初めての同人誌制作05
ネーム後の作業について
全体の流れとしては
・ネーム
・下描き
・線画
・塗り(その他)
の順番で作業を進めていきます。
この工程について「ちょっとこうした方がいいかも」という案があるのですが、それは後ほど述べたいと思います。
下描き
下描きはネームを参考にしながら『そのあとに線画を引ける程度のクオリティ』でラフに描いていきます。
この段階でセリフなどもある程度入力しておきます。
セリフ位置などは後で調整するので中身だけ入力する形です。
この時点で三面図が非常に役に立ちました。
「袖の位置ってどこだっけ?」
みたいなバランスに関わるところを確認することができます。
…それでもコマによるキャラや服のバラツキは出てしまうんですけどね。
「コマによってキャラの顔が違って見える」と最初はすごい落ち込んでいたのですが、ある程度はしょうがないの精神でやることにしました。
顔のバランスって繊細なんですよね~
ちなみにこの下描きの工程は
「なんか上手くいかない!」
「これ本当に大丈夫?」
「なんかめっちゃ時間かかってる!」
と精神的に様々な不安が襲ってきます。
見た目に反して時間がかかる理由としては
・資料を探したり調べたりする
・「どんなポーズ(表情)にしよう?」と迷う
・下描きの下地(ラフ)を描いてからなので2度描いている
などがあると思います。
そんな苦労がありつつ出来上がるのが雑な線の絵なので不安が募ります。
気を強く持って頑張るしかないです。
線画
ここに関しては大多数の方と私のやり方は違うかもしれません。
ベクターレイヤーで線画を描いてます。しかも主に制御点(上記の赤い丸や四角)を移動して線を作っています。
おおまかなやり方としては
1.大体の線を書く
2.制御点を減らしてシンプルに
3.制御点を移動してラインを作る
という順番で描いています。
すごく面倒な作業のようにも見えるかもしれません。
でも私としては何度も描き直したり、消しゴムで削って線を整えたりするのがすごく面倒に思え、さらに出来上がった線が汚いのが嫌でした。
それなら制御点を一個ずつ移動した方がマシだと考えました。
たまに一発で悪くない線が描けた時は制御点をイジらないこともあります。
でもいずれ強弱の付いた勢いのある線を描きたいという願望もありますが……現時点ではこの手法が基本となっています。
さらにカチューシャと目は基本的に自作テンプレートで使い回しています。
これらのパーツを貼り付け、メッシュ変形などで形を整え、ハイライトなどを付ける感じで使用します。
これは時短という意味もありますが、下描きの段階で絵柄の安定感に不安を覚えたための対策でもあります。
「目は口ほどに物を言う」とはよく言ったもので、目の描き方がちょっと違っただけで「あれ? このキャラさっきと顔違うくね?」となったりします。
結局顔は安定しませんでしたが、これが無かったらもっと酷くなっていたでしょう。
…まあ実はこの手法は私の師匠的な人の受け売りなんですけどね。
それでも線画作業が始まるまでは「目くらい毎回描けばいいじゃん」と思っていたのですが、下描き作業を経て考えが変わりました。
ということで、私の絵は「描く」というよりも「パーツを配置する」という感覚に近いです。
何にせよ絵は自分のやりやすいやり方で描くのが良いのではないでしょうか?
線画のみの恐怖
線画を描いている最中にすごい不安がこみ上げてきました。
色というかグレースケールでの陰影などが付いていないため、絵がのっぺりとして見えるからです。
その不安が最高潮になったのが下記のコマです。
なにを描いているか分らない人もいるかもしれません。一応前屈みになってお尻を突き出しているシーンを後ろからの視点で描いています(※黒海苔は性器隠蔽です)。
ちなみにこれに陰影を付けたのがコレです。
これでやっと形も見えてきて、スパンキングされてる状態であることも伝わることでしょう。
…伝わらなかったらすみません。
今回は全ページの線画を描き終えてからグレースケールで色づけしていきました。
これが精神衛生上良くなかったです。
妙なストレスがかかってしまった反動でスケジュールもギリギリの中でカラーイラストを描いて精神を落ち着けたりもしました。
解決策はシンプルでページ単位で線画と塗りをセットで作業する事ではないでしょうか。
次回からはその方法を試したいと思いました。
塗りや仕上げ
う~ん、この工程に関しては「これがダメだった」とか「こうして良かった」というのが、それほどありません。
問題なくできたわけではなく、どうにか誤魔化してやったから正解がわからないというのが正直なところです。
背景をなるべく描かないようにグラデーションやエフェクトなどを使って抽象的な感じにしました。
まともな背景が写り込んでるシーンはかなり少ないです。
その少ない背景も素材を使って作ったので苦労はそれほどなかったです。
…逃げてばかりじゃ成長はないんでしょうけどね。
まあ制作期間的にも色々試したりする時間がなかったのは事実です。
時間のあるときに様々な手法を試してみたいと思います。
総括
漫画を描くってのは想像以上に大変なことでした。
絵を描く基礎能力不足も痛感しました。
結構時間もかかったし大変だったけど、色々学ぶことが多くて面白かったです。
苦労は多かったけど「もう二度と漫画を描くのは嫌だ」とは全然思わない。
絶対にまた漫画を描いてみたい!
その時には今回の反省などを活かしつつ、自分なりに良いものを作ろうと思います。