品をアップしました。

掲載内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)(右綴じ)(30M強)
・表紙とおまけカットの原本(JPEG画像)

この記事は来月にも掲載します。
今のところ有料プランにアップした内容は、
翌月にも掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「ばつゲーム」(Affection)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で70ページ程度)

●ご紹介
 夫婦のラブイチャごっこ

●傾向 
 書き下ろし。短編。学生。
 ご奉仕プレイ。快楽責め。背徳。アナル。
 ローションプレイ。対面座位。
 正常位。だいしゅきホールド。後背位。両穴責め。
 避妊具。
 浴室。よそのお宅の夫婦の寝室。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
https://amzn.to/3NzwSLT

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

●小説、表紙イラスト 石川檸檬(いしかわ れもん)
 (木森山水道、石川れもんの別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ギャル姉は妹から彼氏を寝取りたい」
 表紙:和羽 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020901330000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3R3oKGa

・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「ハニトラ・ワイフ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「たばかりギャル」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「バレンタイン・キッスのユクエ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「魔滅の巫女」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「ばつゲーム」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。


主な登場人物紹介

 稲田 実(いなだ みのる) 男子学園生。春奈に連敗しつつも可愛いとは思ってる。
 水無月 春奈(みなづき はるな) 女子学園生。なにかと稲田と勝負してからかう。

※製品版では各節へ「しおり機能」でジャンプできます。


     1

「ねぇ、稲田。成績表の見せっこしない?」
 よく晴れた夏の昼休み。
 昼食をとって一息ついている稲田豊へ、隣の席の水無月春奈がもちかけた。
 エアコンの効いた教室の他のクラスメイトは、友達とおしゃべりを楽しんだり、ケータイをいじったり、本を読んだりしていて、思い思いに過ごしている。
「勝負の内容は忘れてないよね、水無月さん」
「各科目の点数、男女別の順位、学年順位を競う三本勝負ね。勝った方がその回数だけ……だから負けた方は最低二回は言うことをきく罰ゲーム。でしょ?」
 午前中のホームルームで渡された成績表を鞄から取り出しつつ、豊は「そうとも」と相づちを打つ。
(自信ありげな態度だけど、オレには敵うまい)
 素知らぬ顔をしつつ、男子は胸中でほくそ笑む。
 面識はなかったのに、春に席が隣同士になって以来、彼女はなにかと勝負を挑んでくる。
 結構な回数、受けて立っているというのに、なにかにつけて一枚上手の女子には連戦連敗で、悔しさは山のように募っていた。
 だから、定期考査の大分前に成績勝負を持ちかけられたときから、油断を誘うために勉強していない振りをしつつ、こっそり血道を上げてきたのだ。
(結果はかなりよかった。正直、ここまで自分ができるやつだったなんて驚きだ。水無月さん、きみはもっとびっくりしてくれよ)
 いつも澄まし顔でいる女子が、声を上げて目を剥く様子が脳裏に浮かぶ。
 現実でも早く見たいあまり震える手で、机に二つ折りの通知を出す。
「おめでとう、稲田」
「え?」
 既に自分の机に用意していた彼女が、横から顔をのぞき込んでくる。
「すっごくよかったって顔に書いてる」
 肩よりも長い髪が外側にカールしている愛らしい顔が、ニッコリ笑う。
「い、いや……それほどでも……」
 女子にまっすぐ見つめられて、慣れていない男子の頬は熱くなった。
 漂ってくる爽やかに甘い体臭に鼻腔をくすぐられるのにも、胸の奥がムズムズする。
「い、いいのかい?」
「ん?」
「オレがよかったってことは、自分が負けるかもってことじゃないか」
「それはそれ、これはこれだよ」
「そう……なんだ……」
「私がよかったら稲田もお祝いしてね。罰ゲームとは関係なくさ」
「いいよ……それくらい」
 承諾すると、彼女の口角がまた嬉しそうに上がった。
「じゃ、せーので見せあお。ほら、見やすいように机の端に成績表を持ってきて」
「う、うん……これでいいかい?」
「オーケー。じゃぁ、いい? ……せーの」
 とおり道の隙間を挟む机の上で、両者は同時に開いた。
 ふたりで首を伸ばし、隣席の成績をまじまじと確認する。
 先に声を上げたのは豊だった。
「げげっ……ウソだろ……!」
「総合でも男女別でも私の方が順位が上だねー。科目別の点数では負け越しちゃってるけど」
 信じられなくて何度も見返したが、やはり順位は言われた風に僅差で負け。
 現実を受け入れた瞬間、完全に力が抜けて机に突っ伏した。
「そんなぁ……」
「残念だったね。でも、びっくりだよ。中間テストよりすごく伸びてる。もしもちゃんと勉強してたら、勝ってたんじゃない?」
「うぐ……」
 悪戯っぽく笑いかけられて小さく呻く。
 油断するための作戦は、完全に見透かされていたらしい。
「勝敗が分かったんだし、机と仲よくする以外にやることあるよね?」
「……負けました」
「うん、勝ちました」
「ぐぬぬ……」
「あら、これだけ?」
「……好成績おめでとう」
「名前もつけてくれないと」
「ぐ……好成績おめでとう、水無月さん」
「ありがと稲田、うふふ」
 言わせるだけ言わせた女子は満足そうに微笑した。
「稲田のことを思って頑張った甲斐があったよ」
「えっ」
 言葉にマッチした優しい目で見つめられて、胸が高鳴った。
「今度は、どんな罰ゲームしてもらおうかなって」
「えぇっ……そういう意味なのっ」
 胸の高鳴りは即座に鎮まった。
「あれ、顔が赤いね。どういう意味だと思った?」
「し、知らないよ……それより、早く罰ゲームを教えてッ、なにすればいい?」
 突き詰められたくなくて話題を逸らす。
 彼女の興味はあっさりそちらに移ったらしい。こんなこともあろうかと、というよりも、結果を予知していたみたいにごく自然な様子で、鞄から包みを取り出した。
「私は二勝して勝ったから、ふたつ、言うことをきいてもらうということで、いいよね」
「ルールだから従うよ」
「じゃぁ、一つ目の罰ゲームは……コレの試食」
 渡されたのは透明な小袋で、口がリボンで縛ってある。
「クッキー?」
 そうとしか思えない円く膨らんだ塊が十数個入っている。
「お昼を食べた後でも、一枚くらいは入るよね? 育ち盛りの男の子だもの」
「そりゃ、まぁ……」
 リボンをほどいて口を開け、一枚摘まんで口元へ持ってくる。
 店で売っている物みたいに、形は綺麗で焦げ目のひとつもない。
 漂ってくるバターのいい匂いが食欲をかき立て、昼食を入れたばかりのお腹もざわつく。
(美味しそうだ……でも……罰ゲームなんだし……カラシとかタバスコとか……砂糖の代わりに塩が入ってるとかするのかな……)
 想像して背筋が寒くなった。
 踏ん切りが付かず、焼き菓子とにらめっこしていると、彼女が意地悪く笑う。
「もしかして一人では食べられない? あ~んって、して欲しい?」
 別のを一枚摘まみ、口元へよこすそぶりを見せた。
「じ、自分で食べるよっ」
 教室にはたくさん学生がいる。
 もしも、有言実行されたところを見られたら恥ずかしすぎる。
 だからギュッと目をつむり、「ままよっ」と念じて、持っていたのを丸ごと口中へ放り込んだ。
「もぐもぐ……あ……美味い……」
 がむしゃらに咀嚼してまもなく、優しい甘さが口の中いっぱいに広がった。
 見た目どおりに食感もいい。
 噛むだけ噛んで飲みこんでも、後味が引かないのにも驚いた。
 大量生産品と比べ、甘みはあっさりしているがコクは十分。それでいて、食べた後も口の中が心地いい。
「口にあったか……よかったぁ」
 罰ゲームを仕掛けた女子は、なぜかホッとした様子で呟いた。
「これ、どこで買ったの?」
 二枚目を口に入れつつ訊ねる。
 やはり、一枚目みたいにいい味だった。悪戯が仕込まれているなどとんでもない。三枚目、四枚目へと手が自然に動く。
「これ、セットの牛乳ね……売ってる物みたいに美味しいって思ったんだ」
 パックに付属のストローを挿して寄越しながら、妙に嬉しそうに呟く。
「もしかして……これって……」
「私の手作り。稲田に食べてもらいたくて作ったの」
「え……これを水無月さんがっ……オレのために……?」
 聞いた途端、またもや胸が高鳴った。
 はにかんだ笑顔を浮かべて伝える様子には、ウソや冗談を感じない。
「それ……ひょっとして……」
「うん。罰ゲームで食べさせられてるのに、美味しいって喜ぶ稲田を見たくて頑張ったの。うふふ、いい顔をしてくれたね」
「ぬぐっ……」
 淡い気持ちはツユと消え、耳たぶまで熱くなった。
「機嫌が直ってからでいいから、クッキーは全部食べてね。牛乳も」
「昼休み中に平らげるよ……あぐあぐ……ごくんっ」
「おお、いい食べっぷり。勝者のクッキーも美味しく食べられて偉い偉い」
「折角、美味しいクッキーなんだから、精神攻撃はやめてくれない?」
「あはは、じゃぁ、ふたつめの罰ゲームのことを言うね」
「どうぞ」
「今度の休日、私の家でやってもらうわ」
「へ?」
「その日、両親は出張でいないの」
 妖しく粘つく声で告げた女子は、目も半眼だった。
 普段とは別人のように違う気配を纏う女子に見つめられて、心臓が今日一番に強く跳ねる。
「必ず来てね。してもらうことは、当日に教えるわ」
「う……うん…………オレは負けたわけだし……約束は守るさ……」
 反発している間も美味しかったクッキーだったのに、もう味が分からない。
(水無月さん……もしかして……やっぱり……)
 別の意味で頬がまた熱くなったとき、昼休み終了のチャイムが鳴った。

     2

「おはよう、稲田。朝から来てくれてありがとう。これよろしくね」
 約束の日の朝は早かった。
 世界がまだ群青色で涼しい時間に呼びつけられた豊は、甘いことを考えていた自分を殴りたい衝動に駆られている。
「これ……ぜんぶやるの? オレ一人で……?」
 初めて訪れる水無月春奈の自宅は、築二〇年弱の一戸建て。
 近所でも広めの庭を備える、だいぶ大きい佇まいだった。
 電子ロックという玄関の脇には、ブルーシートが敷かれていて、塗装や日曜大工などのための道具が積まれている。
「仕事はメモにあるとおりよ。こういうことは得意だって、いつも言ってるよね。安全第一で頑張って」
「屋根や壁のペンキ塗り……家庭菜園の整地に種まき……廃材の分別と裁断……オイルタンクのストレージの交換……他のも難しくないけど……量が多すぎる
 豊は胸中で嘆息した。
 まさか罰ゲームが、コキ使われることだなんて。
 今まで何度も受けてきたものの、肉体労働させられるのは初めてだった。
 しかも、女子の出で立ちも出で立ちだ。
(薄い桃色のチュニックにスエット風のズボン……これはこれで新鮮で可愛いけど……普段着って感じだ……特別な男子を家に招いた女子の姿じゃない)
 ひとりで舞い上がっていたのが心底バカバカしい。
「ガッカリしてるね。なにを期待してたのかなぁ」
「な、なにも期待してないよっ」
「ほんとうに~? 自分のようにカラダが大人になっている女子に、親がいない自宅へ呼ばれて、エッチにウキウキしてたとか」
「ぐっ……て、天気予報は今日も真夏日になるって言ってたし、暑くならないうちに済ませなくちゃっ」
 置かれていた軍手をはめつつ、こなす順番を考える。
「よろしくね、おとうさん」
「ぶっ」
 不意にされた呼びかけに、頭の中が真っ白になった。
「なんだい、それ」
「女子に頼まれて、家のこんな雑用をする男性は、旦那様じゃない。だから、おとうさんよ」
「そんな……ままごとでもあるまいし……」
 言葉とは裏腹に顔は熱い。
 因縁はあるが、客観的には容姿端麗な女子で、馬鹿馬鹿しい誤解をするくらいには難からず思っている女の子なのだ。親しげに特別な呼び方をされては、胸の奥が甘く温かくなる。
「旦那様の方が好みなら、そうするよ」
 身を乗り出して首まで伸ばしてくる。
 やたらニコニコした女子の顔が、鼻先同士がくっつくまで接近した。
「好きにしてっ、オレは仕事にとりかかるよッ」
 金切り声で叫んで身をひいて、道具の山へ飛びかかる。
「夕方までに終わらなくていいから、怪我だけはしないでね」
 本気とも冗談ともつかない注意が背中に飛んでくる。
 今度こそ仕事の段取りを考えようとする豊だったが、キスできるまで接近した彼女の顔が脳裏にチラつき、なかなか頭が働かなかった。

     ※

「お疲れ様。お風呂の支度もできてるけど、その前にこれに着替えて昼食をとってね」
 途中、休憩をとったり、春奈の差し入れでミネラルと水分の補給もこまめに行ったりして、仕事は昼過ぎに終わらせた。
 エアコンの効いた家の中に招いた彼女は、満面の笑みで出迎えてくれている。
「う、うん……」
 仕事が済んだときには、空腹と疲労が酷かった。早く帰って寝たかったのだが、彼女を目にした途端、どちらもどこかへ吹き飛んだ。
「それと、これ。バイト代よ」
 半ば呆然としつつ、着替えと一緒に渡された封筒の中身を見ると、一万円札が五枚も入っていた。
「え、なにこれっ」
「業者にしてもらうよりも安く済ませるからって言って、親にもらったの。仕事ぶりを確認したけど、言うだけあってなかなか上手ね。親も納得してくれるわ」
「け、けど」
「それ、全額じゃないわ。私と山分けよ」
「へ」
「私は仕事してないけど、頑張ってくれたおとうさんを、うんと労うわ。だから、半分こ」
 名前どおりに笑って、くるりと回って見せた。
 ただそれだけで、野暮ったい玄関先に大輪の花が咲いたみたいな錯覚に陥る。
(うお……っ)
 男子の目の前で、スカート丈がやたら短い純白のエプロンがなびき、ムッチリした太ももが根元近くまで露出した。
(夢みたいだ……隣の席の女子が目の前で……裸エプロン姿でいるなんて!)
 春奈は今、朝に会ったときの肌がほとんど出ない服装とは正反対の出で立ちでいた。
 襟ぐりは大胆に開いていて、小柄なカラダには不釣り合いなまでに大きい双乳の合わせ目がすっかり見えている。
 エプロンの身頃も申し訳程度の幅しかなく、豊満すぎる胸元の外側半分がはみ出しているし、ハート型にくりぬかれている中央部からも、はちきれんばかりの乳肌の膨らみがこぼれていた。
 血色のいい柔肌にはシミも傷も見当たらない。
 くゆる体臭はミルクみたいに甘くて、いつまでも嗅いでいたいくらいだった。
「こっちへ来て」
 案内された部屋で、言われるままに着替えた後、ダイニングへとおされた。
 服のサイズなど教えたことはないというのに、肌着も半袖短パンも計ったみたいにぴったりなのも気になったが、食卓を見た瞬間に声が出た。
「えっ……なにこの量っ」
 唐揚げ、サラダ、肉野菜炒め、マッシュポテト、魚の照り焼き、豆腐とワカメの味噌汁、それに真っ白なホカホカご飯。
 どれもできたてで、香ばしい湯気がくゆっている。
「肉体労働の後は、やっぱりタンパク質よね。でも、他の栄養もとらないと身体によくないわ」
「もしかしてこれ……水無月さんがぜんぶ……?」
 先ほどの労うという言葉を思い出して訊ねると、彼女は胸を張った。
「口に合えばいいのだけれど」
 いつになく神妙な顔で椅子を引いた彼女は、豊が座ると自分も隣の席に着く。
「最初は……コレでどうかしら」
 箸で唐揚げを摘まんだら、反対の手を添えて近づけてきた。
「本当にお疲れ様でした。どうぞ、おとうさん」
 まるで夫を大切に思う本物の新妻みたいに、柔らかい笑みを浮かべる。
「うん……あ~ん……もぐもぐ」
 恥ずかしくて照れくさくて顔は熱いものの、逆らわずに口で受け止めた。
 適度な歯ごたえも心地いいが、噛むほどに溢れる肉汁と鶏モモのうま味は、働き通しの空きっ腹に染みて涙が出てくる。ショウガも絶妙にきいていて、後味は爽やかだ。
「美味しい?」
「最高だよ、水無月さんっ」
 最近、味見させられたクッキー同様、肉の下味はあっさりしていてコクがある。取り過ぎると身体によくない塩分の量を少なくし、他の調味料で味を引き立てているのだろう。美味しいだけでなく身体にも優しい料理なのだ。
「よかったぁ……次は、どれがいい?」
「ごめん……やっぱりあ~んは……自分で食べるよ」
「あはは、おとうさんってば照れてる」
「こんなことされたら誰だって……」
「今の私たちは新婚夫婦って設定なのになぁ」
「それも罰ゲームのうちなんて聞いてないんだけどっ」
 からかわれるのは気恥ずかしいが、彼女の手作り料理を一緒にとるのは悪くない。
 唐揚げ一つで蘇った空腹感のままに箸を進める。
 食卓のすべての皿が空っぽになるまで、二〇分もかからなかった。

     3

「はぁ……高いバイト代と美味い食事だけでなく、熱いお風呂までもらえるなんて……これのどこが罰ゲームなんだろ」
 浴室に入るなりした呟きは、エコーがかかって鼓膜を揺らす。
 よその家のお風呂をもらうのには気後れするが、春奈の勧めは断り切れなかった。
 裸エプロンで美味しい料理を振る舞ってくれた女子には、強く出られない。
「大量の仕事を押しつけられたときは奈落の底へ突き落とされた気分だったけど……今は天にも昇る心地だよ」
 ホテルにあるみたいに立派な浴槽の蓋を外して湯加減を確かめたら、手桶で掬ったお湯を身体にかける。
 大人数人でもラクに使える浴室に、水の流れる音が反響した。
「湯加減はどう? おとうさん」
「ちょうどいいよ、ありがとう……えっ、み、水無月さんっ!」
 合いの手を入れて気がついて、慌てて出入り口へ振り返る。
 音もなく入ってきたクラスメイトは、自分と同じように一枚も被服を着ていない。バスタオルすら巻いていないのだ。
 大きいペットボトルを入れた洗面器を小脇に抱えて、備え付けの椅子を側に据える。
「昼間は本当にお疲れ様。背中を流してあげるね」
「い、いいよっ」
「遠慮はいらないわ。これは罰ゲームの一環なんだから。むしろ、拒否したらルール違反ね」
「うぐっ……」
「稲田は逃げないわよね」
「もぅ、勝手にしてくれっ」
 彼女に背中を向ける姿勢で、勧められた椅子に座る。
「そうこなくちゃ。すぐに準備するから、少しだけ待っていてね」
 ペットボトルの蓋を開けたり、恐らくお湯の水栓を解放して洗面器を満たしたりする音が聞こえてきた。
「んっ……ローションをオッパイとかに塗り込むのは……んふ……何回やっても慣れないかも……んふぅ……」
 豊は耳を疑った。
(今、なんて言ったんだ?)
 かぶりを振っても、やたら粘っこい水音が連続して響くのは止まらない。
 まだ若いが、子作り可能なまでに肉体が成熟している男子だけに、ローションが化粧水として使われるだけでなく、快楽目的の性行為に用いられるという知識も、なんとなく得ている。
 女性が自分のカラダをスポンジにして、男性の身体を性的に刺激しながら洗う、いわゆるローションプレイやソーププレイの存在も、進んでいる男子に聞かされたことがあった。
(そういうことを……してくれようとしてるのか……?)
 思わず振り返りかけたとき、彼女は静かに止めた。
「稲田、勝負しようよ」
「え、今?」
「準備してる私を見たら稲田の負け。背中を流して終了ね。でも我慢できたら、前も洗ってあげるわ」
「そ、それって……」
「見ちゃう? 見ない?」
 教室で勝負をもちかけてくるときみたいに切り出したが、僅かに声が上ずっている。
(きっと、見られるのが恥ずかしいんだ……けど、ローションプレイで男子の後ろも前も洗ってあげるなんていうのはオーケーとか……基準がおかしくない?)
 腑に落ちないものの、他人の嫌がることをするつもりはない。
 前も洗ってくれるというのにも心引かれつつ、正面を向いてじっと待った。
「お待たせ。よく我慢したね。そんなに前もして欲しかったんだ」
「そ、そういうんじゃ……うっ……うおおおっ」
 言い返す途中で、経験したことのない接触感に襲われた。
 問答無用で背中が甘く痺れ、今まで上げたことのない雄叫びが口から飛び出る。
「こ、これって……」
 脳裏に彼女の肢体が浮かんだ。
 教室で見慣れた制服姿ではなく、ダイニングで見せられた裸エプロンと、浴室に入ってきたときに一瞬だけ見た、一糸まとわぬ姿だった。
 両方の肩甲骨の下ら辺に、円く小さく生硬な感触と、柔らかくて少し広くて心まで蕩ける触れ心地が起こっている。
「オッパイの先っぽを少し押しつけただけで、すごい声が出たねぇ」
 悪戯っぽく説明してくれた女子は、同い年の双乳の具合を教え込むみたいに、軽く押しては離れるのを繰り返す。
 男子の死角に押しつけられる豊かな膨らみは、潰れてせり上がっては、元の形に戻る。その間ずっと、うら若い女子の乳肌はかすかに波打つ。
「さっきダイニングで、オッパイをすごい見てたね」
「い、言われるほどは……くぅぅ……」
「大きいのが好きなんでしょ? だから、オッパイで背中を流してあげる」
 勃起前の乳頭と周囲の乳肉の具合が脳裏にインプットされた頃、体重を込めてのしかかってきた。
「ぐぅぅぅッ……そ、そこまで……するなんて……っ」
 見えないが、頭の中に状況が浮かぶ。
 平たくひしゃげるまでオッパイを押し込まれる背中も、この世の物とは思えないほど気持ちいい。
 だが、教室でいつも一緒に授業を受けている女子が、素っ裸で抱きついている様子を思い描くだけでも、どうしようもなく興奮した。
 タオルをかけていない分身に、どんどん血が集まっているのがハッキリ分かる。
「んっ……んっ……どう、気持ちいい?」
 鼻にかかった声で訊ねてくる。
 元々、アニメやゲームで聞けそうな美声の持ち主だが、今は日常では聞いたことのない色気を帯びていた。
「背中をオッパイで、ヌルヌルって洗ってもらう具合はいい?」
 甘ったるく訊ねられるだけで、胸の奥が激しくざわつく。
 話しかけながらも、彼女はスムーズに動きだしていた。
 バストの横で小さく万歳するポーズで一瞬も止まらず、躊躇いも起こさず、首の側から腰までの範囲を、ローションでたっぷり濡らした豊胸で、洗うというよりも扱いてくる。
 同じ人間のものとは思えない乳房の感触に、とっかかりのない摩擦感が加わり、しかも、平常心を奪うほど蠱惑的な媚声を聞かされては、ひとたまりもなかった。
「最高だよ、水無月さん……はあ……はあ……こんな快感は初めてだっ」
 相手は自分を何度も負かしている女子だというのに、手放しで絶賛してしまう。
「うふ、おとうさんったら大喜びして。性感に耐性なさすぎよ」
「こんなことされたら誰だって……はぁっ……はぁっ」
「ほんとウブなんだから……これは、性愛の奥深さをしっかり教えて……他の女に浮気しないよう躾ける必要があるわね」
 双乳の脇にやっていた両手を前に回し、男の胸板を抱きしめる。
 同時に体重を込めて思い切り胸を押しつけ、これ以上ないほど密着させた。
「ふあああっ、こんなことって、うあああッッッ」
 両手と双乳を含めた前半身で、男子の肉体を押し包みつつ、上下に動いてくる。
 肌の接触面積が増すのに比例し、性感も爆発的に上がった。
「んふぅ……んんっ……さっきよりも気持ちいいでしょ? んふぅぅ」
 瑞々しい朱唇を耳穴に近づけて、色っぽい声を聞かせつつ、男のカラダを扱きたてる。
「うああ、気持ちいいよ、水無月さんっ、ああ、最高すぎるっ」
 生まれて初めて女体に接する肉体は、熱く敏感になっていた。
 胴体はまるで性器みたいに興奮し、意識がぶつ切りになる。
「他人行儀に呼ばないで。今はおかあさん、よ」
「いいよ、おかあさん、くぅぅ、カラダ気持ちいいよッ」
 カラダを存分に使って、極楽気分を味わわせてくれる女子には敵わない。
 実母と性行為している風でイヤな気持ちもあるが、
「どうされるのがいいか、具体的に言ってみて」
「おかあさんの巨乳と柔肌とほっそりした手で……はあッ……はあッ……背中も胸元もお腹も、ぜんぶまさぐられるの、ほんとに気持ちいいっ」
 何度か口にしていると気にならなくなってきた。
 自分と同じ歳の女子のカラダは、産みの親とは全然違う。
 豊満なのに華奢で儚げ。放つ匂いもフレッシュに甘い。
(なんだか本当に……水無月さんと夫婦になって、性行為を楽しんでる気がしてきた)
 もう豊の中では、おかあさんという呼び方は、彼女を名前で呼ぶのと同じことになっている。
「うふふ、おとうさんったら、ドライオーガズムしちゃいそうね」
 ローションを擦りつけ、自分と同じように男子の肉体を照り光らせていたカラダが、複数の糸を引いて離れた。
「前も洗ってあげるとも、性行為の奥深さを教えてあげるとも約束したのだから、おちん×んを刺激せずに射精させるわけにはいかないわ」
 前に回ると両手を男の首に回し、ゆっくり腰を下ろしていく。
「えっ……まさか……ぐぅぅぅッッッ」
 対面座位で避妊具なしのセックスをするのだと思えば、彼女の大事な部分は屹立する分身と擦れながらすれ違った。
 迸った快感電気に呻くが、彼女も熱い吐息をこぼす。
「あん……おとうさんの大きいのに触っただけで……アソコ痺れちゃった……はあぁ……」
 無毛の肉土手は尿道を伝って降り、陰嚢と密着して落ち着く。
「うああ……今オレ……教室では隣席の女子のオマ×コに……チ×ポで触れちゃってる……ッ」
 胸板に擦りつけられている巨乳に遮られて見えないが、初めて接する女唇は火が点いたみたいに熱かった。
 特にヌルついているのは、彼女が本当に悦びを覚えているからだろうか。
 意識すると、垂直にそそり立っている怒張が疼いた。
 彼女の柔らかくスッキリし、粘液でヌルヌルのお腹に押される快感が増して、陰嚢から根元にかけてが騒がしい。
「まだ学生同士だし……あふ……ごっこ遊びでも子づくりセックスはできないけど……んんぅ……このまま私のお腹に包まれて射精していいからね……んぅっ」
 首を抱き寄せて顔を交差し、耳の中に蠱惑的な声音を聞かせたら、また動き出した。
「ああん……背中の時と違って……ああっ……逞しいのが当たるから……はああんぅ」
 スイカみたいに大きくて柔らかいのに、若々しい弾力を備えた双乳を男の胸板へねちっこく擦りつけ、全身を上下に揺すり立てる。
「ああっ……おかあさんのオマ×コが……オレのチ×ポの尿道を……裏筋まで、ヌルヌルって扱いてるッ」
 男の肉体をカラダ全体で摩擦する奉仕プレイは至福だった。
 最も敏感で性的な刺激に貪欲な怒張も扱かれている分、背後でされたときよりも気持ちいい。
「はあっ……はあっ……ほんとに、このまま射精していいのかい……くぅっ」
「もちろんよ……んっ、んんっ……いつでも私のカラダに精子出して、あン」
 今までよりも甘く切羽詰まった声で即答してくれた。
(嬉しい……きっと、ちり紙に出すより快感なんだろうな……でも)
 怒張の中は熱くうねっている。
 少しでも蜜時を長く味わいたくてお腹に力を入れて先延ばしにしているが、射精はそう遠くないと直感していた。
「おかあさんもイッてよ。今度はオレに、セックスの奥深さを教えられながら」
 されっぱなしは癪だし、こんなにも素晴らしいプレゼントをしてもらっているのに、お返しをしないのは悪い気がする。
 だから両手をお尻に這わせた。
「えっ、なにをするつもりなの?」
 主導権を握っていた女子が、僅かに怯えの色を見せる。
「乱暴はしないよ。どうしてもイヤだったらやめるね……えいっ」
 同じくらい大きいが、バストと比べたら柔らかさが勝る尻タブを両手で割る。
 それから片方の指の一本を長く伸ばし、露出させた肛門に手探りで触れた。
「ひゃぁっ、そ、そこはっ」
 敏感な部位に触れられた乙女は、瞬時に縦に伸び上がった。
 豊満な柔尻は小刻みに震える。
「う、うそでしょ、ああっ、そんなぁ、はああぁ」
 円い窄まりに優しく指の腹を埋め、ごくごく弱くほじってあげると、彼女の声が今まで以上に切迫感を孕んだ。
「ダメよ、ああんっ、汚いわ、ああ、不衛生よっ」
「この指はおかあさんの可愛いお尻の穴にだけ触れるよ。終わったら、よく洗うし、大丈夫」
「で、でもぉ、ああ……はあああ」
 驚き戸惑っていたが、心を込めて揉みほぐしていると、慣れてきたらしい。
 徐々にくつろいだあえぎ声に変わっていた。
 横目で見れば、恥ずかしそうに、心地よさそうに長い睫毛が落ちている。
 正面から抱きついてカラダを上下に揺すり立てながら、お尻を弄られている女子は、目の下まで赤くなり始めていた。
「ああぁ……いやん……お尻の穴なんて……ダメよぉ」
「やっぱり気持ち悪い? 辛い?」
「うぅぅ……そうじゃないけど……ああんっ、言わせないでぇ」
 怒張の尿道側を垂直に扱く肉土手まで痙攣してきた。
 火照った肉花芯の割れ目からは、今まで以上に粘っこい愛液が溢れ、オス棒を染め上げている。
「お尻の穴、気持ちいいって言ってごらんよ、おかあさん」
 満更でもない様子だからと思い、今度は浅瀬を上下にピストンする。
 同時に指の腹をうねらせ、肛門のすぐ裏側の粘膜をかき回す。
「ほおおっ、お、お尻の穴、気持ちいいわッ」
 女子はのけぞり、顎が軽く上がった。
 白くて細い喉の裏を見せながら上げた恥声は、可愛らしい顔に似合わず下品に上ずっている。
「おとうさんの指で、ほああっ、アナルをほじくり返されるの、気持ちいいのッ」
 つい今し方、恥じらいの言葉を聞かせていた口が、他人には言えない悦楽の丈を正直に放つ。
 クラスメイトは、肉悦に我を忘れていた。
 目の前の男子に首から抱きつき直すなり、もっと責めてと言わんばかりに、お尻を淫猥にくねらせる。
 前半身全体で男の肉体を感じるのにも熱中し、普段からは想像できない激しさで総身を前後に弾ませて、男根ごと扱いてきた。
「はああ、ごめんなさいっ、ああン、ご奉仕する側なのに、おとうさんより先にイッちゃうのぉッ」
 男の胸板に押しつけている巨乳も、ゴツゴツした手で鷲づかみにされている尻タブも、ひっきりなしに波打つ。
 交差した顔の口元からは、あえぎ声がせわしなくあがっていた。
「いつでもイッていいなんて言ったのに、ああンン、もうダメっ、ああっ、おとうさん、私イク、ああ、イクぅぅぅぅ!」
 避けられない絶頂を悟った春奈は、力一杯抱きついてきた。
 双乳と秘部ごと投げ出して抱擁し、オーガズムの大波にさらわれる。
「オレもいくよ、おかあさん、このまま中で出すよっ……うおおおおッッッ」
 男子が浴室用の椅子に座る対面座位で、ぴったりひっついた状態で、豊も絶頂を極めた。
 火が点いたみたいに熱い柔肌と巨乳と肉花弁を肉体と怒張で存分に味わい、教室では聞けない長く尾を引く恥声も堪能しつつ、射精する。
 皮下脂肪を蓄えながらスッキリするお腹に押し包まれながら精液を吐き出し、熱い白濁液で染め上げる。
「はああっ、おとうさんのが、ふああ、私のお腹にいっぱい、ああンンン」
 料理上手の乙女は、オス汁を浴びることでも達してくれた。
 胸板にすがりつく小柄な女体は、淫らに痙攣している。
 陰茎には女性器のうねりが伝わり、指先にはアナル粘膜の歓喜の振幅が染みこんでいた。
「ああぁ……ずっとこのままでいたいわ……んんぅ……おとうさん、精液をもっと出して……私にいっぱいちょうだい……はふぅぅ」
 絶頂快楽に慣れて落ち着いてくると、正面から見つめてきた。
 大きくて黒目がちな目はすっかり潤み、顔は目元まで真っ赤だ。
「オレの精液がおかあさんの身体の中に染みこむけど、いいのかい?」
「野暮なことを言う口は塞いじゃうんだから、むちゅっ」
 少し顔を傾け、力を込めて唇を重ねてくる。
 生まれて初めて異性とキスした感激と快感で、お腹の柔肌に包まれる怒張は跳ね、新しい精液を放った。
 豊は逆らわない。
 彼女が首を抱き寄せ直したのに合わせ、お尻を鷲づかみにする手に力を入れて自分も抱き返した。指先をお尻の穴にいっそう深く埋め、自分の形に変えながら。

     4

「んっ……おとうさん……んんぅ」
 男女で肌身を重ねる味を覚えた若いふたりは、お風呂から上がると春奈の先導で両親の寝室に入った。
 エアコンを効かせ、裸で並んでクィーンベッドの縁に座るふたりは、相手の唇に何度もキスの雨を降らせている。
「ちゅっ……よそのお宅のお風呂場であんなことした後に……んむちゅ……寝室で続きをするなんて……気後れするなぁ……むぶちゅ」
「ここが一番落ち着ける場所なの……ちゅ……ふたりとも今日は帰ってこないから安心して……ちゅぷ……私の部屋は恥ずかしいし」
「なら仕方ないか……むちゅぅ」
 ローションまみれで抱き合う性行為をしたのに、自室に招くのはちょっと、という心理はわからないが、彼女の意思は尊重したかった。
 無理強いして機嫌を損ね、ふたりでしか体験できない蜜の時間が終わったら、悔やんでも悔やみきれない。
(セックスって……こんなにいいものだったんだ……)
 相手は自分を負かし続ける女子だけれど、可愛くてスタイルはいい。日曜大工の報酬を折半してくれたり、自分のために料理を作ってくれたり、お風呂ではカラダを惜しみなく使って労ってくれた。
 相手としては申し分ない。
「それにしても……おかあさんは顔も愛らしいけど、スタイルも抜群だね」
 罰ゲームを建前に、夫婦ごっこしたがるのに合わせた呼び方で褒める。
「日頃から磨いているもの。見てもらいたいおとうさんに悦んでもらえて嬉しいわ」
「それって……」
「世の奥様方のたしなみよ」
「えっ」
「んふふ、なぁに。いつも稲田を意識して、気を遣ってると言って欲しかった?」
 キスしていた口を離して、悪戯っぽく見つめてくる。
 瑞々しい朱唇からは、ふたりのが混ざり合った唾液の糸が伸び、男子のと繋がっていた。
「うっ……もぅ」
 照れ隠しで男子の太い両腕を伸ばす。
 片方は華奢な背中に回し、脇の下もとおして、外側から片乳を鷲づかみにした。
「あぁん、キスだけじゃ足りないのぉ?」
 甘えた声を出すものの、振り払おうとはしなかった。
 暗に許可をもらえたのを利用して、優しく指を埋める。
 本人の顔に勝るとも劣らないボリュームの肉スイカは、お風呂でも感じたが弾力が強い。深く潜るほど心地いい反発力がする。
「こんなに大きくて形が綺麗で感触もいいおかあさんのオッパイを、伴侶として放置できないね」
 力を入れてめりこませては、脱力して押し返され、巨乳を元の形に戻すのを繰り返す。
 弾力も素晴らしいが、柔らかさも魅惑的だった。指を突き立てるときに包まれると、手のひら全体が甘く痺れて何度でも味わいたくなる。
「隣り合って一緒に授業を受けてる女子のオッパイを、こんな風に楽しませてもらえるなんて、不思議な感じだけど感激だよ」
「私も、はあぁ、素敵な心地よ、んんぅ、おとうさん、上手ぅ……もしかして、知らないだけでカノジョいるの? その子のオッパイをこんな風に?」
「まさか。おかあさんのが、生まれて初めて触ったオッパイだよ。やり方は……ネットとかで見て覚えたんだ」
「へぇー、身体つきはともかく精神的には子供っぽいのに、そういうことに興味あるんだ」
「そっちこそ、お風呂場ではすさまじかったじゃないか」
「年齢は同じでも、女子は男子より精神的に大人なのよ」
「一般論はともかく、確かにオッパイだけじゃなくココも、オトナっぽいな」
 ムチムチした太ももをさすっていた手を滑らせ、軽く開いた股間に触れる。
「初めてナマで見るけど……こんなに肉厚なんだな」
 閉じた無毛の肉土手は、形といい大きさといい、チューリップのツボミを思わせる。
「さっきは開いて、オレのチ×ポにすがりついて、扱いてたんだよな」
 皮下脂肪を蓄えた秘部との接触快感が蘇り、分身が根元から跳ねる。
 オスの証はとっくに垂直にそそり立っていた。
 皮もすっかり剥けていて、オンナを知ったばかりのピンク色の亀頭が露出している。
「あぁん……お風呂で私のお腹をドロドロに染め上げたのに……まだこんなに元気で……教科書とかに載ってるのとは形も大きさも全然違うわぁ」
 彼女の目元がねっとりと赤らんだ。
 身を乗り出した乙女の白くほっそりした片手の指先が、極太の怒張に絡みつく。
「友達がカレシのを自慢してたけど……おとうさんの方がずっと逞しいわね」
 存在感を確かめるみたいに、優しくゆっくり扱いてくる。
 薄い皮と中の肉が擦れる性感に、男子の腰が小刻みに震えた。
「ああっ……擦ってあげればあげるほど、どんどん熱くなって……えぇ、まだ硬くなるの? ……なんだかさっきよりも長く太くなってるみたい……」
 彼女の目が淫蕩に輝く。
 手淫のストロークは徐々に早くなり、指を回しきれなくても懸命に握る手の力も強くなっている。
「うっ……女子に手コキされるのって、こんなに気持ちいいんだ……自分でするのとは味わいが違いすぎる……くぅぅ」
 してもらってばかりでは我慢できず、趣味とお返しを兼ねて乳房を柔らかく揉みたて、陰部を指先で撫で回しつつ、ペニスの快感にも意識を傾ける。
 神聖さすら感じる乙女の清廉な手が、同い年の剛直を淫らに扱き抜く様子は、見ているだけでも興奮を誘うし、目が離せない。
「当たり前よ……はあぁ……オナニーするときは……はあふぅ……女の子のオッパイやアソコを撫で回すなんてできないもの……ああん」
「確かに、このままイカせてもらいたい気もするけど……」
 分身は熱く疼き、腰の奥からは射精情動がこみあげている。
 精液を出したい気持ちは強いが、彼女の秘部の様子に別の性欲が湧いた。
「おかあさんのオマ×コ、オレのチ×ポを欲しがってるね」
 潤んだ瞳で視線を絡ませる乙女の秘部は、大きく開いていた。
 鮮紅色の膣前庭が太く覗く割れ目からは、レモン臭の粘い汁がトロトロと溢れている。
「うん……」
 弄っていた手指をより合わせた後に開き、糸を引いたのを見せると、彼女は意外と素直に頷いた。
 身を乗り出して巨乳を紡錘形に伸ばしつつ、枕の下からコンドームのパッケージを持ってくる。
「おとうさんの逞しいのが欲しいわ……」
 慣れた手つきでパウチを開け、コンドームをつけてくれた。
 それから、何も言われていないのに仰向けになり、足まで広げてくれる。
「ハッキリ言ってもらわないと分からないなぁ」
 とぼけつつも彼女の大きく開いた太ももに割り込む。
「それは……あぁっ……いじわるぅ……ああん」
 スキンをつけてもらった怒張を握る。分厚く膨れた穂先で、鮮紅色にせり上がる割れ目の奥を弄ると、甘えたあえぎ声があがった。
「ち、チ×ポよ、あん、おとうさんのぶっといチ×ポを私のオマ×コに埋め込んで、かき回して欲しいの、あぁン」
「いつもオレに勝ってる女の子に、自分好みのエロ言葉を使ってもらうのは、堪らないな。おかあさんは声が綺麗だから、余計にチ×ポに響く。分かるだろ?」
「ああぁん、おとうさんのデカチ×ポ、ますます大きく硬くなってるぅ」
 切羽詰まった仕草で頷いて、ますます足を開く。
 もう本当に我慢できないという感じだ。
(水無月さんって、可愛い顔して人一倍セックスの快楽に弱いのかな)
 そう思うと、自分を求めてくれる女子がますます愛しくて、怒張が痛いほど漲る。
「いくよ……」
 細かい収縮を繰り返す膣口に、圧倒的なまでに大きいオスの膨らみを押し当てた。
「おかあさんのオマ×コにぶちこむね……ふぅン」
 体重をこめながら覆い被さり、ゆっくり挿入する。
「はああぁぁ……友達のカレシよりも極太のが……」
 よそのお宅の夫婦の寝室で、教室では席が隣の女子と正常位でひとつになっていく。
「おとうさんのが……私の中に入ってくるぅ」
 怒張が深く埋まるのに合わせて、内部からネットリした恥蜜が溢れ、ゴムを纏う肉棒は濡れていく。
「これがおかあさんのナカなのか……狭くてキツくて……でも柔らかくて熱くてすごく複雑だ……それがすごく気持ちいい……くぅぅ」
 膣粘膜に包まれる感触は、自分の利き手とは次元が違う快感だった。
 怒張は意思を離れていた。大喜びで跳ね回り、内側から胎内を揺すぶる。
「ああンっ、ぶっといのが元気に暴れてるぅ、はあああ、すごいぃぃ」
 逆手でシーツを握って合体を受け止める乙女が、色っぽく薄く笑う。
「はあああ、うそぉ、ンン、やだ、い、イキそうっ」
 竿の半分近くまで入れた頃、彼女の息づかいが切羽詰まってきた。
「お風呂のときより、はうぅぅ、もっと深いぃ……あああ、まだよいんが残ってたのかしら……くぅぅぅ……と、とにかく、ああん、奥まで届いたらきっと」
「十中八九、触れるよ」
「え……っ」
「女性の膣は伸縮するものだけど、通常時の平均の長さは一〇センチに満たないとか。オレの勃起チ×ポは倍だったとしても面倒見られるよ」
「えぇっ……数字にしたら、そこまでのものだったのっ」
「計ったのはだいぶ前だし、今はそのときを確実に超えてる。おかあさんが魅力的だからね」
「ああっ、こんなときに褒められたら、ああ、ダメ、ほんとにイッちゃう、奥まできちゃダメぇっ」
 イヤイヤと首を振り、カールがかかった可愛らしい髪が振り乱れる。
 だが、本気で嫌がってるわけでないのは、声が蜂蜜みたいに甘いのから分かる。
 男根を受け入れる媚肉も、早く巨根の形にしてとばかりに妖しく締め上げ、しかも奥に向かって扱いていた。
「初めてセックスするのに、入れられただけでイクなんて、格好悪すぎる、はああ、お願い、許してぇ」
「おかあさんの可愛いところ、オレに見せて……ふんッ」
 巨根を子宮で受け止めて絶頂する様子を眺めるために、腰に力を入れ直す。
 実のところ、自分も気を抜くと射精しそうだったが、おくびにも出さずに耐えつつ、挿入を深めた。
 距離にして数センチのところで、行き止まりに達する。
 自分の性器が胎内のすべてに触れたのを刻みつける心地で、ぐいっと押し上げた。
「ふああぁっ、ほ、ほんに届いてるっ、あああ、やっぱり、イクっ、イクぅッ」
 目の前で乙女の細い顎が、弾かれたみたいに上がった。
 普段は顎で隠れているところまで首をさらしながら、のけぞる。
「あああぁぁぁッッッ、やぁん、一番奥までチ×ポ入れられただけで、ああああ、イッちゃってるぅぅぅ」
 両親の寝室に、クラスメイトと性行為する娘の恥声が響き渡る。
 逆手に持つシーツには、深い皺と汗のシミができていた。
 背筋が反れた勢いのままに、スイカみたいに大きくて、仰向けでも流れずツンと上を向く双乳がバラバラに弾む。
 五〇〇円玉サイズでピンク色の乳輪は肥厚し、乳頭も丸く勃起しきっており、乳房の動きに合わせて宙空に線を描いている。
 悦びの声音で恥ずかしがる彼女の太ももは、男子の腰をガッチリ挟んで締め付けていた。
「はああ……ああんん……まさか……こんなにあっさりイッちゃうなんてぇ」
 落ち着くまで待っていたら、悔しそうに呟いたが、全身は桃色に紅潮していた。
 薄い汗で照り光り、甘い体臭と愛液の匂いを放つ姿は、ローションを塗りたくったときみたいに色っぽい。
「お風呂では抱き合ってたから見られなかったけど……じっくり見させてもらったら、想像以上に可愛かったよ」
「う……もぅ……」
「イッたばかりの照れ顔も最高だね」
「今度は、おとうさんを先にイカせてあげるんだから」
「なら、勝負しようよ」
 教室では見られない、色っぽくて可愛らしいところをもっと見たいのと、一緒に気持ちよくなりたい性欲から、豊は切り出した。

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夜山の休憩所 2022/03/06 15:26

たばかりギャル(書き下ろし小説アップしました)(2022年03月06日)

●販売店
https://amzn.to/3sJ4akj


いつも応援ありがとうございます。

100円の有料プランにて、
本日予約販売開始の同人作品をアップしました。

掲載内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)
・表紙(トリミングなし)
・表紙の帯なし差分(トリミングなし)
・表紙(カットなし。全身像)

この記事は来月の初日にまた掲載します。
今のところ有料プランにアップした内容は、
翌月に再掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「たばかりギャル」(She is a single-minded swinger)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で80ページ程度)

●ご紹介
 真面目な読書男子のモテ期到来。

●傾向 
 書き下ろし。短編。ギャル。
 学園生。クラスメイト。図書委員。DT。
 女性責め。逆転。快楽責め。あまあま。
 スキンシップ。オッパイ。パイズリ。フェラチオ。
 体面立位。中出し。
 半脱ぎ。授業をサボってヤリまくり。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
https://amzn.to/3sJ4akj

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

 発売日は2022年03月10日です。
 それまでは予約販売という形です。

●小説、表紙イラスト 石川れもん(いしかわ れもん)
 (木森山水道、石川檸檬の別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「バレンタイン・キッスのユクエ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「魔滅の巫女」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「たばかりギャル」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。


主な登場人物紹介

 一 寬人(ニノマエ ヒロト) 図書委員で本の虫。友達がいない真面目男子。

 早乙女 珠輝(サオトメ タマキ) 図書委員のギャル。進んでいる女子。


目次

1 はじまりの柔肌の甘み 
2 仕事中の蜜奉仕
3 真相
4 着衣でも赤裸々に剥かれていくギャル
5 いつわらないふたり

※製品版では各節へ「しおり機能」でジャンプできます。



      1 はじまりの柔肌の甘み 

「暇だし、お互いのオススメを読み合お」
 クラスメイトで同じ図書委員の女子の提案に、一ヒロトの目は丸くなった。
 よく晴れた日の昼休み。
 学生達の喧噪は、校舎の外れの図書室からは遠くに聞こえる。
 当番でカウンターに座るふたりの他は誰もいない。
 早乙女タマキの友達がおしゃべりに来ていたが、もう出ていっていて、本に囲まれた室内は静まりかえっている。
「さっき、友達に返してもらったあたしのと、一くんが読んでるソレでさ。何回か見たことある本だし、読んだんでしょ?」
 愛想よく話しかけてくる女子は、セミロングの髪を明るい金髪にし、緩いウェーブをかけている。大人とも子供ともつかない顔立ちだが、かなり整っている方なのもあって、真っ直ぐに見つめられると心臓が跳ねる。
「いい……けど」
 歯切れの悪い返事をさせた狼狽えは、彼女はこれまで、仕事に関係なく話しかけてきたことがないからだ。
 割り当てからふたりで図書室に座っていても、暇なときは手鏡をのぞいたり、ツメの手入れをしたりするなど、オシャレに没頭している。ヒロトにしても隣で本を読むだけで、話しかけることはないのだが。
(どういう風の吹き回しだろう)
 訝しく思いつつ、自分のを渡す。
 ロクに交流のない女子でも、好きな本に興味を持ってもらえたのには、悪い気がしなかった。
「サンキュ。じゃぁ、これ」
 ツメが鮮やかに赤い手指で差し出された文庫には、カバーがされてあった。
 やるべき仕事はソツなくこなすものの、軽薄な出で立ちを好む性格は、自分とは正反対。趣味は合わなそうだが、他人に愛読書を読んでもらいたい欲求はわかる。
(ちょっと楽しみになってきた)
 今風の女子が好むものといえば、やはり恋愛小説だろうか。
 あまり読まないジャンルだとしても、ちゃんとぜんぶ読まなければと心に決めて、最初のページから読み進める。
 抗議の声を上げるまで、五分もかからなかった。
「ちょっと、コレッ……コレぇッ」
「ん……乱丁か落丁でもあった?」
 彼女は一ページ目から読んでいた本に、付属の栞を挟んでから見返した。
 不思議そうに首を傾げてくる。
「ページは順番どおりで抜けもないけど……えろ……いやその……すごい描写があるんだけどっ」
「あ~、エロい描写のことかぁ」
 大人っぽく落ち着いた面差しが、悪戯に成功した子供みたいに変わった。
「間違って渡したんじゃないのか……」
「折角、オススメを読んでもらえるチャンスなのに、不意にするわけないわ」
「きみは、こういうのを読んでるのか……まだ学生なのに……」
「ティーンを中心に売れてるって、テレビや雑誌で紹介されてるやつだよ。一くんは読んだことないみたいだけど」
「オレはこういうのはちょっと……」
 肉体は子づくりできるようになっているので、興味がないと言えば嘘になる。
 だが、大人が作りだしている、若者が性的なものに触れるのを禁じる空気に逆らってまで、感受する気にはなれない。
 普段は興味ないという顔をしているのに、ロクにおしゃべりもしたことがない女子へ、秘めた感情をさらすのも恥ずかしかった。
「読まず嫌いはもったいないって。でも、興味ないのを読んでも、活字を目で追うだけの作業。面白くないよね……そうだ!」
 椅子から立ち上がったタマキは、ごく自然に距離を詰め、近い方の肩に手を置いた。
「ッ……!」
 男のものとは別次元に柔らかくて温かい感触は、学園指定のワイシャツと肌着の向こうからのし掛かっている。
 生まれて初めて感じる気持ちのいい接触感に、本の虫で女子に縁のない男子の肩がビクッと跳ねた。
 わけがわからないうちに、さらにとんでもないことが起こる。
「ん、しょっ、と」
 タマキは大胆に片足を上げ、椅子に座る男子の腰を跨いだのだ。
「な、なな、なにやってるんだよッ」
「対面座位の挿入抜き」
 ラーメンでも注文する風に言った彼女は、反対の手も肩に置き、くつろいだ様子で男の股間にお尻を付けた女子はケロリとしている。
 だが、自分は平静ではいられない。
 ほのかに漂う清涼系の香水が鼻腔をくすぐる。
 制服のスカートは、太ももの付け根近くまでずり上がっている。ナマの太ももの感触はズボンを越えて伝わってくる。
 一緒に仕事をするときなどに感じても、恋人でもないのだからと無視してきた存在感を、まともに浴びせられているのだ。
 どれも、第二次性徴を済ませた男子には心地のいい毒で、心臓が早鐘を打って止まらない。
「顔赤いね。ドキドキしてる?」
「こんなことされたら、当たり前だろっ」
「意識してくれてるんだ。嬉しい」
「からかわないでくれっ」
「でも……心底イヤな感じではないでしょ?」
 見透かした眼差しには即答できなかった。
 恥ずかしいわ緊張するわで心の中は乱れきっていても、伝わる女子の感触は、気持ち悪いものでは断じてない。
「実際に体験するわけじゃないけど、嫌いじゃないなら、こういうことが書いてる本を読んでも楽しめるはずよ」
「だとしても、なんでこんな……」
「あたしがどういう本を読ませようとしたか、活字で確かめる前に実際にしてあげた方が、分かりやすいと思って」
 悪戯っぽくはあるが、悪気の気配の見えない目を合わせ直した後、上半身で覆い被さってきた。
「っう……!」
 首が交差するまで密着された。
 女らしい膨らみが胸板にぐいぐい食いこんでくるのに、息が止まる。
 同僚の胸元は学年でも豊満な方だ。
 顔くらいのサイズを誇り、いつも広く開けている襟ぐりでは、ムッチリした膨らみが押し合っていて、影の濃い谷間が覗いている。
 普通ならば鼻の舌を伸ばして見るしかない、女子のたわわなシンボルは、ブラウスと下着が間にあっても、すこぶる柔らかい。男子の無骨な胸板には、蕩ける電気が湧いている。
(オッパイが当たって……匂いも……っ)
 外見と違って控えめな清涼系の匂いも、ここまで近いと存分に鼻腔を揺らしてくる。うなじから漂う温かみのある体臭も感じられて、頭がクラクラしてきた。
「ま、まずいよ……早乙女さん」
「タマキって呼んでくれなきゃ、返事しない」
「じゃ、じゃぁ、タマキ……さん……やばいっ、て」
「なにが?」
 言い直すと素直に応じてくれたが、心底動揺する自分と違って、相変わらず平然としている。
「オレたち、恋人同士でもないのに……こんな……いやらしいこと」
「ただのハグよ。でも、気にするなんてカワイイっ」
 ますます強く、胸元を押しこんでくる。
 被服の向こうで、秘めた膨らみが平たく潰れているのが、なんとなく感じ取れた。
「誰かに見られて誤解されたり、噂されたりしたら、イヤだろ?」
「この時間のココは、閑古鳥の巣じゃない。誰も来ないって」
 なにを言ってものれんに腕押しのタマキは、問答はここまで、今度はこっちのターンと言わんばかりに、首筋に唇を押しつけた。
「ああっ……ッ」
 堅いことを言っていた口から、情けないあえぎ声が飛び出た。
 優しく触れている唇も柔らかくて温かい。
 首筋から甘い波動が全身へ広がり、肉体の強張りがなくなっていく。
「奥手の男子を好きになったヒロインが、こうやってリードするシーンまで、読んでくれてた?」
 囁き声が吐息とともに耳の奥に染みこむ。
 タマキの声は、いわゆるアニメ声でかなり可愛らしい。
 粘っこい声質になると、途端に妖しい色気を醸し出して、聞かされる頭の中はますます白く染まる。
(あぁ……もう……)
 肉体の奥底から、性の情動としか言いようがない気配が噴き出してくる。
 本を勧めるためとはいえ、若くて豊満なカラダの気持ちよさを存分に享受させる女子を、思い切り抱きしめたい衝動に駆られた。
(我慢……できないッ)
 震える両手が華奢な背中へノロノロ回る。
「ここはヒロインが主導するパートだけど……ヒロトくんがしたいようにしてもいいよ」
 細い首の交差を解かずに、耳に承諾の言葉を吹き込む。
(本人が許可してくれてるんだし……)
 甘えようという気持ちにもなる。
 だが、まだ理性の方が強くて、ブラウスに触れたところで止まった。
「やっぱり……学生がこういうことするのは……マズい……よ」
 正論を返すが、彼女は止まらなかった。
「ほんとはしたいクセに。ココは正直におねだりしてるよ?」
 細い腰が浮き、ルーズソックスを穿いた長い足が膝を伸ばす。
 誰にも見られるわけにはいかない抱擁を解いてくれたのかと思ったが、次の瞬間、とんでもない間違いだと思い知らされた。
「このヘン……だよね……んっ」
 両肩に手を置いてバランスをとるタマキは、斜め後ろに視線を送りつつ、お尻を揺らした。
 エンジ色のプリーツスカートが軽くなびいたのも束の間、狙いを定めた彼女の柔尻が、再び下りてくる。
「うッ……おおおッ!」
 気まぐれに通りかかった学生がいないとも限らない。
 なんとか声をかみ殺そうとしたものの、意志の力を凌駕する肉悦の電流には、逆らいきれずにあえいでしまう。
「こ、これ……あ、ああ、当たってるっ」
「ん? どこにぃ?」
「当たってるというか……は、はいっちゃってる……ッ」
「だからぁ、どこに、なのぉ?」
 目と目をしっかり合わせ、完全に上から目線でタマキが詰問する。
 口調は優しいまでに柔らかいが、言わずには済ませてくれそうにない妖しい迫力が滲んでいた。
「た、タマキさんの……だ、大事なとこに……っ」
 座り直されたことで、自分が思った以上に興奮していたのを思い知らされた。
 スカートに隠れて見えないものの、ズボンのテントの頂点が、女性の象徴の土手に浅くはまりこんでいるのがハッキリ分かる。
 コットン質の布を纏う温かくて柔らかい肉の連山は、厚い布の下にある男らしい隆起を包みこんでいるのだ。
「オマ×コって表現されないと、聞こえないかなァ……クスクスクス」
 完全に主導権を握っている女子は、ここまでしても物怖じするどころか、余裕たっぷりだ。
 あどけなさも感じる若い美貌は、妖艶な大人の女のものに様変わりしている。
「ふざけてないで、すぐにやめて離れてくれよっ……くぅぅっ」
 淫らに興奮する分身には、猛烈な勢いで血が流れこんでいる。
 恋人同士でもない男女が、学内で性器同士を触れ合わせるなどあってはならないことだとは分かるのだが、甘い情動は高まるばかり。
「本当にやめて欲しいの?」
 タマキはまた、胸元が潰れるまで抱き付いてきた。
 わきの下から手を通し、逆手で肩をしっかり引き寄せつつ、身体をゆっくり揺すり立てる。
「うあぁ……うああああッ!」
 もう、声を抑える余裕はなかった。
 若竿の敏感な頂が、柔肉のあわいに揉みほぐされる性感は凄まじい。
 常に嗅がされる心地いい体臭や、休みなく浴びせられる巨乳や太ももの甘美な圧迫感も手伝って、なにも考えられなくなってきた。
「うんうん、やめて欲しくないんだね?」
「お、オレは、そんなことっ」
「このまま出しちゃってもいいよ」
「え……っ」
「終わるまで続けてあげるね。自分でするときより、ずっと気持ちよくビュッてできるはずよ」
 海よりも広い愛情を感じさせる声音で、絶頂を促されて心が揺れた。
 肉体ができあがっているので、夢精や自慰も経験している。
 性的なことをタブー視する性格だが、誰も見ていないところでは、そういうこともときどきするのだ。
 しかし、いくらなんでも、学内で射精するなどありえない。
 それも、今までロクに話したことのない女子のカラダに導かれてなど、あってはならないことだ。
「いつでも好きなときにイッていいわ」
 イケナイと思っても興奮する一方の男子の浅ましい反応は、手に取るように分かるらしい。
 ズボンを突き破らん勢いで屹立し、荒々しく脈動して、限界に近づいていく男根に合わせて、タマキもラストスパートをかける。
 これまで以上に身体を揺すり立てるのに追従し、セミロングのウェーブは跳ねてなびき、スカートもせわしなく宙を舞う。
「でも、イクときはチ×ポイクって、言うのよ? 最低限の礼儀なんだから」
「あああ……ち、チ×ポ……イク……チ×ポ、イクよッ」
 あまりの快感に指示されるがままだった。
 思わず口走った言葉に耳たぶまで真っ赤になるが、興奮は冷めない。
「真面目なきみが、可愛くあえぎながら下品な言葉づかいしてるの、すごく興奮しちゃう。見ててあげるから、思い切りイッてね」
「最後まで読まなかったけど、こんなにいやらしいことが続きに書いてあったのかい?」
「あたしは本の内容を実演してるだけ。何度も読んで覚えてるから、なにもかも正確に再現できるの」
「やっぱりマズイよ……こういうのは……大人になってからじゃないとっ」
「同じ図書委員として働いてるクラスメイトとの密着マンズリでイキそうになってるときに言っても、説得力ないわ。でも、そういうところが魅力だよ」
 首の交差を解き、少し上から見つめてくる黒目がちな目は、ハッとするほど潤んでいた。
 ほっそりした頬も艶やかに上気して、お風呂上がりめいた色気を感じる。
「そんな顔で見つめられたら……あああ、チ×ポイクっ、精子でるッ」
 高まりきった熱い快楽が勃起の頂上から飛び出しかけている。
 もう、抑えることなど不可能で、このまま悦楽に身を委ねることしか考えられない。
 我慢する気持ちもなくなって、彼女の背中に両手を回す。
 今度はやめず、力一杯抱きしめ、ひとかたまりになった。
「あん、きみもその気になってくれたのね、嬉しい、このままイッて」
 恋人でもない男子にしがみつかれても、嫌がるどころか嬉しそうに声を弾ませ、激しく腰を振りたくる。
 ふたりだけの図書室に、強い衣擦れと荒々しい男女の呼吸音だけが響いていたが、スピーカーから出たチャイムの音がすべてかき消す。
 ジリリリリリリリリリ!
 昼休みの終わりを示す学園の合図に、佳境へ入っていたふたりの身体がビクッと伸び上がる。
「残念。時間切れね」
「えっ……」
 これまでのねちっこさが嘘のように、タマキはあっさり離れた。
 カウンターを出ると、何事もなかったみたいに身繕いする。
「いこっか、ヒロトくん」
「う、うん……」
 彼女が離れても感触が薄く残っている全身は、痺れきっていた。
 股間のテントの柱も長い上に硬すぎて、なかなか立ち上がれない。
「大変そうだけど、授業に遅れちゃダメだよ?」
 言うだけ言って、タマキの姿は出入り口の向こうへ消えた。
「あんなことしておきながら冷たすぎるっ……あ……でも……彼女は本を勧めたいだけで……オレとは恋人同士でもなんでもないから……当たり前か……」
 どうしようもなく火照った肉体は、わずかな呟きで一気に冷める。
 図書室の向こうからは、教室へ急ぐ学生達の足音が聞こえていた。
 
     2 仕事中の蜜事

「またオススメを読み合おっか」
 数日後の昼休み。
 図書委員の当番としてふたりでカウンターに座るや切り出してきたタマキに、ヒロトの身体が強ばった。
「今日もなにか持ってきてるんでしょ? あたしはそれがいいな」
「さ、早乙女さんは……どうせ今日もヘンなのを用意してるんだろ?」
「ふたりのときは、タマキって名前で呼んで。この間みたいに」
 やたら親しげなのは気になるものの、以前のことを持ち出されると弱かった。
「どうなのさ、た……タマキさん」
「愛読書を交換しようっていう人が、おかしいのを読ませるわけないじゃない。ほら、見て」
 鞄から取り出したのは、真面目なタイトルがついた新書本だった。
 自分がよく読む出版社のものであり、好きなシリーズの作品でもある。
 警戒の気持ちは一瞬で解けた。
「へぇ、タマキさんもこういうの読むんだ。知らなかった」
「むつかしい内容だけど、その割には分かりやすくて楽しめるよね」
「そう思う? 同じように受けとめてる人が身近にいて嬉しいよ」
「あ、でも……コレって発売したばかりの新刊だけど……もしかして、ヒロトくん、読んじゃった?」
「いや、そろそろ定期テストでしょ? 本より勉強を優先させてて……」
「だよね。じゃぁ、どうぞ」
 ニコニコと差し出された本を受け取り、代わりに自分のを渡す。
 胸を躍らせながら最初のページを開いてから、一〇分もしないうちに思わず叫んだ。
「ちょっとぉッ! これ、カバーと内容が全然違うじゃないかっ……中身は……中身は……この間の奴と同じじゃないのッ……新書版もあるのかアレ」
「人気作だからね……それにしても……あははは、単純な手に引っかかって真っ赤な顔してるのカワイイ」
 タマキは借りた本を側に置くと、手を叩いて喜んだ。
 狙ってやられた悪戯にかかった恥ずかしさで、ヒロトは耳たぶまで赤い。
「もぉっ……とにかく、こんなのは読まないからねっ」
「そのわりに、読みふけってたじゃない」
「うっ」
「赤面しながらページをめくる顔、可愛かったなぁ。写真にとって保存したかったけど、邪魔しちゃ悪いから悩んだよ」
「からかわないでくれっ……あと、この間のアレ……本の内容と最後の方が違ってるッ……あんなに激しくはしてないじゃないか……!」
「ハッキリ思い出したくて確認したんだ……ヒロくんエロ~い」
 半眼でニヤニヤ笑われて、顔から火が出る思いだった。
「でも、まだ素直に読んでくれないのね……なら、読みたい気持ちにさせてあげる」
 タマキはカウンターの下に潜りこむと、正面に陣取った。
 細くて柔らかい両手の指がズボンのチャックを下ろしにかかる。
「いきなりなにをっ」
「じっとしてて」
「う……うん……」
 言われて素直に従うヒロト。胸は高鳴っていた。
 過日の出来事から、また淫らで気持ちいいことをしてもらえるという期待が膨らんでいる。
 なんだかんだ言っても、以前のことは忘れられないでいた。
 あの後、一体何度、思い出して自分で慰めたことか。
 しかし、いくら頑張っても満足することはなく、快楽に飢えていた。
 満たされるとしたら、タマキの柔肌で淫らに接されたときだけに違いない。
 だというのに彼女は今日まで、親しく接してくれなかった。
 ただのクラスメイトで同じ図書委員でしかなかった以前と同じく、個人的に話しかけてくれることすらなかったので、あの日のことは白昼夢ではなかったのかという疑念すら生まれていたのだ。
「わぁ、ヒロくんの、おっきくなってる」
 開いたズボンの股間から引き出した男性自身に、タマキの目が輝く。
「女の子に脱がされて喜ぶ性癖なんだ」
「違うよっ」
「なら、期待してた? あの後きみ、あたしに物欲しそうな、寂しそうな視線を頻繁によこしてたものね」
「……気付いてたのか」
 図星を突かれては反論のしようがない。
 誰もいない図書室で、ただのクラスメイトで図書委員仲間でしかない女子に、性器を露出させられるなど、とんでもないことだと分かっているが、分身はもっと見てとばかりに、急速に膨れあがっている。
「うわぁ……すごく男らしいよ」
 男子の股間に躊躇いなく顔を埋めたタマキは、目線の上までそそり立った分身へ、鼻先を近づける。
 高い鼻の小鼻が膨らみ、深呼吸のときみたいな鼻息がした。
「見た目だけじゃなく、オス臭さも立派なものだよ」
「く、くさくないのかい……?」
 入浴したのは昨夜で、それからずっと洗っていない。午前中は体育で汗を流しもしたのだ。
「そんなに嗅がないでくれよ……シャワーもまだなのに……」
「恥ずかしがることないわ。あたしには、とっても素敵な匂いよ」
 上を向く黒目がちな目は、しっとりと潤んでいた。
 頬はほんのりと赤らんで、薄いピンクのリップで照り光る唇も、平素よりも少し肥厚している。
「汗と男の体臭が混ざり合ってて……しかも、こんなに逞しいチ×ポが放出しているものだもの……クラクラしちゃう」
 顔をさらに近づけ、スッと通った鼻梁に硬く膨張した男のシンボルをくっつける。思い切り鼻呼吸した彼女の目元は、うっとりと緩んだ。
(本当に……喜んでるんだ……)
 嫌がるどころか、クラスや委員会ではしたことのない、恍惚とした顔を見せられれば、信じる気持ちにもなる。
「あは、チ×ポが喜んでビクビクしてる……匂いを嗅がれて感じてるんだ」
「可愛い女子が、自分のの匂いを嗅いだり……顔にくっつけたりして喜んでくれてるのを見せられたら……誰だって、興奮するよっ」
「可愛いって……あぁん、記念写真とっちゃお」
 スカートから取り出したケータイで、クラスメイトのそそり立つ怒張とのツーショットを瞬時に撮影すると、端末を素早くしまった。
「ちょっと、すぐに消してくれよッ」
「いいじゃない。ヒロくんの、しかもこんなに立派なチ×ポなのよ? 待ち受けにしたいくらいだわ」
「ま、待ち……マジで勘弁してくれよぉ」
「もちろん、ロハとは言わないわ……んしょ」
 真っ赤に照り光るネイルの指では囲いきれない極太を半分掴む。
 顔を物差しにするなら、顎の先から額まで達する長大な同級生の逸物を水平に倒し、口元に持ってくる。
「もっと気持ちよくしてあげるんだから……ぺろっ」
 長く伸びたピンク色の舌先が、赤黒い逆三角の塊の頂を舐め上げた。
「うぅッ」
 刹那に走った快感電気に頭が真っ白になって、あえぎ声が自然に出た。
「タマキさんっ……写真の件もあるけど……これ以上、こういうことするのはマズイって……利用者が来たら……あうぅ」
 図書委員が仕事中、性行為に耽るなど言語道断。
 誰かに見られたら、とんでもないことになる。
 ごく当たり前の道理が分からないわけはないだろうに、タマキの舌遣いには躊躇がない。
「んっ……舌で触れてると……一段と濃いヒロくんの味と匂いを感じるわ」
 間隔を置いて上下に舌を操っている。
 丁寧な舐め奉仕に怒張はますます硬化した。
 感度も上がって、舌が往復する度に湧く悦楽は上昇し、分身が震えるリズムは狭まっていく。
「ああ……タマキさんが……オレのを熱心に舐めてくれてるっ」
 大人っぽいような子供っぽいような美顔が、厚ぼったい唇を常に半開きにし、熱い吐息を浴びせながら舌を這わせてくれているのも刺激的で興奮を煽る。
 友達と楽しくおしゃべりしているときとは質の違う、淫蕩に口角が上がった表情は、楽しんでしているとしか思えない。
「美味しい……んっ……れろっ」
 しつこく鈴口を這う舌の動きが変わった。
 熱気を放ってビクつく表面を、満遍なく渡り歩く。
 キレイなピンク色をした女子舌は、急勾配の斜面も、張り出したカリとその裏も、皮の繋ぎ目にすらねちっこく触れてくる。
「くぅ……おおッ……!」
 分身全体が高熱に包まれ、自分で処理するときには味わったことのない、濃密な愉悦の塊になった。
 嬉しそうに跳ねる怒張の先からは、透明のトロッとした汁が溢れる。
「本の虫のヒロくんも、男の子なんだねぇ。女の子にチ×ポを舐められて、こんなに嬉しがってる」
 出てきて丸く纏まった先走り汁を先端で掬うと、そのまま口の中に舌を収めた。
 すぐに喉が鳴ったのにヒロトの胸が沸き、怒張が根元から盛大に跳ねる。
「タマキさん……流石にそろそろ……これ以上されたらオレ……最後までしてもらわずにはいられなくなるよ……っ」
 いいところで終わった前回のことが脳裏をよぎる。
 同じ目に遭うなど、とても耐えられない。考えただけで背筋が寒くなる。
 本音を言えば最後までしてもらいたいが、気持ちよくしてくれる女の子の口や顔を汚すのは忍びない。
「誰も来ないって。もし来たら、流石にヤバイからやめるわよ」
「そう……」
「でも、心配しすぎて気持ちよく出せなかったら可愛そうだし、そろそろ絶頂させてあげる」
「本当かいッ」
「あはは、真面目なきみも、だいぶ素直になってきたわねぇ」
 そのとき、出入り口が開く音がした。
 フェラチオ中のタマキから視線を外してそちらを見れば、数人の女子がおしゃべりしながら入ってくるではないか。
「噂をすれば影だよ。タマキさん、利用者が来たからもう終わりにして」
 正面を向きつつ、小声でカウンターの下へ注意する。
 図書室での淫行を誰かに知られる前に終わらせられるのにはホッとするが、胸が張り裂けそうなほど悔しくもあった。
 彼女が親しくしてくれるのは、ふたりきりで仕事をしているだけ。今を逃せばもう二度と、カラダを使って気持ちいいことをしてくれないかもしれない。自分でいくら慰めても、満足できないのは経験済みだ。
 考えれば考えるほど、分身が切なく疼いて仕方がない。
「なぁ、人の気配は感じてるだろ? ……おい、タマキさんってば」
 カウンターから出てくる気配がないので見れば、誰か来たらすぐにやめると言った口は思い切り開いていて、今まさに、怒張を飲みこもうとしていた。
「う、うそだろっ……ぐぅぅぅぅッ」
 あろうことか、ピンクのリップが色っぽい唇は、黒光りする牡肉塊をくわえ込んでしまった。
「はむぅ……んむ……平静を装わないとバレちゃうわ……んふ」
 自分のことを棚に上げ、くぐもった声で咎めた女子は、味わう仕草で長いまつげを落とし、ゆっくり飲みこんでいく。
「くぅぅ……ほ、ほんとにマズイって……う、うおぉ」
 他人に気付かれたら一大事だ。
 必死に声をかみ殺すものの、性感が大きすぎて誤魔化しきれない。
 女子の唇は肉円錐の塊の表面をのろのろ滑る。
 カリ首を口内に収めても止まらなかった。
 クラスや委員会で見る顔からは想像できない、男の性欲を煽る色っぽい表情も刺激的だが、粘膜同士の擦過感も堪らない。腰はブルブル震えっぱなしだ。
(これはもう……止まらないぞ)
 バレるか、行き着くところまで行くか、以前と同じく時間切れになるかしなければ、終わらないのは明白だ。
 そのとき、本を借りに女子が来た。
「これお願い」
「お預かりします」
 平静を装って受け取り、最後のページを開く。
 ここまで来ても、快楽の摩擦は続いていた。
 むしろ勢いが増している。
 記入するべき【貸し出しカード】のことよりも、緩くウェーブのかかった金髪を打ち振り、一心不乱にオスの三角の膨らみを扱き上げるタマキの顔が脳裏に浮かぶ。
(もう……どうにでもなれっ)
 カードを取り出す一方で、利用者の死角で太ももを左右に目一杯開く。
 どうせなら、根元まで扱いて欲しくてした仕草に、タマキは即座に応えてくれた。
 縮れ毛が生い茂る根元の方まで口中に含むディープスロートは、想像以上の快感だった。カードに貸出期限を書きながら、見えない場所で頭を振っている彼女の頬は、凹みきっている。
 食らいつくという表現がしっくりくるほど、敏感に膨張した怒張を絞り上げるペニス研磨は、自慰で満足していた自分がバカらしくなる極楽快美だ。
 開き直った男子の分身は、灼熱性感の塊と化している。精液の塊は今にも飛び出しそうな位置まで昇ってきていた。
「今日から二週間の貸し出しとなります。お疲れ様でした」
 期限を記入したカードを戻して、本を手渡す。
 何食わぬ顔で仕事をしながら、同僚の美女子の口中で射精した。
 開いた足で踏ん張りつつ、何度も止めたのに誘惑をやめなかったタマキのうすピンクのリップの唇の奥で、同い年の男子の精子をたんまり吐き出す。
(うおおッッッ……こんなに気持ちいい射精は生まれて初めてだッ)
 学園で、しかも自分の職場と言える図書室で仕事をしつつ、容姿端麗なのに性的に淫らなクラスメイトの口中をティッシュ扱いするのは、男として最低と分かっていても格別だった。
 温かい口内粘膜に絞られる怒張から、太い精液を放出する快感に目が眩み、意識が細切れになる。
「んむぅぅぅッッッ……んん……こくっ……こくんッ」
 流石のタマキも、不意打ちの射精に目を白黒させたが、すぐにうっとりと目を細め、喉を鳴らし始めた。
 両手では数え切れない回数の発作が長々と起こり、熱くて苦い樹液がとめどなくたっぷり流しこまれているというのに、嫌な顔ひとつせず、それどころか控えめな吸引音すら出して、胃へと落としていく。
(可愛いクラスメイトで委員会の仲間が……オレの精子を飲んでくれてるっ)
 興奮が冷めるにつれ、苦くて生臭い汁を飲ませることへの罪悪感を覚えるが、眉根を寄せた蕩け顔で処理してくれているのには興奮を禁じ得ない。
 目一杯開いた口の端からは、広い襟ぐりよりはみ出す巨乳に精液が糸を引いて垂れている。他の男子は見ることしかできないムッチリ巨乳を、自分の体液で青臭く汚している光景にも、心は不謹慎に沸いた。
 自分の精液は今、巨乳と体内で吸収されている。やがて、彼女の一部になると意識すればするほど、剛直は熱く漲った。
「ねぇ、タマキはいないの?」
 本を借りた女子に訊ねられ、ヒロトの背筋が跳ねた。
「い、今は席を外してます。彼女にご用なら伝えておきますが」
 よく見れば、たまに図書室へ来るタマキの友達ではないか。
 フェラチオと精飲をさせている女子の友達と分かると、射精中の怒張がさらに硬く漲った。
 自分の名前を呼ばれて流石に凍りついたタマキだったが、変態的に興奮する怒張へ即座に反応してくれる。
 射精させるつもりとしか思えない勢いで口ピストンするだけでなく、射精中でことさら鋭敏化している先端を……それも一番弱いカリ首の裏をネチネチくすぐってきた。
(タマキさん……可愛い顔して、ここまでスケベだったなんて)
 そっちがその気ならという気持ちをこめ、足で踏ん張ってギリギリまで射精を耐えてから、濃いのを最高に強烈に噴射する。
(口で奉仕してくれてる女の子の友達と会話しながら、思い切り出すのも気持ちよすぎるッ)
 目が眩んで意識が白むだけでなく、脳裏で極彩色の虹が乱舞する快楽に、打ち震える。
 色々な意味で最低のことをしているのは分かるのだが、だからこそなのか、なによりも気持ちいい。
「いないならいいわ。バ~イ」
 女子はなぜか薄ら笑いを浮かべて背を向け、一緒に来た者達と出ていった。
「んぷ……んふ…………ぷはぁぁ……チ×ポの立派さに相応しい、濃いのがいっぱい出たねぇ……ごちそうさま」
 やってきた利用者が全員いなくなったとき、しつこくしゃぶってキレイにしていた肉茎を、ようやく口の外に解放する。
「記念写真とってもいいよね」
「……誰にも見せないでくれよな。さっきのも含めてさ」
 フェラチオだけでなく精飲までしてくれたのでは、強く出る気になれなかった。
 やんわり釘を刺す程度でとどめると、彼女は嬉しそうに続ける。
「共有したいから、連絡先交換よろしく。思い出してシコシコするとき、遠慮なく使ってね……はい、チーズ」
 スカートのポケットからケータイを取り出す。自撮りする要領で、唾液に塗れて熱気がくゆる怒張を鼻梁にくっつけた自分の顔を写真に収める。
 空いている手で横ピースするだけでなく、満面の笑みを浮かべて肉棒と映り込む姿にも興奮した怒張は、シャッター音の直前に根元から跳ねた。
「あんっ」
 写真の中で満足げに口角を上げるタマキの眉間は、飛び出た精液の残滓で筋状に濡れていた。

     3 真相

「ねぇ、ヒロっち。仕事なんてほっぽって、あーしらとアソビ行こうよ」
 タマキと肉体関係を重ねていたある日。
 昼休みの図書室で彼女と当番を始めて間もなく、彼女の友達が数人やってきた。
「仕事を放り出すなんてできませんよ」
 閑古鳥が鳴く部屋に響いた声を迷いなく突っぱねるが、胸中で戸惑った。
 お喋りしているのを何度か見ているので、彼女の友人なのは知っている。
 しかし、自分とはすれ違っても挨拶すらしない赤の他人なのだ。
 なのに、やけに馴れ馴れしい。
 もっとも、タマキも似たようなものだった。出で立ちも派手だし、彼女らには普通なのかもしれない。
 ハッキリ言われて意外な顔をした女子は、すぐに手を叩いた。
「あ、アソビって言い方じゃ分かんないか。タマキとシテるようなタノシーことをさ、あーしらとやりたくない?」
「えっ」
「とぼけなくてもいいよ。ぜんぶ、聞いてるから」
 隣で黙っていたタマキを見ると、彼女は横を向いていて表情は見えない。
「ヒロっちのオトコって、すっごいエモいんでしょ?」
「タマキだけに使うなんてもったいないよ」
「アタシらみんな、タマキより上手いよ? 味見してみ?」
 丁寧にネイルアートした手指を机について、一斉に身を乗り出す女子たち。
 広い襟ぐりからはみ出している、タマキにも負けない立派な巨乳が同時に前後に揺れた。
(このナンパに乗ったら……このオッパイをぜんぶ好きにできるのか)
 身なりや言動は軽薄だが、誰もがタマキとは違った色気を放っている。
 顔は整っているし、派手なメイクも似合っていて、オッパイ以外のスタイルもいい。そそられないと言えば嘘になる。
 そのとき、タマキが立ち上がった。
 椅子が倒れるけたたましい音を残し、隣接する閉架書庫へ飛び込み、乱暴にドアを閉める。
 ヒロトは彼女の友達と一緒に呆然とするが、その間、少しも物音はない。
 完全に閉じこもってしまったらしい。
「なにアレ」
「証拠写真を見せなかったし、最近は色々ヘンだよねあの子」
「証拠写真だって?」
 聞きとがめて訊ねると、彼女らは顔を見合わせた。
「なんでもないって」
「それより、早く行こうよ」
「いい部屋押さえてるからさ」
 露骨に誤魔化すあたり、ロクなものではないらしい。
 カウンターに入ってきて手を取る彼女らに、ヒロトはハッキリ言った。
「悪いけど、きみらと付き合うのは遠慮するよ。他を当たってくれ」
 丁寧な言葉づかいをやめたのと、断られたのが意外らしく、また顔を見合わせる。
「うっそ。ハーレムプレイだよ?」
「男の夢じゃん」
「このチャンスを逃したら、一生できないよきっと」
「う……それはそうだろうけど……タマキさんが気になるから」
 彼女以外の女子とは、相変わらず縁がない。
 的を射た指摘に心は揺れて、素っ裸で美ギャルたちを相手にしている自分の姿が脳裏に浮かぶものの、胸中は自分でも妙に思うほど冷めている。
「もしかして、タマキを好きになっちゃった?」
「男って一回ヤッちゃうと、オレのオンナって思っちゃう単細胞だし」
「あの子は好きとか思ってないよ。ゲームしてただけだもの」
「ゲームって?」
 大事な話が聞き出せそうだと感じた。
 また口をつむがれないよう、流れに乗ってなにげなく訊くと、
「大人に褒められる真面目くんの、スケベな本性を暴くゲーム」
「うちらみたいなのはバカにされがちだけど、ちゃんとしてるって言われる奴だって、一皮剥けばオゲレツなのを証明するアソビってわけ」
「ちょっとエロいことすると、あっという間にだらしなくなるからウケるよね」
「いやぁ、弱った。返す言葉がないよ」
 内心ではうんざりしたが、話を聞き出すために調子を合わせる。
「お、ヒロっちは素直じゃん。ポイント高いよ、ソレ」
「アタシは面倒臭い系だと思ってたケド、いっつも視線送ってたタマキは、安全物件って見抜いてたから、立候補したのかな」
「ジンチクムガイクンって分かってるなら、写メったチ×ポ画像をバラしてくれてもいいのに、謎だよ」
「適当なこと言っても、あーしらは誤魔化されないって、まだ分かンないのかもねー」
 タマキへの不満を言い合って気が済んだのか、彼女らはほどなく出ていった。
 十分と思えるだけ話を引き出せたヒロトは、横並びで揺れながら去る複数のお尻と、わきの下からはみ出す横乳に胸の奥を浅ましくざわつかせつつも、声をかけずに見送った。
 廊下に誰も居ないのを確認すると、閉館の立て看板を置いて、内側から図書室に鍵をかける。
「バレたら怒られるし、内申に響くだろう……なるようになれだ」
 閉架書庫の入り口に立ち、深呼吸してからノブをひねる。
 簡単に回った。
 内側からカギをかけられるのに、逃げて閉じこもったであろうタマキはしなかったのだ。
 おもむろにドアを開けるヒロトには、昼休みを楽しむ学生達の声は、いつもよりも遠くに聞こえた。

     ※

「あいつらの会話は聞こえてたろ。ぜんぶ分かったぜ」
 閉架図書の薄い出入り口の横には、古ぼけた机がある。
 顔から突っ伏しているタマキに動きはなかった。
「都合がよすぎると思ってたんだ。あんな理由で、エロいことする女なんて現実にいるわけない……オレをたばかって腹の中で笑ってたわけだ」
 横乳はブラウスをパンパンにしてわきの下からはみ出しているが、全体的に華奢なカラダが小さく震える。
 顔を伏せたままで弁解どころか、目を合わせようともしない女子は、次の一言に思い切り反応した。
「タマキはオレが大好きなんだよな」
 腕組みして言ってやると、弾かれたように立ち上がった。
「な、なな、なに、言ってるのよッ」
 上ずった声で叫ぶ。
 目元は泣き腫らした後で、気の毒なくらいに赤かった。
「らしくなく呼び捨てにしちゃって……ご、誤解よっ」
 否定する彼女の細面の横に、素早く手を伸ばし、壁を叩く。
「オレはタマキが好きだぜ」
 鼻先同士をくっつけ、目を合わせ、吐息を嗅がせて囁く。
「あっ……あああ……ッ」
 狼狽える女子は瞬く間に赤面した。
 薄いリップで艶やかな口元は、わなないている。
「たばかってたのは水に流すよ。でも、タダでというのは、お互いの心にしこりを残す。ケジメはつけなくちゃな」
「え……ええ……だ、だけど……あたしは……」
「そうだな……」
 倒れた椅子を起こして座り、壁際でもじもじする女子姿を視線で舐める。
 見れば見るほど、なかなかの身体つき。
 性的なことに慣れているようだし、恋人同士になったのならば、いつでもどこでも楽しめるのだ。考えるだけで、男の証が熱く勃起する。
「まずはスカートを脱いでもらおう」
「えぇっ……む、無理よッ……学園の中で……そんな……着替えとは意味が違うのに……」
「好きな男子と対面座位でくっついて、パンティーのオマ×コでチ×ポを扱いた女が言うことかよ。仕事中にフェラと精飲もしたろうが」
「あ、あれはぁ……」
「つべこべ言わずにヤレ。でないと絶対に帰さないぜ」
 と、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
 響き終わっても動かず、じっとタマキの目を見続ける。
 彼女は溜息を吐いた。
「ほんき……なのね……わかった」
 今日も赤くてキレイなツメの指で、ホックを外す。
 前屈みになり、こちらへたわわな双乳を突き出しつつ、凹凸の激しいライン上を滑らせる。
「脱いだら足を肩幅に開くんだ。両手は横に置いてろ」
「……あなたって、こういう人だったの?」
「よそよそしく呼ばれるのは傷つくな。いつもみたいにヒロくんって言ってくれよ」
「ひどいわ……ヒロくん」
 口では抗議するが、頬には興奮の赤みが差していた。
 古い本に囲まれた埃っぽい密室で、オシャレに余念のない女子が、スカートオフの姿でいるのに、ヒロトも興奮を禁じ得ない。
「ギャルらしくかっこいいパンティーを穿いてるじゃないか」
 うら若い花園のヴェールは、白く幅の狭いフロントから、指の幅ほどのレースのサイドが伸びるデザイン。かなり大人っぽい。
「よく似合ってるぜ。今日はコイツを見せて、オレを誘惑しようとしたのか」
 椅子から離れて、足下にしゃがみ込む。
「そんなに近くから……見物しないでよ……」
「こんな風に見られたかったくせに……あの小説にも、今と似たような場面があるからな」
「よ、読んで……くれたの……? 嫌がってたのに……」
「駅前の本屋で買ったさ。好きな女の愛読書を読まないなんて、ありえない」
「あぅぅぅ……」
 恥ずかしいことをバンバンしている癖に、自分が辱められるのにはやはり弱いらしい。
 唇を噛んで黙りこくる彼女の大事な部分をまじまじと見るヒロトは、鼻を鳴らした。
「女の股間の匂いも、結構ただよってるな」
 清涼系の香水や、首筋などが発する甘く優しい香りとは違う、人間が動物なのを思い出させる匂いだったが、気持ち悪いとは思わなかった。むしろ、彼女への性欲が刺激されて精力が湧く。
「か、嗅がないで……シャワーを浴びてないのに」
「お前がチ×ポを嗅いでくれたときと、オレは同じ気分だよ」
「ああぁ……」
 聞こえるように音を立てても、内ももを閉じて恥ずかしがるだけで、制止しなくなる。
「コイツから、匂ってるんだよな」
 人指し指と中指をくっつけ、両方の指の腹で胴底に触れる。
「あっ」
「動くんじゃないぞ」
 可愛い声を出し、股間を小さく震わせたタマキに釘を刺すと、彼女はなすがままだった。
 手触りで肉土手の輪郭に見当を付け、二本の指のそれぞれに片方の肉山を乗せ、感触を確かめる心地でクイクイ持ち上げる。
「はあっ……んん……」
 女らしい皮下脂肪が蓄えられ、指先にずっしりくる女の急所を上げ下げするのだけでも、手指が蕩けてくる。感じているのは彼女も同じで、切迫したあえぎ声とともに、股間全体がビクビク揺れた。
「いやぁ……ヒロくんの指が……あたしの大事なところに触れて……くふぅ……はああ……なんていやらしい手つきなのぉ」
「本で読んで想像するのと、実際にやられるのとではぜんぜん違うよな。経験させられたから分かるぜ」
 今度は人指し指で、薄く影ができている縦筋をなぞる。
 少しずつ力を加えてコットンの布地ごと肉溝に埋め、ノコギリみたいに上下に往復する早さも上げていく。
「ふあああっ……そこを……ああっ……そんなにされたら……あああんッ」
 学生らしからぬセクシーランジェリーのサイドがひっかかる腰は、堪らなそうにくねる。
 アニメ声も甘く甲高く変わっていた。
「気持ちいいと、こんな可愛い声で啼くんだな。録音していいか?」
「やめてぇ、はああ、こんなみっともない声、自分も知らなかったんだからぁ」
 パンティーを穿いた性器を露出させている制服女子は、図書室で指マンされて感じまくっているのだ。
「オレのチ×ポ写真は撮ったくせに、虫が良すぎるぞ」
「迫られたけど、約束を守って見せてないわ、ああん、信じて、お願いっ」
 よがり声で必死に訴える彼女を鼻で笑って言い返してやる。
「連中もそんなこと言ってたが、好きな女の言葉はぜんぶ信じるのが男ってもんだ。ココで覚えとけ」
「ふああっ、それ、本の中のセリフじゃないの、ああ、キザよ、あああ、でも、素敵、痺れるぅッ」
「タマキのマ×コがそうだってのは、言われなくても分かってるよ」
 ネチネチ摩擦している肉溝には、楕円のシミができていた。
「エロい気分になってる証拠が広がってきたぞ」
 擦れば擦るほど面積が広がり、レモン臭がする体液で指まで湿りだした。
「ますますイイ匂いして誘ってやがる。たばかり上手のココの誘惑は、ストレートだな」
 指を遠ざけると、長丸に薄く黒ずむコットンのあわいと長く糸を引いた。
「えぇ……やめ……ちゃうの……?」
 最初は乗り気を見せなかった女子が、未練がましく見つめてくる。
 上気して軽く息の上がった様子は、絶頂しかけていたとしか思えない有り様だ。
 クラスメイトで図書委員のウブな同僚を翻弄したときからは想像できない、被虐美を体現した容貌だった。
 彼女はまだまだ、男に責められたがっている。
「まさか」
 ニヤリと笑ったヒロトは、被服を一枚一枚脱いでいった。

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