すらまん牧場 2022/05/02 17:00

フレームレートや映像の補間についてのベストを探る。

こんにちは!
今回は、今の自分の状況で動画作品のフレームレートを何に設定すべきか、ということを探っていこうと思います。

動画のフレームレートでは、24fps、30fps、60fpsなど一般的な基準が存在していますが、これまでの自分の動画作品では、最終的に60fpsになるよう作成してきました。それは、一般的なPC環境が60fpsでの表示に対応していることと、30fps以下の動画に少しカクつきを感じるという自身の経験から決めたことです。

しかし、最近になってそれが正解ではないような気がしてきました。60fpsで動画を作成することで生じる問題もあるからです。
具体的には、以下の2点が自分の中では問題になっています。

1.3DCGのレンダリング時間が非常に長い
2.作品の展開方法(配信方法)によってはフレームレートが落ちることがある

1は初めて動画作品を作成したときから分かっていたことで、30fpsと比べて60fpsの動画のレンダリングは単純に倍の時間がかかります。
例えば1フレームを1分でレンダリングした場合(これはかなり速くレンダリング出来ている想定です)、60fpsでは1秒の動画に60フレーム必要ですから、出来上がる動画の時間に対しレンダリング時間は3600倍かかる計算になります。仮に30分の動画を作るとすると、レンダリングだけで〈1800時間 = 75日 ≒ 2カ月半〉という長い時間がかかります。1フレーム1分という高速なレンダリングで、かつ一切のタイムロスが生じない想定でもそれだけかかるので、実際にはその倍ぐらいかかってもおかしくはありません。複数台のPCを使ってレンダリングを回すという方法もありますが、そのための環境を整えるにはかなりのコストがかかるため、今の僕の状況ですぐにとれる対応ではありません。

ではこれまでどうやっていたかというと、フレーム補間です。30fpsで書き出したあとで、60fpsになるよう動画編集ソフトウェア上で足りないフレームを前後のフレームから推定して生成していく処理をかけるのです。非常に優れた機能ですが、動きの激しいところでは前後のフレームで画の違いが大きくなるため、どうしても映像が破綻してしまうことがあります。「催淫姉妹」でも、フレーム補間ではどうしても許容できない破綻を生じるシーンがあり、そういうシーンは補間無しで60fpsになるよう再レンダリングをして対応しました。
この「チェックとやり直し」という行為のために二度手間・三度手間になることもあるので、これが頻繁に発生するようではせっかくの時間の節約効果が薄れてしまいます。そのため、なるべく書き出すフレーム数が半分で済む30fpsで書き出しつつ、手間のかからない別の手法を探る必要がありました。

2は最近になって気にする必要がでてきたことなのですが、作品の展開の仕方によっては60fpsでユーザーさんに届けられないケースがあるということです。例えば、DVDやBlu-rayのパッケージの場合は仕様上約30fps(29.97fps)になるようなので、元が60fpsで作ってあっても最終的に30fpsまで落とさざるを得ません。また、ネット上の動画配信においても、30fpsを上限としているケースはあり(Ci-enやchobitも恐らく30fps上限)、そういった状況を踏まえると60fpsで作っているよりも30fpsで滑らかに見えるように作っているほうが都合が良いように感じます。

そういうわけで「30fpsで滑らかに見える動画を作る」のが今回の研究主旨となります。
使う動画は以下のものです。
左が60fpsでレンダリングしたもの、右が30fpsでレンダリングしたものです。いずれもフレーム補間等の処理は行っておらず、動きのなめらかさはレンダリングしたままの状態です。

30fpsの方も、単体で見る分にはそれほど悪くはないのですが、60fpsと並べると滑らかさに大分差を感じます。特に、竿役のピストンの動きの速い部分ではフレームが足りていない印象を受けます。

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