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ショタ攻めの記事 (40)

鶯命丹 2024/02/06 17:27

DomSubユニバースもの 元奴○少年×武人おっさん2【全文8200文字】

【試し読み】【全文8200文字】

前回上げたDomSubユニバースもの続きというか本筋
 元奴○のショタDom攻め×武人おっさんSub受け
 今回はエロなし・続き物終わってない
 一部差別的な用語や表現がありますが、作中でのみの表現でありそのような状況を歓迎する意図はありません。
 世界観の説明や、国名やら種族名やらが出てくる
 DomSubの名称を変えてたりするので、そういうややこしくて厨二っぽいのが苦手な方はご注意ください。
 
 【あらすじ】
 とある国の辺境の地で非合法のパーティーが行われた。
 そこに集められた奴○のひとりマリ(Domのショタ)と、自治地域でけしからんパーティー開かれる情報を知った偉い人アノンデア(Subのおっさん)が初めて出会う話。
 



 
 
  狭い荷馬車に押し込められたマリは車窓から見える景色をぼんやりと見つめている。
 ――ずいぶん遠くまで来たもんだなぁ……
 流れていく景色は、マリの知らない物ばかりで構成されている。
 居心地が悪くなり、身じろぐと足首につけられた鎖がガチャと耳障りな音を立てた。
 
 マリが生まれ育った村が隣国に攻め込まれたのは、まだ一桁の歳の頃だったように思う。
 騎士という名の野盗に村は焼かれ、破壊され尽くされた。
 女子どもは攫われた。
 マリもその時から奴○に身をやつし、売られ売られてここまで来た。
 だだっ広い荒野を見て、マリは大きくため息をついた。
 ガタンッ!
 大きく振動して荷馬車が停まった。
 荷物とともに詰め込まれた同じ奴○たちが口々に悲鳴や文句を言っている。
 しばらくして荷馬車の幌がまくられて奴○商の男がしかめっ面で命令する。
「オラッさっさと出ろ! あ、出る時荷物も持って出て来いよ!」
 奴○商はそう言うと幌を叩いてその場を後にする。
 マリを含めた奴○たちは命令に従いノロノロと手近な荷物を持って荷馬車を降りた。
「うわ、すげ……」
 マリは目の前の景色に思わず声を上げる。
 そこには先ほどまで何もない荒野だったのが嘘のように緑が生い茂り堅牢な石壁に囲まれた街の景色があった。
「おい! ボサボサしてんな! 早くしろっ」
 奴○商の部下の男が、大きくムチを振る。
 バチンッとなった地面の音に奴○たちは皆一斉に肩を跳ね上げ動きを止めた。
 しかし、すぐに動き出す。次は地面じゃなく自分の皮膚が抉られるからだ。
 マリもすぐさま荷物を持ち直して命じられた建物へと入って行った。
 マリたち奴○が命令通りに荷物を運び込んだ先は、どう見ても高級な建物。学も贅沢も知らないマリたち奴○ですらわかるほど華美であった。
 圧倒的な資金力を見せつけられた奴○たちは一様に俯き、小さく背を丸めて建物の裏手から入場した。
「さてと……小汚ねぇおめぇらをピッカピカに磨き上げておかねぇとなぁ」
 命じられたままに入った部屋では奴○商が舌舐めずりをして機嫌良く奴○たちを見た。
 マリはこっそりため息をつく。
 この後湯浴みだの、化粧だのさせられた後、自分たちはお貴族様らのおもちゃになるのだ。
 ――どうせならうんと金持ちのおもちゃとして貰われて、かったりぃ移動生活からおさらばしてぇな。
 心のうちで悪態を吐きながらマリは、物のように洗浄される順番を待っていた。


 
  ザザーバル帝国の端。
 辺境の地を統治するのはキーターシ族の町。
 一族の長であるアノンデアの執務室に、秘書官が入室した。
「首長。例の件の奴らの尻尾を掴みました。明後日、ホテルの地下カジノにて行われるようです」
 秘書官の男――ニレは口の端を上げて言った。
「奴○商が入り込んだアレだな?」
「ええ、そうです。元締めの貴族は今はホテルの最上級の部屋に泊まって優雅に遊んでやがるようですよ。今すぐ素っ首切り落としに行きますか?」
 ニレはにんまりと笑みを深くしている。
「そう悪い顔で笑うな。うちの秘書は血の気が多くて困る……現行犯で捕えたい。当日まで泳がす」
 そう伝えたアノンデアの顔も、同じくらいかそれ以上凶悪な表情で笑っていた。


  キーターシ族は、サザーバル帝国の領土の端にある巨大な湖を取り囲む、険しい山々の麓で暮らす種族だ。
 キーターシ族の住む地域は、自然豊かで風光明媚な土地であるが、豊かな自然が人に優しいとは限らない。自然のまま美しい土地は人が暮らすには過酷であり、更には凶暴な魔獣が多く棲息していた。
 その魔獣に対抗しうる屈強な力を持つキーターシ族は神の作った獣から進化したと言われる頑強な巨人族だからこそ、この地で生き延びた種族である。
 サザーバル帝国は、領土拡大の為全力の武力と侮蔑を持ってこの地を襲撃したが、軍隊のほとんどが脆い人族で構成されていた。
 脆弱な人族では、キーターシ族との戦争になる前に過酷な自然と、生息していた魔獣に、あわや全滅寸前まで追い込まれ、そこを救ったのがキーターシ族である。
 当時のサザーバル皇帝は過酷なこの地を、キーターシ族の地と認めざるを得なかった。
 そうしてキーターシ族は自分たちの住む地を、人に荒らされる事なく自治してきた。

 そして現在。
 キーターシ族の街は栄えている。
 過酷な環境を少しずつ開拓し、豊富な自然資源を帝国や他の国々へと輸出する事で富み、凶暴であるが貴重な魔獣から獲れる素材は高値で取引された。
 また、辺境ゆえの風光明媚な自然は、観光地として名を馳せることになる。
 
 その栄えてはいるが辺境である不思議な土地の中心街で、奴○市が行われるという情報を得た族長のアノンデアは、街で最も格式の高いとされるホテルを警備隊と、自らの兵で取り囲んでいた。
「このホテルは包囲した! 無駄な抵抗はやめろ! 全員頭の上に手を挙げ床に伏せるんだ!」
 地面を轟かす程の怒号に、爛れた会場は悲鳴の坩堝となった。
 慌てふためき逃げる者たちを捉え、美しく装飾され搾取されていた奴○たちを保護し、金勘定をしていた奴○商たちに縄をかけた隊士たちの姿を見ながら、アノンデアは護送車へ運び込むことを指示する。
「被害者たちは丁寧にな! 負傷している者が優先だ! 貴族だろうが誰だろうが激しく抵抗する者は切っても構わんッ!」
 雷のように轟く声アノンデアの声と重い足音に、助けられた奴○たちすら小さく悲鳴をあげている。
 どかどかと部屋を開け放ち突入してくる大岩のような男の姿に、腐敗した客たちは震え縮み上がった。
「ここで最後か」
 奥まった部屋のドアを蹴り破ると、そこには艶やかに波打つ黒長い髪を振って、男の上で腰を振る美しい少女の姿があった。
 大きな音に振り返る少女と、アノンデアの瞳が交差した。
 髪と同じ黒い瞳が、蝋燭の灯りに妖しく照らされ、驚いた表情でアノンデアを見ていた。
「ご主人様」
 甘くしわがれた声に、少女の視線がアノンデアを見るのをやめて、下に寝転がる醜く太った男へ向いた。
 しわがれた声の主の男は恍惚として少女を見つめており、部屋のドアを破壊する轟音にも、ドアの前に立つ巨漢にも気付いていない。
 アノンデアはその瞬間、激しい怒りに駆られた。
 一足飛びに少女を○す男のベッドへ足をかけ、仰向けに寝転がる男の首を切り落とした。
「ひっ」
 横から小さな悲鳴が聞こえ、アノンデアは咄嗟にそちらを見た。
 ――しまった!
 いくら助けるためとはいえ目の前でまぐわっていた相手を斬り殺すのは大きな恐怖になるだろう。
 哀れな奴○の少女を慰めるため唇を開いたアノンデアだったが、言葉は出てこなかった。開いたままの唇が、ぱくぱくとかすかに開閉し、隻眼が大きく見開かれている。
 アノンデアの隻眼に映ったのは、驚いた奴○の少女の顔と、薄い胸……組み敷いた男の肛門に入り込んだ男根――つまり少女と思っていた奴○は少年であり、犯されていると思ってた性交は犯している方だった。
 ……まさか少年だったとは……いや、奴○の立場的には合意の上の性交とは言えないので、間違いではないか?
 驚愕に思考がごちゃごちゃと騒がしいが、アノンデアは驚きつつも少年の身体をマントで包み、死体からなるべく優しく剥がす。ぬちゅ、とかすかに淫靡な音がした。
 その音に、アノンデアの血流が一気に頭に登ってくる心地がする。耳が熱く、視界が潤んだ。
 内心の動揺を悟られぬよう、アノンデアは少年を、共に突入してきた部下へ任せて指示を出す。
 救護班が、奴○の少年を手厚く保護して部屋を出ていく様子を視界の端で見つめていれば、少年がペコと小さな頭を下げてくれた。
 その仕草だけで、アノンデアの胸が熱くなり、多幸感が身体中に力を漲らせる。
「部屋の隅々まで確認しろ! 被害者も加害者もひとりも取りこぼすな!」
 地を揺るがすような重低音に、部下たちは緊張した応答をする。
 探る巨人族の兵士たちの足音で、その日ホテルはずっと地響きのように揺れていた。

 
  
 長い黒髪が艶めかしく身体に沿ってうねる。
 暗い部屋にぼんやりと浮かぶ真っ白い肌。
 少女のような華奢な身体には、美しい装飾品のみ。
 薄い腹の下、すらりと伸びた足のあいだに勃起する陰茎を見て、アノンデアはごくりと唾を飲み込んだ。
 少年はアノンデアを見下ろして、薄い唇をにこりと笑みの形にすると、すぅ、と猫の伸びのように四つん這いで顔を近づけてきた。
 その美しい唇からこぼれ落ちたのは、アノンデアへの無情の“命令”だった。
 あの美しい少年に、命じられ、無理矢理に身体を暴かれたい……そう思った瞬間、アノンデアは目を開いて自室の天井を睨み付けていた。

 
「はぁぁ……なんて夢だ……」
 大きく重いため息を吐いて、アノンデアはズキズキと痛む頭と下半身を、まぶしい朝日の中で気づかぬふりでやり過す。
 
 人身売買と、無許可の買春現場に突入してから数日、アノンデアの脳内から、あの時見た少年と醜い男の情事が離れない。
 職務の合間、日常生活のふとした瞬間に、頭をよぎるのは少年の黒く光る瞳。あの瞳に見つめられたら、どんな心地だろうか……と、妄想に耽っているのに気付き、自己嫌悪にハッとする。
 それを繰り返すアノンデアは、ここ数日の日課になってしまった重いため息を吐き出した。
「首長、お疲れですか?」
 ニレは気遣わしげに眉根を寄せてアノンデアを見ている。
 新たに持ち込んだ書類をアノンデアの机に置いて「少し休憩にしましょうか? お茶を淹れます」とそそくさと部屋を出ていく。
 部下が真面目に、手厚く補助をしてくれればくれるほど、アノンデアは己が身のやましさに項垂れた。

「そういえば、施設の慰問の日程ですが……急遽明日の午前中になりました」
 盆に乗せたティーポットを持ち上げたニレが告げる。
「慰問……」
「そうです。保護した元奴○たちが身を寄せている施設です。保護した者はほとんどが若い女子どもでしたので孤児院に引き取られています。首長、なるべく笑顔……いや、普通の顔で訪問をお願いします。首長は笑顔も怖いので」
「……そうか、気をつける」
 ニレの遠慮ない物言いも、普段より心に響く。
 ――あの時の少年は居るだろうか。彼を怯えさせる訳に
 いかないな。
 思い詰めた表情でカップに注がれた茶を一口啜る。
 アノンデアのその真剣な表情はまるで敵に、毒を煽るように罠に嵌められたかのごとく眉間にシワが寄っている。俯く隻眼と、ぎろりと正面を睨む義眼が闘神のような凄みを放っていた。
 ニレは見慣れた首長の、恐ろしい真顔を見て、慰問どころか恐怖を与えかねないと思ったが、笑い声とともに余計な口は、ぐっと噛み締めて黙っていた。
 
 
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鶯命丹 2024/01/31 18:20

DomSubユニバースもの 元奴○少年×武人おっさん

【試し読み】 Dom育ちの悪い少年×Sub武人のおっさん 【全文は1万文字】


 DomSubユニバースもの・コマンドあり(“”で囲って日本語指示)・受け絶頂我慢・受け拘束・疑似親子(養子×養父)・ハート、濁点喘ぎ
 DomSubユニバースものをなにか勘違いしてるので、ソフトSM程度の内容になってます

 Domは元奴○の少年 マリ 
  Subの武人のおっさんの養子になってる。黒髪黒目の上品な美少年だが見た目だけ。取り繕ってるが口が悪いのが抜けない。

 Subは武人のおっさん アノンデア
  巨人族のおっさん。めちゃつよで山みたいな大きい武人。赤茶色の髪に傷だらけの巨漢。片目が義眼で顔にグロめの傷がある。マリの養父。

 続き物。
 出会い編とかちまちま書いてる。今回はエロシーンのみ。まさにやおい
 DomSubを書いてみたかった
 

世界観に合わせて、DomやSubなどの単語を改変しております。
不明瞭な点が増えておりますので、お読みになる際はそういうのが気にならない方のみよろしくお願いいたします。
 Dom――主人の血
 Sub――しもべの血
 プレイ――戯れ
 コマンド――命令
 Subスペース――しもべの法悦


 



夜の少年、巨人を飼う
 

 
  灯りを落とした暗い寝室に、浮かぶのは一対の瞳。
 夜の空のような瞳は美しく、見るもの虜にさせる強い光を放っている。
 その瞳の持ち主は、美しい少年だった。
 闇色の髪を持ち、すらりとした白い手足。
 バラ色の頬に、通った鼻筋、華奢で薄い肉体は少年と青年のほんのわずかなあわいにいる、美しい少年だった。
 彼は形の良い薄桃色の唇に、あわく笑みを乗せて機嫌よく何かを見ていた。
 夜空のような黒い瞳が見下ろす先にいるのは、巨躯を持つ男だった。
 武神の彫刻か、人型のモンスターと言われた方がしっくりくるような筋肉にまみれた巨体の男は、一糸纏わぬ裸であった。
 ボコボコと隆起した筋肉は傷が多い。むしろ傷のないところを探す方が早いほど。
 その傷の多さが、男を戦場で生きる者だと言うことを知らせていた。
 傷だらけの大男は後ろ手で拘束され、身体を丸めて跪いていた。拘束具は艶めくスカーフである。
 うずくまる姿はまるで大岩のような男が、たかがスカーフ一枚で太く筋張った手首の自由を奪われるとは考えづらい……だがしかし、男は少年の足元に跪き、ほっそりと白いつま先にそっと額を寄せている。
「アノンデア」
 鈴の鳴るような声で、少年は男の名を呼んだ。
 アノンデアと呼ばれた大男はのっそりと顔を持ち上げて少年を見上げる。
 その瞳は少年とは真逆の金の色をしている。
 瞳だけでなく、容貌も美しい少年とは真逆だった。
 輝く星色の瞳を閉じ込めるのは肉食獣のような凶暴な形の眼窩であり、あまつさえ片側のこめかみから顎にかけて抉ったような傷痕が走っており、男の恐ろしさに拍車をかけている。
 無造作に切っただけの髪は赤茶けており、傷だらけの肌も日に焼けて赤黒くなっている。
 体毛が濃く、赤い肌の上に同系色の体毛が生えていた。
 男というより、獣の雄といった風貌の男は、甘ったれの犬が大好きな飼い主を見るのと同じ瞳で少年を見ている。
 少年は手を伸ばしてアノンデアの髪をわしゃわしゃと撫でてやる。
 アノンデアはうっとりと目を閉じて少年の手のひらに顔を寄せた。
 
 二人は主人としもべの関係であった。
 この国では珍しい主人の血を持つマリと、しもべの血を持つアノンデアは、互いの身体を蝕む性分を解消するために結んだ主従関係にある。
 
「かわいいかわいいアノンデア」
 歌うように囁く少年の言葉にアノンデアは瞼を開け、じっとりと少年を見上げる。しかし、傷痕のある方の瞳はあらぬ方向を見つめたままだった。
「アノンデアったら、目がズレてんぞ」
 少年の細い指がアノンデアの義眼に伸びて、ツゥ、とその向きを正してやる。
「あ、ありがとう……マリ……」
 アノンデアははにかむような声色で低く呟くと、再びアノンデアの手に顔を擦り寄せた。
 もっと撫でろと主張する犬猫のようで、少年マリは苦笑しながらも、男のたっぷりとした髪を撫で梳く。
「う、う……」
 髪を梳き、耳殻にかけて短い髭の生える屈強な顎を指先でくすぐると、アノンデアは低く唸る。
 金色の隻眼が、マリをじっと見つめていた。
 その瞳は、マリの許可を待っている。
「アノンデアどうした? 私の顔を伺って。何かおねだりがあんのか?」
「う……あ、マリに触れたい……頼む、許可を……」
 マリの問いかけに、アノンデアは潤んだ隻眼をうろうろと彷徨わせた後、吐息混じりにおずおずと応えた。
 ねだるアノンデアのいじらしさにマリの口角が上がる。
「いいよ”おいで”」
 マリが両手を広げてアノンデアを呼ぶ。
 その言葉にアノンデアの鋭い目が見開かれ、きらきらと光った。
 巨体をのっそりと膝立ちに立ち上がらせ、マリににじり寄ると少年の薄い肩に額を擦り付け、華奢な首筋に唇を落とした。
 ちゅっ、と小さな音を立ててアノンデアはマリのほっそりとした首筋を吸う。
「んっ♡あっ♡ははっ髭、くすぐった♡」
 甘く蕩けた嬌声が薄桃色の可憐な唇から漏れ、マリは首をすくませた。
 アノンデアの唇は、首筋から小さな顎へと移り、薔薇色の弾力のある頬を楽しむように啄ばみ、とうとうその男らしく分厚い唇が、マリの小さく淡い色の唇へたどり着いた。
「ん♡ぅう♡」
 マリの唇がかすかに開き、甘く掠れた吐息が漏れる。
 それはアノンデアの欲望を煽り、更に口付けを深くさせた。
 薄く小さな唇を吸い、開かれた赤い口内へ、アノンデアは長い舌を差し入れた。
 白く小ぶりな歯列を舐り柔らかい舌に男の舌を絡めるとくちゅ♡といやらしい水音が立った。
「はぅ♡んっ♡……あっ♡アノンデア♡」
 蕩けた声で囁くマリに、貪るように口付けるうちにアノンデアの巨体がマリの身体を押し倒した。
 マリは啄まれる唇を笑みの形にしながらベッドに倒れ込み、アノンデアの屈強な首に腕を回す。たっぷりとした髪を梳き、傷の多い顔を撫でると「ぐ、ぅぅ……ん♡」と獣じみた吐息が舌に絡むので、マリはますます機嫌を良くした。
 しかし、微笑みの形に引かれた唇から呟かれたのは「ご主人様の上に乗る悪ぃ子だなぁ、アノンデア」と男を叱る言葉だった。
「あっ! ……う……す、すまない……」
 謝るアノンデアが慌てて上体を起こす。後ろ手に拘束された状態で素早く動くのはアノンデアの身体が鍛え上げられた筋肉に覆われているからできる芸当だった。
 そんな巨漢は、目の前に座る小柄な少年の言葉に慌てふためき、許しを乞う媚びた視線を注いでいる。
「あ〜あ〜……アノンデアは悪い子だからお仕置きが必要だなぁ。ほらここにうつ伏せに寝て、お尻ぺんぺんだ”おいで”」
 マリが身体を起こしベッドに座った自身の膝をポンと叩く。アノンデアは凛々しい眉を情けなく下げて恐る恐るマリの膝の上にうつ伏せに横たわった。
 巨体はマリの膝に腹を乗せるようにうずくまる。
「ほら尻をちゃんと上げろ!」
「うっ! ごめん……ごめんなさい、マリ」
 早速ぺちんと裸の尻を叩かれてアノンデアは小さく謝罪しつつ、尻を上げた。後ろ手に拘束されている手が、腰のあたりでもじもじと指同士を絡めて握ったり、広げたりと落ち着きなく蠢いていた。
 ぱちん、ぺちん、ぺちん……
「うぅっ! くっ、んっ♡」
「アノンデア、どうしてお尻ぺんぺんされてんのかわかってるか? ”話してみろ”」
 ぺちんッとひときわ大きく、肌を打つ音が鳴る。
 叩かれたアノンデアは身体を痙攣させ、熱っぽい息を吐きながら仕置きの理由を語り出す。
「ひぐっ! うぅ……ま、マリの、あっ♡ご主人様の許しなく上に乗ったから、あ゛♡んッ♡」
「お仕置きの理由だってわかってるのに、お尻ぺんぺんでそんな風に媚びた鳴き声を上げてんの? お前は」
 嘲笑うマリの声に、アノンデアは拘束された手をぎゅっと握り締めている。 
「あっ♡ご、めん゛ッ♡マリごめんなさい♡マリとキス気持ちよくて……あうっ、う、嬉しくて……」
「お尻ぺんぺんが?」
「う……違う……マリと、一緒にいられるのが……“戯れ“ができるのが、嬉しくて……」
 
 ――主人の血と、しもべの血を持つ者同士が、互いの主従関係を確かめる行為を当事者たちは”戯れ”と呼んだ。
 互いの性分を埋め合う”戯れ“はこの血を持つ者にとって何よりも大切であり、それを行う事は深い快楽を得る事が出来た――
 
 涙声で白状するアノンデアは叱られた犬と同じ目でマリを振り返って見ている。
 哀れを誘う濡れた金の瞳に、マリはほっそりとした背を悦楽で震わせた。
「そっかぁ……私も、アノンデアと一緒にプレイ出来て嬉しいよ。じゃあお仕置きはこれくらいにしよう。”よくがんばりました。いい子だねアノンデア”」
 マリはにっこりと微笑むと、アノンデアの赤く丸い尻を優しく撫でた。
「うっ♡マリ♡あぁ、嬉しい♡もっと撫でてほしい♡」
「よしよし♡いい子いい子。かわいい奴め。いい子のアノンデアの大好きなところよしよししてやるからな♡」
 マリはかたわらに置いておいた潤滑油を取り出し、たっぷりと指に取るとアノンデアの高く上げた尻の穴にそっと擦り込んだ。
「んぉ♡おぉ♡マリの指♡う、嬉しい……好きだ♡あっ♡」
 マリの指先に翻弄され、身体をぶるぶると震わせるアノンデア。
「知ってるよ。大好きな私の指たっぷり味わえよ♡」
 ぬるぬると溶けて広がるクリームを惜しげもなく尻穴に塗りたくり、ちゅぷ♡ちゅぷ♡と少しずつ指先を出し入れする。
「うぉ♡お♡マリ♡マリ♡ん゛ぉ゛ッ♡おぉっ♡」
 高く上げたアノンデアの尻がビクッ♡ビクッ♡と卑猥に跳ねる。
 少しずつ入る量が増えていくマリの指。ぬるぬると奥へ進んでいき、ぬちゅ♡くちゅ♡と腸壁を捏ね、ちゅぷぷぷ……と抜けていく。
「おっ♡おっ♡おぉぉ〜♡んっ♡ひッ♡いぃぃ♡」
 だらしなく蕩けた声が、ベッドに顔を埋めていることでくぐもって聞こえる。
「ふふっ恥ずかしい声。アノンデア気持ちいいか?」
「いいっ♡いい♡マリ♡好きだ♡あ゛ッ♡それ♡それすき♡」
 赤茶けた髪をばらばらと振り乱し、アノンデアは蕩けた吠え声を上げている。手足の指がきゅッと丸まり、快感の強さを主人に伝えていた。
「どれ? どれがイイ? アノンデア。”教えて”」
「あ゛♡あ゛あ゛っ♡ゆび、指でっ♡、腹側擦られるやつ♡すごい♡すごッ♡おぉ♡い゛い゛い゛♡」
「あとは? お腹側ぐりぐりだけでいいのか?」
「お゛っ♡お゛ッ♡ううぅぅッ♡ゆっ、くり♡ゆっくりぬぽぬぽ好きだッ♡あ゛ッ♡あぁッ♡奥っ♡おくも、ぐりぐり好きッ♡あッ♡あッ♡イク♡マリの指でイク♡イキたいッ♡マリッ♡許可をっ、許可をください゛っ♡」
 アノンデアの鍛え上げられた丸い尻がヘコヘコ♡ヘコヘコ♡と揺れている。
 丸太よりも太く、逞しい筋肉の隆起した太ももが快感にぶるぶると痙攣していた。
 尻穴を穿られ、粘膜を捏ねられる事による絶頂を得るために、アノンデアは必死に主人へ懇願する。
「“良いよ”“イッていい“俺にイクとこ見せて」
 自分の思い通りに動く巨体を見下ろし、マリは美しく微笑んで許可を与えた。
 その瞬間、魔物の遠吠えのような、発情した悪魔のような低く甘い唸り声が上がる。
「ぐお゛ッ♡オ゛ッ♡ほオ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ッ♡」
 アノンデアは顔をベッドに擦りつけ、甘くくぐもった吠え声を上げて絶頂した。
 絶頂した尻穴はぎゅうぎゅうとマリの指に吸い付くように収縮している。
 マリの指先に触れる前立腺と、周囲の腸壁が絶頂のためにぎゅむ、ぎゅむ♡と痙攣して、マリの膝を跨ぐように渡っているアノンデアの胴体が快感に翻弄されるように淫猥にくねっていた。
「おお〜! ちゃんとイけたなアノンデア♡“いい子だ”びくびくしててかわいい♡」
 マリはうねり縋る尻穴からゆっくり指を抜きクリームを足すと、更に指を増やしてちゅぷちゅぷと尻穴を広げるために抽送を繰り返す。




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鶯命丹 2023/12/12 00:02

初夜

 以前企画であった、「神々の伴侶」のお題で書いた蝕神と伴侶の七の初夜の話
【あらすじ】
 触神様の伴侶に選ばれた加害趣味の少年七と、ガチムチの上半身とグロテスクなムカデの下半身と触手の腕を持った蝕神様の初えっち話。

【要素】 
 ショタ攻め(人間)×虫系人外受け
 蝕神の容姿の描写に虫、触手、人外要素
 攻めが受けに対してナチュラルに傷害するシーン(軽度のリョナ)
 受けのフェラ
 受けが不感症表現あり
 軽度の虫○(虫を姦する方)

 全文7000文字

 文体に合わせてハート喘ぎはなしにしました。
 喘いでるのも美少年なので濁点・汚喘ぎもないです。
――――――――――――――


 さわさわと草葉を揺らす夜風が、縁側から吹き込んで御簾を揺らす。
 涼しい風は心地よく七の身体を冷まし、布団に包まる暖かさを味わった。
 枕に頭を預けて目を閉じた七の耳に、低くしゃがれた声が届く。
「七や、いいか?」
 低く落ち着いた声音で呼びかけるのは七を伴侶と選んだ神、蝕神のものだ。
「はっ、はい! いかがなさいましたか? 蝕神様」
 七はくるまった布団から飛び出して御簾をからげる。
 そこには寝間着に身を包み、面布を付けた蝕神が立っていた。
「起こしたか?」
「いいえ、まだ寝ていませんでした」
 七が首を振り、蝕神を招き入れた。蝕神はするりと身体を滑らせて七の部屋に入り、七もその正面に座った。
 薄暗い部屋の中にひと柱とひとり向かい合って、押し黙っている。先ほどまで心地よく感じた涼しい風が、妙に寒々しく、七はもぞりと自身の腕をさすった。
 いったいどうしてここに来たのか?
 そう問いかけるため、七が顔を上げたとき「今日はお前と床を共にしようと思ってここに来た」と蝕神があっさり告げた。
「え」
 突然の言葉に七はあんぐりと口を開け蝕神を見上げる。面布に覆われた蝕神の顔色は伺えないが、少し言い淀む空気のあと低い声が静かに言った。
「しかしな、私の姿はヒトから見れば醜く恐ろしいモノだから」
 言うと蝕神は着ている白い寝間着を脱ぎすて、面布と頭巾を取り去った。
「あ……」
 蝕神の姿を見て、七はあんぐりと口を開けた。
 ムカデのような硬質な節のついた下半身が、ガサゴソ、ととぐろを巻いている。
 上半身は逞しい男のもの。盛り上がった胸とぼこぼこと浮き出た腹筋。首は太く背中も広く、大層筋肉質だった。
 人間であれば腕のあるはずの部分には腕ではなく、蛸のような無数の触腕が蠢いている。触腕の先は手指のなり損ないのような、ぐねぐねした細長いものが触腕の蠢きに振られるようにぶにぶにと揺れていた。
「醜いだろう? お前が怖がるといけないと思っていたが……」
 蝕神のしゃがれた声をこぼす口が、蛇のように大きく開く。顎の上下に長く鋭い牙があり、肉色の舌がひとつではなく複数枚生えて、チロチロと動いていた。
 黒く大きな目は虫のような複眼であるようで、その目にはたくさんの七が写っていた。
 一糸纏わぬ蝕神の姿をまじまじと見つめて、七は「触れてもいいですか?」と好奇心と不安を混ぜた視線で問う。
「構わない」
 蝕神が許可すると、七の幼さの残る手が、恐る恐る蝕神の身体に触れる。
 まずは蠢く触手を優しく掴む。
 先を握るとぷるぷると跳ねる触手は、逃げようともがくいも虫のようで、七の心をときめかせた。
 いも虫よりもみっちりと太く、握り込むと筋肉の躍動が手のひらに伝わる逞しさだ。
 体温は低いようで、さわるとひんやりする。強く握りしめるとむぎゅぅと潰れた。
「あぁ……潰れちゃった……」
 ぐちゃりと生の肉を握りつぶす感触に七はにんまりと口の端を上げた。薄い赤い体液がポタポタと七の手から滴り落ちる。
「痛くないですか?」
 潰れた肉をくちゃくちゃとこね回しながら顔を上げて蝕神を見る。
「いいや。あまり痛くない。私の感覚は鈍いんだ」
「そうなんですね……」
 七が触手を握っていない腕を伸ばすと、蝕神はかさかさと下半身にある無数の節足を動かし、もたげた上半身を下げる。七の手は、躊躇うことなく蝕神の顔に触れた。
 触手はぶにぶにと生肉のように柔らかいが、身体はひとの肉と同じ弾力の皮膚を感じる。
「触神様……体温は、やっぱり低いんですね。ひんやりする……」
「寒くないか?」
「いいえ、冷たくて気持ちいいです」
 肌の感触を確かめるように七の指がそっと蝕神の頬をなぞる。瞼は無く、真っ黒な複眼が無機質に七を見ていた。
 七は蝕神の眼を見てから視線とともにゆっくりと手のひらを下げていく。
 筋張った太い首筋を撫でて逞しく盛り上がる肩を摩り、脇腹を指先でたどると、ぽこ、ぽこ、ぽこ、と小さな孔に指先がはまる。感触が面白くて、七は蝕神の脇腹に並ぶ孔を何度か往復してくりくりと弄った。
「これは……いったいなんでしょう?」
 七の瞳が好奇心に輝いている。
「空気を取り込む孔だ」
 蝕神が答える。
「空気を……」
 七は蝕神の両脇腹に手を当ててじっと胴体を観察した。
 見つめていると確かに、一定の間隔で蝕神の体が膨らむとその穴が広がり、身体が萎むと共にその穴と小さくなる。
「わぁ、本当だ」
 七は弾んだ声を上げ、空気を取り込むために広がった孔のいくつかを指を入れて塞ぐ。塞いだ孔だけ開閉が出来ず、蝕神の胴体が小刻みに揺れた。
「……七」
 苦しげに七の名前を呼ぶ蝕神の声に、七は顔を上げた。 「苦しい?」
 七が問うその表情は楽しげに歪んでいる。
「少し息苦しさを感じる。だが平気だ」
 蝕神は掠れた声でそう答え、自身の空気孔を塞ぐ七の手を握った。しかし、七の手を握る触手はそれを無理矢理はがそうとする事もなく、ただ七の手を握っている。
「下の方も、触ってもいいですか?」
 七の手が空気孔から離れ、触手の先に指を絡めて聞いた。
「ああ、いいよ」
 握り合った触手を下ろして、蝕神は自らの下半身へ七の手を導く。
 上半身よりも硬く、端くれだった長い下半身を撫で回して、七は嬉しそうに笑っていた。
「ほんとに、ムカデみたいな手触り……この足も、同じだ」
 そう言うと七は自然な所作でムカデのような節足をパキッ! と逆向きに曲げ折った。
「あ! 折れた! 案外脆いんですね……」
「そうみたいだな。折れたところは初めて見た」
 パキッ、パキッと小気味いい音に表情を綻ばせて、七は手の届く範囲の節足をひとつひとつ折っていく。
 折れた足から滴る血で床が汚れ、七の寝間着が薄桃色に染まって行く。


 
 楽し気に自身の足を手折る七を見下す蝕神の顔には、かすかな興味と、淡い慈愛が浮かんでいた。
「ムカデとは違うところもあるぞ」
 そう言うと蝕神はごそりと下半身を蠢かし、自身の身体の内側を曝け出すことにした。
 七の態度は、今まで伴侶にしてきた人間のどれとも違った。
 永く生きる神々は、その悠久の暇つぶしに人間を伴侶に迎えている。
 蝕神も人間の伴侶を得たことは数え切れない程あるが、寝所をともにした人間の数は少ない。
 蝕神の性質なのか、なにか他の理由があるのかは不明だが、蝕神の身体は快も不快も受け取らない。
 肉欲は人間だけのものではなく神々も好むものだが、蝕神は交合に快感を得られず、そのせいで興味関心が薄かった。
 また、人とは違う醜い身体は伴侶を怯えさせるだけであり、そうすることは蝕神の望みではなかったからだ。
 しかし、ここ最近伴侶として迎えた人間は、今までの善良で弱々しい伴侶たちとは違う。
 美しい見かけと裏腹に生き物を傷つけずにはいられない醜穢な心を持つこの伴侶ならどういう態度を取るのかと蝕神は悪戯のような好奇心で、己の秘密を晒したのだ。
 案の定、七の瞳は後ろ暗い興奮にギラつき、自然な仕草で蝕神の身体を傷つける。
 禍々しくも神である蝕神の肉体は損失してもいづれ元に戻る。痛みもほとんど感じない。
 蝕神は荒く熱い息を繰り返す七へ、かさこそとにじり寄り耳元で囁いた。
「ほら、見てごらん七や。私には肉の中身があるんだ。ムカデと少し違うだろう?」
 触手が七の顎をくすぐり、視線を誘導する。
 視線の先には蝕神の下半身の先端、尻尾があった。
 蝕神は硬質の尻尾をくねらせると、くるりと腹側を向ける。
 パキパキ、パキッ、と小気味いい音を立てて節と節とのあいだを開くと、尻尾の先端より少し上がぱっくりと割れた。
 硬質の外骨格の中には、肉の色をした粘膜があった。
「蛇の孔のようだろう」
 蝕神は低い声を少し弾ませて尾部を持ち上げると、孔の部分に触手の先を突っ込んだ。
 ぐちゃ、ぬちゅ
 濡れた音がする、潤んだ肉色。
 七の目は釘付けになり、ごくりと喉が鳴る。
 ぬちゃと音を立てて広がった粘膜を見せびらかして、蝕神がにやりと耳まで唇を引き上げた。
「七、触ってみるか?」
「え?! いいんですか?」
 蝕神は嘲るような低い笑い声で身体を揺らす。
「お前が気色悪くなければ触っていいぞ」
「嬉しい……」
 七は手のひらを肉色の肉壁に当てすりすりと撫でる。
 肉壁はビク、ビクと脈打ち、とろりとした粘液がか細い糸を引いている。
「うわぁ、ぬるぬるしてる……これ、手はどこまで入るかなぁ」
 指を少しずつ入れていく。ぬるぬると柔らかい肉が指を食む感触に頬を弛める七。
「はぁ……あぁ……すごい……手が、全部食べられちゃう……」
 ぐちゅっ、ぐちっ、ぬちゅ
 肉穴の中を一心不乱に手でかき混ぜる七を、蝕神は長い身体をぐねりと曲げて至近距離で見つめる。
 ハッと顔を上げた七は、眉を下げバツが悪そうに目を泳がせた。
「あっ……ごめんなさい……い、たい、ですか?」
「いいや、特に何も感じない。お前の顔が楽しそうだから」
 怯えた顔で伺う七へ、蝕神は長い身体を屈め少年の薄い唇にそっと口付けた。
「ん!?」
 七の喉から驚きの呻きが漏れる。薄い唇が緊張に引き結ばれたのは一瞬だけだった。
「ん……ぁ、ぅ」
 七の唇から力が抜け、ゆるく開く。
 細い腕が蝕神の太い首に絡まり、頬を真っ赤に染めながらも七は蝕神の口付けを受け入れる。
 開いた唇のあいだから、蝕神の舌が複数、七の口の中に入り込みうぞうぞと動き回る。
「あう……んぅ……ふ、ぁぁ~……」
 七は蝕神の複数の舌に口内を舐め回され、華奢な身体を震わせ、甘い声を漏らしている。
 下半身が、もじもじと控えめに蝕神の硬い外骨格に擦り寄せられている。
 蝕神は興奮する七を、じっと複眼で見つめていた。
 整った造形をした七が、己の醜い身体を見て、害して、ふっくらとした丸い頬を赤らめて興奮するさまは、蝕神の心に充足感をもたらした。
「あぅ……ん、蝕神さま……」
 柔らかくほてった頬を触手で撫でると、七はそれをぎゅっと握り、頬をすり寄せて甘えた。
 七の仕草に、蝕神は他の触手も伸ばし、長い胴体をも巻きつけ、閉じ込めるように七の華奢な肉体を抱き締めた。
「あぁ……蝕神様」
 触手に抱きしめられた七が甘く息を吐く
「七……かわいい七」
 蝕神の低い声が、七の耳にかかる。
 巻きつけた長い触手で、華奢な身体を摩り、より一層強く尾部を絡めると、突然「ふぁっ!」と大きな声を上げた七。
「どうした? 痛かったか?」
 蝕神は驚き、絡まった身体を離す。
 ふるふると震えている七は、目を潤ませて下腹のあたりの衣をぎゅぅと握りしめている。
「い、いえ……あのっ、えっと……」
 視線をうろうろと彷徨わせて、言い淀む七。
 強く隠すように衣を握りしめるその姿に、蝕神はふと、ひとの身体のしくみを思い出し「気をやったのか?」と静かに問う。
「ふあっ!? あ、あの……えっと……はい」
 蝕神の問いに七は肩を跳ねさせ、ますます俯いたあと、蚊の鳴くような声で肯定した。
 蝕神は、うぞうぞと無数の足を動かして小さく俯く七の周りをぐるりと囲むと七の背を優しく撫で、赤い耳に囁いた。
「見せてほしい」
「え?」
「七の魔羅を見たい」
 蝕神の黒い目がじっと七の目を見つめている。柔らかい触手がスルスルと伸びて七の頬を、首を撫でていく。
「あう、う……はい」
 蝕神にねだられ、七は紅潮した顔で頷くと身体の力を抜いた。それを待ちかねたように触手が手早く、スルスルと衣服を剥ぎ取った。
 裸になった七の裸体は可憐であった。
 白くみずみずしい肌に、青年へと成長し始めたすらりと伸びた手足。
 つるりとした胸、腹、そしてわずかな下生えを押し分けるように、いまだ上を向いてピクピクしている若い茎。
 蝕神は長い身体を下げて七の魔羅をまじまじと見つめる。
「あ、ぅぅ……」
 あまりにも近くで見つめられて、七は真っ赤な顔を腕で覆った。
「どうした?」
「は、恥ずかしい……です……」
 首まで赤くしてくぐもった声で七は応える。
「恥ずかしいがらずとも良い。七は魔羅までかわいいなぁ」
 蝕神の声には、うっとりと熱がこもっていた。それは当の蝕神さえも気づかないかすかな熱。
 しかし、身体は熱情に正直に動いて七の身体に触手を巻きつけ撫でさすり、複数ある舌は七の魔羅に絡みついた。



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