いぬかわ委員会 2024/06/12 18:30

SS『運命の相手』 / おいしくなあれ おいしくなあれ~蜜着×褒められ絶頂で人間終了~

こんにちは、いぬかわ委員会です🐾

新作音声発売日決定のお知らせ

以前より予告しておりました、
おいしくなあれ おいしくなあれ~蜜着×褒められ絶頂で人間終了~』の発売日が

【2024年7月1日】

に決定いたしました!

上級淫魔:ルチーリエに目をつけられてしまった貴方が、
快楽堕ちするまでのお話です。

今回は発売から7日間20%OFFセールを予定しております。

予告ページでの試聴は今週金曜日に公開予定です。
おほ声と射精音のみのサンプルもご用意しましたので、
おほ声や水音の程度が気になる方はそちらでご確認くださいませ。

ぜひお気に入り登録をしてお待ちください……!

また、
本編前のルチーリエと友人のSSをご用意いたしました。
こちらを読むと、本編でのルチーリエの心情が分かりやすくなる……かもしれません。

SSはおまけフォルダ内にも収録予定ですので、
お好きなタイミングでお楽しみください!





SS「運命の相手」

※本編前、ルチーリエと友人淫魔の会話

○ルチーリエ:美食家の上級淫魔。
○友人淫魔:日本のアニメにハマっている元最上級淫魔。



「愛していたんだ」
「はぁ」
「愛していたんだ、彼女だけを……ッ」

 目の前の淫魔は、涙ながらにそう叫び、ローテーブル――ちゃぶ台という方が正しい――に拳を叩きつけた。酒は一滴も入っていないのに、よくここまで自分に酔えるものだ、とルチーリエは思う。

 古くからの友人は、数百年前の失恋をまだ引きずっているらしく、この姿ももう見慣れたものだ。
 想いが強いのは結構な事だが、失恋の原因は友人の「うっかり」なので、ルチーリエからすれば、自業自得としか言いようがない。

「良いか、ルー! お前もこの子だ! という人間を見つけたら、油断するなよ! 人間は――」
「すぐに老いて死んでしまうから、でしょう」
「そうだ!」

 よく分かっている、というように友人は大きく頷いた。

「俺には彼女しかいない。そう確信していた。しかし、淫魔の眷属となれば、人間とは異なった時間の流れに身を置くことになる。彼女にも気持ちを整理する時間が必要だろう……。彼女の側を離れたのは、俺の慈悲だった……ッ」

 友人の頬を涙が伝う。何の価値もない涙である。

「次に迎えにいった時、彼女は既に土の中……ッ。俺は、嘆いた。人間の脆さを、儚さを……ッ。運命を呪ったね……ッ」
「呪うべきは約束の日を百年近く寝過ごしてしまう君のうっかりさだと思いますけれど」
「…………まあ、そういう見方もある」
「そういう見方しかありません」
「……………………とにかく!」

 勢いよく立ち上がった友人は、ルチーリエを指差す。

「運命を感じたなら、即断即決だ。分かったな、ルー!」

 運命ねぇ、とルチーリエは小さく呟く。

 ルチーリエたち淫魔は、相手の理想の姿に化ける事が出来る。大抵の淫魔は、理想の姿でターゲットに近づき、判断力を失わせてそのまま精気を奪う。

 しかし、ルチーリエは違った。
 
 初めはそのままの姿で近づき、抵抗するターゲットを時間をかけて快楽で堕とす。ルチーリエに絶対服従を誓ったところで、今度は相手の理想の姿に化けて誘惑する。理想の相手に心を向けた瞬間――、ターゲットの浅はかさを暴き、精気を絞り取る。

 そうして得られる精気の複雑な滋味は、好みではなくとも、ルチーリエを喜ばせた。

 人間の言う運命や愛なんてものは、大抵が思い込みやまやかしだ。今までの経験から、ルチーリエはそう確信している。

 けれど、理想の相手が現れてもルチーリエを選ぶ、そんな健気な人間がいたのなら。その上、元々精気がルチーリエ好みの味だとしたら。

 ――眷属として、永遠に自分の手元に置きたくなるかもしれない。

「ルー?」

 友人に名を呼ばれ、ハッとする。
 らしくもない想像をしてしまった。
 
「すみません。少し考え事をしていました」
「そうか。じゃあ、続けるぞ。もし彼女がまた人間として転生したらの話なんだが――」

 友人の話を聞き流しながら、ルチーリエは思う――運命の相手が現れた時、少なくともこいつよりは、上手くやれるだろうと。

//END

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

記事のタグから探す

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索