ふたさこ 2024/07/19 18:00

沼らないための創作手法:解説編

ふたさこのサクフウです。
苦痛の大きさは受ける時間の長さに比例します。
もしこの時間が0に固定されてしまったとき、我々は全員あの世行きでしょう。

さて前回からの続きです。
本編最後の登場キャラクター、大怪鏡を紹介しました。キャラデザはこちら。


このデザインは私の十数年の創作人生において歴史的作品と言えるものになりました。
なぜならこの作品を以て、沼ることなく作品を戦略的に完成させる手法がひとつの完成に至ったからです。

今回は実際に大怪鏡がどのように作られたのかを見つつその手法を紹介したいと思います。

が、長いので先に手法を紹介します。

注意点

この手法を取り入れることで良い作品ができるとは限りません。

あくまで沼にはまらず確実に作品を完成させることだけを主眼としています。多くの人の心を動かすような作品を作るには別のアプローチが必要です。

逆に言えば創造性を発揮する余地しかないので、創作の自由さが失われるのではないかと心配な人も安心な手法です。

実際今まで私はこの手法を使って不自由さや縛りを感じたことはまったくありません。

それでは解説です。
まずは創作者を苦しめ、ルーキーを亡き者にする沼についてです。

おい、沼にはまってしまったが?

沼にはまるとは、端的に言えば無意識的に損失の大きい試行錯誤をループしてしまっている状態のことです。

例えばイラスト。線画を描いたあとポーズがなんか違うと思ってまたラフからやり直してしまう。
例えば物語。あるシーンを書いたあとでなんか違うと思ってまた構成からやり直してしまう。

創作ではあるあるです。「作ったけど、なんか違う」、なんと憎らしいことか。

このように沼の損失の出し方は手戻りです。タイミングがあとになるほどそこまで来た手間の分損失は大きいです。

抜け出すには運よく良いアイデアを見つけるか妥協するしかありません。

これが一般的な沼の特徴です。

では一般的ではない沼とは?

私は特級沼と呼んでいます。一番やばい沼です。

ラッパが鳴った

特級沼。

人知れず消えた駆け出し創作者はおそらく全員こいつ飲み込まれてます。人知れず消えるので正確な犠牲者の数は永遠にわからないでしょう。

その特徴としてはアイデアを見つけることによって抜け出すことは不可能であることです。
そして出す損失は致命的です。

特級沼は必ず作業終盤に現れ、最初にこう言います。

「あそこを直したほうがいい、さもなくば妥協せよ」

確かに。あなたはそう思って該当箇所を直します。そうすると次にこう言います。

「あそこも直したほうがいい、さもなくば妥協せよ」

確かに。また直します。そうすると次にこう言います。

「やはりあそこは前のほうがいい」

さぁ地獄の始まりだ!
この門をくぐる者、一切の希望を捨てよ!

最初は作品が良くなったものの、そこからはどんどんグチャグチャになっていきます。
そうして心身ともに疲弊したあなたに向かって特級沼はこう言います。

「こりゃひどい。お前には才能がない」

そんなことはありません。ここまでやれてる時点でなんらかの才能はあると思われます。
が、疲弊したあなたの頭には響きます。そして最後にこう言います。

「0からやり直したほうがいい、さもなくば妥協せよ」

これが特級沼です。損失が最も大きい終盤で0からのやり直しを要求してきます。

かつて私は1年半かけて15万字程度の小説を3回作り直しこいつを本当に黙らせようとしましたが結局妥協を強いられることになりました。

断言します。特級沼は無敵です。倒すことはできません。

しかし現れないようにすることはできます。

その方法が創作で沼らないための第一手法です。

創作で沼らないための第一手法

この第一手法は2つの問いで構成されています。

1:作品を通して最終的に伝えたいことはなにか?
2:どうすれば伝えたいことを伝えられるか?

言わばこれは特級沼の出現を禁止する強力な呪文と言えるでしょう。

問いかけ、自ら答えるまでがセットです。
なにかを作るときまず最初に行いましょう。

これでたいていのものは特級沼に出くわすことなく完成させられます。
今回最悪ここだけ覚えてればいいです。

それではここから各呪文を詳しくみていきます。

第一の呪文「作品を通して最終的に伝えたいことはなに?」

人が作ったものには役割があり、その役割を果たすことが求められます。

コップであれば水をくむこと。鉛筆であれば紙に線を引くことが役割でありそれを果たすことができるようデザインされます。

ではイラストの役割とは?ドットアニメの役割とは?映画の役割とは?漫画の役割とは?小説の役割とは?物語の役割とは?

これらは一見、全く違うように思えますが役割は同じです。
それは「その作品を通して最終的にひとつの情報を伝えること」です。

これがこれらの創作系の役割です。

と、いっても私が勝手に定義しただけで本当はどうなのか知りません。
ただ作品を沼らずに完成させるいう点においてはこれで困ったことがないので概ね正しいのではないかと考えています。

なおゲームやキャラクターデザインでは役割が違うこともあるので注意が必要です。
それらについては最後に触れます。

ともかく創作系の役割はその作品を通して最終的になにかを伝えることです。

そして第一呪文ではそのなにかを決めるためにあります。

これはこの記事において一番重要なことです。
創作系の役割と第一呪文さえ覚えてくれればあとの内容はもういいです。

それではここからは第一呪文の運用方法について紹介します。

第一呪文は最初に唱える

なにか作品を作ると決めたらまず最初に第一呪文で問いかけてください。

「作品を通して最終的になにを伝えたいのか?」

なにを伝えるかは作品が単体で完結するならなんでも構いません。伝えたいことを伝えましょう。

私が今作ってるふたなりネーロエとエロトラップダンジョンver2のシナリオは最終的に「ふたなりはいいぞ」を伝えるためだけに作られています。

最初のうちは作りたいアイデアに対して自分はどう思うか考えてみるといいかもしれません。それがそのまま最終的に伝えたいことになり得ます。

例えば能力バトルもの作るとして、あなたはみんなが思いもよらなかった能力のアイデアを思いついてるとします。

あなたはその能力についてどう思いますか?だれかを幸せにする素晴らしい力と感じますか?それとも今すぐ手放すべきでしょうか?もしくは素晴らしいけど自分なら手放したい?
その能力についてあなたの見解を考えてみてください。
いろんな立場から自分の見解を考えるとさらに効果的です。

もしあなたが大統領ならその能力をどう思いますか?犯罪者なら?科学者なら?
もしその立場にいるとしたならあなたはその能力をどう思うでしょうか?

闇落ちするシーンが描きたいならその結末がどうなるか考えてみましょう。
結局のところ正気を取り戻すのか、破滅するのか。そしてそれに対する自分の見解こそ最終的に伝えることなのかもしれません。

おっぱいのイラストを描きたいと思ったなら作品を見てくれる人に対しておっぱいを通じてなにか伝えたいことはないか考えてみるのも手です。

なお作品が単体で完結しない場合。
例えば、小説の1シーン、漫画の1コマ、映画の1カットなど。

こういった作品を作るための作品は注意が必要です。
役割も「最終的になにかを伝えるために伝えるなにか」に変わってます。

そのへんについては第二呪文のほうで解説してます。

ともかく、第一呪文で最終的になにを伝えたいか決めてください。

もし思いつかなければ使いたいアイデアをどう思うのか自分の見解を最終的に伝えることにするのは有効な手です。

最初のうちはあまり難しく考える必要はありません。
種付けプレスに対する自分の見解が「エロい」ならば、最終的に伝えることは「種付けプレスはエロい」で良いのです。

それでは運用方法の続きです。

第一呪文はまず最初に唱える

なにか作品を作ると決めたらまず最初に第一呪文で問いかけてください。

「作品を通して最終的になにを伝えたいのか?」

創作で沼る原因のほとんどはこれの欠如です。
戦略的に作品を完成させるのにもまずこれがないと始まりません。

なお、伝えることは1つだけにしましょう。

人類はアホなので最終的に伝えいことが2つ以上あると作品を作品としてまとめきることができません。

また人類はアホなので2つのことを同時に伝えられても理解することができません。

もし伝えることを決めたのに沼ったらまず伝えたいことが2つ以上になってないか確認しましょう。

伝えられるのは1つの作品につき1つまでです。

それでは次の運用方法です。

第一呪文はなによりもまず最初に唱える

なにか作品を作ると決めたらまず最初に第一呪文で問いかけてください。

「作品を通して最終的になにを伝えたいのか?」

もし、この記事のやり方を活用しようとしてるのにここを抜かすやつがいたらぶっ叩きます。

この顔を決して忘れないでください。

この顔は「伝えたいこと?めんどいからとりあえずおっぱい描こ~」とか思ってるあなたの後ろに立っている進撃の巨人でアルミンを睨みつけてるときのイェレナみたいになった私の顔です。今まさにあなたの顔面をぶっ叩こうとしています。

まずはじめに、作品を通して最終的になにを伝えたいのか決めましょう。
1つだけで構いません。むしろそれ以上だと多すぎです。

伝えることは「でけぇおっぱい好き」とか「まんこエロ~」とかで充分です。

それさえあればあなたの後ろに立ってる私は「わかる」とうなずいて消えるでしょう。

後ろに立ってる私を消し去るのは驚くほど簡単なのでぜひ試してみてください。

おさらいです。

創作系の役割はその作品を通して最終的になにかを伝えることです。

そして第一呪文ではそのなにかを決めるためにあります。

これはこの記事において一番重要なことです。
創作系の役割と第一呪文さえ覚えてくれればあとの内容はもういいです。

それでは第二呪文について解説します。

第二の呪文「どうすれば伝えたいことを伝えられるか?」

さて真っ先に第一呪文でなにを伝えるのか決めたら、次は?

それは第二呪文「どうすれば伝えたいことを伝えられるか?」を唱えます。

そしてこの問いの答えは多くの場合「Aを伝えるためにBを伝える」というものになります。

ならBを伝えるためには?

当然Bとは別のCを伝えることで実現します。

ではCは?Dは?Eは?

第二呪文はこういうのを全部ひっくるめて最終的に作品でなにを描けば伝えたいことが伝わるのか疑問を掘り下げるためにあります。

たぶんピンとこないかもしれません。

なので今回はもし私が「でけぇおっぱい好き」を伝えるイラストを作るとしたらどのように疑問を掘り下げていくかをお見せします。

どうすればでけぇおっぱいが好きと伝わるのか?

それではさて、どうすれば「でけぇおっぱい好き」をイラストによって伝えることができるのでしょうか?

ここで疑問を掘り下げるコツを紹介。
それは「そもそもを考えてみる」

今回どうすれば「でけぇおっぱい好き」が伝わるかにパッと答えが出なかったのでそもそもを考えてみました。

そもそも、大小うんぬんの前に、おっぱい好きを伝えるにはどうすればよいのでしょうか?

まず出た案として「おっぱい揉んで幸せそうにしてる自分を描く」が出ました。あまり響きません。次を考えます。

すると突然来ました。

「おっぱい惑星に行くためNASAに行く努力をする自分を描く」

悪くないです。
ここでまた掘り下げるコツです。
それは「本質の違う答えを探す」

この案の本質は「おっぱいのためなら努力を惜しまない様を描くこと」なのでそれ以外の答えを探します。
そうして次に現れたのはこちらの案。

「お宝より隣のおっぱいにメロメロな様を描く」

その本質は「一般的に価値があるものよりおっぱいを選ぶ様を描くこと」です。

さらに別の案を考えます。すると出ました。

「寝ても覚めてもおっぱいを考えてる様を描く」

本質は「頭の中がおっぱいで支配されている様を描くこと」です。

今回はとりあえずこんなもんにしてどの本質を採用するか考えます。
そうして最初に出た本質である「おっぱいのためなら努力を惜しまない様を描く」を採用することにしました。直感的にこれがいいかなと思いました。

そして自分に問いかけます。おっぱいのためなら努力を惜しまない様って例えばなに?
そうすると現れました。

「この世のすべてのでけぇおっぱいを手中に収めるため世界征服に乗り出す様を描く」という案。

今度はこれを起点に疑問を掘り下げていきます。

そこで気になったのはそもそも世界征服に乗り出す男を描くにはどうすればいいのか?ということです。色々考えてみます。

そうする中である男の姿がちらつきはじめました。そうして現れた案がこちら。

「おっぱいヒトラーが世界各地ででけぇおっぱいをゲットしている様を描く」

さらに別の案。

「世界各地のご当地でけぇおっぱい美女を侍らせたおっぱいヒトラーが地球儀を見下ろしてる様を描く」

今回はこれを採用します。

さてここらで具体的なイラストのイメージが頭の中でかたまってきたので実際にこのイラストを描く上で一番大事なことはなにか考えました。

すると出たのは「ヒトラーが地球儀を見下ろし、世界征服が成ったことを明確に表現すること」

その次に大事なことも考えてみます。すると出ました。

「動機がでけぇおっぱいであることを示すこと」

ここで私は「すべてのおっぱいが好きなのではなくでけぇおっぱいが好き」ということをより明確にするために貧乳迫害の様も描いたほうがいいかもしれないと思いました。

ともかくこれで構図を描けると思ったの確認がてら頭の中のイメージを実際に描くことにしました。

まずは先程考えた一番大事なことから描きます。


そして次に二番目に大事なことを加えました。

さらに先ほど懸念した貧乳迫害の要素も加えた別のプランも浮かんだのでついでに確認してみます。


悪くないです。
一番大事な世界征服感は出ていますし、その次に大事なでけぇおっぱいが動機であることもそれとなく感じます。

ただ、それらが最終的に伝えたいことである「でけぇおっぱい好き」に繋がってないように感じました。
どちらかというと「おっぱいに頭を支配されたやばい人間」ということのほうが強く伝わってきます。だいたい表情のせい。

どちらにしろ描いた要素が伝えたいことへあまり繋がってないのでこの構図は修正が必要でしょう。

しかし今回はここまでとします。

疑問を掘り下げるということがどういう感じかわかっていただけたら幸いです。

なおあれを作る所要時間は30分ほどでした。
ついでに実際のメモも置いておきます。


と、いった感じで第二呪文の実際の使い方でした。
今回の例ではイラストでしたが別の媒体でもやることはそう変わりません。

どういうシーンを描けば伝わるのか?
どういうコマを描けば伝わるのか?
どういうカットを用意すれば伝わるのか?

そういったことを考えます。

第二呪文とはなにを描けば伝わるのか疑問を掘り下げる起点です。

そして疑問を掘り下げるコツは

・そもそもを考える(疑問を小さくする)
・本質の違う答えを探す

あと実例では紹介しませんでしたが問いに対してあーだこーだ考えるよりさっさともう一度頭の中で問い直すのもコツです。
なぜか答えが出てきやすいです。私だけかもしれませんが。

なお疑問を掘り下げるのをやめるタイミングは「もうこれでいける!」と思ったときで大丈夫です。

本当にいけるか確認し、大丈夫なら次の工程へ。駄目ならもう一度疑問を掘り下げるといいでしょう。

本来であれば疑問が全部なくなるまでやるべきです。
ですが、それはだいぶ辛い作業なので最初のうちはおすすめしません。

第一手法は特級沼にはまらずに作品が完成すればそれで良いのです。

第一手法まとめ

さて、これで第一呪文も第二呪文も解説が終わりました。

ということは第一手法の解説も終わっています。

結局のところこの手法、ゴールを定めてその実現方法を考えるというごく当たり前のことを言っています。

具体的には第一呪文に答え、第二呪文を起点に疑問を掘り下げます。

そして特級沼の正体とはゴール不在によるプロジェクト不全です。
ゴールが定まってないのでいかなる試行錯誤も意味をなしません。

このゴールのあるなしが普通の沼との決定的な違いです。

なのでゴールを定める第一呪文がこの手法においてもっとも重要です。

なにか作品を作ると決めたらまず最初に第一呪文で問いかけてください。

「作品を通して最終的になにを伝えたいのか?」

しかし創作系、特にイラストの初心者講座などではこのゴールについて語られることが極端に少なく「良いと思ったらそこで終わり」とか平気で書いてあることもあります。
なので私は物凄く回り道をすることになりました。

作品を通して最終的になにかを伝えること。

ゴールとしてこれが本当に正しいかはわかりませんが少なくとも最初からこれを知っていれば10年は早く私は今の私にたどり着いていたと思います。

10年。

苦痛の大きさは受ける時間の長さに比例します。
もしこの時間が0に固定されてしまったとき、今この瞬間このインターネットの片隅で我々が出会うことはありませんでしたし、私がci-enで巡り会えた良き出会いの数々もなかったことでしょう。

これでよかったのだと思います。

いや、やっぱ許せねぇわ!

お前が初心者講座っちゅうんやったらそんなもん最初に一言入れとかなあかんかった話ちゃうんかオイコラァ!どないなっとんやコラァ!お前ぇ!

「うーんなんかちゃう。もー沼や。もーあきまへんわ。やめるで」ゆうてワシより才能あるヤツ何人消えてもうたと思っとんじゃゴラなにが三分割構図やねんどつきまわすぞ適当こきやがってゴラオメェ!

でもこれ当時の話なので今の初心者講座は違うと信じてます。

時代は前に進むんや!

それでは第二手法の解説です。

……

まさか今「この記事まだあるのかよ」と思いましたか?

苦痛の大きさは受ける時間の長さに比例します。
俺の受けた苦痛の大きさ、少し貴様らも味わってみやがれ!

沼らないための第二手法

第一手法は対特級沼に特化したものに対して、この第二手法は対一般沼に特化した手法です。
これの導入によりあと一押し欲しかった私の創作手法が一つの完成を迎えました。

その要点は早くてしつこい試行錯誤を行うことです。

一般的な沼にはまるということは損失の大きくて回転が遅い試行錯誤を無意識的にこなしてしまうことです。なのでその逆をやろうという発想です。

沼による手戻りで一番痛いのは制作の終盤(または完成後)。

なので第二手法では準備段階に試行錯誤を行います。
だいたい第二呪文を使って疑問を掘り下げるタイミングで行うことになるでしょう。

そしてその試行錯誤もできるだけ簡単で回数をたくさんこなせるようなやり方でやります。
これは単純に試行回数を増やすためです。

なぜ増やすべきなのかは理由が3つあります。

まず色々試してみるのは単純に面白いです。アホみたいな案を試して爆笑できるのはこのタイミングだけ。絶対大事にするべきでしょう。

次に良い案を思いつくのは宝くじを当てるのと同じです。
理論上この世のくじを買い占めればサマージャンボは当たります。

最後に一回考えた程度のただの思いつきは沼の温床です。

思いつきを握りしめて実際の作業に挑むと絶対に途中で他の案を試したくなります。

なのであらかじめ色々試しなにをするか最初の準備段階で決めてから作業に臨みましょう。

さて数をたくさんこなすのは重要なことですが実際にはどのようにすればよいでしょうか?

これはものによるとしかいいようがありません。
ですが方針は一つです。

安い、早い、簡単。

つまり安くてすぐ結果が出て簡単なやり方で試します。

例えば、実際に石像を作るよりかは粘土で形を確かめるほうが安くて楽です。

3Dゲームにおいて実際にフィールドマップを作るよりかは積み木を並べてみたほうが安くて楽です。

このように単純なモデルで確かめるのは一つの良い手です。

単純なモデルで確認できることはあらかた確認してしまいしょう。
実際に作り始めるのはそこからでも遅くありません。結局そのほうが早いです。

テクノロジーを活用するのもいいでしょう。

たくさんメモするなら紙とペンよりパソコンのメモ帳を使ったほうが楽です(特に日本語においては)

イラストもアナログよりデジタルのほうが試行錯誤しやすいです。ctrl+zとレイヤーを讃えよ!

なおアナログでどうしてもイラストを描きたいなら一つ手があります。
デジタルであらかた試したあとで実際の作業はアナログで作ると沼らないという点で効果的です。

AIを使うのも良いと思います。
chatGPTは「同じ質問だけど違う答えで」という無茶振りを何度やっても怒り出しません。

イラスト系AIも役立つでしょう。

と、言っても今思いついたので実際どう活用するかはわかっていません。しかし可能性は感じます。
たぶん似たような発想でやってる人がいると思うので調べてみると良いでしょう。

さて、これで第二手法の重要なところは解説終わりました。

損失がタダなら沼はボーナスポイントです。

安くて早くて簡単なやり方で一回でも多く沼に飛び込みまくり、良いアイデアを手に入れてみてください。
ここでの「なんか違う」という感覚は友達です。積極的に耳を傾けましょう。

そしてもし良いアイデアが見つかったら……

もう一度同じ沼に飛び込みまくりましょう。

第二手法。その要点は早くてしつこい試行錯誤を行うことです。

バイアスをぶっつぶせ

人間は例えそれがハズレでもほしい答えであればアタリだと思ってしまうバイアスがあります。
こちらをご覧ください。

第二呪文の実例として私が作ったこのラフこそバイアスで生み出されてしまったものの好例です。

第一手法の実例として「世界各地のでけぇおっぱい美女を侍らせたおっぱいヒトラーが地球儀を見下ろしてる様」を描くことで「でけぇおっぱい好き」を私は視覚的に表現しようとしました。

が、よく考えるとこの怪文、「でけぇおっぱい好き」が伝わる要素が特にありません。

しかし私はこの案が思いついたとき字面のインパクトと面白みに目が眩んでこれで「でけぇおっぱい好き」が伝わると思い込んでしまったのです。

その証拠に第一手法の解説にて「この構図は修正が必要」とか言ってます。
本当に言うべきは「残念ながらこれは完全にボツです」でした。

そもそもの時点でどうやっても伝わる要素がないので別案を探しにいくほかありません。

このように例えそれがハズレでもほしい答えであればアタリだと思ってしまうというバイアスは誰でも陥ってしまう厄介なやつなのです。

それを回避するためにも良いアイデアが思いついたらさらにしつこく沼に飛び込みまくり沼の水を抜きましょう。

余談ですが先ほどお見せした構図、今にして思えばでけぇおっぱいの魅力を伝える方向で考えたほうがよかったと思います。

このように試行錯誤の回数が足りないと後々直したくなり危険です。
第二手法を取り入れないとどうなるかの典型的な例と言えるでしょう。

さてこれにて第二手法の解説は以上です。

第二手法まとめ

要するに実際の作業を行う前にちゃんと準備をしよう、と言っています。

その準備の方法とは早くてしつこい試行錯誤を繰り返すことです。

これを実際の作業をやるにあたって感じているすべての疑問に対して行います。

なので大変手間です。
しかし、沼にはまるよりか遥かに安く済みます。

実質タダで沼を消し去り、ついでにバイアスをも消し去った信頼できる最高のアイデアも得られる激ウマループをぜひ試してみてください。

とはいえこの第二手法はマジで大変です。だから無理せずおいしいところだけつまんだらいいと思います。
実際、私もこの第二手法の適応は一部のみに留めています。

最初の内は第一手法でまず最初にやる「最終的になにを伝えるか?」を考えるときにちょろっと活用するぐらいでいいと思います。

具体的な数でいうと2つ案を出したらOK。そしたらバイアスを潰すためにさらに3つ案を出しましょう。
最初の内はそれで充分です。

要は作品が完成すればいいんです。
第一手法も第二手法もそのためにあります。

とりあえずやってみてそれで駄目ならこれらの手法を活用すればいいし、そのまま完成したなら別にそれで良いのです。

これで沼らないための創作手法の解説は終わりです。

最後に補足

第一手法の補足です。

イラスト等の役割は「なにかを伝えること」ですが、ゲームやキャラクターデザインではそうでないこともあります。

そこで最後に「なにかを作るための第一手法」を紹介しておきます。

シンプルです。2つ呪文で構成されています。

1:作ろうとしているものの役割はなにか?
2:どうすれば役割を果たすものが作れるか?

これにさえ答えておけばコップも鉛筆もゲームもキャラクターデザインも特級沼にはまらず作ることができるでしょう。

ただゲームについてはかなり特殊なので太刀打ちできないかもしれません。

ゲームの役割はものによって完全に変わります。本当にものによる。

ちなみにキャラクターデザインの役割は「他のキャラと明確に見分けがつけること」だと私は思ってます。おおよそ。

というのも使われる媒体によってキャラクターデザインは求められる役割が変わります。

まぁその辺の話はいずれにしましょう。
これらのことはようやく「なにかを作る」ということがわかった私の次の課題にも繋がっています。

ともかく、なにかを作るだけなら今回紹介した手法でどうにかなるはずです。

ぜひとも役立てて私が遠回りした10年をあなたは短縮してください。

終わりに

さて、苦痛の大きさは受ける時間の長さに比例します。

このことを考えるとここまでこの記事を読んだ方は結構非凡だと思います。

思うに創作の才能があるのではないでしょうか?

ここまで読んでいただきありがとうございました。

それでは次回、実際に今回の手法で使ってどのように大怪鏡のデザインが作られたか実例を見ていきます。

……

まさか今「まだ続くのかよ」と思いましたか?

苦痛の大きさは受ける時間の長さに比例します。
俺の受けた苦痛の大きさ、少し貴様らも味わってみやがれ!

あとこの顔を決して忘れないでください。

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