第146回　狸囃子に結いし秘め事　嘘の一夜に縋って溺れ　水面に映るは誰の顔？

“不思議なこと”に事欠かないものは沢山ありますが有名どころとしては鏡があります
姿を映すあの鏡です

皆様も鏡にまつわる不思議なお話をひとつ位は聞いたことがあるのではないでしょうか？
例えば合わせ鏡で自分の死に顔が映るや20歳まで「紫鏡」という単語を覚えていたら死ぬ、吸血鬼は鏡に映らないや記紀神話の八咫鏡など･･････もっと単純に自分以外居ないのに誰かが鏡に映り込むなんて話は都市伝説から神話まで枚挙に暇がありません
御伽噺でアリスが異世界に行くのにも鏡を使っていましたね

これだけ多くの“不思議な逸話”があるのならもしかしたらひとつ位は･････なんて思ったりもします
そして案外あっさりとそんな伝承の場面に出くわすかもしれません
なんと言っても“不思議なこと”と出会うのは人間の特権なのですから

あ、「紫鏡」に関しては「白い水晶」という単語を覚えておけば呪いには掛らないので御安心下さい

第145回　牡丹夢見て狐牡丹に恋をする

人に化ける妖怪は古今東西枚挙に暇がなく狐や狸はその代表です
彼/彼女らの化けるキャリアは十年二十年どころか百年二百年･･･いえそれ以上になるのですからきっと今や完璧と言って良いほどに人に化けることができるのかもしれません
伝承を見ると人を化かす（人に化ける）理由としては「誘惑するため」と「馬鹿にするため」の二つが多い気がします

人間を誘惑する為に必死に化ける練習をしていざ人里に来たら
耳や尻尾を生やしたかつての狐狸妖怪たちが“失敗”と称した状態･･･いわゆる“狐娘”が人気な現代社会に複雑な思いを抱くかもしれませんね
誘惑した人間がまかり間違って“狐娘好き”だったらすごく負けた気持ちになりそうです

勿論こんなのは浅い妄想に過ぎずもっと上手くやってる可能性もあります
なんと言ってもあちらは数百年以上人を化かしてきた大ベテランなのですから

第144回　昨日の日照雨（そばえ）に芍薬笑う、明日もきっと天気雨

7月最後の記事です

前回は夕方の話をしましたが夏といえば夜を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか
祭りや肝試し等々夏の風物詩として枚挙に暇がありません
短夜ではありますが夜の行事は四季の中で一番多いかもしれないですね

そして夏の夜といえば幽霊や妖怪の目撃が最も多い時間（時期）でもあります

･･･ですが現代の妖怪や怪異は大変そうです
街灯によって夕闇を畏れる人は減るし、脅かそうにも映像技術で目の肥えた人も多そうですし
家電（無機物）が当然の様に喋る（音声ガイド）時代は付喪神に立つ瀬がなく
最近は“人間が一番怖い”というオチの怪談も多く物の怪も口惜しやと嘆いていることでしょう

ですが科学に、医学に、経験に、常識に否定され数千年の歳月を経ても未だ人は瞑々を畏れているのでアヤカシ達は待っているのかもしれないです

いつか人が畏れを思い出す時を
忘却された怨みを忘れぬままに

この恨みはらさでおくべきか、と

第143回　千年経てども万年幼狐、妖狐夢見て俄芝居

気がついたらそろそろ６月も終わります･･･ということを毎月言ってる気がします
いえ、気のせいではないのですが
更に６月の場合は「もう一年の半分が終わります」という台詞もセットです

こう見ると一体何をしてそんなに時間だけが過ぎ去ってるんだと思いますね
単純にボキャブラリーや会話の引き出しがないだけなのですが

閑話休題
今回は『管狐のお話』の進捗報告記事です
いい加減タイトルを決めたいですね･･･

第141回　天壌狐狸の化かし合い　無始曠劫からのじゃれ遊び

気がついたら5月もそろそろ終わりを迎えます
ここ10日あまりの記憶がなく日付や時間を確認できるもの全てが一晩で狂ったのかと思いました
日常に変化がなさ過ぎるのも一因かもしれません
いつも待つ時間は長いのに追う時間はすぐに過ぎ去ります

まずは謝辞をば
GWという時期に作品をリリースできたからか何件かのレビューやコメント、感想などをいただきました
本当にありがとうございます❀
大袈裟ではなく心の栄養であり生きる活力となっております❀
私の持つ語彙を尽くしてもまだ足りない程の感謝に万感胸に迫るばかりです