ヒロイン工学研究所 2023/03/28 23:45

「バッドエンドシミュレーション Vol.5 add'l」制作後記_1

ファンタジー色のある漫画

読者アンケートで頂いたご意見の中に「バトルで戦闘不能に至るまでの過程をもっとしっかり見たい」という要望があったので、今回はVol.3のadd'l版以来となる本編のコミック化に挑戦しました。基本的な展開は本編と同じですが、盛り上げるためにいくつかリョナシーンを追加しています。
リョナやヒロピンをテーマにした漫画作品はこれまでにも「敗姫処分」シリーズでいくつか制作してきましたが、格闘ゲームの世界の暴力性で描いてしまうと作品の世界観を壊してしまうと思ったので、キラキラしたファンタジー的な作品世界に馴染むような表現を模索しました。普段キラキラした世界とあまり縁がないので、資料集めの段階から難航しましたが、やはり輝いた状態があってこそそれが曇る瞬間が映えるわけなので、こうした対極的な表現にも慣れていかなければいけないと思いました。
また、ある種のファンタージ志向の作品ではリアル志向の作品よりも絵本的な抽象性が優勢となるので、バトルシーンでの展開・構成・コマ割りも当然違ってくるはず(子供向けに描かれた一寸法師の漫画のバトルシーンとリアルなボクシング漫画のバトルシーンを想像してもらうとわかりやすい)だと気付きました。そのことをはっきり認識できたのは良かったのですが、どうすれば絵本的なバトルシーンが描けるのかまではわからず、今後に課題を残すことになりました。

ストーリー性のあるCG集

今回の追加シーン集は本編の後日談として敵が再び旅館を訪れて接待を要求するという設定でシーンを展開させました。これはアンケート回答の中にあった「イムカツキーには是非とも再び来館してほしい」という要望から考えたもので、そうした状況設定をわかりやすくするために導入部パートも用意しました。
これにより今までのadd'l版よりもストーリー性が出て、シーン全体に一貫したまとまりが生まれたのは良かったのですが、実際にやってみると良いことばかりではありませんでした。
まず、ストーリー性があるせいで逆にストーリーの流れの中に上手く位置付けられないようなシチュが盛り込めないという難点がありました。また、ストーリー性を導入するならいっそのこと台詞まで導入すべきだったんじゃないかという気もしています。しかし、台詞を入れるとなると台詞の内容や展開の構成に絵を合わせなければならず、また構図の制約も大きくなるのでその分だけ絵の自由度が下がります。
制作を終えてみてわかったのは、ストーリー性の導入は何らかの形で追加シーンのシチュや絵の自由度を拘束することになり、add'l版という形式と上手くなじまない部分も出てくるということでした。
今回のアンケートでリクエストされた内容の多くは「敵が後日来館して接待を要求する」という一連の展開に組み込みやすいものばかりだったので、今作について言えばそれほど問題にはならなかったのですが、場合によっては先ほどあげた点がネックとなってやりにくくなってしまう可能性もあると感じました。

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