ダラナ 2024/04/12 20:04

BL短編集「ヌードモデルになったら美術教師に筆おろしされちゃった」試し読み


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【ヌードモデルになったら美術の先生に筆おろしをされちゃった】



高校でのはじめての美術の授業で俺は一目惚れをした。
美術の教師、門田先生の筆遣いに。

しなやかで優美に筆が滑るのに見惚れて、夜にはその筆で体を撫でられて夢精したことで、いろいろと自覚。
童貞のお年ごろとなれば、頭を抱えるのだろうが、俺は短絡的でやりたいことには猪突猛進だから。

翌日、美術準備室のドアを叩きつけて叫んだ。

「先生!まさに、その筆で俺に筆おろししてください!」

筆を止めた門田先生は「いやだ」と即答し、苦虫を噛み潰したような顔を。
「無視されなかった!」と前向きにとらえた俺は、柔道部に入部。

ガチムチになってヌードモデルとして売りこむ。
「裸体を多く描いているらしい」との噂の門田先生だから、きっと跳びつくだろうし、描いているうちに俺のナイスバディに悩殺されて、耐えられず筆を・・・。





【半妖の狐と狸が精気を求めて俺の胸にむしゃぶりつくんだが】



俺の家族は動物愛好家で、日々、保護活動に精をだしている。
一人息子の俺も、よく犬や猫を拾ってきたり、行き倒れの野生動物をつれて帰ったり。

おかげで動物の扱いには慣れていたが、その日、山道で見つけたのは狐と狸。
この二匹が額をくっつけるように倒れているとは、なんとも珍妙な光景。

早速、抱えて帰宅して、知りあいの獣医に看てもらうも、外傷はないし病気でもなさそうとのこと。
「そんなに痩せていないし、見たところ健康体なのに、起きないのが不思議」らしい。

心配でしかたない俺は、ふだん野生動物とは距離を置くところ、家では二匹につきっきり。
寝るときも、そばで眠りについたのだが。

どうも胸がむず痒くて「うう・・・」と瞼を上げると、体になにか乗っているよう。
胸あたりに人の頭が揺れるのが見え、体にはその体重がかかっている。

まだ寝ぼけながらも「はう、ああ、ああう・・・」とみっともない喘ぎを漏らしてやまず。




【白魔導師になった俺は早速エッチな魔法を使ったが、悶えて鳴く男に辛抱たまりません】



俺が今、はまっているゲームでは、回復魔法がエロい。
負傷したキャラに魔法をかけると「ああ、ん、んあ、ああう・・・!」と体をくねらせて喘ぐのだ。

女のキャラしか反応しないから、男プレイヤーを引きこむ餌なのだろう。

この魔法は体力を回復するのはもちろん、体が毒されたり石化されたりと、どんなステータス異常も治す万能で上等なもの。
故に、課金しないと使えず。

ええ、ええ、そりゃ、まんまと俺は釣られて金を注ぎこみ、なんなら女キャラが健康体でも回復魔法をかけて、その痴態を鑑賞。
「あくどい商売をしやがって!」と悪態を突きつつ、課金地獄に陥っていたのだが。

その日、会社の飲み会がビルの屋上で開催され、酔っぱらった俺は柵を乗り越えて落下。
「まぬけな死に方だ」と嘆く間もなく意識消失し、次の瞬間、跳ね起きたら、そこは課金しまくっていたゲームの世界。

転生したようで、なんと俺はエロイ回復魔法を使える白魔導師に。
「よっしゃあ!これで課金せず、エッチな女の子を見放題じゃあ!」と浮かれて、早速、仲間である露出度が高い女剣士に魔法を。

が、風呂に浸かっているように「はあー」と表情を緩めてため息をついただけで「ありがとうね」とけろり。
ゲームでは「ああん!」と豊満な胸を揺らしていたはずが。





【マッサージ師の俺は「抱いて」と乞われるほど悪役令息を懐柔する】



若くして俺はマッサージ店を経営。
高い技術力でもって評判を呼び、店は繁盛。

マッサージの腕が立つからだけでなく、聞き上手なのも受けているのだと思う。
人一倍好奇心旺盛な俺は、どんな話にも興味深く耳をかたむけるから。

今、施術をしている常連客の女性は、いつも乙女ゲームの話を。
乙女ゲームというと、よりどりみどりなイケメンに囲まれ、ちやほやされながら疑似恋愛をたのしむ、なんてイメージがあるも「これが、うまくいかないのよ!」と金切り声。

ほとんどのイケメンはヒロインに好意を持っているが、悪役令息だけは別。

パーティーで悪役令息のセノスが、身分の低い令嬢を笑い者に。
それを庇って反撃をし、逆にセノスに恥をかかせたことで、恨みを買ったという。

「人の恋を邪魔するわ、悪評を立てて貶めようとするわ、鬱陶しいったらない!
でも、適切な対処をしないと、王への不敬罪に問われて処刑されるのよ!」

乙女心をくすぐるゲームにして、ヒロインの死によるゲームオーバーがあるとは。





【BLのデスゲームで次次と男が襲ってくるのに俺の身がもたない】



俺はデスゲームが大好物。
映画、小説漫画、ゲームなどあらゆるエンタメを享受。

このごろ熱を上げているのはデスゲーム×十八禁のBLゲームという異色のもの。

ある日、すべてのドア、窓などに頑丈なシャッターが降りて、校舎内にいる人は閉じこめられる。
皆が困惑して、ざわつくなかアナウンスが。

校舎にしかけられた罠を回避し、謎解きをしてアイテムを入手し、生徒や教師皆で殺しあいをすべし。
最後に生きのこった二人だけが学校から脱出できると説明。

生きのこれるのは二人となれば、相棒を得ようとするだろうが、そこはBLゲームだから。

相棒になると途中で絶対にエッチをするし、ナイフを突きつけられたとき身を差しだせば命をとりとめられ、抵抗すれば殺される。
時には二人が取りあって3Pに突入したり、やけくそになった軍団に襲われて輪○されたり、エッチイベントが盛りだくさん。

がっつりBLゲーム要素が含まれながらも、デスゲームとしての面白味もある。
ので、浮き浮きとプレイをしているのだが、そういう趣味でないに十八禁シーンは見ていられず。

お色気シーンをなるべく視界にいれないようにしつつ、BLだからこその独特な世界観を堪能したところ。





【旅館の部屋風呂で熱を持て余す俺の体を見えない手がまさぐる】



日日、仕事で多忙を極めていたが、なんとか有給休暇を勝ちとり彼女と温泉旅行へ。
平日に予約をとったからか高級旅館に格安で泊まれることに。

「二泊三日、彼女といちゃいちゃエッチしまくるぞお!」と意気ごんだのだが。

旅館に着いて部屋に案内されたまでは彼女も上機嫌。
が、俺がトイレからもどると、スマホを片手に睨みつけたもので。

スマホの画面には浮気相手の彼女の名前。
スピーカーフォンになって「ちょっと誰よ、この女!」と喚き声が。

「最低!」と彼女が帰るし「彼女いたんかい!糞野郎!」と浮気相手にも絶交されるし。
自業自得なれど、どきどきわくわく破廉恥な温泉旅行が台なし。

そりゃあ彼女に逃げられたあと一人で温泉旅館に泊まるのは虚しかったが。
せっかくの高級旅館だし、お金ももどってこないからと宿泊続行。

とりあえず、服を脱いで部屋にある露天風呂へ。

熱い湯に浸かれば、冷えきった心に染みるし、有給をとるために酷使した体も癒される。
だけでなく、腰がむず痒くなってむらむら。

旅行にくるまえ、露天風呂でのあれやこれやの妄想をしたから。
つい股間に手を伸ばすも、やっぱり傷心だからか絶頂まで至らず。

「やっぱなんか虚しい」と手を退け、半端に高ぶった体が鎮静するのを待っていたら。

にわかに両乳首がうずうず。
お湯の波が当たって、こそがしいのかと思ったが、どうも手の感触がするような。





【武勇伝を盛りすぎた勇者は狂信的なストーカーに食いつくされる】



俺は勇者ながらに虚栄心が強く、虚言癖のきらいがある。
おかげでつい武勇伝を大袈裟に吹聴しがち。

といっても戦闘については仲間がいるから下手に嘘を吐けないし。
まあ、俺は破格に強いから、自慢する必要もないのだが。

そう武勇伝でも、皆に語られたいのは勇者の強さや戦いぶりではなく「いかにモテるか」だ。
勇者たるもの世の女性すべてからモテていると思われたい。

が、悲しいかな現状では女性たちは見向きもせず。
そこそこ顔がよく愛嬌のある俺にして「勇者」の肩書を持てば、モテそうなものだが、なにせ仲間に見目麗しき剣士がいるから。

それこそ世の女性すべてからモテるような美青年。
そばにいれば、俺の月並みな容姿も「勇者」の肩書も霞むというもの。

なんて勇者として面目丸潰れだから、ついつい嘘のモテ自慢をしてしまうわけだ。
「あー朝日が昇るまで、次次と女が部屋にくるから相手するの大変だったなあ!」とか。

ただし「あの町では・・・だった」と必ず過去形。
現代進行形では嘘がばれやすいからと、ほらを吹くのにも色々、考えているわけで。

自分発信ながら噂はあっという間に広まり、新たな村に着いたなら「いやあ、勇者様に世の女は虜ですな」と村長がよいしょ。
調子に乗って「じつは男にも、言寄られまくってるんですよお」と嘘の上塗り。




【やんごとなき侯爵令息は村人Aと一夜の過ちを犯したい】



俺は顔がそこそこ性格も人並みによく、勉強や運動は平均的にできて、これといった取りえのない平凡な人間。
生まれてこの方、スポットライトを浴びて人にもてはやされたことはなく、べつにそのことを憂うでもなく、平穏な日々を過ごしている。

基本、受け身で、ままよと流される、そのほか大勢の一人にすぎず。
一生、そうして冴えないまま、無難な人生を歩んでいくのだろうと思っていたのだが。

まさかの乙女ゲームの転生。
ただしメインのキャラでなく、名前のない村人A。

その立場にしろ環境も、前世とさして変わらず。
畑仕事をして狩りをして、五人いる兄弟の世話をする所帯じみた毎日。

たまに慰問に訪れる侯爵令息、イアンを遠目に眺めるだけで、ゲーム的なイベントは発生せず。
「遠くから見ても、やんごとないオーラが眩しいな」と完全に野次馬状態。

たいして日日、変わり映えのない退屈で平和な人生を、これからも送るのだろうと諦観した心境でいたところ。

その日、狩りにいったら天気が急変して土砂降りに。

狩猟小屋に避難しようとし、森の中を走っていたら途中で倒れている男を発見。
なんと侯爵令息のイアン。

急斜面を滑り落ちてきたよう。
足から出血しているうえ、雨で体を冷たくしては危険。

「乙女ゲームなのに、まあ色気のない遭遇だな」と思いつつ、イアンを背負って狩猟小屋につれていき治療を。




【筋肉質な看護師のむちむちの尻に俺の注射をぶっ刺したい】




入院する俺の担当の看護師は、筋肉質で力持ちの男。
どんな太った巨漢でも易々とお姫様抱っこするほど腕力がありつつ、女だらけの職場に馴染んでやっていけるほどコミュ力が高く、笑顔が爽やか。

両足を骨折するという重症での入院生活で彼が担当になってくれたのは、大変ありがたく。
いつも元気溌剌で励ましてくれるし、笑みを絶やさず下の世話もしてくれたし、今はリハビリを手伝ってくれているし。

「男版のナイチンゲールだな」と崇めつつ、どうも彼を見ていると邪心が。

だって、きつそうなユニフォームにその肉体美が透けて見えてしまうから。
むちむちの尻を突きだされた日には、目のやり場に困ってしたかない。

重症による長期入院、男しかいない部屋で過ごして溜まっているせいもあるのだろう。
彼の呼びかけに、にこやかに応じながらも「あー尻に俺の注射をぶっ刺してえ・・・」とむらむら。




【従弟は阿保犬のような股を濡らすほど俺を好きすぎる】



従弟の徹は俺を好きすぎる。

ほんとうは毎日、家に遊びにきたいらしいが、俺も徹も勉学に部活に多忙な高校生。
家同士は車で三十分かかる距離があり、通えるのは週に一回くらい。

まあ、週一なら頻繁なほうだが、会うたびに生き別れの兄弟と再会したかのように「兄ちゃあああん!」と抱きつく。
そのあとは俺にずっとくっついて、トイレにもついてくるほど。

翌日、朝練があるのを百も承知で、帰るときにごねまくり。
柱に抱きついて「いやだ!やめろおお!」とまるで今生の別れを迫られているかのように必死な抵抗。

叔母には「ごめんね」と毎度、困った顔をされるが、惜しみない愛情表現をされて俺は満更ではなく。
赤ん坊のころからのつきあいで、一人っ子とあり、弟のように慈しんでいたのだが。

徹がインフルエンザに。
俺は受験生だったし、なかなか治らなかったから一か月も会わず。

赤ん坊のころから週に一回以上、交流していたに、これほど長く会わなかったのは初めて。

一か月後、どれだけ徹がはっちゃけるかと思ったが、玄関先でうつむいたまま、もじもじ。
俺に近寄らず、話しかけず、叔母のそばにつきっきり。

それでいて叔母が「今日は特別に泊まっていいよ」といえば、断らずに俺の部屋に。
二人きりになったらやっと口を切って。

「こんなに会わなかったことないから、なんか恥ずかしくて・・・」


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