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同人制作の記事 (126)

ヒロイン工学研究所 2023/03/28 23:45

「バッドエンドシミュレーション Vol.5 add'l」制作後記_1

ファンタジー色のある漫画

読者アンケートで頂いたご意見の中に「バトルで戦闘不能に至るまでの過程をもっとしっかり見たい」という要望があったので、今回はVol.3のadd'l版以来となる本編のコミック化に挑戦しました。基本的な展開は本編と同じですが、盛り上げるためにいくつかリョナシーンを追加しています。
リョナやヒロピンをテーマにした漫画作品はこれまでにも「敗姫処分」シリーズでいくつか制作してきましたが、格闘ゲームの世界の暴力性で描いてしまうと作品の世界観を壊してしまうと思ったので、キラキラしたファンタジー的な作品世界に馴染むような表現を模索しました。普段キラキラした世界とあまり縁がないので、資料集めの段階から難航しましたが、やはり輝いた状態があってこそそれが曇る瞬間が映えるわけなので、こうした対極的な表現にも慣れていかなければいけないと思いました。
また、ある種のファンタージ志向の作品ではリアル志向の作品よりも絵本的な抽象性が優勢となるので、バトルシーンでの展開・構成・コマ割りも当然違ってくるはず(子供向けに描かれた一寸法師の漫画のバトルシーンとリアルなボクシング漫画のバトルシーンを想像してもらうとわかりやすい)だと気付きました。そのことをはっきり認識できたのは良かったのですが、どうすれば絵本的なバトルシーンが描けるのかまではわからず、今後に課題を残すことになりました。

ストーリー性のあるCG集

今回の追加シーン集は本編の後日談として敵が再び旅館を訪れて接待を要求するという設定でシーンを展開させました。これはアンケート回答の中にあった「イムカツキーには是非とも再び来館してほしい」という要望から考えたもので、そうした状況設定をわかりやすくするために導入部パートも用意しました。
これにより今までのadd'l版よりもストーリー性が出て、シーン全体に一貫したまとまりが生まれたのは良かったのですが、実際にやってみると良いことばかりではありませんでした。
まず、ストーリー性があるせいで逆にストーリーの流れの中に上手く位置付けられないようなシチュが盛り込めないという難点がありました。また、ストーリー性を導入するならいっそのこと台詞まで導入すべきだったんじゃないかという気もしています。しかし、台詞を入れるとなると台詞の内容や展開の構成に絵を合わせなければならず、また構図の制約も大きくなるのでその分だけ絵の自由度が下がります。
制作を終えてみてわかったのは、ストーリー性の導入は何らかの形で追加シーンのシチュや絵の自由度を拘束することになり、add'l版という形式と上手くなじまない部分も出てくるということでした。
今回のアンケートでリクエストされた内容の多くは「敵が後日来館して接待を要求する」という一連の展開に組み込みやすいものばかりだったので、今作について言えばそれほど問題にはならなかったのですが、場合によっては先ほどあげた点がネックとなってやりにくくなってしまう可能性もあると感じました。

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ヒロイン工学研究所 2023/03/28 23:45

「バッドエンドシミュレーション Vol.5 add'l」制作後記_2

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イラストを加工してアニメ化

今作ではかなりの時間と労力を漫画制作に費やしてしまったので、映像作品の割合はその分だけ縮小することになり、アニメーションも一から作るのではなくすでにあるイラストを元に作ることにしました。
映像化するならアンケートでも好評だった変身解除シチュにしようということは企画段階から決めていましたが、本編に登場する失神状態から変身が解けるシーンを映像化するよりも、add'l版で追加した陵○中に変身が解けてしまうシーンを動かした方が陵○シチュも加わる分だけ見応えがあると思い、イラスト制作を最終調整までしっかり終えてから後者のシーンのイラストをアニメーション化しました。
イラストを加工してアニメーションに仕立て直す手法はすでにやったことがあった(↓下記Twitter記事参照)ので、方法そのもので悩むことはなかったのですが、久しぶりのアニメーション制作だったので、髪の揺れとか竿役の腰使いとか動きのニュアンスを出すのが大変でした。基礎力が脆弱だと表現を簡単にしても結局時間がかかってしまうということを痛感しました。逆に言えば、基礎力が向上すれば諸々の作業時間全般が短縮できそうです。
https://twitter.com/heroinekougaku/status/1471819699864621059



ループ映像の研究

制作時間の関係上、あまり凝ったものは作れないので、映像作品は固定したアングルからのシンプルなループ動画にすることにしました。そこで課題となったのは、アングルに変化のないループ動画の単調さの中でいかにしてメリハリを出すかということです。
一番目立つところでは、変身が解けかけてコスがぼやけて発光したり、最終的にコスが光の粒子になって霧散していくエフェクトが節目と展開を作ってくれるのですが、それ以外のアイデアが浮かびませんでした。
そこでpixivで魅力的なループGIF動画を漁って研究をしました。カットを入れてアングルを変えたり、新しいキャラクターやアイテムを画面内に参入させたりするなどリズムやメリハリを生む方法は色々ありましたが、どれも新たに労力を必要とするものばかりで使えませんでした。しかし、そんな中で比較的簡単に出来てしかもキャラクターのリアクションにニュアンスを与えてくれる良い方法を発見しました。それは「違う表情のチラ見せ」です。
例えば陵○の最中に口と目をギュッと閉じて堪えているヒロインが、一瞬だけ目を半開きにしてトロンとした瞳を見せたり口をだらしなく開ければ、ヒロインが快楽に抗いながらも堕ちそうになっていることが伝わりますし、その表情が現れるタイミングや頻度を調整することによって堕ちレベルも伝えることが可能です。基本アニメーションの中に違う表情のアニメーションの差分を導入する労力はかかりますが、変わるのは目や口の部分だけなのでそれほど大変でもありません。あとは映像編集でチラ見せのタイミングを調整するだけで表現の幅を広げることができるので、費用対効果を考えれば挑戦する価値はあります。
正直、これを発見したときには「よし、これでいける」と思いました。しかし、結論から言うと、完全には上手くいきませんでした。というのは、途中で気が付いたのですが、この効果を十分発揮させるためにはやはり全身レベルでリアクションに変化(それがどんなに微妙は変化であっても)をつける必要があるからです。土台となる既存のアニメーションの上に別の表情アニメーションだけを別レイヤーで乗せることを考えていたのですが、全身レベルでリアクションに変化を付けるとなるとアニメーション作成段階まで戻ってやり直す必要があります。しかし、それに気が付いたときには作業はすでに映像編集の段階まで進んでいたので、かなりの量の作業がやり直しを余儀なくされます。すでに3月下旬公開予定で予告ページを開設してしまった後で、もうこれ以上時間をかけられない状況でした。
結局妥協して、ちょっとした表情のバリエーションを加えただけで、全身レベルでのリアクションの違いは導入しませんでした。実を言えば他にも色々と試してみたいことがあったのですが、今回は諦めることになりました。制作中には色々と重要な発見があって有意義なのですが、制作というものはどんどん進んでいくものなので、残念ながら気付いたときにはもう手遅れということもあります。今回得た知見は次回作以降に活かしたいと思います。

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