「バッドエンドシミュレーション Vol.4 add'l」進捗報告_1
「バッドエンドシミュレーション Vol.4 add'l」の進捗報告として、サンプルで公開予定のイラストの制作過程をアップしていきたいと思います。
まずはラフイメージ。
ナブールとカラームに左右から脚を持ち上げられているシーンです。
悪役兄弟のコンビ感を出すためにこういう構図にしてみました。
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ヒロイン工学研究所 2020/05/30 20:56
今後また漫画制作をするときのために今回の制作の大まかな流れを記録しておきたいと思います。
どんな制作でも最初の取材と準備が大切なので、まずは制作に使えそうな情報や素材を収集しました。集めた情報は主に
・過去作品のアンケート結果
・原作に関する情報
・ゲームのプレイ動画
・舞台となる場所に関する情報
・創作論・テクニック
などです。
原作に関する情報は設定画やプロフィール情報の他、ゲーム中の台詞などの資料を集めました。
ゲームのプレイ動画では絵になるモーションをキャプチャして画像資料として集める他、「この技を出したらこの技で返された!」のような劇的な展開がプレイ動画の中にあった場合にはアイデア用にその展開と動画のURL、再生位置を一緒に記録しました。
場所に関する情報は背景画を描くときに必要ですし、場所情報からアイデアが浮かぶことも多いので、作品で使えそうな場所をストリートビューで探してURLを記録しました。主に調べたのはスペインの闘牛場とドイツ・オーストリアあたりのお城です。
また、すでに読んだ脚本術などの創作論の本(Kindle)をハイライト部分だけ全部読み直して、今回の制作に役立ちそうなものをピックアップしました。
画像以外の資料用のデータはすべてアイデアや考察のメモと一緒にExcelに記録し、何の参考用のものかわかりやすいように「バトル」とか「台詞」のようにタグを付けました。
情報収集とアイデアメモは基本的に同時並行です。
たくさんの情報に接しているとそこで刺激されてどんどんアイデアが出てくるので、何でもいいのでとにかく頭に浮かんだものはすべてExcelにメモとしてタグを付けて残しました。例えばそのメモがラストシーンの台詞に関するものならば「ラスト」「台詞」などのタグをちゃんと付けておくことが何よりも重要で、こうしておけば行き詰ったときにたくさんのアイデアを瞬時に検討できます。
ちなみにこれがメモデータの一部。
この段階ですでにシーンに関する断片的なアイデアも相当数出ています。それらを並べながら構成を検討し、ラフな脚本のアウトラインを作ります。シーンのメモを並べ替えたり、別の物に変えたりしながら全体像をチェックする作業なので、ネームを描きながら検討するよりもはるかに楽でした。
ただ、制作後記でも書きましたが、このときに脚本として作り込んだ部分は実際にネーム段階で漫画的表現にするときにかなり翻案とやり直しを余儀なくされました。その原因は「この脚本が漫画の形になったときにどうなるか?」をイメージする力が脆弱だったことにあると思っています。
取材・準備の段階からずっと練習目的でラフスケッチは続けていましたが、脚本と漫画化イメージが上手く結び付かないときの橋渡しとしても機能することが途中で分かったので、シーンのアイデアは言葉で記録するだけでなく、なるべく漫画化した場合の実際のシーンをイメージしてラフイメージも描くようになりました。
このラフイメージはネーム作成のときにコピペしてそのまま使ったり、ネーム上で複数案を比較検討するときに大活躍したので、たくさん描いておいても損はないです。もちろん練習にもなるので一石二鳥です。
ストーリーのアウトライン、キャラ立て、台詞などはラフな脚本で大体確定しており、実際のシーンをイメージしたラフスケッチもそれなりにあるので、それに基づきながらネームを作っていきます。
ここまでの準備や蓄積があるのでこの作業はいきなりネーム作成に取り掛かるのにくらべて相当楽なはずです。ただし、私の場合は漫画制作の経験が浅いので、それを差し引いてもネーム作成にはそれなりに苦労しました。制作後記にも書いた通り、この辺は完全に泥縄式に進めていきましたが、これはもう制作工程の組み方とは関係なく避けては通れない苦労だったと思うので、ここでは触れません。
おそらく漫画制作に慣れている人のネームは仕上げイメージがその中でばっちり出来ているのだと思うのですが、私はまだそんなレベルには程遠く、必要なニュアンスや迫力が出なくてネーム段階に戻ることもありました。これも作業工程の問題というよりも漫画経験の浅さの問題だと思うので、ここでは触れません。
以上が今回の漫画制作大まかな流れで、脚本とネームの橋渡しをもっとスムーズに出来れば、基本的にはこのままの形で次回以降も踏襲していいのではないかと思っています。
最後に強調しておきたいのが、Excelへのメモ書きの蓄積は絶対に必要(ただしデータ管理にどのソフトを使うかは自由)だということです。これは中盤での試行錯誤や制作に行き詰ったときの解決のスピードを格段に上げてくれるだけではなく、制作後にも貴重なものを残してくれます。それは次の制作にも使える教訓やチェックリストです。作品のクオリティを上げるために注意すべきポイントなどは、制作から離れているときにはあまり浮かびませんが、最前線にいるときはどんどん湧いてきます。自分が自分のために作った要点集は確実に次の制作でも活躍するので創作をする人間にとっては貴重な財産になります。
というわけで完成した漫画がこちらになります。
強気なヒロインが追い詰められ完全敗北するまでの姿を描いたソフトリョナ・ヒロピン漫画です。
ヒロイン工学研究所 2020/05/22 23:32
久しぶりに敗姫処分シリーズ作品を制作するに当たって、まず最初に取りかかったのは、2015年に制作してpixivで公開した「敗姫処分 不知火舞」に寄せられた感想を熟読することでした。その中で今回の制作に直接役立ちそうな意見をすべて書出して要約し、さらにその中からピックアップしたキーワードを並べて作品の骨子としました。
それが、
「ピンチの連続」
「ダメ押し」
「締め付け」
の三つで、ネームの推敲のときなどは特にこの三点を意識して弱い部分の補強などをしました。
「リョナ・ヒロピンシーンはストーリー展開の中でこそ映える」というのがヒロイン工学研究所の原点なので、漫画制作の上でもやられシーンのインパクトのみが独り歩きしないように最低限のストーリーとその中でのキャラ立てを心掛けました。
ちょうど制作開始の直前まで脚本術の本を読んで勉強していたので、今回はそのやり方にならい、まずは大量のメモを作成してストーリー構成を検討しました。メモ段階ならいくらでも大幅な変更を試すことができるので、ネーム段階で試行錯誤するよりもずっと合理的だと思ったからです。この判断は半分正解で半分間違っていました。
正解だったのは、ネーム以前の段階でストーリーに関する検討を徹底的にやっておくという部分。間違っていたのは、しっかりと脚本を固めてからの方が漫画も描きやすいはずという部分です。
間違いに気付いたのは、大体脚本が固まって試しに少しネームを描いてみたときでした。脚本があるお陰でストーリーとキャラ立てに迷うことはありませんでしたが、いくら脚本ががっちり作ってあってもそれを漫画的表現に変換するためには結局ネーム段階で試行錯誤が必要で、最終的にはかなりの部分を漫画用に翻案することになりました。そういう部分はむしろ脚本では作り込み過ぎないでネーム以降に丸投げしてしまった方が良かったのに、その辺の匙加減がよくわかっていなかったわけです。
そこで途中からは方針を若干転換して、アイデアは言葉だけで考えないで「絵にしたときにどういうイメージになるか?」ということを考えながらラフスケッチを描くことにしました。そこでたまったスケッチは脚本をネームに翻案するときにかなり役立ったので、もしもまた漫画を制作する機会があったら、次回以降はこの方法を踏襲したいと思います。
ヒロイン工学研究所 2020/05/21 20:20
昨日本登録の申請を終えました。
問題がなければ5月23日(土)に公開予定です。
⇒作品ページへ
本編は表紙などを含めて61ページです。
ヒロイン工学研究所 2020/05/10 20:53
まだ本編の作業が終わっていませんが、予告ページの開設が完了したので、報告いたします。
なお、ブログサービスの終了にともない、ブログに載せていた過去の「敗姫処分」のページをCi-enに移転しました。