夜山の休憩所 2022/08/01 00:00

【再掲載】ばつゲーム(書き下ろし小説アップしました)(2022年8月01日)


いつも応援ありがとうございます。
更新頻度が少なくてすみません。

これから有料プランのはもっと少なくなる見とおしです。
重ね重ねすみませんです。

100円の有料プランにて、
過日に発売された同人作品をアップしました。

掲載内容は次のとおりです。
・製品のPDFデータ版(表紙、表紙差分、文章すべて収録)(右綴じ)(30M強)
・表紙とおまけカットの原本(JPEG画像)

この記事は先月にも掲載しました。
今のところ有料プランにアップした内容は、
翌月にも掲載しています。

なお、この下の方にも文章を載せています。
途中までとなっていますが、
有料プランの方でDLできるPDFデータには、
全文が収録されています。
続きはそちらか製品版でおたのしみください。

よろしければご利用ください。



■作品につきまして■

●タイトル(英語名)※国内販売オンリーです。
「ばつゲーム」(Affection)

●種類 小説

●分量 短編(文庫換算で70ページ程度)

●ご紹介
 夫婦のラブイチャごっこ

●傾向 
 書き下ろし。短編。学生。
 ご奉仕プレイ。快楽責め。背徳。アナル。
 ローションプレイ。対面座位。
 正常位。だいしゅきホールド。後背位。両穴責め。
 避妊具。
 浴室。よそのお宅の夫婦の寝室。

●お値段 250円(税込み)

●販売店
https://amzn.to/3NzwSLT

●その他
 アマゾン様のキンドルでのみ発売中です。
 他のお店で販売する予定は今のところありません。
 Kindle Unlimited(読み放題)でもお読みいただけます。

●小説、表紙イラスト 石川檸檬(いしかわ れもん)
 (木森山水道、石川れもんの別名です)
 ・ツイッター https://twitter.com/kimoriya31


「最近の作品」

●木森山水道(きもりやま すいどう) 名義
・「純愛闘士ピュア・ストラグル 正義の力は不倫で輝く」
  表紙、挿絵:肉バキューム 先生
  出版社:キルタイムコミュニケーション 様
  公式サイト:http://ktcom.jp/books/2dn/dnd39
  主な販売サイト:https://amzn.to/3btu9D4

●石川檸檬(いしかわ れもん) 名義
・「ギャル姉は妹から彼氏を寝取りたい」
 表紙:和羽 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020901330000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3R3oKGa

・「ハツハメ 内定と引き替えに恋人の父に捧げる晴れ着姿」
 表紙:ロッコ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900680000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3rqvj9M

・「ハメクリ ビキニサンタ姿で夫の部下にハメられる人妻のメリークリスマス」
 表紙:ズッキーニ 先生
 出版社:フランス書院 様
 公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900630000000.html
 主な販売サイト:https://amzn.to/3FpLQRo

・「ナツハメ 色白人妻が年下男たちに何度もイカされた話」
  表紙:ロッコ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900350000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3CBOsKr
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

・「強○スワッピング 生贄になった人妻」
  表紙:アレグロ 先生
  出版社:フランス書院 様
  公式サイト:https://www.france.jp/c/item/82960020900330000000.html
  主な販売サイト:https://amzn.to/3w1MJM0
 ※同作の発売前に販売終了した同人作品を加筆修正したものです。

●同人作品(サークル:夜山の休憩所)
・「ハニトラ・ワイフ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「たばかりギャル」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「バレンタイン・キッスのユクエ」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「魔滅の巫女」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「ギャル義母」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「年越しネトラレ」(FANZA専売)
・「気の強い美妻 ゲス重役とのホワイトクリスマス」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)
・「なれそめのゴー淫ハロウィン!」(アマゾンのキンドル限定。読み放題対応)ほか

※販売店へのリンクはアフィリエイトです。
 踏んで飛んでお買い物していただくと当方にささやかながら広告料が入ります。
 リンク先の品物以外をご購入いただいた場合も入ります。
 ご利用いただければありがたいです。




「ばつゲーム」
※途中まで。続きは有料プランのデータか製品版でお楽しみください。


主な登場人物紹介

 稲田 実(いなだ みのる) 男子学園生。春奈に連敗しつつも可愛いとは思ってる。
 水無月 春奈(みなづき はるな) 女子学園生。なにかと稲田と勝負してからかう。

※製品版では各節へ「しおり機能」でジャンプできます。


     1

「ねぇ、稲田。成績表の見せっこしない?」
 よく晴れた夏の昼休み。
 昼食をとって一息ついている稲田豊へ、隣の席の水無月春奈がもちかけた。
 エアコンの効いた教室の他のクラスメイトは、友達とおしゃべりを楽しんだり、ケータイをいじったり、本を読んだりしていて、思い思いに過ごしている。
「勝負の内容は忘れてないよね、水無月さん」
「各科目の点数、男女別の順位、学年順位を競う三本勝負ね。勝った方がその回数だけ……だから負けた方は最低二回は言うことをきく罰ゲーム。でしょ?」
 午前中のホームルームで渡された成績表を鞄から取り出しつつ、豊は「そうとも」と相づちを打つ。
(自信ありげな態度だけど、オレには敵うまい)
 素知らぬ顔をしつつ、男子は胸中でほくそ笑む。
 面識はなかったのに、春に席が隣同士になって以来、彼女はなにかと勝負を挑んでくる。
 結構な回数、受けて立っているというのに、なにかにつけて一枚上手の女子には連戦連敗で、悔しさは山のように募っていた。
 だから、定期考査の大分前に成績勝負を持ちかけられたときから、油断を誘うために勉強していない振りをしつつ、こっそり血道を上げてきたのだ。
(結果はかなりよかった。正直、ここまで自分ができるやつだったなんて驚きだ。水無月さん、きみはもっとびっくりしてくれよ)
 いつも澄まし顔でいる女子が、声を上げて目を剥く様子が脳裏に浮かぶ。
 現実でも早く見たいあまり震える手で、机に二つ折りの通知を出す。
「おめでとう、稲田」
「え?」
 既に自分の机に用意していた彼女が、横から顔をのぞき込んでくる。
「すっごくよかったって顔に書いてる」
 肩よりも長い髪が外側にカールしている愛らしい顔が、ニッコリ笑う。
「い、いや……それほどでも……」
 女子にまっすぐ見つめられて、慣れていない男子の頬は熱くなった。
 漂ってくる爽やかに甘い体臭に鼻腔をくすぐられるのにも、胸の奥がムズムズする。
「い、いいのかい?」
「ん?」
「オレがよかったってことは、自分が負けるかもってことじゃないか」
「それはそれ、これはこれだよ」
「そう……なんだ……」
「私がよかったら稲田もお祝いしてね。罰ゲームとは関係なくさ」
「いいよ……それくらい」
 承諾すると、彼女の口角がまた嬉しそうに上がった。
「じゃ、せーので見せあお。ほら、見やすいように机の端に成績表を持ってきて」
「う、うん……これでいいかい?」
「オーケー。じゃぁ、いい? ……せーの」
 とおり道の隙間を挟む机の上で、両者は同時に開いた。
 ふたりで首を伸ばし、隣席の成績をまじまじと確認する。
 先に声を上げたのは豊だった。
「げげっ……ウソだろ……!」
「総合でも男女別でも私の方が順位が上だねー。科目別の点数では負け越しちゃってるけど」
 信じられなくて何度も見返したが、やはり順位は言われた風に僅差で負け。
 現実を受け入れた瞬間、完全に力が抜けて机に突っ伏した。
「そんなぁ……」
「残念だったね。でも、びっくりだよ。中間テストよりすごく伸びてる。もしもちゃんと勉強してたら、勝ってたんじゃない?」
「うぐ……」
 悪戯っぽく笑いかけられて小さく呻く。
 油断するための作戦は、完全に見透かされていたらしい。
「勝敗が分かったんだし、机と仲よくする以外にやることあるよね?」
「……負けました」
「うん、勝ちました」
「ぐぬぬ……」
「あら、これだけ?」
「……好成績おめでとう」
「名前もつけてくれないと」
「ぐ……好成績おめでとう、水無月さん」
「ありがと稲田、うふふ」
 言わせるだけ言わせた女子は満足そうに微笑した。
「稲田のことを思って頑張った甲斐があったよ」
「えっ」
 言葉にマッチした優しい目で見つめられて、胸が高鳴った。
「今度は、どんな罰ゲームしてもらおうかなって」
「えぇっ……そういう意味なのっ」
 胸の高鳴りは即座に鎮まった。
「あれ、顔が赤いね。どういう意味だと思った?」
「し、知らないよ……それより、早く罰ゲームを教えてッ、なにすればいい?」
 突き詰められたくなくて話題を逸らす。
 彼女の興味はあっさりそちらに移ったらしい。こんなこともあろうかと、というよりも、結果を予知していたみたいにごく自然な様子で、鞄から包みを取り出した。
「私は二勝して勝ったから、ふたつ、言うことをきいてもらうということで、いいよね」
「ルールだから従うよ」
「じゃぁ、一つ目の罰ゲームは……コレの試食」
 渡されたのは透明な小袋で、口がリボンで縛ってある。
「クッキー?」
 そうとしか思えない円く膨らんだ塊が十数個入っている。
「お昼を食べた後でも、一枚くらいは入るよね? 育ち盛りの男の子だもの」
「そりゃ、まぁ……」
 リボンをほどいて口を開け、一枚摘まんで口元へ持ってくる。
 店で売っている物みたいに、形は綺麗で焦げ目のひとつもない。
 漂ってくるバターのいい匂いが食欲をかき立て、昼食を入れたばかりのお腹もざわつく。
(美味しそうだ……でも……罰ゲームなんだし……カラシとかタバスコとか……砂糖の代わりに塩が入ってるとかするのかな……)
 想像して背筋が寒くなった。
 踏ん切りが付かず、焼き菓子とにらめっこしていると、彼女が意地悪く笑う。
「もしかして一人では食べられない? あ~んって、して欲しい?」
 別のを一枚摘まみ、口元へよこすそぶりを見せた。
「じ、自分で食べるよっ」
 教室にはたくさん学生がいる。
 もしも、有言実行されたところを見られたら恥ずかしすぎる。
 だからギュッと目をつむり、「ままよっ」と念じて、持っていたのを丸ごと口中へ放り込んだ。
「もぐもぐ……あ……美味い……」
 がむしゃらに咀嚼してまもなく、優しい甘さが口の中いっぱいに広がった。
 見た目どおりに食感もいい。
 噛むだけ噛んで飲みこんでも、後味が引かないのにも驚いた。
 大量生産品と比べ、甘みはあっさりしているがコクは十分。それでいて、食べた後も口の中が心地いい。
「口にあったか……よかったぁ」
 罰ゲームを仕掛けた女子は、なぜかホッとした様子で呟いた。
「これ、どこで買ったの?」
 二枚目を口に入れつつ訊ねる。
 やはり、一枚目みたいにいい味だった。悪戯が仕込まれているなどとんでもない。三枚目、四枚目へと手が自然に動く。
「これ、セットの牛乳ね……売ってる物みたいに美味しいって思ったんだ」
 パックに付属のストローを挿して寄越しながら、妙に嬉しそうに呟く。
「もしかして……これって……」
「私の手作り。稲田に食べてもらいたくて作ったの」
「え……これを水無月さんがっ……オレのために……?」
 聞いた途端、またもや胸が高鳴った。
 はにかんだ笑顔を浮かべて伝える様子には、ウソや冗談を感じない。
「それ……ひょっとして……」
「うん。罰ゲームで食べさせられてるのに、美味しいって喜ぶ稲田を見たくて頑張ったの。うふふ、いい顔をしてくれたね」
「ぬぐっ……」
 淡い気持ちはツユと消え、耳たぶまで熱くなった。
「機嫌が直ってからでいいから、クッキーは全部食べてね。牛乳も」
「昼休み中に平らげるよ……あぐあぐ……ごくんっ」
「おお、いい食べっぷり。勝者のクッキーも美味しく食べられて偉い偉い」
「折角、美味しいクッキーなんだから、精神攻撃はやめてくれない?」
「あはは、じゃぁ、ふたつめの罰ゲームのことを言うね」
「どうぞ」
「今度の休日、私の家でやってもらうわ」
「へ?」
「その日、両親は出張でいないの」
 妖しく粘つく声で告げた女子は、目も半眼だった。
 普段とは別人のように違う気配を纏う女子に見つめられて、心臓が今日一番に強く跳ねる。
「必ず来てね。してもらうことは、当日に教えるわ」
「う……うん…………オレは負けたわけだし……約束は守るさ……」
 反発している間も美味しかったクッキーだったのに、もう味が分からない。
(水無月さん……もしかして……やっぱり……)
 別の意味で頬がまた熱くなったとき、昼休み終了のチャイムが鳴った。

     2

「おはよう、稲田。朝から来てくれてありがとう。これよろしくね」
 約束の日の朝は早かった。
 世界がまだ群青色で涼しい時間に呼びつけられた豊は、甘いことを考えていた自分を殴りたい衝動に駆られている。
「これ……ぜんぶやるの? オレ一人で……?」
 初めて訪れる水無月春奈の自宅は、築二〇年弱の一戸建て。
 近所でも広めの庭を備える、だいぶ大きい佇まいだった。
 電子ロックという玄関の脇には、ブルーシートが敷かれていて、塗装や日曜大工などのための道具が積まれている。
「仕事はメモにあるとおりよ。こういうことは得意だって、いつも言ってるよね。安全第一で頑張って」
「屋根や壁のペンキ塗り……家庭菜園の整地に種まき……廃材の分別と裁断……オイルタンクのストレージの交換……他のも難しくないけど……量が多すぎる
 豊は胸中で嘆息した。
 まさか罰ゲームが、コキ使われることだなんて。
 今まで何度も受けてきたものの、肉体労働させられるのは初めてだった。
 しかも、女子の出で立ちも出で立ちだ。
(薄い桃色のチュニックにスエット風のズボン……これはこれで新鮮で可愛いけど……普段着って感じだ……特別な男子を家に招いた女子の姿じゃない)
 ひとりで舞い上がっていたのが心底バカバカしい。
「ガッカリしてるね。なにを期待してたのかなぁ」
「な、なにも期待してないよっ」
「ほんとうに~? 自分のようにカラダが大人になっている女子に、親がいない自宅へ呼ばれて、エッチにウキウキしてたとか」
「ぐっ……て、天気予報は今日も真夏日になるって言ってたし、暑くならないうちに済ませなくちゃっ」
 置かれていた軍手をはめつつ、こなす順番を考える。
「よろしくね、おとうさん」
「ぶっ」
 不意にされた呼びかけに、頭の中が真っ白になった。
「なんだい、それ」
「女子に頼まれて、家のこんな雑用をする男性は、旦那様じゃない。だから、おとうさんよ」
「そんな……ままごとでもあるまいし……」
 言葉とは裏腹に顔は熱い。
 因縁はあるが、客観的には容姿端麗な女子で、馬鹿馬鹿しい誤解をするくらいには難からず思っている女の子なのだ。親しげに特別な呼び方をされては、胸の奥が甘く温かくなる。
「旦那様の方が好みなら、そうするよ」
 身を乗り出して首まで伸ばしてくる。
 やたらニコニコした女子の顔が、鼻先同士がくっつくまで接近した。
「好きにしてっ、オレは仕事にとりかかるよッ」
 金切り声で叫んで身をひいて、道具の山へ飛びかかる。
「夕方までに終わらなくていいから、怪我だけはしないでね」
 本気とも冗談ともつかない注意が背中に飛んでくる。
 今度こそ仕事の段取りを考えようとする豊だったが、キスできるまで接近した彼女の顔が脳裏にチラつき、なかなか頭が働かなかった。

     ※

「お疲れ様。お風呂の支度もできてるけど、その前にこれに着替えて昼食をとってね」
 途中、休憩をとったり、春奈の差し入れでミネラルと水分の補給もこまめに行ったりして、仕事は昼過ぎに終わらせた。
 エアコンの効いた家の中に招いた彼女は、満面の笑みで出迎えてくれている。
「う、うん……」
 仕事が済んだときには、空腹と疲労が酷かった。早く帰って寝たかったのだが、彼女を目にした途端、どちらもどこかへ吹き飛んだ。
「それと、これ。バイト代よ」
 半ば呆然としつつ、着替えと一緒に渡された封筒の中身を見ると、一万円札が五枚も入っていた。
「え、なにこれっ」
「業者にしてもらうよりも安く済ませるからって言って、親にもらったの。仕事ぶりを確認したけど、言うだけあってなかなか上手ね。親も納得してくれるわ」
「け、けど」
「それ、全額じゃないわ。私と山分けよ」
「へ」
「私は仕事してないけど、頑張ってくれたおとうさんを、うんと労うわ。だから、半分こ」
 名前どおりに笑って、くるりと回って見せた。
 ただそれだけで、野暮ったい玄関先に大輪の花が咲いたみたいな錯覚に陥る。
(うお……っ)
 男子の目の前で、スカート丈がやたら短い純白のエプロンがなびき、ムッチリした太ももが根元近くまで露出した。
(夢みたいだ……隣の席の女子が目の前で……裸エプロン姿でいるなんて!)
 春奈は今、朝に会ったときの肌がほとんど出ない服装とは正反対の出で立ちでいた。
 襟ぐりは大胆に開いていて、小柄なカラダには不釣り合いなまでに大きい双乳の合わせ目がすっかり見えている。
 エプロンの身頃も申し訳程度の幅しかなく、豊満すぎる胸元の外側半分がはみ出しているし、ハート型にくりぬかれている中央部からも、はちきれんばかりの乳肌の膨らみがこぼれていた。
 血色のいい柔肌にはシミも傷も見当たらない。
 くゆる体臭はミルクみたいに甘くて、いつまでも嗅いでいたいくらいだった。
「こっちへ来て」
 案内された部屋で、言われるままに着替えた後、ダイニングへとおされた。
 服のサイズなど教えたことはないというのに、肌着も半袖短パンも計ったみたいにぴったりなのも気になったが、食卓を見た瞬間に声が出た。
「えっ……なにこの量っ」
 唐揚げ、サラダ、肉野菜炒め、マッシュポテト、魚の照り焼き、豆腐とワカメの味噌汁、それに真っ白なホカホカご飯。
 どれもできたてで、香ばしい湯気がくゆっている。
「肉体労働の後は、やっぱりタンパク質よね。でも、他の栄養もとらないと身体によくないわ」
「もしかしてこれ……水無月さんがぜんぶ……?」
 先ほどの労うという言葉を思い出して訊ねると、彼女は胸を張った。
「口に合えばいいのだけれど」
 いつになく神妙な顔で椅子を引いた彼女は、豊が座ると自分も隣の席に着く。
「最初は……コレでどうかしら」
 箸で唐揚げを摘まんだら、反対の手を添えて近づけてきた。
「本当にお疲れ様でした。どうぞ、おとうさん」
 まるで夫を大切に思う本物の新妻みたいに、柔らかい笑みを浮かべる。
「うん……あ~ん……もぐもぐ」
 恥ずかしくて照れくさくて顔は熱いものの、逆らわずに口で受け止めた。
 適度な歯ごたえも心地いいが、噛むほどに溢れる肉汁と鶏モモのうま味は、働き通しの空きっ腹に染みて涙が出てくる。ショウガも絶妙にきいていて、後味は爽やかだ。
「美味しい?」
「最高だよ、水無月さんっ」
 最近、味見させられたクッキー同様、肉の下味はあっさりしていてコクがある。取り過ぎると身体によくない塩分の量を少なくし、他の調味料で味を引き立てているのだろう。美味しいだけでなく身体にも優しい料理なのだ。
「よかったぁ……次は、どれがいい?」
「ごめん……やっぱりあ~んは……自分で食べるよ」
「あはは、おとうさんってば照れてる」
「こんなことされたら誰だって……」
「今の私たちは新婚夫婦って設定なのになぁ」
「それも罰ゲームのうちなんて聞いてないんだけどっ」
 からかわれるのは気恥ずかしいが、彼女の手作り料理を一緒にとるのは悪くない。
 唐揚げ一つで蘇った空腹感のままに箸を進める。
 食卓のすべての皿が空っぽになるまで、二〇分もかからなかった。

     3

「はぁ……高いバイト代と美味い食事だけでなく、熱いお風呂までもらえるなんて……これのどこが罰ゲームなんだろ」
 浴室に入るなりした呟きは、エコーがかかって鼓膜を揺らす。
 よその家のお風呂をもらうのには気後れするが、春奈の勧めは断り切れなかった。
 裸エプロンで美味しい料理を振る舞ってくれた女子には、強く出られない。
「大量の仕事を押しつけられたときは奈落の底へ突き落とされた気分だったけど……今は天にも昇る心地だよ」
 ホテルにあるみたいに立派な浴槽の蓋を外して湯加減を確かめたら、手桶で掬ったお湯を身体にかける。
 大人数人でもラクに使える浴室に、水の流れる音が反響した。
「湯加減はどう? おとうさん」
「ちょうどいいよ、ありがとう……えっ、み、水無月さんっ!」
 合いの手を入れて気がついて、慌てて出入り口へ振り返る。
 音もなく入ってきたクラスメイトは、自分と同じように一枚も被服を着ていない。バスタオルすら巻いていないのだ。
 大きいペットボトルを入れた洗面器を小脇に抱えて、備え付けの椅子を側に据える。
「昼間は本当にお疲れ様。背中を流してあげるね」
「い、いいよっ」
「遠慮はいらないわ。これは罰ゲームの一環なんだから。むしろ、拒否したらルール違反ね」
「うぐっ……」
「稲田は逃げないわよね」
「もぅ、勝手にしてくれっ」
 彼女に背中を向ける姿勢で、勧められた椅子に座る。
「そうこなくちゃ。すぐに準備するから、少しだけ待っていてね」
 ペットボトルの蓋を開けたり、恐らくお湯の水栓を解放して洗面器を満たしたりする音が聞こえてきた。
「んっ……ローションをオッパイとかに塗り込むのは……んふ……何回やっても慣れないかも……んふぅ……」
 豊は耳を疑った。
(今、なんて言ったんだ?)
 かぶりを振っても、やたら粘っこい水音が連続して響くのは止まらない。
 まだ若いが、子作り可能なまでに肉体が成熟している男子だけに、ローションが化粧水として使われるだけでなく、快楽目的の性行為に用いられるという知識も、なんとなく得ている。
 女性が自分のカラダをスポンジにして、男性の身体を性的に刺激しながら洗う、いわゆるローションプレイやソーププレイの存在も、進んでいる男子に聞かされたことがあった。
(そういうことを……してくれようとしてるのか……?)
 思わず振り返りかけたとき、彼女は静かに止めた。
「稲田、勝負しようよ」
「え、今?」
「準備してる私を見たら稲田の負け。背中を流して終了ね。でも我慢できたら、前も洗ってあげるわ」
「そ、それって……」
「見ちゃう? 見ない?」
 教室で勝負をもちかけてくるときみたいに切り出したが、僅かに声が上ずっている。
(きっと、見られるのが恥ずかしいんだ……けど、ローションプレイで男子の後ろも前も洗ってあげるなんていうのはオーケーとか……基準がおかしくない?)
 腑に落ちないものの、他人の嫌がることをするつもりはない。
 前も洗ってくれるというのにも心引かれつつ、正面を向いてじっと待った。
「お待たせ。よく我慢したね。そんなに前もして欲しかったんだ」
「そ、そういうんじゃ……うっ……うおおおっ」
 言い返す途中で、経験したことのない接触感に襲われた。
 問答無用で背中が甘く痺れ、今まで上げたことのない雄叫びが口から飛び出る。
「こ、これって……」
 脳裏に彼女の肢体が浮かんだ。
 教室で見慣れた制服姿ではなく、ダイニングで見せられた裸エプロンと、浴室に入ってきたときに一瞬だけ見た、一糸まとわぬ姿だった。
 両方の肩甲骨の下ら辺に、円く小さく生硬な感触と、柔らかくて少し広くて心まで蕩ける触れ心地が起こっている。
「オッパイの先っぽを少し押しつけただけで、すごい声が出たねぇ」
 悪戯っぽく説明してくれた女子は、同い年の双乳の具合を教え込むみたいに、軽く押しては離れるのを繰り返す。
 男子の死角に押しつけられる豊かな膨らみは、潰れてせり上がっては、元の形に戻る。その間ずっと、うら若い女子の乳肌はかすかに波打つ。
「さっきダイニングで、オッパイをすごい見てたね」
「い、言われるほどは……くぅぅ……」
「大きいのが好きなんでしょ? だから、オッパイで背中を流してあげる」
 勃起前の乳頭と周囲の乳肉の具合が脳裏にインプットされた頃、体重を込めてのしかかってきた。
「ぐぅぅぅッ……そ、そこまで……するなんて……っ」
 見えないが、頭の中に状況が浮かぶ。
 平たくひしゃげるまでオッパイを押し込まれる背中も、この世の物とは思えないほど気持ちいい。
 だが、教室でいつも一緒に授業を受けている女子が、素っ裸で抱きついている様子を思い描くだけでも、どうしようもなく興奮した。
 タオルをかけていない分身に、どんどん血が集まっているのがハッキリ分かる。
「んっ……んっ……どう、気持ちいい?」
 鼻にかかった声で訊ねてくる。
 元々、アニメやゲームで聞けそうな美声の持ち主だが、今は日常では聞いたことのない色気を帯びていた。
「背中をオッパイで、ヌルヌルって洗ってもらう具合はいい?」
 甘ったるく訊ねられるだけで、胸の奥が激しくざわつく。
 話しかけながらも、彼女はスムーズに動きだしていた。
 バストの横で小さく万歳するポーズで一瞬も止まらず、躊躇いも起こさず、首の側から腰までの範囲を、ローションでたっぷり濡らした豊胸で、洗うというよりも扱いてくる。
 同じ人間のものとは思えない乳房の感触に、とっかかりのない摩擦感が加わり、しかも、平常心を奪うほど蠱惑的な媚声を聞かされては、ひとたまりもなかった。
「最高だよ、水無月さん……はあ……はあ……こんな快感は初めてだっ」
 相手は自分を何度も負かしている女子だというのに、手放しで絶賛してしまう。
「うふ、おとうさんったら大喜びして。性感に耐性なさすぎよ」
「こんなことされたら誰だって……はぁっ……はぁっ」
「ほんとウブなんだから……これは、性愛の奥深さをしっかり教えて……他の女に浮気しないよう躾ける必要があるわね」
 双乳の脇にやっていた両手を前に回し、男の胸板を抱きしめる。
 同時に体重を込めて思い切り胸を押しつけ、これ以上ないほど密着させた。
「ふあああっ、こんなことって、うあああッッッ」
 両手と双乳を含めた前半身で、男子の肉体を押し包みつつ、上下に動いてくる。
 肌の接触面積が増すのに比例し、性感も爆発的に上がった。
「んふぅ……んんっ……さっきよりも気持ちいいでしょ? んふぅぅ」
 瑞々しい朱唇を耳穴に近づけて、色っぽい声を聞かせつつ、男のカラダを扱きたてる。
「うああ、気持ちいいよ、水無月さんっ、ああ、最高すぎるっ」
 生まれて初めて女体に接する肉体は、熱く敏感になっていた。
 胴体はまるで性器みたいに興奮し、意識がぶつ切りになる。
「他人行儀に呼ばないで。今はおかあさん、よ」
「いいよ、おかあさん、くぅぅ、カラダ気持ちいいよッ」
 カラダを存分に使って、極楽気分を味わわせてくれる女子には敵わない。
 実母と性行為している風でイヤな気持ちもあるが、
「どうされるのがいいか、具体的に言ってみて」
「おかあさんの巨乳と柔肌とほっそりした手で……はあッ……はあッ……背中も胸元もお腹も、ぜんぶまさぐられるの、ほんとに気持ちいいっ」
 何度か口にしていると気にならなくなってきた。
 自分と同じ歳の女子のカラダは、産みの親とは全然違う。
 豊満なのに華奢で儚げ。放つ匂いもフレッシュに甘い。
(なんだか本当に……水無月さんと夫婦になって、性行為を楽しんでる気がしてきた)
 もう豊の中では、おかあさんという呼び方は、彼女を名前で呼ぶのと同じことになっている。
「うふふ、おとうさんったら、ドライオーガズムしちゃいそうね」
 ローションを擦りつけ、自分と同じように男子の肉体を照り光らせていたカラダが、複数の糸を引いて離れた。
「前も洗ってあげるとも、性行為の奥深さを教えてあげるとも約束したのだから、おちん×んを刺激せずに射精させるわけにはいかないわ」
 前に回ると両手を男の首に回し、ゆっくり腰を下ろしていく。
「えっ……まさか……ぐぅぅぅッッッ」
 対面座位で避妊具なしのセックスをするのだと思えば、彼女の大事な部分は屹立する分身と擦れながらすれ違った。
 迸った快感電気に呻くが、彼女も熱い吐息をこぼす。
「あん……おとうさんの大きいのに触っただけで……アソコ痺れちゃった……はあぁ……」
 無毛の肉土手は尿道を伝って降り、陰嚢と密着して落ち着く。
「うああ……今オレ……教室では隣席の女子のオマ×コに……チ×ポで触れちゃってる……ッ」
 胸板に擦りつけられている巨乳に遮られて見えないが、初めて接する女唇は火が点いたみたいに熱かった。
 特にヌルついているのは、彼女が本当に悦びを覚えているからだろうか。
 意識すると、垂直にそそり立っている怒張が疼いた。
 彼女の柔らかくスッキリし、粘液でヌルヌルのお腹に押される快感が増して、陰嚢から根元にかけてが騒がしい。
「まだ学生同士だし……あふ……ごっこ遊びでも子づくりセックスはできないけど……んんぅ……このまま私のお腹に包まれて射精していいからね……んぅっ」
 首を抱き寄せて顔を交差し、耳の中に蠱惑的な声音を聞かせたら、また動き出した。
「ああん……背中の時と違って……ああっ……逞しいのが当たるから……はああんぅ」
 スイカみたいに大きくて柔らかいのに、若々しい弾力を備えた双乳を男の胸板へねちっこく擦りつけ、全身を上下に揺すり立てる。
「ああっ……おかあさんのオマ×コが……オレのチ×ポの尿道を……裏筋まで、ヌルヌルって扱いてるッ」
 男の肉体をカラダ全体で摩擦する奉仕プレイは至福だった。
 最も敏感で性的な刺激に貪欲な怒張も扱かれている分、背後でされたときよりも気持ちいい。
「はあっ……はあっ……ほんとに、このまま射精していいのかい……くぅっ」
「もちろんよ……んっ、んんっ……いつでも私のカラダに精子出して、あン」
 今までよりも甘く切羽詰まった声で即答してくれた。
(嬉しい……きっと、ちり紙に出すより快感なんだろうな……でも)
 怒張の中は熱くうねっている。
 少しでも蜜時を長く味わいたくてお腹に力を入れて先延ばしにしているが、射精はそう遠くないと直感していた。
「おかあさんもイッてよ。今度はオレに、セックスの奥深さを教えられながら」
 されっぱなしは癪だし、こんなにも素晴らしいプレゼントをしてもらっているのに、お返しをしないのは悪い気がする。
 だから両手をお尻に這わせた。
「えっ、なにをするつもりなの?」
 主導権を握っていた女子が、僅かに怯えの色を見せる。
「乱暴はしないよ。どうしてもイヤだったらやめるね……えいっ」
 同じくらい大きいが、バストと比べたら柔らかさが勝る尻タブを両手で割る。
 それから片方の指の一本を長く伸ばし、露出させた肛門に手探りで触れた。
「ひゃぁっ、そ、そこはっ」
 敏感な部位に触れられた乙女は、瞬時に縦に伸び上がった。
 豊満な柔尻は小刻みに震える。
「う、うそでしょ、ああっ、そんなぁ、はああぁ」
 円い窄まりに優しく指の腹を埋め、ごくごく弱くほじってあげると、彼女の声が今まで以上に切迫感を孕んだ。
「ダメよ、ああんっ、汚いわ、ああ、不衛生よっ」
「この指はおかあさんの可愛いお尻の穴にだけ触れるよ。終わったら、よく洗うし、大丈夫」
「で、でもぉ、ああ……はあああ」
 驚き戸惑っていたが、心を込めて揉みほぐしていると、慣れてきたらしい。
 徐々にくつろいだあえぎ声に変わっていた。
 横目で見れば、恥ずかしそうに、心地よさそうに長い睫毛が落ちている。
 正面から抱きついてカラダを上下に揺すり立てながら、お尻を弄られている女子は、目の下まで赤くなり始めていた。
「ああぁ……いやん……お尻の穴なんて……ダメよぉ」
「やっぱり気持ち悪い? 辛い?」
「うぅぅ……そうじゃないけど……ああんっ、言わせないでぇ」
 怒張の尿道側を垂直に扱く肉土手まで痙攣してきた。
 火照った肉花芯の割れ目からは、今まで以上に粘っこい愛液が溢れ、オス棒を染め上げている。
「お尻の穴、気持ちいいって言ってごらんよ、おかあさん」
 満更でもない様子だからと思い、今度は浅瀬を上下にピストンする。
 同時に指の腹をうねらせ、肛門のすぐ裏側の粘膜をかき回す。
「ほおおっ、お、お尻の穴、気持ちいいわッ」
 女子はのけぞり、顎が軽く上がった。
 白くて細い喉の裏を見せながら上げた恥声は、可愛らしい顔に似合わず下品に上ずっている。
「おとうさんの指で、ほああっ、アナルをほじくり返されるの、気持ちいいのッ」
 つい今し方、恥じらいの言葉を聞かせていた口が、他人には言えない悦楽の丈を正直に放つ。
 クラスメイトは、肉悦に我を忘れていた。
 目の前の男子に首から抱きつき直すなり、もっと責めてと言わんばかりに、お尻を淫猥にくねらせる。
 前半身全体で男の肉体を感じるのにも熱中し、普段からは想像できない激しさで総身を前後に弾ませて、男根ごと扱いてきた。
「はああ、ごめんなさいっ、ああン、ご奉仕する側なのに、おとうさんより先にイッちゃうのぉッ」
 男の胸板に押しつけている巨乳も、ゴツゴツした手で鷲づかみにされている尻タブも、ひっきりなしに波打つ。
 交差した顔の口元からは、あえぎ声がせわしなくあがっていた。
「いつでもイッていいなんて言ったのに、ああンン、もうダメっ、ああっ、おとうさん、私イク、ああ、イクぅぅぅぅ!」
 避けられない絶頂を悟った春奈は、力一杯抱きついてきた。
 双乳と秘部ごと投げ出して抱擁し、オーガズムの大波にさらわれる。
「オレもいくよ、おかあさん、このまま中で出すよっ……うおおおおッッッ」
 男子が浴室用の椅子に座る対面座位で、ぴったりひっついた状態で、豊も絶頂を極めた。
 火が点いたみたいに熱い柔肌と巨乳と肉花弁を肉体と怒張で存分に味わい、教室では聞けない長く尾を引く恥声も堪能しつつ、射精する。
 皮下脂肪を蓄えながらスッキリするお腹に押し包まれながら精液を吐き出し、熱い白濁液で染め上げる。
「はああっ、おとうさんのが、ふああ、私のお腹にいっぱい、ああンンン」
 料理上手の乙女は、オス汁を浴びることでも達してくれた。
 胸板にすがりつく小柄な女体は、淫らに痙攣している。
 陰茎には女性器のうねりが伝わり、指先にはアナル粘膜の歓喜の振幅が染みこんでいた。
「ああぁ……ずっとこのままでいたいわ……んんぅ……おとうさん、精液をもっと出して……私にいっぱいちょうだい……はふぅぅ」
 絶頂快楽に慣れて落ち着いてくると、正面から見つめてきた。
 大きくて黒目がちな目はすっかり潤み、顔は目元まで真っ赤だ。
「オレの精液がおかあさんの身体の中に染みこむけど、いいのかい?」
「野暮なことを言う口は塞いじゃうんだから、むちゅっ」
 少し顔を傾け、力を込めて唇を重ねてくる。
 生まれて初めて異性とキスした感激と快感で、お腹の柔肌に包まれる怒張は跳ね、新しい精液を放った。
 豊は逆らわない。
 彼女が首を抱き寄せ直したのに合わせ、お尻を鷲づかみにする手に力を入れて自分も抱き返した。指先をお尻の穴にいっそう深く埋め、自分の形に変えながら。

     4

「んっ……おとうさん……んんぅ」
 男女で肌身を重ねる味を覚えた若いふたりは、お風呂から上がると春奈の先導で両親の寝室に入った。
 エアコンを効かせ、裸で並んでクィーンベッドの縁に座るふたりは、相手の唇に何度もキスの雨を降らせている。
「ちゅっ……よそのお宅のお風呂場であんなことした後に……んむちゅ……寝室で続きをするなんて……気後れするなぁ……むぶちゅ」
「ここが一番落ち着ける場所なの……ちゅ……ふたりとも今日は帰ってこないから安心して……ちゅぷ……私の部屋は恥ずかしいし」
「なら仕方ないか……むちゅぅ」
 ローションまみれで抱き合う性行為をしたのに、自室に招くのはちょっと、という心理はわからないが、彼女の意思は尊重したかった。
 無理強いして機嫌を損ね、ふたりでしか体験できない蜜の時間が終わったら、悔やんでも悔やみきれない。
(セックスって……こんなにいいものだったんだ……)
 相手は自分を負かし続ける女子だけれど、可愛くてスタイルはいい。日曜大工の報酬を折半してくれたり、自分のために料理を作ってくれたり、お風呂ではカラダを惜しみなく使って労ってくれた。
 相手としては申し分ない。
「それにしても……おかあさんは顔も愛らしいけど、スタイルも抜群だね」
 罰ゲームを建前に、夫婦ごっこしたがるのに合わせた呼び方で褒める。
「日頃から磨いているもの。見てもらいたいおとうさんに悦んでもらえて嬉しいわ」
「それって……」
「世の奥様方のたしなみよ」
「えっ」
「んふふ、なぁに。いつも稲田を意識して、気を遣ってると言って欲しかった?」
 キスしていた口を離して、悪戯っぽく見つめてくる。
 瑞々しい朱唇からは、ふたりのが混ざり合った唾液の糸が伸び、男子のと繋がっていた。
「うっ……もぅ」
 照れ隠しで男子の太い両腕を伸ばす。
 片方は華奢な背中に回し、脇の下もとおして、外側から片乳を鷲づかみにした。
「あぁん、キスだけじゃ足りないのぉ?」
 甘えた声を出すものの、振り払おうとはしなかった。
 暗に許可をもらえたのを利用して、優しく指を埋める。
 本人の顔に勝るとも劣らないボリュームの肉スイカは、お風呂でも感じたが弾力が強い。深く潜るほど心地いい反発力がする。
「こんなに大きくて形が綺麗で感触もいいおかあさんのオッパイを、伴侶として放置できないね」
 力を入れてめりこませては、脱力して押し返され、巨乳を元の形に戻すのを繰り返す。
 弾力も素晴らしいが、柔らかさも魅惑的だった。指を突き立てるときに包まれると、手のひら全体が甘く痺れて何度でも味わいたくなる。
「隣り合って一緒に授業を受けてる女子のオッパイを、こんな風に楽しませてもらえるなんて、不思議な感じだけど感激だよ」
「私も、はあぁ、素敵な心地よ、んんぅ、おとうさん、上手ぅ……もしかして、知らないだけでカノジョいるの? その子のオッパイをこんな風に?」
「まさか。おかあさんのが、生まれて初めて触ったオッパイだよ。やり方は……ネットとかで見て覚えたんだ」
「へぇー、身体つきはともかく精神的には子供っぽいのに、そういうことに興味あるんだ」
「そっちこそ、お風呂場ではすさまじかったじゃないか」
「年齢は同じでも、女子は男子より精神的に大人なのよ」
「一般論はともかく、確かにオッパイだけじゃなくココも、オトナっぽいな」
 ムチムチした太ももをさすっていた手を滑らせ、軽く開いた股間に触れる。
「初めてナマで見るけど……こんなに肉厚なんだな」
 閉じた無毛の肉土手は、形といい大きさといい、チューリップのツボミを思わせる。
「さっきは開いて、オレのチ×ポにすがりついて、扱いてたんだよな」
 皮下脂肪を蓄えた秘部との接触快感が蘇り、分身が根元から跳ねる。
 オスの証はとっくに垂直にそそり立っていた。
 皮もすっかり剥けていて、オンナを知ったばかりのピンク色の亀頭が露出している。
「あぁん……お風呂で私のお腹をドロドロに染め上げたのに……まだこんなに元気で……教科書とかに載ってるのとは形も大きさも全然違うわぁ」
 彼女の目元がねっとりと赤らんだ。
 身を乗り出した乙女の白くほっそりした片手の指先が、極太の怒張に絡みつく。
「友達がカレシのを自慢してたけど……おとうさんの方がずっと逞しいわね」
 存在感を確かめるみたいに、優しくゆっくり扱いてくる。
 薄い皮と中の肉が擦れる性感に、男子の腰が小刻みに震えた。
「ああっ……擦ってあげればあげるほど、どんどん熱くなって……えぇ、まだ硬くなるの? ……なんだかさっきよりも長く太くなってるみたい……」
 彼女の目が淫蕩に輝く。
 手淫のストロークは徐々に早くなり、指を回しきれなくても懸命に握る手の力も強くなっている。
「うっ……女子に手コキされるのって、こんなに気持ちいいんだ……自分でするのとは味わいが違いすぎる……くぅぅ」
 してもらってばかりでは我慢できず、趣味とお返しを兼ねて乳房を柔らかく揉みたて、陰部を指先で撫で回しつつ、ペニスの快感にも意識を傾ける。
 神聖さすら感じる乙女の清廉な手が、同い年の剛直を淫らに扱き抜く様子は、見ているだけでも興奮を誘うし、目が離せない。
「当たり前よ……はあぁ……オナニーするときは……はあふぅ……女の子のオッパイやアソコを撫で回すなんてできないもの……ああん」
「確かに、このままイカせてもらいたい気もするけど……」
 分身は熱く疼き、腰の奥からは射精情動がこみあげている。
 精液を出したい気持ちは強いが、彼女の秘部の様子に別の性欲が湧いた。
「おかあさんのオマ×コ、オレのチ×ポを欲しがってるね」
 潤んだ瞳で視線を絡ませる乙女の秘部は、大きく開いていた。
 鮮紅色の膣前庭が太く覗く割れ目からは、レモン臭の粘い汁がトロトロと溢れている。
「うん……」
 弄っていた手指をより合わせた後に開き、糸を引いたのを見せると、彼女は意外と素直に頷いた。
 身を乗り出して巨乳を紡錘形に伸ばしつつ、枕の下からコンドームのパッケージを持ってくる。
「おとうさんの逞しいのが欲しいわ……」
 慣れた手つきでパウチを開け、コンドームをつけてくれた。
 それから、何も言われていないのに仰向けになり、足まで広げてくれる。
「ハッキリ言ってもらわないと分からないなぁ」
 とぼけつつも彼女の大きく開いた太ももに割り込む。
「それは……あぁっ……いじわるぅ……ああん」
 スキンをつけてもらった怒張を握る。分厚く膨れた穂先で、鮮紅色にせり上がる割れ目の奥を弄ると、甘えたあえぎ声があがった。
「ち、チ×ポよ、あん、おとうさんのぶっといチ×ポを私のオマ×コに埋め込んで、かき回して欲しいの、あぁン」
「いつもオレに勝ってる女の子に、自分好みのエロ言葉を使ってもらうのは、堪らないな。おかあさんは声が綺麗だから、余計にチ×ポに響く。分かるだろ?」
「ああぁん、おとうさんのデカチ×ポ、ますます大きく硬くなってるぅ」
 切羽詰まった仕草で頷いて、ますます足を開く。
 もう本当に我慢できないという感じだ。
(水無月さんって、可愛い顔して人一倍セックスの快楽に弱いのかな)
 そう思うと、自分を求めてくれる女子がますます愛しくて、怒張が痛いほど漲る。
「いくよ……」
 細かい収縮を繰り返す膣口に、圧倒的なまでに大きいオスの膨らみを押し当てた。
「おかあさんのオマ×コにぶちこむね……ふぅン」
 体重をこめながら覆い被さり、ゆっくり挿入する。
「はああぁぁ……友達のカレシよりも極太のが……」
 よそのお宅の夫婦の寝室で、教室では席が隣の女子と正常位でひとつになっていく。
「おとうさんのが……私の中に入ってくるぅ」
 怒張が深く埋まるのに合わせて、内部からネットリした恥蜜が溢れ、ゴムを纏う肉棒は濡れていく。
「これがおかあさんのナカなのか……狭くてキツくて……でも柔らかくて熱くてすごく複雑だ……それがすごく気持ちいい……くぅぅ」
 膣粘膜に包まれる感触は、自分の利き手とは次元が違う快感だった。
 怒張は意思を離れていた。大喜びで跳ね回り、内側から胎内を揺すぶる。
「ああンっ、ぶっといのが元気に暴れてるぅ、はあああ、すごいぃぃ」
 逆手でシーツを握って合体を受け止める乙女が、色っぽく薄く笑う。
「はあああ、うそぉ、ンン、やだ、い、イキそうっ」
 竿の半分近くまで入れた頃、彼女の息づかいが切羽詰まってきた。
「お風呂のときより、はうぅぅ、もっと深いぃ……あああ、まだよいんが残ってたのかしら……くぅぅぅ……と、とにかく、ああん、奥まで届いたらきっと」
「十中八九、触れるよ」
「え……っ」
「女性の膣は伸縮するものだけど、通常時の平均の長さは一〇センチに満たないとか。オレの勃起チ×ポは倍だったとしても面倒見られるよ」
「えぇっ……数字にしたら、そこまでのものだったのっ」
「計ったのはだいぶ前だし、今はそのときを確実に超えてる。おかあさんが魅力的だからね」
「ああっ、こんなときに褒められたら、ああ、ダメ、ほんとにイッちゃう、奥まできちゃダメぇっ」
 イヤイヤと首を振り、カールがかかった可愛らしい髪が振り乱れる。
 だが、本気で嫌がってるわけでないのは、声が蜂蜜みたいに甘いのから分かる。
 男根を受け入れる媚肉も、早く巨根の形にしてとばかりに妖しく締め上げ、しかも奥に向かって扱いていた。
「初めてセックスするのに、入れられただけでイクなんて、格好悪すぎる、はああ、お願い、許してぇ」
「おかあさんの可愛いところ、オレに見せて……ふんッ」
 巨根を子宮で受け止めて絶頂する様子を眺めるために、腰に力を入れ直す。
 実のところ、自分も気を抜くと射精しそうだったが、おくびにも出さずに耐えつつ、挿入を深めた。
 距離にして数センチのところで、行き止まりに達する。
 自分の性器が胎内のすべてに触れたのを刻みつける心地で、ぐいっと押し上げた。
「ふああぁっ、ほ、ほんに届いてるっ、あああ、やっぱり、イクっ、イクぅッ」
 目の前で乙女の細い顎が、弾かれたみたいに上がった。
 普段は顎で隠れているところまで首をさらしながら、のけぞる。
「あああぁぁぁッッッ、やぁん、一番奥までチ×ポ入れられただけで、ああああ、イッちゃってるぅぅぅ」
 両親の寝室に、クラスメイトと性行為する娘の恥声が響き渡る。
 逆手に持つシーツには、深い皺と汗のシミができていた。
 背筋が反れた勢いのままに、スイカみたいに大きくて、仰向けでも流れずツンと上を向く双乳がバラバラに弾む。
 五〇〇円玉サイズでピンク色の乳輪は肥厚し、乳頭も丸く勃起しきっており、乳房の動きに合わせて宙空に線を描いている。
 悦びの声音で恥ずかしがる彼女の太ももは、男子の腰をガッチリ挟んで締め付けていた。
「はああ……ああんん……まさか……こんなにあっさりイッちゃうなんてぇ」
 落ち着くまで待っていたら、悔しそうに呟いたが、全身は桃色に紅潮していた。
 薄い汗で照り光り、甘い体臭と愛液の匂いを放つ姿は、ローションを塗りたくったときみたいに色っぽい。
「お風呂では抱き合ってたから見られなかったけど……じっくり見させてもらったら、想像以上に可愛かったよ」
「う……もぅ……」
「イッたばかりの照れ顔も最高だね」
「今度は、おとうさんを先にイカせてあげるんだから」
「なら、勝負しようよ」
 教室では見られない、色っぽくて可愛らしいところをもっと見たいのと、一緒に気持ちよくなりたい性欲から、豊は切り出した。

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