悲しみの告知から1週間…
さまざまな方からお悔やみの言葉をいただきました。
みなさまヘリオのことを気にかけてくださり、本当にありがとうございました。
ところで前回の訃報記事では、私「とんの16」の出現が突然すぎて皆様混乱したのではないかと思います。一体誰なんだと。
実は Heliodor ではヘリオだけが対外的な活動を行い、私はプログラムに徹するという方向で作業していたので、いままで私がブログなどで名前を出したことは一度もありません(一応ヴィータ大脱出の最後のスタッフロールで名前を出した程度)。ただプログラムの記事だけは私が書いて、ヘリオがそれに加筆+絵をつけたりしていました
ここで、サークル Heliodor について少しお話しします。
かつて私とヘリオは同じ職場におりまして、私は下っぱプログラマー、ヘリオはドッター(時々プロデューサー)として働いていました。
ヘリオはドット絵ならなんでも描きましたが、とくに格闘ゲーム向けのドット絵を得意としており、それはヴィータ大脱出のステージ4ボスリーゼロッテ の動きや、後述するアクションゲーム Ace of Wands の敵キャラの動きにも見ることができます。普通のアクションゲームではありますが、そのまま格闘ゲームが作れるぐらいのクオリティでした(実際勝手にデータを抜かれ、格闘ゲームを作られてしまったことがあった)
そんな折、ヘリオが「やっぱり自分で好き勝手にゲームを作りたい」と、私を誘って同人ゲームを始めたのです。そこで2人で立ち上げたのが Juno Soft (ユノーソフト)というサークルでした。http://junosoft.net/
そこでヘリオがひたすらドットを打ち、私がゴリゴリプログラムを書いて、とうとう初めてのオリジナルアクションゲーム Ace of Wands を作りました。エースオブワンド体験版(Vector)
インディーズゲームの小部屋:Room#218「エース・オブ・ワンド」(4Gamer)
https://www.youtube.com/watch?v=s09G0jSloks
ヘリオはとにかく滑らかにアニメするドット絵を得意としてましたので、当然用意しなければならないドット絵の枚数も非常に多く、最初に作ったこのゲームの時点でも全キャラの全アニメ枚数を足すと1500枚ぐらいあったと思います。とても高解像度で作れるものではないので、当時としても低い解像度(320x240) でゲームを作って製作の負担を減らしていました。
当時はコミケでも販売していたので、ひょっとしたらヘリオと私から直接ゲームを買ったことのある方がいるかもしれません。
さらに当時はまだ出たばかりだったスマホ向けのゲームも作ってみようということで、Android端末を購入し GooglePlay で小規模アプリを販売したりもしていましたJUNO SOFT (Google Play) https://www.youtube.com/watch?v=ucVBJ2efMgw
特にバトルシティライクな戦車ゲーム、バトルタンクソード は思い出深く、デバッグでひたすら流していたタイトルBGMが脳裏に焼き付き、どこにいても音楽が聞こえてくるという具合でした。このゲームは唯一 Andorod と Windows の両方でリリースしたもので、もともと Android NDK を使って作っていたのですが、ほぼまるごと C++/OpenGL で記述したゲームだったので「あれ?これ Windows でそのまま動かせるんじゃ?」という流れで新ステージやキャラを足して Windows 版も作りました。バトルタンクソードW (DLsite) https://www.youtube.com/watch?v=qqN6xK4U-gM
そんなこんなでちょいちょいゲームをリリースしてはいたのですが、やはり全年齢向けの健全ゲームということもあって趣味全開にするというわけにはいきませんでした。そして2012年のある日「やっぱりエロにしよう。エロで趣味全開なゲームをつくろう 」とヘリオが言い出したのです。
ただ Juno Soft はあくまでも全年齢向けの健全なサークルとして残したかったので、それとはまったく別に Heliodor というサークルを立ち上げることにしました。
そしてまずはヘリオが好きなリリカルなのは、それもヴィータを題材にしたアクションゲームをつくることにしました。それがヴィータ大脱出 です。人気があって売れそうななのは やフェイト ではなく、あくまでもヘリオのお気に入りであるヴィータを主人公にする というのがポイントです。ただ、リリカルなのはを見ていないと楽しめないというゲームにはしたくなかったので、原作を知らない方でもすんなり遊べるようにしました。
このゲームは大成功し、たくさんの皆様に喜んでいただくことができました。
次はいよいよブルマ少女があんなことやこんなことをされるオリジナルアクションゲームを…ということであやかし紅白戦 を作り始めました。ただ、この作業が簡単に終わるわけはなく、途中滅びの国の王女 を作ったりしましたし、ドット絵の作業量が多すぎてヘリオの作業待ちで私の手が空くことが多くなってきたため、るしまる堂様のゴブリンウォーカー のプログラムを手伝ったりしていました。ゴブリンウォーカー (DLsite)
最近の進捗では、あやかし紅白戦(全4ステージ)のうち1面はほとんど完成、2面は中ボス以外は完成、3面は中ボス、ステージボス以外が完成、4面は影も形もなし、という状態でした(4面は1,2,3面が完成してから作る事になっていた)
プログラム作業的にはボスのグラフィック待ちという状態でしたので、ヒマになるぐらいなら…と最近再びプログラムを手伝ったりしていました(もちろんその間ヘリオはずっとドットを打ち続けてました)。そのあたりの経緯は、るしまる堂様の記事に詳しく書いてあります「訃報記事」と「ダンエロプラス発売延期のお知らせ」
そして先日の事件につながります。
なんとかあやかし紅白戦の引継ぎを…というお声もいただきましたが、前述のとおりプログラムは元々すべて私が書いていましたので、実は引継ぎに関しては何の問題もないのです。
入院療養中にヘリオから今後のことについてメッセージのやり取りをしていたのですが、そのなかにはヘリオが作った全てのデータを譲渡することや、自分が死んだらヘリオの部屋にあるPCでログインして各種アカウントを引き継ぐ、という内容も含まれていました。とはいえ、そんなのはまだ来年の話だろうな、と思っていたのですが…。
というわけでご家族から「仕事に使っていた部屋をちょっと見に来てほしい」と連絡があって部屋に行った際に、事情を説明してヘリオのPCでアクセスしてアカウント情報を変更し、ようやく私自身が Heliodor の Ci-en サイトにログインできるようになりました。それが 10月30日(土)の出来事 でしたので、訃報記事が本当にギリギリ月末に間に合ったという感じです。
あれから1週間以上が経過し、ようやく私も落ち着きを取り戻してきました。
ヘリオドールの活動は終わりましたが、るしまる堂様と進めていたプログラムは未完成ですので、このダンエロプラス が終わるまではこれまで通り作業を進め、それが終わったらいよいよ就職活動かな…と考えております。
なお、実はもうひとつヘリオが進めていたゲーム製作、ハーキュバス(仮) があるのですが、それについてと、へりおが入院してからの様子などは、はまらん様のところで詳しい記事を読むことができますサークルHeliodorのへりおさんについての話とこれ見た奴全員今すぐ全身MRI検査予約しろって話と
ちなみに入院中ヘリオはしきりに「ChillOut なるドリンクがあるらしい。ぜひ飲んでみたい」と言っていましたので、探してきて一杯やるつもりです。みなさまも、もし売っているところを見かけることがあれば買って飲んでみてください。
追記
というわけで海ほたるでようやく発見したので買ってみました。
ヘリオに捧げます