ヒロイン工学研究所 2021/06/11 00:23

「バッドエンドシミュレーション Vol.5」制作後記 その1

生真面目ヒロインを弄ぶための遊び人キャラ

今回のメインヒロインはいわゆる優等生キャラです。勉強でもスポーツでもあらゆる方面で高い能力を示す完璧なヒロインですが、パーソナリティーとしては天才タイプでもなければガリ勉タイプでもなく、強いて言えば「すべてのことを着実にしっかりこなす」タイプです。
こうしたタイプの特徴は、明確な目標を設定して、それに至るためのステップをしっかりと自分の頭の中で構築できるところにあるんじゃないかと思います。
でも逆に言えばそれは「問題に取り組むときに自分の頭の中で構築したロジックにとらわれすぎる」ということでもあります。
一見完全無欠に見えるこうした「しっかり者のヒロイン」の中に潜在する危うさを露呈させるために、敵キャラにはトリッキーで酔狂を好む遊び人タイプのキャラを持ってきました。遊び人と言っても現代のチャラ男的なキャラではなく、粋でいなせな江戸時代の遊び人のイメージです。


「可愛い女を苛めて泣き顔を見ながら酒を飲むのが好き」
という何とも残忍で悪趣味なキャラですが、基本的に風流を愛するところがあり、決して粗暴ではありません。あえて古風な性格をもたせたのは、老舗旅館という舞台にマッチさせたかったのかもしれません。

複雑なデザインの方が楽という逆説

企画段階でメインヒロインを決めたときにまず最初に心配したのは、今まで描いてきたセーラー戦士に比べてキャラクターデザインがはるかに複雑であることから、途方もない労力が必要になるのではないかという点でした。
ところが、実際にはむしろ逆で、制作が始まると感じたのは「やりやすさ」でした。
主な理由は二つあります。
まず第一に、デザインが複雑である方がその複雑な構造さえちゃんと押さえていれば、そのキャラらしく見えるし、絵の見映えも最低限約束されるということがわかったからです。シンプルなデザインの方がたしかに簡単に描けるのですが、シンプルなのにそのキャラらしさが伝わって、かつ見映えが良い絵にするというのは実際には結構難しいことで、結局そのために悪戦苦闘する労力の方が大きくなってしまうわけです。
第二の理由は、ヒラヒラした長いパーツをくねらせることで、比較的簡単に構図を設計したり、ニュアンスを出したりすることができるという点です。今回の作品では特徴的なヘアスタイル、ドレスの裾部分、スカーフが絵作りのために非常に役に立ちました。

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